国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成26年7月4日(金)10:45~11:00

2 場所 中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B

3 概要   今日の閣議では、御承知のように北朝鮮関連の制裁の緩和、人道支援目的の船舶の入港の禁止の緩和について閣議決定をさせていただきました。
 昨日、総理が会見をされましたように、これはスタートラインに過ぎません。私も胸突き八丁の協議が始まると申し上げておりますが、全面解決に向けてまなじりを決して政府としても取り組んでいきたいと思います。
 それから、拉致関係では、今日夕方5時から家族会の皆様方に一連の今回の動き等々につきまして丁寧に説明をさせていただきたいと思っております。私も出席して、皆様にお話しをさせていただきたいと思っております。
 以上が拉致問題であります。
 それからもう一点は、これは脱法ドラッグ関連で、先週、私も閣議後の会見で、この「脱法ドラッグ」という言葉がややもすると国民に誤解を招く表現ぶりではないか、現実には違法麻薬でございますので、これによっていろいろな重大な事故も多発いたしております。そこで、この脱法ドラッグのネーミングも考えるべきだということで、先週の閣僚懇談会でも提案させていただいて、厚生労働省とともに連携しようということで決定させていただきましたが、準備が整いましたので、7月5日から7月18日まで2週間、皆さんから広くネットで意見をいただくことにいたしました。警察庁並びに厚生労働省のホームページで募集いたしますので、是非国民の皆様、御意見をいただければと思います。やはり、人体にも影響のある極めて危険な薬物であり、こういうことにふさわしい呼称の御意見を是非お寄せいただきたいと思っております。

問  確認なんですが、今日の閣議で決定した北朝鮮の制裁の解除なのですが、人道支援目的の船舶の入港禁止のみを挙げられたのですが、閣議で決定したのはそれだけですか。

答  これは、手続上閣議決定が必要なのは、この人道支援目的の船舶の入港です。残りの2つ、人の往来、あるいはお金の携行金額の申請のアップは、法務省並びに財務省が対応することになります。ですから、申請があればそれを認めていくと、ルールに従って、今度の緩和措置に従って認めていくということになります。ですから実質的には同じような時期に制裁が緩和されていくということになります。

問  念のためですが、閣議では決まっていないけれども、法務省、財務省の緩和措置についても今日から。

答  そうです。そういうことです。

問  関連で、今日3つのメニューについて緩和するということですけれども、実際的には例えば今日から制裁緩和の効果が発生するというようなイメージでよろしいのでしょうか。それともまだ手続的に時間がかかったりするのでしょうか。

答  今日から緩和しますから、申請に基づいて対応すると。もちろん、例えば人の往来一つをとっても、原則、これは限定された9人の方を解除する。他の人間については従前どおり審査をして対応していくということに変わりはありません。いずれにしても、そういったしっかりとしたチェック体制というものは維持していくということになると思います。これは当然警察だけはなくて、関係機関としっかり連携して適切に対応してまいりたいと考えています。

問  入港なのですが、実際に入港する港というのは、例えばどこという想定があるのでしょうか。

答  それは申請をしたときにどこということになるのでしょう。私どもがどこの港ということで想定をしているわけではありません。

問  官房長官が昨日、1回目の北側からの通報というのが今年の夏の終わりから秋の初め頃とおっしゃいましたけれども、それまでの間、例えば、日本側が北朝鮮の動向についてチェックしたり監視したりしなければならないことはあると思うのですけれども、そういった何か体制みたいなものは考えていらっしゃるのですか。

答  今回こういう形で協議が始まるわけですから、あらゆる場合を想定して我が国としてもいろいろな頭の体操をして準備をしているということは否定いたしません。しかし、何をしているか、どういうことだということについては、個別のことに入りますので、私からのコメントは控えさせていただきたいと思います。

問  大臣、昨夜のテレビ番組で、拉致被害者については向こうもある程度中身が揃っているという発言をされていたと思うのですが、これは4分科会同時並行とか言っていますけれども、実際は拉致被害者についての調査結果が先行して示されるのではないかというお考えなのでしょうか。

答  どういう形になっていくかは、私の方から推測したり、言及することは控えさせていただきたいと思いますが、現実問題として拉致は北朝鮮によって、北朝鮮の意思により行われたことでございます。ですから当然その中身については把握している。これは誰が考えてもそういう自然な考え方にいくのではないでしょうか。一方、例えば日本人妻、あるいはその配偶者の問題については、捜査をするのにかなりの時間がかかるというのは否定はできません。すべての地域を対象にするということは北朝鮮側も言っておりますので、それと時間的な差というのはあって然るべきではないかと。いずれにしても、ソン・イルホ氏はできるだけ早く取り組むことが日朝双方にとって大切であるということを会談の中で言及しているという報告を受けておりますので、そういったことを総合的に考えて、拉致問題についてはできるだけ早く進めていく必要があると考えております。

問  確認で恐縮ですが、今のソン・イルホ氏の発言内容は、拉致問題に関して早急に取り組むことが日朝の間で重要だということなのでしょうか。

答  これは、拉致問題も含むという、今度の解決すべき分科会がそれぞれありますが、すべてを解決するのに早くした方がいいという趣旨だと思います。もちろんその中には拉致問題は当然最優先の課題の一つとして入っているというのは申し上げるまでもないことです。これはよく北朝鮮側も分かっています。

問  確認なのですが、今日、先ほどおっしゃっていたように御家族ともお会いになられると。御家族の中には今日の制裁解除に懸念される方もいらっしゃると思うのですが、今後、今日制裁を解除されて、また、北朝鮮の調査に何も進展がなければ制裁をまた改めて行うのですか。

答  だから、そんなふうになったら北朝鮮にとっても最後のチャンスを逸することになるんですね。その辺はしっかり北朝鮮が認識して、誠実な調査を速やかに進めていく。これが極めて大切だし、そうすべきであると我々は認識しております。

問  第1回の通報の前に北朝鮮側から具体的にどのような情報がもたらされるのか、その内容によるとは思うのですけれども、必要があって、日本から北朝鮮に調査団を派遣するようなケースがあった場合、これはシミュレーションでいろいろ準備をなされていることの、いくつかある中の一つだと想像するのですけれども、そのようなケースの場合、外交交渉であるのでそういったときも極秘のうちに行われるのか、それともそれは国民の目にもそういった動きがありますということを発表されるのか、その辺りはどのような姿勢で臨まれるのでしょうか。

答  今御指摘のようにあらゆることを考えてシミュレーションしているのは事実ですよ。だけどそれを、仮定の話を今ここでこうします、こうなる可能性がありますということをさすがにここでは申し上げるわけにはいかないのではないでしょうか。コメントは差し控えさせていただきます。