国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年6月26日(木)12:02~12:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   今日の国家公安委員会定例会議については、委員は全員出席です。議題事項については、「国家公安委員会に対する審査請求事案の決裁」、そして「犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審理状況及び裁決」等々について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他には、警察庁から報告事項について報告がございました。
 なお、今日、いわゆる脱法ドラッグのことについても議論がございました。御承知のように過日脱法ドラッグによる重大な交通事故、死亡事故が発生いたしました。御承知のとおりこの脱法ドラッグについては私と厚生労働大臣の間で昨年に包括指定をさせていただいて、また、今年の4月1日からはいわゆる単純所持も違法ということになりました。包括指定も1,300以上、1,378でしたかね、指定されております。まあ、事実上脱法ドラッグというよりはむしろ違法な麻薬に等しいものでございまして、この脱法ドラッグというと、ややもするとちょっとそういう意識を国民の皆さんが持っていただけない、あらぬ誤解を招くことがあります。このネーミングを含めて、それから実際にこの脱法ドラッグは本当に麻薬に移っていくこともありますので、そういった有効な対策、規制というものがどうあるべきか、ネーミング等々について、厚生労働大臣ともしっかり議論をして進めていきたいと思うし、また警察に対しては乱用者や販売事業者に対する取締りの徹底を督励してまいりたいと思っております。私からは以上です。

問  大臣にお尋ねします。改正児童ポルノ禁止法が成立しました。今後は、児童ポルノの単純所持も規制されることになりますが、法令の施行に向けて大臣のお考えをお願いします。

答  (大臣)前国会において、議員立法で児童ポルノの単純所持を規制する法律ができた、大変私は意義深いものがあると思っております。これは1年間適用が猶予されますけれども、一部の規定は7月15日から適用が始まるということになります。
 警察は、取締りを通じて、児童の保護と権利の擁護について適切な役割を果たす必要があると考えております。その活動が積極的かつ適正に行われるよう警察を督励してまいりたいと思います。
 G8の中で、日本とロシアには、この規制がございませんでしたけれども、これで日本にこの規制ができましたので、残るはロシアのみということになりました。非常に意義深いものであると考えております。

問  長官にお尋ねします。間もなく松本サリン事件の発生から20年になります。この20年間の警察の化学兵器テロに対する態勢や装備の整備状況についてお願いします。

答  (長官)平成6年6月27日に松本サリン事件が発生いたしました。そして、平成7年3月20日に東京において地下鉄サリン事件がございました。警察におきましては、これらの事件を受けて、サリン等による人身被害の防止に関する法律案を閣法で国会に提出し、これは成立いたしました。この法律は、サリン等の製造・所持等の禁止や被害発生時における警察官の措置等を規定したものであります。また、原因物質の検知・除去、被害者の救出救助、避難誘導等に当たる、NBCテロ対応専門部隊及びNBCテロ対策班を各都道府県警察に設置したところであります。併せて、NBCテロに対応するための装備資機材の充実、訓練の強化、テロ関連情報の収集強化等のテロ対策に取り組んできたところであります。
 今後とも、情報収集の強化や警戒警備の徹底により、テロの未然防止を図るとともに、万が一化学テロが発生した場合に備え、NBCテロ対応専門部隊等の装備資機材の充実や訓練の強化を進めるなど、今後とも化学テロ対策に万全を期してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。岐阜県美濃加茂市の市長が業者から現金を受け取ったという収賄容疑で愛知県警に逮捕されました。全国最年少ということで知られる市長の逮捕の事件ですけれども、この事件についてのお考えをお願いします。

答  (長官)お尋ねの事件につきましては、本年6月24日、愛知・岐阜県両県警察の合同捜査本部において、美濃加茂市長ら2名を贈収賄及びあっせん利得処罰法違反で逮捕したものであります。現在、捜査中でありますので、詳細についてはお答えを差し控えさせていただきますが、この両県警察合同捜査本部において、鋭意捜査を進め、事案の全容解明を図るものと承知しております。

問  大臣と長官にお尋ねします。脱法ドラッグについてですが、大臣が「脱法」という言葉があらぬ誤解を招くとおっしゃったのですけれども、「脱法」以外の表現の仕方というようなことを具体的に厚労大臣と今後何かお話しをされたり、もし現時点で大臣御自身が考えてらっしゃる何かネーミングがあればそれを教えていただきたいと思います。

答  (大臣)これはネーミングも含めて厚生労働大臣と相談していきたいと思います。包括指定をしたときも、昨年春先だったですか、厚生労働大臣と議論をしてこういった形にさせていただきましたので、今後も厚生労働省との連携は必要でございますので、対応していきたいと思っております。事実上違法ですから、ネーミングはどういう形にすればいいかも含めてよく相談はしたいと思っております。

問  長官に対しては、具体的に現時点でやっている取締りを更に具体的にどのような形で督励をするかということで、何かアイデアがあれば教えていただきたいと思います。

答  (長官)まず、ネーミングの問題から申し上げますと、この包括指定がされる前につきましては、いわゆる脱法ドラッグといわれているものは、それそのものの中には法律で規制されていないものが多かったわけでありますが、ただ、一部に覚醒剤成分その他のものが含まれておって、よくよく調べてみればやはり違法なものになるということがあったわけでありますが、この包括指定によりまして、非常に広範囲のものが規制されるようになりました。そういうことを踏まえて、よく厚生労働省と話し合いながらネーミングにつきましても検討していきたいと思っております。
 それから、取締りについてでありますが、このように広範に規制がされるようになった、さらには所持等も罰則がかかるようになったということも踏まえまして、現場の鑑定・鑑識の更なる深化を含めまして、取締りの充実に努めていきたいと考えております。

問  現在簡易鑑定というものがいろいろ難しいという現状にあるようですけれども、装備品などを新しくするとか、そういった部分でも検討の課題になるという理解でよろしいでしょうか。

答  (長官)非常に広範囲な物質が対象になりましたので、まずその科学的な知見を深めながら、もちろん装備についても、それからやり方についても更に改善を進めていきたいと考えております。