国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年7月3日(木)11:51~11:59

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   今日の国家公安委員会定例会議について御報告申し上げます。委員は、全員出席です。議題事項については、「射撃の下限年齢の引下げ要望等を受けて考えられる措置に対する意見の募集及び有識者ヒアリングの実施」、「極東会及び二代目東組の指定の確認」等々について説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、報告事項がございました。私からは以上です。

問  大臣にお聞きします。今朝の一部報道で日朝協議の中で北朝鮮が生存者リストを示したというものがあり、また先ほど総理は特別調査委員会の実効性が確保されていると判断して、制裁の一部解除を表明しましたが、これらを踏まえて大臣の所感をお願いします。

答  (大臣)まず、最初の質問ですけれども、一部新聞に何か北朝鮮からそういうリストが出たと、全く事実無根です。実際、私どもも戻った人間にも確認しておりますが、全くそういう話はありません。
 それから2つ目は先ほど総理も、官房長官も会見をしましたように、今回は前回の日朝合意に基づいて、北朝鮮がいわゆる最高指導機関、意思決定機関である国防委員会からこの委員会に特別な権限を付与して、そして、国防委員会、また国家安全保衛部の幹部等々が入って調査に当たる特別委員会ということで、これは客観的に見て私どもが主張していた、いわば特別の責任・権限が与えられた組織であるという判断の下に、先ほど4大臣会合並びに9大臣会合で、我々が今課している制裁の一部の解除について決定させていただいたということであります。総理が会見したとおりでございますが、これからが本当の交渉、厳しい交渉が始まる。私は、いつも胸突き八丁という言葉を使っておりますが、しっかりオールジャパン、政府を挙げてこの北朝鮮との交渉に当たっていくということに尽きると思います。

問  大臣にお伺いします。今回の日朝協議に今井参事官が、警察庁からも参加されていますけれども、今井参事官は今回の交渉にすべて同席していたという理解でよろしいでしょうか。

答  (大臣)そのとおりであります。午前中の約2時間、午後の2時間半、また昼休みのいろいろな打ち合わせを含めてすべて同席いたしておりました。

問  大臣にお伺いします。射撃の下限年齢の引下げの件ですけれども、東京オリンピック・パラリンピックに向けたものだと思いますが、これについて大臣のお考えをお願いします。

答  (大臣)2020年にオリンピック・パラリンピックがございますが、射撃競技というのは精神力・集中力が勝敗を決すると言われておりまして、関係者からもいろいろ話を聞きましても、メダルを取れるポテンシャルを日本人は兼ね備えているんだと、だから、非常にこの競技はポテンシャルが高いということを聞いております。
 今回、広く国民から意見を聞いて、それから、スポーツ関係者からも今ヒアリングをさせていただいておりまして、特にエアーライフルについては、できるだけ小さい時期から慣れ親しむということが技術の向上、そして、メダルを狙えるような選手の育成につながると思いますので、しっかり安全性の確保ということを前提に、年齢の引下げも含めて前向きに検討したいと考えております。もちろん、有識者等々の関係者の皆さんからヒアリングを丁寧に行うということは申し上げるまでもありませんけれども、できるだけこの秋の臨時国会を目標に銃刀法の改正案を提出できるような作業が進められるよう、警察庁に指示をしてまいりたいと思います。

問  長官にお尋ねします。神奈川県横須賀市に住む女性がはさみで刺殺され、元交際相手の男が逮捕された事件がありまして、女性が転居後の住民票の閲覧制限をかけていたということですが、そういった中で起きた事件です。この事件についてのお考えをお聞きします。

答  (長官)お尋ねの事件は、現在、神奈川県警において、鋭意捜査を行っているところでありまして、事件の背景、要因も含めて、現在、事案の全容解明に努めているものと承知をしております。
 この種の事案につきましては、警察としては、本年4月までに各都道府県警察で構築をされました人身安全関連事案対処体制によりまして、的確な対応を図るとともに関係機関等と連携して被害者の保護を徹底してまいりたいと考えております。

問  大臣にお尋ねします。先ほど、官房長官の会見で記者とのやりとりの中で、北朝鮮が最初の調査報告を出してくる時期的な目途について、官房長官が夏の終わりから秋にかけてというふうに発言したと報じられているのですが、その調査結果を日本側に伝えてくる時期的な目途に関して、日朝交渉の過程の中で何か話が出ているのでしょうか。それともそれは官房長官の見解というふうに理解すればよろしいでしょうか。

答  (大臣)日朝協議について私が報告を受けた中では、官房長官がかつて、だらだらやるものではないと。遅くとも1年以内だと。1年以内ということは拉致だけではなくて、遺骨だとか、あるいは日本人妻等々についても調査がありますので、トータルでということです。拉致問題は、むしろ、それほど私は時間がかかるものではないと認識しておりますが、そういう中にあって、大体遅くともそういう時期だろうということで御発言されたのだと認識をいたしております。協議の中でも、できるだけ早くやることは、日朝にとっても大切だということを言及をしていると承知しております。