国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成27年10月29日(木)11:49~11:58

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   今日は午後から全国の殉職警察職員並びに警察協力殉難者の慰霊祭がございますので、このような格好をしておりますがお許しいただきたいと思います。本年、新たに16柱が合祀をされることになります。
 今日の国家公安委員会定例会議につきましては、「平成28年警察白書の構成」等について説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、報告事項もございました。私の方からは以上でございます。

問  大臣にお伺いします。今月から始まったマイナンバー制度に便乗した詐欺事件が散見されますけれども、全国の発生状況、その対策などがあれば教えてください。

答  (大臣)マイナンバー制度に関する詐欺で、実際に捕まった方が出たという話もございますし、相当多くの不審電話、26日までに78件不審電話があったというようなことも報告されております。昨日、甘利大臣のマイナンバー担当の大臣補佐官を務めている福田峰之代議士に相談いたしまして、これはかなり大々的な情報の周知徹底と言いますか、啓発活動と言いますか、国民の皆様向けにこういうことはあり得ないというようなことを少し展開しないと、新たな詐欺につながりかねないという懸念を申し上げて、少し相談させていただきました。大臣補佐官のところで、いろいろなことを取りまとめしていただいて、こちらに御相談承りたいと思っていますので、そこは甘利大臣のところのマイナンバー担当の補佐官と一緒に少し共同でいろいろなことを考えてまいりたいと思っております。

問  大臣にお尋ねします。自動車の自動化に向けて、先週23日から有識者で作る調査検討委員会が始まって、法的課題などの話し合いが始まったと思います。自動運転は自動車メーカーが開発を競っておりまして、政府も技術開発を後押ししていると思います。実用化には課題も多いと思いますが、検討委員会でどのような議論を期待されるのか、また将来の法整備に向けてのお考えなどをお聞かせください。

答  (大臣)自動運転が本当に可能になれば、居眠り運転とか脇見運転とか酔っ払い運転とか、あるいは昨日でしたか、宮崎のようなことが起きないわけで、安全確保にもつながってくると思いますので、私としては、これはもう全面的に自動運転の開発に向けて御協力すべきだと思っております。投資につながる官民対話でも議題になると伺っておりますので、そこは国家公安委員長としても、極めて前向きにこれは取り組んでいくものだと思っております。ただ、公道で実証実験をするときに、ガイドラインをやっぱりきちんと設けなければいけなかったり、あるいは実際に何らかの自動走行が可能になったときに、法律的にどう整理するのか、それからこのままいくと今の条約は誰かが運転することを想定としている国際条約になっておりますので、そこを含め直さなければいけないということでございますので、やらなければいけないことは多々ありますので、そこはしっかり取り組んでいくということにしながら、全面的にとにかくこれは日本がリーダーシップを取るというぐらいのつもりでやってまいりたいと思っております。

問  長官にお尋ねします。先日25日にトルコ大使館の前で、総選挙の在外投票を行うために集まっていた人たちの間で乱闘騒ぎが起きまして、怪我人が出ました。トルコではクルド人武装組織が長年政府と対立していて、今回の在外投票をめぐってもその投票前からトルコ人とクルド人の間でインターネット上で、激しくやり取りする内容の書き込みもあったということです。今回は警備の体制が整う前に事件が起きたそうですが、こうした国際情勢を踏まえた今後の警備の在り方についてお考えをお聞かせください。

答  (長官)警察では、情勢に応じて、所要の警備措置を講じているところでありますが、本事案では、東京都渋谷区所在のトルコ共和国大使館前において、暴行事案が発生している状況を受けて、機動隊を緊急に配備し、事態の鎮静化に努めたところであります。
 今回のような、他国における紛争や対立を背景とした外国人同士の大規模な集団暴行事件というのは、従来、見られなかったものでありますが、今後はこういった事態をも防ぐべく、大使館等ともよく連携して、事前の情報を十分に得た上で、必要な警備措置を講じてまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。指定暴力団山口組の分裂から2か月が経過しました。この間、警察は全国各地で様々な事件の捜査に乗り出しています。この2か月間の一連の事件の逮捕者の数、家宅捜索、強制捜査の対象箇所数、あとこの2か月の各府県警の認識、これからの対応についてお願いします。

答  (長官)六代目山口組の分裂動向が表面化してから、2か月余りが経過したわけでありますが、この間、警察では、組織分裂に伴う対立抗争事件を防あつする観点から、取締りや警戒を強化してきたところであります。
 お尋ねの六代目山口組及び神戸山口組に対するこれまでの取締り状況について申し上げますと、9月以降、昨日までに六代目山口組総本部を含む両団体の二次組織の事務所延べ76か所を捜索するとともに、これらの事件に関して、これらの組織の組長を含む幹部等96人を逮捕しているところであります。
 引き続き、両団体に対する取締りを徹底し、市民生活の安全確保に万全を尽くしてまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。茨城県に在住の会社経営者の男性が、群馬県内で御遺体で見つかるという事件がありました。男二人が死体遺棄容疑で逮捕されところです。金品の詐取等の容疑もあるように伺っています。重大な事件だと思いますが、この事件についての御所感をお願いします。

答  (長官)お尋ねの事件ですが、10月18日に前橋市内の土の中から会社役員の男性の遺体が発見された事案に関しまして、同人の遺体を遺棄するとともに、同人名義の会社の共済解約金をだまし取ったという容疑で、警視庁が10月27日、被疑者2人を死体遺棄及び詐欺罪で逮捕したものであります。
 警視庁において、引き続き、事案の背景、動機を含めた全容解明に向けて、捜査を徹底するものと承知しております。