国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成27年5月22日(金)8:59~9:12

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   本日、5月22日は2004年に行われた第2回日朝首脳会談から11周年に当たります。御存じのとおり、2002年10月に帰国された拉致被害者の御家族の一部が、すなわち地村さん御夫妻と蓮池さん御夫妻のお子さんたちがこのとき帰国されました。さらに2004年7月には曽我ひとみさんとインドネシアで再会した御家族が帰国されました。しかし、その後拉致被害者の帰国につながる具体的な成果がありません。肉親との再会を切なる思いでお待ちの御家族の御高齢化等を考えますと拉致問題担当大臣として、このことは忸怩たる思いがあります。来週には、ストックホルムでの日朝合意から一周年を迎えます。改めて北朝鮮側に対し、同合意に従って迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するよう、すべての拉致被害者の安全を確保し、即時帰国させるよう強く求めていくところであります。

問  拉致についてお伺いしたいのですけれども、再訪朝、そして協議から11年という長い年月にわたったという、一方でまだ今なお北朝鮮に残っていらっしゃる、これについて長い年月御家族が待っていらっしゃる現状について、もう一度改めて大臣のお気持ちを伺えたらと思います。

答  拉致は北朝鮮による国家犯罪でありまして、我が国への主権侵害、そして、残酷な人権侵害問題だと考えております。長きにわたってすべての被害者を取り戻すという解決ができない状態というのは誠に遺憾であります。御家族の皆様、そして、北朝鮮で待っておられる被害者の皆様のことを考えますと一日も早く結果を出していきたいと考えております。

問  併せて、拉致についてお伺いしたいのですけれども、昨日、御家族の関連する集会などでも強い態度で臨んでほしいというような意見もありますけれども、大臣がおっしゃったストックホルム合意から来週で1年、また7月には調査を北朝鮮が開始してから1年というタイミングになりますけれども、今後、自民党の方では考えていますけれども、政府として制裁の強化であったりとか、対策強化どのように臨んでいかれるのか教えていただけたらと思います。

答  5月20日の自民党本部の会合でも、飯塚代表など制裁を強化すべきというようなお考え、御意見があったと承知しています。政府といたしましては、北朝鮮側から諸懸案の解決に向けた具体的な行動を引き出すために、何が最も効果的かという観点から不断に検討を行っていく考えであります。

問  イスラム国による邦人人質事件の関係で、昨日、政府の検証委員会の報告書が出されました。具体的な経緯や説明に乏しいのではないかという指摘もありますが、大臣の報告書に対する評価、並びに警察庁の一連の対応に対する評価について併せてお伺いできますでしょうか。

答  改めて卑劣なテロ行為を断固非難するとともに、亡くなられたお二人に哀悼の意を表したいと思います。
 警察としては、本事件への対応として、主に関連情報の収集・分析、科学警察研究所におけるインターネット上における配信映像等の検査・分析、御家族への支援を行ったところであります。今回の検証におきまして、警察に関連することといたしましては、情報収集・分析能力の一層の強化、TRT-2の活動基盤の充実、インターネット上の情報収集に係る体制強化等が課題とされました。今後、こうした検証を踏まえまして取組を適切に進めていきたいと考えております。

問  一連の事件に関する対応については、特に全体の成果としても大きな誤りがなかったという総括ですが、警察の対応についても大臣の評価としては適切だったというような総括をされているということでしょうか。

答  政府として改善強化に向けて取り組むべき課題の提示を含めまして、有識者からの専門的かつ第三者的な観点からの御意見も反映されておりまして、客観的で公正な検証が行われたと承知しております。今後、検証を踏まえた取組を適切に進めていきたいと考えております。