国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成28年4月28日(木)11:16~11:23

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。河野委員長は被災者生活支援チーム会合へ出席ですので、代理会見を私が行います。議題事項については、古物営業法施行規則の一部を改正する規則案など説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について、いろいろ報告がありました。

問 長官にお伺いします。熊本の地震から今日で2週間が経ちました。安否不明者1人の捜索が続いていると思います。そういった救命救助活動のほかに、現地で窃盗被害が確認されたところです。捜査とかパトロール、その他困りごと相談とか、警察がやるべきことはまだまだたくさんあると思います。この2週間について、お考えをお聞かせください。

答  (長官)今回の地震によりまして、これまで49名の方が亡くなられたことが判明しておりまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対し、心からお悔やみを申し上げます。
 最初の発災から、今日でちょうど2週間ということでありますけれども、この間、熊本県警察においては、39都府県から最大時約2,100人の広域緊急援助隊警備部隊、緊急災害警備隊等の派遣を受けまして、被災者の救助救出、避難誘導、捜索等の活動を行ってきたところであります。
 また、被災地域の安全安心を確保するため、19府県から最大時116人29台の特別自動車警ら部隊の派遣を受けて、パトカーによる警戒を強化するとともに、近隣の5県から最大時29人11台の特別機動捜査部隊の派遣を受けまして、常時被災地でよう撃捜査を展開しているところであります。
 被災地におきましては、これまで避難者宅への空き巣や住居侵入等の事案を25件認知しておりますが、うち2件を検挙し、その他は鋭意捜査中であります。また、地震に便乗した詐欺事件につきましては、被災者を装った寸借詐欺1件を認知・検挙いたしております。さらに全国で特殊詐欺の可能性のある不審電話、例えば郵便局あるいは銀行等を偽って寄付を募るというような電話でございますが、これを9件認知しているところであります。なお、この種のものの既遂事案はございません。
 また、9都府県から最大時44名の、主に女性警察官からなる特別生活安全部隊の派遣を受けまして、県内各所の避難所を訪問して防犯指導とか相談対応に当たっているところであります。さらに、36都府県から最大時約650人の広域緊急援助隊交通部隊の派遣を受けまして、主要交差点での交通整理や、国道3号線等における渋滞緩和対策、九州自動車道における物資輸送車両等に対する誘導等の交通対策を行ったところであります。警察といたしましては引き続き関係機関と連携いたしまして、未だ連絡のとれない方お1人の捜索に努めるとともに、不安な日々を過ごしておられます被災者の方々の安全安心を確保するための取組に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 なお、本日、平成二十八年熊本地震による災害を特定非常災害として指定する政令が閣議決定されたことを踏まえまして、本日の国家公安委員会において、運転免許証の有効期間あるいは猟銃等の所持の許可の有効期間などの、国家公安委員会所管の法令に係る行政上の権利利益の満了日を9月30日まで延長する措置が決定をされました。政令が公布・施行されます5月2日に告示を予定しております。警察といたしましては、今回の告示の制定を含めまして、この度の地震による被害の軽減のために必要な措置を講じていきたいと考えております。

問 長官にお尋ねをします。先日、神戸市の新名神高速道路建設現場で橋桁が落下して作業中の方々が亡くなられ、またけがをされる、重大な事故があったと思いますけれども、県警で関係先、施工業者など捜査しているところですけれども、この事故についての、捜査についての所見をお聞かせください。

答  (長官)本件は、4月22日金曜日の午後、兵庫県神戸市北区内の新名神高速道路建設現場において、架設工事中の橋桁の片側が車両等の交通量の多い国道上に落下をいたしまして、作業中の男性2名が死亡、8名が負傷した事故であります。これは一歩間違えれば、国道を通行する多数の一般車両が巻き込まれるおそれのあった、重大な事故であると認識をしております。
 現在、兵庫県警察において、事故現場の検証、関係者の事情聴取等、所要の捜査を行っているところであり、4月24日には、業務上過失致死傷で関係会社などの捜索を実施いたしました。今後、事故原因の特定や過失の有無など、本事故の全容解明に向けて、捜査を徹底していくものと承知しております。