国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 令和2年2月20日(木)11:57~12:01

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況につきまして申し上げます。武田委員長が途中退席のため、私が会見を代理いたします。令和元年における特殊詐欺の認知・検挙状況等の案件がございました。以上でございます。

問  長官にお伺いします。昨年の特殊詐欺の被害状況がまとまりました。特殊詐欺全体では、認知件数、被害額共に減少しましたけれども、キャッシュカードをすり替える詐欺盗が急増しています。現状の受け止めと対策について、御所見をお願いします。

答 (長官)令和元年中の特殊詐欺については、今お尋ねがありましたとおり、認知件数、被害額共に、確かに減少しておりますが、そもそも高い水準で推移しており、依然として深刻な情勢だと見ています。
 また、最近の手口としては、今お尋ねがありましたキャッシュカード詐欺盗、具体的なやり方としては、被害者の方の御自宅を訪問してキャッシュカードを封筒に入れさせ、その封筒を隙を見てすり替えて盗み取ってしまうという手口が増加しているところです。被害者の方のプロフィールとしては、特にオレオレ詐欺ですが、高齢者の方の中でも80歳前後の女性に被害が多発する特徴も見られると分析しております。警察においては、このような点も踏まえながら、引き続き、取締りと被害防止の両面で対策を進めてまいりたいと考えております。
 さらに、昨年6月の犯罪対策閣僚会議において、「オレオレ詐欺等対策プラン」が決定されましたが、この中では特殊詐欺の被害防止に向けて全府省庁が連携して取り組むとされました。これを受けて、警察においても、引き続き、各公的機関、いろいろな団体、民間事業者の皆様等と連携して、特殊詐欺の撲滅に向けて、様々な対策を推進してまいりたいと考えております。

問  長官にお尋ねします。通信傍受法ですけれども、昨年の実施状況について国会報告がなされたところです。昨年6月に方式が変わりまして、新方式が導入されたところですが、実施件数は増えていない状況です。現在の傍受の状況についての受け止め、今後の運用についてのお考えをお願いします。

答 (長官)令和元年中の傍受の状況については、10事件に関し、携帯電話を対象とする31件の傍受令状の発付を得て傍受を実施しております。その結果として、計48人の被疑者を逮捕しているところです。
 実施件数が増えていない状況については、一般論として申し上げれば、通信傍受の実施件数は、対象事件がどの程度発生するかも含めて、様々な事情に左右されるということです。
 いずれにしても、今後とも、警察としては、通信傍受が有効かつ適正に活用できるような捜査を進め、組織的な犯罪の全容解明等に努めてまいりたいと考えております。