国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年9月25日(木)11:36~11:44

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は、全員出席です。議題事項については、「国家公安委員会・警察庁外部通報処理要綱の一部改正」等について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。
 刑事局からは、女子児童被害に係る殺人死体遺棄事件について報告がございました。本件は、昨日、兵庫県神戸市で行方不明となっていた小学1年生の生田美玲さんの御遺体が発見され、47歳の男が死体遺棄罪で逮捕された事件であります。
 美玲さんの御冥福を心よりお祈りするとともに、御家族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
 この事件につきましては、兵庫県警察で全容解明に向け、鋭意捜査が推進されているとの報告を受けております。
 私といたしましても、今後、子どもたちが地域社会の中で安全に安心に暮らせるよう、警察が関係機関とともに取り組むよう意を用いてまいりたいと思います。

問  大臣にお尋ねします。今年上半期の薬物・銃器情勢がまとまりました。薬物に関しては、特に覚醒剤は暴力団の検挙がコンスタントに5割以上となっていますが、一方で、銃器に関しては、暴力団からの押収量が低迷しているのが現状です。大臣の所見をお願いします。

答  (大臣)薬物情勢につきまして、検挙人員は減少傾向にあるものの、大量の覚醒剤が押収されているとの報告を受けており、依然として憂慮すべきものであるとの認識であります。
 また、危険ドラッグについては、乱用した者による事件・事故が後を絶たず、依然として予断を許さない状況にあると認識しております。
 銃器情勢につきましては、最近の発砲事件数は低水準で推移し、死傷者数も減少傾向にありますが、暴力団等によるとみられる発砲が多数を占めており、引き続き警戒が必要であります。
 このような情勢を踏まえまして、総合的な薬物・銃器対策が強力に推進されるよう、警察を督励してまいりたいと思います。

問  長官にお尋ねします。上半期の児童虐待及び児童ポルノ事犯の検挙状況がまとまりました。数字を見ると、依然として深刻な状況が窺われますが、長官の御所見をお願いします。

答  (長官)本年上半期の情勢、まず児童虐待につきましては、警察から児童相談所への通告人員、更に犯罪としての検挙件数・検挙人員、それぞれ過去最多を記録しております。この数字の増加は、警察による積極的な取扱いが影響していることもありますが、児童虐待は近年高水準で推移しており、極めて憂慮すべき事態であると考えております。なお、死亡児童数は、過去最少を記録しております。また、児童ポルノ事犯につきましては、送致件数、被害児童数ともに、過去最多を記録しております。
 警察としましては、今後とも、児童の保護と権利の擁護に向けて、児童虐待につきましては、児童相談所を始めとする関係機関との連携を一層強化して、児童虐待の早期発見と児童の安全確認・安全確保を最優先とした対応を強力に推進してまいりたいと考えております。児童ポルノ事犯につきましては、「第二次児童ポルノ排除総合対策」に基づき、児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止や取締りの強化などの諸対策を一層推進してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。神戸市の小学1年生の女児の事件についてです。被害者の方は、学校から帰った後の時間帯に被害に遭ったと言われておりまして、子どもを地域社会がどう守っていくかという課題も改めて指摘されています。この事件の捜査、それから、子どもの安全対策について、長官のお考えをお聞かせください。

答  (長官)警察はもとより、地域住民の方々も元気な姿で児童が戻ってきてほしいと、そういう願いのもとに懸命の捜索をしてまいりましたが、遺体で発見されましたことは、誠に痛ましく、被害者の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に衷心よりお悔やみ申し上げたいと思います。この事件は、社会に大きな不安を与えた事件でありまして、兵庫県警察においては、9月24日、被疑者を死体遺棄罪で逮捕し、今後、動機面も含めて事件の全容解明に向けて、鋭意捜査を推進していくものと承知しております。
 犯罪の中でも、子どもが被害者となる犯罪については、特に多くの国民が不安を感じているところであります。
 警察としては、子どもの犯罪被害を防止するため、防犯ボランティア等地域の方々と連携して、通学路等の見守り活動や声掛け等の前兆事案等に係る情報提供を行い、また、学校と連携して、子どもに危険を回避する能力を身につけさせるための参加・体験型被害防止教室を実施するなどしているところであります。今後とも、関係機関等と連携して、子どもが犯罪に巻き込まれないための取組を一層強力に推進してまいりたいと考えております。