国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成27年9月11日(金)8:59~9:13

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   私の方から4点ございます。まず栃木県、茨城県等の大雨についてであります。台風18号による記録的な豪雨のために茨城県常総市で鬼怒川が堤防決壊するなど非常に甚大な被害が発生しております。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。総理からは、政府の持てる力をすべて動員し、被災者の救命救助に全力を尽くすこと、早急に被災者等の状況を把握すること、確実に住民避難を実施することについて指示がありました。昨日来、自衛隊、警察、消防等による懸命の救命救助が行われております。また、本日、内閣府の赤澤副大臣を団長とする政府調査団を栃木県及び茨城県に派遣し、被害状況の調査、両県知事との意見交換を行う予定であります。政府としては、引き続き、被災自治体と緊密に連携して、住民の安全確保を最優先に被災された方々の救助、救援に全力を尽くしてまいります。
 次に拉致関係で、国民大集会のお知らせであります。13日、日比谷公会堂で開催される家族会、救う会、拉致議連、知事の会、地方議連主催の国民大集会に私も出席して御挨拶させていただきます。国民大集会、すべての拉致被害者を取り戻し、拉致問題の早期解決を求めるための会として、拉致被害者御家族の皆様はもちろん、日本国民、オールジャパンの決意を示す重要な行事であります。是非たくさんの方々にお越しいただきたいと考えております。
 続きまして、拉致関係でありますけれども、国連人権理事会のパネルディスカッション及びサイドイベントに被害者の御家族が御出席されます。9月14日からジュネーブで開催される第30回国連人権理事会において、9月21日に北朝鮮の人権状況に関するパネルディスカッションが初めて開催される予定であります。本パネルディスカッションは国際的な拉致、強制失踪及び関連する事項を始めとする北朝鮮の人権状況への国際的な意識を高めるとともに、理解を深め、問題解決に向けた戦略を議論することを目的としております。パネルディスカッションには、日本人の拉致被害者御家族を代表いたしまして飯塚耕一郎拉致被害者家族会事務局次長がパネリストの一人として参加される予定であります。このほか、本パネルディスカッションに附随して、国連で開催される拉致問題等北朝鮮の人権侵害に係るNGO主催、サイドイベントに横田拓也家族会事務局次長がパネリストとして出席する予定であります。拉致問題の解決に向けた北朝鮮の具体的な行動を引き出すべく、国際世論の一層の支持を得る上で有意義な機会になると考えております。
 最後に、「車座ふるさとトークin佐賀」についてであります。9月19日、佐賀県多久市において「車座ふるさとトーク」を行います。今回の「車座ふるさとトーク」のテーマは、「地域が一体となった少年の立ち直り支援活動を推進していくためには」といたしました。佐賀県の皆様の様々な取組について御紹介いただきながら、今後、次代を担う少年の非行防止・健全育成を推進する上で、地域一体となった少年の立ち直り支援活動を一層盛り上げるためにはどうすればよいか、広く意見をお伺いし、今後の施策に活かしてまいります。詳細については、事務担当者にお伺いしていただければと思います。以上です。

問  拉致の国連人権理事会についてお話がありましたけれども、「北朝鮮の具体的な行動を引き出すべく」という発言もありましたが、こうした機会を通じて国際社会に理解、国際世論の高まりというものをどう高めていくかということについて改めてどのようにお考えでしょうか。

答  安倍内閣、そしてEUが中心になって、人権理事会に北朝鮮の人権問題と拉致問題に関する調査をするような委員会を立ち上げてという動きの中で、調査委員会が立ち上がり、約400頁にわたる報告書が出て、そして昨年末には国連総会で、これは解決しなければならない問題だと、国際刑事裁判所に付託することを検討することを含む、また安保理の正式議題に初めてなるなど、国連、国際社会でこうした問題の深刻さを理解して、解決をしなければという機運がこれまでになく高まってきております。また、秋の国連総会に向けてこうしたパネルディスカッション、サイドイベントが開かれることによりまして、より一層そうした理解を深めて解決への機運高まっていく、また日本としては高めていくべく、すべての力を注ぎたいと思っております

問  それに先だって、13日、国民大集会が開かれて出席されるということですけれども、そこでなかなか進展がない中で、大臣としてはどのような訴えを挨拶の中でされるのでしょうか。

答  北朝鮮におられて、こうした日朝協議の動きをおそらく知っているであろう被害者の皆様の状況、そしてまた、日本の御家族の高齢化等、一日も猶予はならないと考えております。オールジャパンで国民が拉致は許せない、国家犯罪だ、またこの問題を解決することによって北朝鮮は国際社会での未来があるわけでありますから、一日も早いすべての被害者の救出、帰国ということで、国民が声を一つに大きく強く上げていく、それによって解決への大きな力となっていくと思いますので、そうした集会になればと考えております。

問  台風18号の暴風雨被害に関連してなのですが、地元の方からどういうふうな支援の要請があるのかということと、それにどう応えていくのかということ。鬼怒川の決壊に関して、結果として人が多く取り残されることになったのですけれども、現時点で避難指示とか勧告の在り方で政府として検証するべきところがあるのであれば教えていただきたいのですけれども。

答  台風18号に伴う大雨については、主に栃木県警察、茨城県警察において、警察の方は、情報収集、避難誘導、救出救助等を行ってまいりました。広域緊急援助隊、またヘリを派遣しまして、夜を徹して救出救助活動を行ったわけでございます。本日以降も被災地における各種活動が円滑に行えるよう、警察を指導してまいりたいと思います。確認されているだけでも1名の方が亡くなり、未だ多数の方が行方不明であるというような深刻な被害が出ているわけでありまして、必要な物資の確保、避難所の生活環境の整備など、地元自治体による被災者支援の取組、最大限に支援してまいりたいと思います。関東地方の大雨の峠は越えましたが、東北地方では本日昼前まで非常に激しい雨が降る見込みであります。国民の皆様におかれましては、引き続き、気象情報や自治体の避難勧告に十分注意し、避難勧告等が出されていなくても、少しでも危険であると感じたら躊躇なく自発的に避難するなど、安全確保を最優先に対応していただくようにお願いしたいと思います。
 防災担当大臣といたしましては、避難訓練も含めて、そうした防災意識の向上も含めて、ハード、ソフトを組み合わせ、緻密にこれからも積み上げながら、被害の最小化というのを図っていきたいと思いますし、また国土強靱化担当大臣といたしましては、強くてしなやかな国作りのために力を尽くしていきたいと思っております。

問  拉致の関係で、国連人権理事会のパネルディスカッションですが、大臣は参加される予定はあるのでしょうか。

答  パネリストは、国連人権高等弁務官事務所及びNGOからの提案によるものでございまして、そうしたコンセプトノートに基づき、家族会内部で飯塚耕一郎さんと横田拓也さんが出席ということであります。私は、これはいわゆる閣僚級会合ではないということでありますので、出席はいたしませんけれども、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長、また拉致問題対策本部の人間がまいりまして、様々サポートしていきたいと思います。

問  拉致関係で、先日、ソン・イルホ大使が共同通信の取材に応じたということで、その中で報告書はほぼ完成しており、報告書が遅れているのは調査結果を日本側と共有できていないためだと述べた上で、こうした状況を伝えるために日朝間の公式協議に応じる用意はある旨発言されておりますが、現状の日朝協議と照らして、このソン大使の発言についてどのように受け止められていらっしゃいますでしょうか。

答  御指摘の報道は承知しておりますけれども、報道の一々についてコメントするということは控えたいと思っております。重要なことは北朝鮮が日朝合意を誠実に履行して、一日も早くすべての拉致被害者を帰国させることでありまして、政府としては「行動対行動」、「対話と圧力」の基本原則の下に、一日も早く拉致問題の解決、結果を出していきたいと思っております。