国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成28年10月20日(木)11:30~11:36

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。松本国家公安委員会委員長が欠席のため、私が会見を代理でいたします。今日は、警察庁から「犯罪捜査規範の一部を改正する規則案」について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がありましたが、このうち、交通の教則本についていくつか改正をしたわけなのですが、「横断歩行者がいて、その歩行者の左方向から進行してくる車との間に発生する死亡事故が非常に多いということを踏まえて、横断する際には特に左側から来る車に特に注意をすること」や、「夜間、薄暮時等に車両を運転する際、先行車や対向車がない状況にあっては原則ハイビームにすること」ですとか、最新の交通事故の統計分析を踏まえて、殊更そういうことが見つかったので改正したわけです。それを広く国民の皆様に承知していただきたい、しかし、既に免許を持っている人はなかなか新しい教則を見たりする機会はないので、何か良い方法を考えて、広く国民の皆様に承知していただくことが必要ではないかという委員の意見がたくさん出ました。そこで、この会見で、教則本の内容がいろいろ変わることについて、報道機関の皆様に御理解いただいて、いろんな所でキャンペーンみたいに御協力をいただければと思います。以上です。

問 長官に質問させていただきます。カジノの合法化を目指す動きが国会議員の間にありますが、改めて国内の状況を見ますと、「パチンコで得た景品を、景品買取所で売って現金に換える」という事実上の換金が行われていますが、この点について長官はどうお考えですか。合法なのか、これ違法なのかどちらなのでしょうか。

答 (長官)ぱちんこ営業につきましては、その営業の態様によっては客の射幸心を著しくそそるおそれがあるということで、風営適正化法に基づく必要な規制が行われているところであります。この風営適正化法で認められた範囲内で営まれている営業につきましては、賭博罪に当たる行為を行っているという評価を受けることはないと、こういう認識をしております。
 警察としましては、違法なものにつきましては取締りを行っているということでございます。

問 長官にお尋ねします。沖縄県の米軍北部訓練場のヘリパッド移設工事を巡り、警備に派遣されていた大阪府警の機動隊員が工事に反対する人々に不適切な発言をしていたことが明らかになりました。この問題について所見をお願いします。

答 (長官)今般の大阪府警察から沖縄県警察に派遣された機動隊員の発言は不適切であり、極めて遺憾であります。今後、このような事案の絶無を期すとともに、適切な警備を行っていくよう、指導を徹底してまいりたいと思っております。

問 長官にお尋ねします。コミュニティサイト等を利用して犯罪に巻き込まれる子供が最多という状況、上半期の分がまとまったところです。半期ごとの数字で言うと、過去最悪を更新している被害が非常に深刻な状況だと思いますけれども、今回の状況を上半期の数字も踏まえましてお願いします。

答 (長官)コミュニティサイトに起因する事犯の平成28年上半期における被害児童数は889人でございます。これは統計を取り始めた平成20年以降、半期での数字としましては最多でありまして、大変憂慮すべき状況にあります。
 特に、児童に有害な書き込みが放置されているなど、自主的な被害防止対策が十分でない一部のサイトにおいて被害児童数が大幅に増加しているという現状にあります。
 警察としましては、サイバー補導やコミュニティサイト等に起因した児童被害に係る犯罪の取締りを推進するとともに、コミュニティサイトに起因する事犯の防止対策としましては、被害実態に基づく関係機関等との情報共有や広報啓発活動の強化、サイト事業者による自主的な児童被害防止対策の強化に向けた働きかけといったことをなお一層推進してまいりたいと思っております。
 児童の保護者の方、更に学校関係者におかれましては、コミュニティサイトの誤った利用による被害の実態をよく認識していただき、フィルタリングの利用や家庭でのルールづくり等に努めていただくようにお願いしたいと思います。