国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成29年1月19日(木)11:41~11:45

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。警察庁から、人事案件について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について報告がございました。以上でございます。

問 大臣にお尋ねします。平成28年の刑法犯の認知件数・検挙状況がまとまりました。統計開始以降、初めて100万件を下回る一方で、一部の罪種では増加傾向にあります。大臣の所見をお願いします。

答 (大臣)刑法犯認知件数は、平成15年以降14年連続して減少しておりまして、平成28年は戦後最少の約99万6千件となりました。また、殺人も戦後最少を更新いたしました。
 刑法犯認知件数の減少は、防犯ボランティアの方々を始めとする地域社会や関係機関、警察が一体となって犯罪抑止対策を推進してきたものによると認識しているところでございます。他方、詐欺等被害が増加している犯罪もありまして、犯罪情勢は引き続き予断を許さない状況にあると認識しているところでございます。また、検挙に関しましては、平成27年に16年ぶりに70%を超えた重要犯罪の検挙率が更に上昇するなどの前進もみられておりますが、一層向上を図る必要があると思います。
 今後とも、「世界一安全な日本」を創り上げるため、官民一体となった的確な犯罪対策を推進するよう警察を指導してまいりたいと存じます。

問 長官にお尋ねします。このほど福岡県北九州市を訪れまして、工藤會対策の取組を生で御覧になったところです。特捜員への訓示、それから警戒員の訓練の視察等あったかと思います。工藤會対策まだまだですし、今日も動きがあるように聞いていますけど、実際に現地に入られての感想というかどういうふうに感じられたとか、工藤會対策、更には暴力団対策にどういうふうに活かしていくか、お願いします。

答 (長官)御案内のように、平成26年9月以降、福岡県警が工藤會総裁等の主要幹部を波状的に検挙するなど、各種対策を推進してきた結果、工藤會の組織基盤や指揮命令系統に相当の打撃を与えているとともに、安全・安心な市民生活の確保につながっているということを、視察を終えて実感することができました。
 しかし一方、工藤會によるとみられる数多くの重要事件が未解決のまま残っているほか、組織の基本的な体制に変化がないことから、今後とも手を緩めることなく、工藤會の弱体化及び壊滅に向けた取組を更に推進していくべきと改めて意を強くしたところであります。
 また、六代目山口組と神戸山口組が対立抗争の状態にある、こういった中、工藤會対策を大いに参考にしつつ、全国における暴力団対策につきましても、より力強く推進する必要があると改めて認識したところであります。