国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成26年9月3日(水)12:33~12:56

2 場所 警察庁第1会議室

3 概要   617日間、大変お世話になりました。国家公安委員会委員長としての在任の順番で、私は4番だそうでありまして、96人だったかな。なっていますので、それだけ長い間、一つの内閣で、一人の大臣がずっと務めたという結果だと思っています。先ほど、閣議後の閣僚懇談会でも、総理から我々閣僚に対して、ねぎらいの言葉がございました。「時にはいろいろ世論とはかけ離れた立場でも決断しなくてはいけないことが、それぞれの閣僚であったと思う、そういうときにはしっかり決断をして仕事を前に進めていただいた、このことについては感謝している、結果として617日間、一人の閣僚も交代することなく、この安倍内閣を前進することができた、皆様方に心から感謝を申し上げたい。」と、大変心のこもった我々にねぎらいの言葉がございました。私たちもこの安倍内閣を支えて、みんな心を一つに取り組んできた、3年3ヶ月間、私たちは野党暮らしをしました。これは前の選挙が本当に厳しい国民からの審判を受けましたので、皆さんそういう意味では真摯にその教訓を生かしたということだと思います。
 私は国家公安委員会委員長として、就任をしてから、いくつかのテーマに取り組まさせていただきました。まず就任して間もないときに、暴力団対策の徹底、特に九州の暴力団、信じられないような民間の皆さんを巻き込むような許し難い事件が起きました。そういった暴力団対策の徹底、警察官の増員を含めて対応させていただいた。あるいは、警察官の不祥事が続きまして、一昨年は470人近くまで上がったということで、この不祥事を如何に少なくしていくかと、基本的に私、日本の警察は世界一だと思っています。刑法犯の検挙率も含めてです。安全・安心の警視庁が設立して140年間、本当にそういう取組をしてこられました。ブエノスアイレスで、滝川クリステルさんが東京の安全をアピールしたときに、東京都では84億円のお金を落としたと警察に届出があって、そのうち30億円が警察にちゃんと届いて、そして、22億円は御本人の手元に戻っていると、実際30億円のお金が戻って来ると言ったときに、総理から聞いたことですが、場内がざわめいたそうです。これはもちろん日本人の道徳心とか精神文化もありますけれども、日本がそれだけ世界一安全・安心な国、治安維持のために140年間にわたって警察が努力してきた結果ではないでしょうか。現実に22億円というのは、平成24年の数字でそういう報告を受けて、私も改めて感心しました。それから、高齢者の交通事故が非常に多いということで、この対策も指示させていただいて、着実にその成果が挙がってきていると思います。また、交通関係では、私は就任した直後に交通局に対して、長官とも相談をさせていただいて、交通の取締りの在り方というのが、30年間ほとんど見直しができていないのではないかと、納得できる取締り、そして、取り締まられた側も納得して、そして、真に事故の防止に資する取締り、こういったものに変えていく必要があるんではないかということで、交通局の幹部も取締り先進国と言われるヨーロッパにも出張してもらって、現状を視察してもらいました。そして、昨年6月から12月にかけて、有識者懇談会を警察の中で初めてこういうもので作って、報告書を出してもらいました。今年の4月からはそれに基づいて、いろいろな取組が始まっています。これも私もドライバーでございますし、本当に車が好きです。国家公安委員会委員長になるまでは、秘書に車を運転させないで、ほとんど自分で運転しています。それくらい車が好きな人間でありまして、普段から走っていて取締りの在り方にも疑問を持っていたということでありまして、私のそういう実感からする取組を提案させていただいて、警察庁を挙げて取り組んでいただいて、そして、その改革がいよいよ動き出したということが、私は一つの印象に残っている仕事の一つであります。もちろん取締りの在り方だけではなくて、評価の在り方というのも見直していくという取組は、私は非常に大きな意義があるのではないかと思っております。そのほかにもサイバー犯罪対策、これも私としても力を入れさせていただきました。サイバー犯罪対策の関係閣僚会議の中でも、例えばログの保存一つとっても、なかなか結論が出ていないということであります。NSCの中でもそういった取組を提案させていただきまして、そういったサイバー犯罪をしっかり防止していくための新しいルール作り、これも大切だと思っております。それと最近では「危険ドラッグ」、「脱法ドラッグ」ということで、どうも危険性、違法性というものを認識しないまま、一般市民が手を出して、結果として不幸な事件が多発しました。私もこの取締りの徹底は厚生労働省と連携を取って、厚生労働大臣と取組をさせていただきました。昨年の春先には包括指定から始まりましたが、実効ある成果がなかなか挙げられないという中で、再びネーミングを変えて、そして、この取締りの在り方、そして、流通を如何に止めていくかということについても、今、警察と厚生労働省が連携をしながら取り組んでいただいているということであります。これも市民の安全・安心のためには極めて重要なことでございます。こういう取組を通じて、我々国家公安委員会としても、しっかり市民の皆さんの安心・安全を更に質の高いものにしていくという終わりのない取組をしていかなくてはなりません。是非とも新しく就任される国家公安委員会委員長におかれましては、私の考え方をしっかり引き継いでいただくとともに、更にそれを充実していっていただくことを期待したいと思います。そのほかにも、いろいろ取り組んだことがございますが、時間の制約もございますので、一言で言うと、非常に充実した国家公安委員会委員長としての仕事をさせていただくことができました。これもひとえに警察庁長官、始め警察の幹部の皆様が、私の指示に対して真摯にお応えいただいた結果でございまして、心から感謝申し上げたいと思います。
 拉致問題でございます。拉致問題は、私も十数年間、総理とともに取り組んできた問題でございまして、何とか前進をさせたい、解決したいということで取り組んできました。総理も自分の内閣のときにこの問題を解決するんだという強い意志でした。私もそのときにこうして自分が最後の拉致問題担当大臣になるんだというくらいの心意気で頑張りたいということで、現実にその取組をしてきました。やっと日朝協議が動き始めました。かつて日朝協議をすれば、拉致問題を言えばもうちゃぶ台をひっくり返して帰ってしまうというのが現実であったはずでございます。結果的に安倍総理の並々ならぬ覚悟と、そして、何と言っても私たちの政権が安定をしてきた、そして、国際社会もそれぞれの立場で強力に働きかけてきた、こういったいろいろな要因があって、北朝鮮も動かざる得なくなってきたと、しかし、これからが胸突き八丁の協議が始まります。是非、これは政府を挙げてやっていただきたいと思いますし、また、私もこの問題に取り組んできた人間として、党の中にあっても、この拉致問題解決のためには、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 いずれにしても、この617日という長い期間でありましたが、おかげさまで大変充実して仕事をさせていただくことができました。ただ、本当に忙しかったものですから、ほとんど休みがなかったというのがありますので、ちょっと体を休めさせていただいて、心機一転また頑張っていきたいなと、こんな気持ちで、非常に今、清々しい気持ちで、やり切ったという気持ちでこの場に立たせていただいております。担当記者の皆様方には、1年8ヶ月にわたりまして、大変お世話になりましたことを感謝申し上げながら、また、こちらに座っております事務の秘書官3人、政務秘書官1人でございまして、本当にいろいろと出来の悪い大臣をしっかり皆さんが支えていただいたことを感謝申し上げたいと思います。改めまして、今日こうやって12時過ぎの閣議で正確に申し上げますと、「このたび、都合により辞職いたしたくお願いを申し上げます。」こういう文章に国務大臣、古屋圭司と書いて、辞職願いを出させていただきました。そして、冒頭にもお話ししましたように、総理大臣から本当に心温まるねぎらいの言葉がございました。安倍内閣の一員として、1年8ヶ月にわたってチームを組んで仕事をさせていただいたこと、大変誇りに思うとともに、また、大変充実した時間でございました。しっかり心機一転、これからも安倍内閣を支えて、そして、また日本を更に元気にさせるために、全力で頑張ってまいりたいと思います。ありがとうございました。

問  拉致被害者の御家族の方々と最近何かお話はされましたか。

答  この数日間は、特に電話はしておりません。でも、頻繁に私は拉致被害者の方々とはお目にかかっておりますので、しっかりまた機会をみて、また、いろいろ私は党でもあるいは議員連盟の方に復活しますので、引き続き家族会の皆様とはしっかり接触しながら、御意向を聞いていきたいと思っています。

問  家族会代表の飯塚さんや横田夫妻に何かお伝えになりたいことはありますか。

答  この内閣の下で、絶対拉致問題を解決する、これは安倍内閣の安倍総理御自身の強い決意でございますから、是非その言葉を信じて、私たちをしっかり応援していただきたいと思います。是非よろしくお願いいたします。

問  拉致問題についてお伺いします。大臣、最後の拉致問題担当大臣になるという気持ちで努めるとおっしゃっていて、正に胸突き八丁の協議の結果が、正に出ようとしている中で、最後の大臣になれなかったという、その心残りというのはおありでしょうか。

答  それはないです。むしろ前進しているということです。私は、まだ申し上げてなかったか、それぐらいの覚悟でやらないと、これは北朝鮮にその気迫が通じないだろうという意味で、あえて自分を鼓舞するために申し上げたんです。安倍内閣の下で、解決するということが一番大切なことですから、私は党に戻っても、引き続き、この問題徹底的に取り組んでいきたいと思っています。

問  関連なんですけれども、交渉の結果が間もなく出るとされている中で、次の大臣は、その結果を家族の皆様に説明をするという非常に重い任務が待ち構えているわけですけれども、このことを踏まえて、次の大臣にメッセージというわけではないですけれども、交渉の結果を伝えなければならいというお立場という、拉致問題担当大臣になられる次の大臣に対して、どのように。

答  これは正式に発表されていないので、任命権者は総理ですから、誰と申し上げるわけにはいきませんけれども、いずれにしても、適材適所でこの内閣は人を選んでいますので、しっかり拉致問題について深い知識をお持ちの方が就任されると、私もそう予測しておりますので、是非引き続きこの問題をしっかり政府・与党連携してやっていっていただきたい。そして、何と言っても家族の皆さんには、もう十二分な御配慮をされた上で対応する、これは今までもそうでしたし、今後もその姿は寸分も変わりはないと思います。そんなことを是非、次の大臣はやっていただけると、私はそう信じております。