国家公安委員会委員長就任記者会見要旨

1 日時 令和元年9月11日(水)22:15~22:26

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   遅くまで皆様ご苦労様でございます。ありがとうございます。この度、国家公安委員会委員長、国土強靱化担当、防災担当、行政改革担当、国家公務員制度担当大臣を拝命いたしました武田良太でございます。
 総理からも担当となる業務に関し指示がありましたが、重責を担うことになり、身の引き締まる思いであります。
 また、総理の御発言にもありましたとおり、現在も台風15号に関し、千葉県を中心とした停電や断水が発生しております。政府一丸となって被害状況の把握及び応急復旧に取り組んでいるところであり、引き続き、関係機関が連携して、対応してまいります。
 さて、我が国の治安情勢ですが、刑法犯認知件数や交通事故死者数が減少傾向にあるなど、一定の改善が見られる一方、2020年東京大会の開催等に向けた諸対策、サイバー空間への脅威への対処、特殊詐欺等への対処、交通事故防止対策、警察の災害対処能力の向上等、引き続き、対策を講ずべき課題が山積していると認識をいたしております。
 良好な治安は国民生活の基盤です。日本を世界一安全な国にするため、これらの治安上の諸課題への対処に全力を尽くしてまいります。
 防災及び国土強靱化についてですが、昨年は、7月の西日本豪雨、9月の北海道の胆振東部地震等、大規模な災害が立て続けに発生をいたしました。この1年間にも地震や台風、豪雨等による災害が多数発生しており、佐賀県を中心に大きな被害を出した8月末の前線に伴う大雨等により、大きな被害が発生をいたしました。これらの災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
 政府としましては、発災直後から関係省庁一体となって総力を挙げて応急対策活動を実施してまいりました。
 今後も、被災された方々が一日も早く日常の生活に戻られるよう、被災地の復旧・復興に向けた取組に全力を挙げてまいります。
 さらに、今後発生が危惧される南海トラフ地震や首都直下型地震といった大規模災害については、甚大な被害を軽減するため、関係者と連携した対策を推進しつつ、地震・津波防災の国民運動への展開を図っているところであり、その備えに万全を期してまいる所存であります。
 政府としては、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策、地域の強靱化を推進し、国土強靱化をより一層推進、加速化、深化させ、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいります。
 災害の発生しやすい我が国において、災害対策を担当する大臣として、いつ起こるか分からない災害に備え、常に緊張感をもって職務に臨む決意です。
 死因究明等の推進についてですが、関係省庁と連携して、引き続き死因究明等推進計画に基づく施策を推進してまいります。
 また、死因究明等の推進に関する事務の厚生労働省への移管が円滑に行われるよう、努めてまいります。
 行政改革についてですが、政府への国民の信頼を得るとともに、行政機能や政策効果を向上させる観点から、極めて重要な取組であると考えます。
 このため行政事業レビューを通じた国の全ての事業の見直しと、その予算への反映を徹底するとともに、統計データ等の根拠を用いて、政策の課題把握、立案、検証等を行うEBPMを推進することで、行政機能や政策効果の向上を図ります。
 国家公務員制度及び行政組織についてですが、内外の諸課題に迅速かつ的確に対応するため、公務に多様で優秀な人材を確保・育成し、全ての職員がその能力を存分に発揮できるよう、働き方改革、業務の見直し等環境の整備に努めてまいります。あわせて、既存体制の見直しを進めるとともに、戦略的な機構・定員配置を通じて、内閣の重要課題に確実に対応できる体制の構築を進めてまいります。
 カジノ管理委員会についてですが、カジノ事業の監督というこれまで我が国に存在しなかった全く新しい業務を担う機関であることから、委員会がその使命と任務をしっかりと果たすことができるよう、所要の準備を進めてまいります。
 安倍内閣の一員として、精一杯努めさせていただく所存でありますので、何卒よろしくお願いをいたしたいと思います。以上です。

問  国家公安委員会委員長の就任に当たっての抱負について、お聞かせ願えますでしょうか。

答  治安対策の責任者という重責を担ったわけでありますから、つくづく身の引き締まる思いがしているところでございます。国民の安全を確保するために、治安の確保に全力を挙げて取り組んでいきたい、このように考えているところであります。

問  2020年の東京オリンピック・パラリンピックまであと1年を切ったところですけれども、テロやサイバー攻撃の懸念というものも指摘される中で、大会の成功に向けて警察としてどのような対策を講じる考えでしょうか。お聞かせください。

答  厳しい国際テロ情勢の下、世界中の注目を浴びる事業であります。開催国としての責任は、治安責任をしっかりと果たしていくことであろうかと思っております。
 警察におきましては、外国治安情報機関等との緊密な連携等による情報収集・分析の強化、関係機関と連携した水際対策の強化、サイバー攻撃の発生を想定した官民連携の強化等の各種対策を推進しているものと承知をいたしております。
 この大会の成功に向けまして、引き続き関係機関と緊密に連携しながら、各種対策に万全を期してまいりたいと、このように思っております。

問  通学中の児童が襲われた事件や保育園児が死傷した交通事故等で、子供が被害に遭う事件・事故が後を絶ちませんが、警察としてどのように子供の安全を確保していくのか、お聞かせください。

答  それは後を絶たない事件でありますけれども、次世代を担う子供たちのかけがえのない命というものを、社会全体で守っていくことが今から求められてくると思います。先ほど申しましたように、これも関係省庁・関係機関と連携しながら、登下校時における子供の安全確保、子供を交通事故から守るための取組をしっかりと、まずは進めてまいりたいと思っております。

問  高齢運転者による交通事故やあおり運転等、様々な課題がある中、警察として、交通の安全確保に向けてどのような対策を講じていくのか、お聞かせください。

答  高齢運転者の交通事故防止対策というものは大変重要な課題であると、このように考えているところでありますが、また、いわゆるあおり運転につきましては、意図的に危険を生じさせる絶対あってはならない悪質な行為でありまして、厳正な取締り、そして迅速かつ積極的な行政処分を推進する、そして厳罰化につきましても検討を進める必要があると、このように思っております。
 悲惨な交通事故を根絶するために、関係機関と協力して、国民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、万全を期してまいりたいと思います。

問  先日九州で豪雨災害が発生するなど、大きな災害が相次いでいます。警察の災害対処能力の向上に向けてどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。

答  8月の前線に伴う大雨によってお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族に対して心からお悔やみを申し上げたいとこのように思っております。
 警察は、大規模災害が発生した場合、直ちに被災情報の収集を行う、そして部隊を動員して住民の避難誘導、被災者の救出等の最も重要な人命救助に当たるという重い責務を有していると思います。
 災害対処能力の更なる向上に努めてまいりたいと思います。