国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成28年10月6日(木)11:20~11:24

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松本国家公安委員会委員長が欠席のため、私が代理でいたします。警察庁から国外犯罪被害弔慰金等の支給に関する法律施行規則案等について説明がありまして、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。以上です。

問 長官にお尋ねします。指定暴力団極東会系の組員だった男から現金を脅し取られたなどとして聴覚障害者らが極東会の会長らに損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が先月29日、会長らに賠償金の支払いを命じました。組トップの賠償責任を規定した暴力団対策法に基づく初の司法判断で画期的との評価もあります。所見をお聞かせください。

答 (長官)御案内のように暴力団対策法第31条の2に基づきます損害賠償請求訴訟は、これまで本件を含めて22件提訴されておりますが、本件はこの規定に基づき指定暴力団の代表者に対して損害賠償責任を認めた初めての判決であると承知しております。
 判決の内容についてコメントする立場にはありませんが、指定暴力団極東会の代表者に対して多額の賠償責任が認容されたことは、暴力団対策という上では、歓迎すべき結果であると考えております。
 今後とも、保護対策の万全を図りつつ、係争中の訴訟を含め、積極的な民事訴訟支援を進めるとともに、資金源犯罪を徹底的に取り締まるなど、暴力団の弱体化・壊滅に向けた総合的な対策を積極的に推進してまいりたいと思っております。

問 長官にお尋ねします。横浜市の病院で、患者の点滴に異物が混入されて男性の患者お二人が亡くなる事件が起きています。県警では殺人容疑等で捜査中かと思いますけれども、極めて社会的に影響の大きな事件かと思います。この事件についての所感をお願いします。

答 (長官)まず、亡くなられた被害者の御冥福をお祈りしますとともに、御遺族に対しましてはお悔やみを申し上げたいと思います。
 この事件につきましては、9月20日に横浜市神奈川区の病院内におきまして、入院中の80歳代男性が点滴に異物を混入され殺害された事件であります。また、9月18日に同じ病院内で亡くなられた入院中のやはり80歳代男性につきましても、司法解剖の結果、死因は中毒死であったとの報告を受けております。
 本来安全であるべき病院で発生した事件でありまして、地域社会に与えた不安も大変大きいものと思います。
 現在、神奈川県警察において、被疑者の検挙と、事件の背景や手口を含めた全容解明に向けて、鋭意捜査を推進しているものと思いますが、更に督励してまいりたいと思っております。