国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成27年1月22日(木)11:31~11:38

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は全員出席です。議題事項については、「銃砲刀剣類所持等取締法施行規則等の一部を改正する内閣府令案」等について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。
 定例会議の状況については以上でありますが、シリアにおける邦人殺害予告事案についてでございます。1月20日、「イラクとレバントのイスラム国」、ISIL、アイシルとみられる組織が、2名の邦人の身柄を拘束し、我が国に対し、72時間以内に身代金を支払うよう脅迫する動画がインターネット上に配信されました。このように人命を盾にとって他者を脅迫することは、許し難く、強い憤りを覚えます。
 警察庁では、外務省からの連絡を受け、1月20日午後3時、警備局長を長とする対策本部を設置し、また、警察庁職員をTRT-2、国際テロリズム緊急展開班の要員としてヨルダンにおいて活動させるなど、外務省等関係省庁と連携して情報収集に努めてまいりました。
 また、全国の警察への指示といたしまして、1月20日、国際テロ関連情報等の収集強化、水際対策の徹底、重要防護施設等の警戒警備の徹底を指示いたしました。引き続き、関係機関等とも連携しつつ、最大限の努力を尽くしてまいる所存であります。以上です。

問  大臣にお尋ねします。イスラム国関連の質問ですが、今回拘束されています2人の邦人について、今回のような事態になったということを事前に情報を把握できていたかどうかお尋ねします。

答  (大臣)湯川遥菜氏については、昨年8月中旬シリア北部で行方不明となっており、「イラクとレバントのイスラム国」、ISILによって、拘束された疑いが持たれておりました。また、後藤健二氏については、昨年10月末シリア北部で行方不明となっていました。
 本件については、関連情報の収集を行ってきたところでございますけれども、詳細については、邦人の生命に関わる事案の性質上お答えを差し控えたいと思います。

問  長官にお伺いします。邦人殺害予告事案で、公開された映像についてですが、影の方向など一部に加工されているのではないかという指摘が出ていますが、警察庁としてどのように対応されているのかをお尋ねします。

答  (長官)インターネット上に配信されたISILによって発出されたとみられる動画に映っている2名の男性については、親族による画像確認を含め様々な情報を総合的に勘案すれば、湯川遥菜氏及び後藤健二氏であるものと考えております。この動画については、加工されているという指摘もあり、分析を進めておりますが、現時点で断定的な結論を申し上げる段階ではありません。また、諸情報を総合すればこの映像がISILによってインターネット上に配信されたとみられることも含め、今回の事件はISIL関係者による犯行である可能性が高いと考えております。
 今後とも政府一体となってこの事件に対処するとともに、警察としては、関連情報の収集、水際対策、警戒警備を徹底し、この種テロの未然防止に万全を期していきたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。昨年中の警察官・警察職員の懲戒処分者数の状況がまとまりました。懲戒処分を受けた者が300人という、前年に比べるとマイナス89人と大きく減少しているという状況です。これまでの対策が一定の効果を示していると思います。長官御自身も業務の見直しなど指示されているところでありますけれども、今回の懲戒処分の現状についての御認識、対策についてお尋ねします。

答  (長官)警察改革以降減少し続けてまいりました懲戒処分者数は、平成21年をボトムとして、その後急激に増加いたしました。これに対して業務の合理化、効率化を進め、積極的に仕事を進めることと、規範を遵守することが両立でき、組織全体が前を向いて攻めの姿勢で業務を遂行することができるよう、国民の期待と信頼に応える強い警察づくりを進めてまいったところであります。その結果、一昨年、昨年と懲戒処分者数はかなりの減少を見ておりまして、平成21年の水準に近づいているという状況にあります。
 今後とも、国民の安全・安心を守ることを第一に高い規律と士気を有する警察を確立するよう、署長業務の見直し、通達の整理等の業務の合理化、効率化の施策を進めてまいりたいと考えております。