国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察部分関連のみ)

1 日時 平成27年9月25日(金)9:31~9:47

2 場所 中央合同庁舎8号館5階共用会議室B

3 概要   台風第15号及び第18号についてです。本日、8月24日から26日にかけて、被害をもたらした台風第15号について、三重県多気郡大台町及び北牟婁郡紀北町を対象に農地等の災害復旧事業に係る特別措置を適用する激甚災害として指定する政令を閣議決定いたしました。次に台風第18号については、この間、被害状況の早期把握に努めてきたところですが、今般、全国を対象として農地等に係る特別措置を適用する、いわゆる本激の指定基準に達する見込みとなりました。今後、指定に向けて速やかに所定の手続を進めてまいります。また、公共土木施設等については、引き続き、被害状況の早急な把握に努め、指定基準に達することが判明すれば同様に所定の手続を進めてまいります。
 海外出張についてであります。9月29日火曜日から10月2日金曜日までの間、事情が許せば、第7回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議及び第2回日・ASEAN国際犯罪閣僚会議へ出席するなどのため、マレーシア及びシンガポールに出張する予定であります。
 今回マレーシアにおいて開催されるASEAN+3国際犯罪閣僚会議は、ASEAN10か国及び日中韓がテロや国境を越える犯罪に対して協調して取り組むべきとの考えの下、平成16年から隔年で開催されているものでありまして、今回で7回目であります。国家公安委員長の出席が求められております。
 日・ASEAN国際犯罪閣僚会議は、日・ASEAN友好協力40周年である一昨年に初めて開催され、今回で2回目でありますが、私がASEAN側代表とともに、共同議長を務めることとしております。これらの会議に出席しまして、テロ及び国境を越える犯罪に係る我が国とASEAN諸国との協力関係を発展させたいと考えております。また、シンガポールにおいては、治安関係機関要人等との協議を予定しております。詳細については、警察庁の担当部局にお問い合わせをお願いしたいと思います。

問  拉致問題についてお伺いしたいのですが、21日に国連の人権理事会でパネルディスカッションが終わりまして、御家族から早期帰国を訴えるなど、政府からは石川事務局長が行かれて、北朝鮮に対して厳しい姿勢を示されたと思うのですが、大臣として今回の一連の人権理事会の行事というか、会合についてどのように評価されているか、受け止めをお願いします。

答  21日、ジュネーブでの国連人権理事会、パネルディスカッションでは飯塚耕一郎さんから1歳で生き別れとなったお母様、田口八重子さんとの再会を切望する強い思いや、横田めぐみさんの例も挙げながら拉致問題の一日も早い解決の必要性を強く訴えられたと承知しております。また、政府代表として派遣した石川拉致問題対策本部事務局長からは、「すべての拉致被害者の一日も早い帰国は日本国民の総意であり、国家の決意である」という旨を述べまして、国際社会に拉致問題の解決に向けた日本政府の強い意志を訴えたところであります。同日開催されましたNGO主催のサイドイベントでは、先日、政府が作成しました御家族のビデオメッセージの英語版を流すとともに、横田拓也さんによるスピーチが行われ、残された家族には時間がなく、国際刑事裁判所は北朝鮮の指導者の責任を問い、圧力をかけるべきだとの訴えがされたと承知しております。昨年のCOIの報告書の公表と一連の国連決議の採択以降、この拉致問題の解決を求める国際社会、国連の機運というのは高まってきておりますので、今回のパネルディスカッションは、こうした国際社会の機運の更なる強化に向けて、意義あるものであったと思っております。引き続き、国際社会と連携しながら拉致問題の早期解決を含む、北朝鮮の人権状況の改善に向けて努力してまいりたいと思います。私の方からも今度の出張で、ASEAN諸国等との皆様と拉致問題についても取り上げて、各国の理解と協力を求めることとしておりますし、今後、年末に国連総会がニューヨークで開かれますが、そうした場に向けて、人権状況、拉致問題の解決に向けて働き掛けてまいりますし、今年の暮れの北朝鮮人権侵害問題啓発週間、また関係国、関係者を招いた様々な問題提起をしながら解決、結果を出すために頑張っていきたいと思います。

問  拉致問題なんですけれども、昨日、特定失踪者北朝鮮人権ネットワークという組織が発足し、拉致対の審議官も面会されたと思います。その中で、認定拉致被害者といわゆる特定失踪者の御家族の情報の格差を訴えられており、総理との面会を要望されたり、また遺骨や日本人配偶者の問題も含めて、すべての日本人について公平な調査と救済ということを求められています。大臣は今回のこの組織の発足についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答  政府といたしましては、政府認定の有無に関わらずすべての拉致被害者の救出、帰国に向けて全力を尽くしていく、結果を出していく、そして一日も早く結果を出していくということに変わりはありませんし、また特別調査委員会が立ち上がって一年以上経っております。しかし、誠実な帰国に向けた報告がまだ来ないということで、北朝鮮に対し誠実な報告を早くするようにということも訴え続けたいと思います。拉致問題というのは、北朝鮮の犯罪でありますし、当局の犯罪でありますし、我が国に対する主権侵害であります。したがって、最重要、最優先課題として取り組んでいくべき問題だと考えております。

問  関連しまして、こうした要望が出る背景にも繋がるかと思うのですが、日朝協議の現状として、いわゆる認定の12人については過去の調査結果を覆していないという一方で、遺骨については8,000柱の対象になる、約100億円という費用も要求してきたり、日本人配偶者についても具体的な名前を入れた提案をしてきているという指摘もあり、日本政府としては拉致最優先ということで、日本人配偶者に関する北朝鮮側からの提案については今のところ応じていないという指摘があるのですけれども、事実関係も含めてどうなのでしょうか。

答  そうした報道があるということは承知しておりますが、報道の一つ一つについてコメントすることはいたしません。遺骨問題に関してのこと、日朝間で遺骨返還の経費について、やり取りをしたことはございません。また、日本人配偶者の問題に関しましても、そのような事実はございません。

問  関連して、認定被害者の方について、過去の調査結果を現段階で覆していないという点についてはいかがでしょうか。

答  いろいろな報道の一々についてコメントすることはございませんが、引き続き、「対話と圧力」、そして「行動対行動」で一日も早いすべての拉致被害者の帰国を実現すべく、すべての力を傾注していきたいと思います。

問  今日の閣議で外務省の伊原アジア大洋州局長の交代の人事が決まったと思います。正にストックホルム合意の交渉以降の、以前から含めて、交渉の当事者であり、拉致被害者の御家族の方への説明も担ってこられたわけですけれども、このタイミングの交代ということは交渉に対してどういう影響を与えるとお考えでしょうか。

答  拉致問題の解決は安倍内閣の最重要、最優先課題でありますから、そうした様々な人事等いろいろある中で、そのようなことに影響があるということはございません。

問  昨日で鬼怒川の堤防が決壊して二週間になりますけれども、まだ多くの方が避難されていると思うのですけれども、それに関しまして所感がございましたらお願いします。

答  私も避難所を訪ね、また市長たちともお話をさせていただいております。また様々首長たちから要望、現状報告を受けているところであります。死者8名等の甚大な被害が発生しました、記録的な豪雨でありました。被害の最も大きかった茨城県常総市では、自衛隊は19日までに捜索活動を終了し、現在は茨城県警が捜索を継続しておりますけれども、新たな被害状況はなく、また応急復旧工事も完了し、ライフラインも復活、仮復旧しているわけでありますけれども、依然として約1,000人の方々が体育館等で不便な避難生活を余儀なくされております。被災者の方々、一日も早く元の生活に戻れるように県、市も取組を支援してまいりたいと思います。激甚災害、所定の手続を早急に行いまして、少しでも早く皆様方が安心、希望を持てるような、そうした支援をしつつ、様々な状況があると思いますので、具体的にお聞きしながら、被災者に寄り添いながら、生活再建、支援に努めてまいりたいと思います。