国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年6月5日(木)11:26~11:33

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   今日の国家公安委員会定例会議の状況について御説明申し上げます。委員は、全員出席でございます。警察庁から「平成25年中における行方不明者の状況」、あるいは「高齢運転者による交通事故防止に関するアンケートの実施」等々について、報告がございました。会議の状況については、以上でございますけれども、ここでサイバー攻撃情勢について一言触れさせていただきたいと思います。
 サイバー攻撃が国家の安全保障、危機管理にもかかわる深刻な脅威となっていますけれども、警視庁におきましては、重要基幹産業及び政府機関を対象としたサイバー・インテリジェンス事案の捜査を進めたところ、その実態が明らかになってきました。
 捜査の結果、高度なスキルを持って、長期間にわたり、数十台のコンピュータを使用して、周到な準備の上で対象を欺く、サイバー・インテリジェンスを行う攻撃者組織の存在が浮上してまいりました。また、攻撃に使用されたサーバの利用に中国人の関与が疑われます。ウイルスの作成環境言語が中国語とみられること、また中国を発信元・発信先とする多数の通信がみられる、特に中国語の、いわゆる簡体字になっています。こういった特徴を有する攻撃も確認されています。今申し上げましたように、我が国の重要基幹産業及び政府機関を標的としてサイバー・インテリジェンスを行っているプロフェッショナルな組織が存在しているということを踏まえまして、政府機関あるいは企業は、情報セキュリティ対策を一層強化していく必要があると考えます。
 警察においても、国家の安全保障、危機管理にもかかわるサイバー攻撃について、引き続き、諸外国とも緊密な連携をとりながら、その実態解明に向け捜査を進めていくよう、警察を督励してまいります。私からは以上であります。

問  大臣にお尋ねします。高齢運転者による交通事故防止に関するアンケート結果が公表されました。結果について大臣の所感をお願いします。

答  (大臣)平成25年中の75歳以上の高齢運転者による死亡事故は、458件でございまして、11.9パーセントとなります。これは10年前には5.5パーセントですから、約2倍。昨年の国会でも「高齢者が加害者となる死傷事故を減少させるため、抜本的な対策を検討すること」とする附帯決議がなされておりまして、今回はこういったことを踏まえまして、アンケートをさせていただきました。アンケート調査の結果は、高齢運転者対策が必要との声が多かったです。したがって、本年6月16日に第1回高齢者講習の在り方に関する調査研究委員会を開催させていただくことにいたしました。
 高齢運転者対策に加え、高齢歩行者対策も重要であると考えています。先日も発表させていただきましたが、6月7日、愛媛県松山市におきまして、「地域で高齢者を交通事故から守るには」、このテーマで「車座ふるさとトーク」を開催して、高齢歩行者の交通事故防止対策等々について、地域の皆様の様々な意見を聞いて、今後の対策に生かしていきたいと思っております。
 私も就任以来、高齢者の事故防止を重要な課題として指摘をさせていただきましたが、今後ともその対策を強化したいと思っています。
 なお、高齢者の方々の運転は、地域によっては運転をせざるを得ないという環境にあることも事実であります。それは都会だけではなくて、地方においても核家族化が進んで、高齢者が買い物等のために公共交通機関がありませんので、運転せざるを得ないという環境があります。だからこそ、高齢者の対策というのは、警察庁だけでできる話ではなくて、地方公共団体あるいはNPO始めボランティアの団体が、例えば運転を代わるだとか代行するだとか、そういった新たな知恵を出して、社会全体が高齢者の交通事故防止対策に取り組んでいく必要があると私は認識いたしております。

問  長官にお尋ねします。栃木県の旧今市市で、下校途中の小学校1年の女児が連れ去られ殺害されまして、茨城県で御遺体が見つかった事件ですが、8年半ぶりに被疑者が栃木で逮捕されました。子どもの安全等のシステムについて、社会にいろいろと問題を突きつけた衝撃的な事件ですけれども、改めて検挙を踏まえ、この事件についてのお考えを伺います。

答  (長官)お尋ねの事件につきましては、平成17年の12月から栃木・茨城両県警察で合同捜査本部を設置して捜査を推進しておりましたところ、先日、6月3日、被疑者を特定し、これを逮捕したものであります。
 本件は、小学1年生の女子児童が被害に遭った、誠に痛ましく、かつ、社会に大きな不安を与えた事件であります。捜査中でありますので、具体的な内容につきましては、お答えを差し控えさせていただきますけれども、今後、合同捜査本部において、法と証拠に基づき、厳正・適正に捜査を進め、事件の全容解明を図っていくものと承知しております。