国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成27年11月12日(木)11:13~11:20

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。河野委員長は、行政事業レビュー対応のため途中退席されました。委員は全員出席です。なお、本日は災害等緊急時の会議開催訓練のため、前田委員は御自宅におけるテレビ会議システムにより出席されました。議題事項については、「国家公安委員会が所管する事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応方針案等」について説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について、報告がございました。以上です。

問  長官にお伺いします。昨日、広島市でサミットの外務大臣会合の開催予定地を視察されたところですが、現場を御覧になった感想や警備上の課題などがありましたら教えてください。

答  (長官)外務大臣会合まで、あと150日となりました。この機会に広島に赴いて、現場の警備の準備状況を確認するとともに、会場の候補地等について視察させていただきました。
 この外務大臣会合はサミット関連の閣僚会合の中で最初に開催される、いわばキックオフの会合であります。その後6週間の間に7か所で関係閣僚会議が行われ、それを経て伊勢志摩サミット首脳会議に続くものであります。
 警備の面においても、主要国の外相が一堂に会するという意味で非常に重要な警備でありますし、かつ、その成否がその後の一連の関係閣僚会議の警備に大きな影響を与えるものと受け止めております。今回、関連候補地、候補施設等の視察をいたしましたけれども、この候補地が市街地に位置しているということと、三方が海に囲まれているという特殊な条件の中にあるということを踏まえた警戒警備を行うことが必要だと認識いたしました。従いまして警備に伴う検問や交通規制等については、県民の皆様の十分な御理解と御協力を得る必要があると思います。さらに、海の関係については、海上保安庁等、関係機関との緊密な連携が必要だと考えております。
 引き続き、広島県警を中心に警備諸対策を着実に推進することによって、外務大臣会合の警備の完遂を図っていきたいと思っております。

問  長官にお尋ねします。指定暴力団住吉会系幹部による診療報酬療養費の詐取事件を警視庁が摘発しました。暴力団だけでなく、一般の人もかなり事件に荷担している、組織的で悪質な事件だと思います。長官の所見をお聞かせください。

答  (長官)警視庁において、11月6日、接骨院の柔道整復施術療養費を不正に受給したという容疑で、指定暴力団住吉会傘下組織組長、柔道整復師ら16名を詐欺で検挙したところであります。
 本件は、国民健康保険法に基づく保険給付制度を暴力団らが悪用した詐欺事件ということで、極めて悪質な犯行であります。引き続き、警視庁において、全容解明に向けた捜査を行うものと承知しております。

問  長官にお尋ねします。関西地方で、男性が青酸化合物によって相次いで亡くなっている、連続殺人、不審死事件がありましたけれども、京都、大阪両府県警を中心として捜査本部が長期にわたって捜査してきたところです。追送致もして、捜査を終結したと聞いております。この事件についてのお考え、この事件をめぐってはいわゆる当時事件性はないと判断されていて、犯罪死を見逃すことをいかに防ぐかという課題も改めて指摘されたところです。この点も含めまして、この事件についての所感をお聞かせください。

答  (長官)お尋ねの件につきましては、4府県警察合同捜査本部が、青酸化合物使用の連続殺人事件について、11月6日に送致いたしました2件を含め、合わせて8件の殺人等を立件いたしまして、捜査を遂げて、同日、捜査本部を解散したものと承知しております。
 一連の事件は、被疑者の女性が夫や交際相手の男性を、毒物を用いて次々と殺害するなどした極めて悪質かつ残忍な事件であります。関係府県警察が協力して、粘り強く捜査を進めた結果、事案を解明して検挙に至ったものと認識しております。
 また、御指摘のように、捜査の過程で、警察が被害者の御遺体を取り扱ったにもかかわらず、犯罪性を見破れなかったという事案が認められたところであります。犯罪死の見逃し防止を更に徹底するために、来年度の予算の概算要求において、青酸化合物等を検出できる毒物検査キットの整備の経費を新たに盛り込むなど、取組の強化を図っているところであります。
 この種の事件は、そもそも認知ができなければ検挙もあり得ないのであります。認知の力は検挙の力の前提となるものでありますので、今後とも認知、検挙双方の力を強化すべく努めてまいりたいと考えております。