定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成15年10月9日(木)
午前10時~午前11時45分
第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)ブッシュ・アメリカ合衆国大統領来日に伴う静穏保持法に基づく地域指定に関する協議について
警察庁から、「ブッシュ・アメリカ合衆国大統領は、日米首脳会談等のため、10月17日・18日の2日間来日する。同大統領の来日に伴い、外務大臣から国家公安委員会に対し、10月17日から18日までの間、東京国際空港等の周辺地域を静穏保持法に基づく規制地域に指定したい旨協議が来ている。」旨の説明がなされ、同協議案に同意の決裁を受けた。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について
警察庁から、10月7日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況、当該請求に係る部分開示及び不開示決定の概要について報告がなされた。
(2)国会の状況について
警察庁から、9月29日に行われた衆議院本会議の状況等について報告がなされた。
(3)平成16年度警察庁1種及び2種採用候補者の採用内定について
警察庁から、平成16年度警察庁1種及び2種採用候補者の採用内定状況について報告がなされた。
(4)第72回ICPO総会の開催結果について
警察庁から、9月29日から10月2日までの間、スペインで開催された第72回ICPO総会において、瀧澤裕昭・警備局外事課国際テロ対策室長が執行委員に当選したことなど、同総会の開催結果について報告がなされた。
委員より、「ICPO執行委員に警察庁の瀧澤氏が当選されたことは良いことだ。テロや麻薬等の国際犯罪、不法移民対策等に関しICPOとのコミュニケーションも一層改善されることだろう。ところで、貿易取引の分野では、最近、WTOでの新しい合意がなかなか進まず、むしろFTAにより問題を二国間だけで迅速に処理していくような傾向が顕著だが、ICPOと二国間の犯罪共助との関係ではこのような傾向はないのか。」旨、質問がなされ、警察庁より、「両者は次元が異なっていると思われる。すなわち、ICPOで取り扱われる事柄は、実務的に処理され、それで加盟国の要求が充たされるようなものが多いが、このような枠組みで処理が困難な事柄がある場合等には、二国間の問題として取り上げられることになるものと思われる。したがって、御指摘の貿易取引の分野とは事情が異なっている。」旨、説明した。
(5)監察の取扱い事案について
警察庁から、「警視庁の警部補が、9月17日、横浜市内において、現住建造物等放火未遂で現行犯逮捕された事案に関し、同庁は、10月8日、同警部補を懲戒免職の処分にした。」旨の報告がなされた。
(6)官民合同会議による建物部品の防犯性能試験の実施について
警察庁から、「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」による建物部品の防犯性能試験の実施等について報告がなされた。
委員より、「この試験の実施に当たっては、技術の進歩を促進するような支援をお願いしたい。先日、指紋照会を取り入れた鍵のシステムが新しく商品化されたということを聞いた。試験への参入障壁を撤廃し、将来的には試験の頻度を増やし、新商品が出れば随時試験を受け付けるなどの工夫をしてもらいたい。警察としては、業界の保護よりも一般家庭の犯罪からの自衛という観点で、この試験制度を活用されることを望む。」旨、発言があり、警察庁より、「今回の試験の実施に当たっては、業界団体に加盟していない業者も申請し、試験を受けられるようにしている。今後も、御指摘の点を踏まえ、既存の業者の保護にならないように、消費者である国民の視点に立って公正な試験の実施に努めてまいりたい。」旨、説明した。
(7)インターネット・オークションにおける不正アクセス及び詐欺事件の検挙及び今後の防止対策について
警察庁から、「茨城県・広島県合同捜査本部は、インターネット・オークションにおける不正アクセス及び詐欺事件を検挙するとともに、事件の舞台となったオークション運営会社に対して、同種事案の防止対策を働きかけた結果、同社において諸対策を実施することとなった。」旨の報告がなされた。
(8)時効完成後の殺人事件の送付について(長野県警察)
警察庁から、「長野県警察は、昭和55年3月29日、同県東筑摩郡生坂村で、男性が遺体で発見され自殺と判断されていた事案につき、時効完成後に男が自首したことから、所要の捜査の上、10月6日、男1名を殺人罪で検察庁に送付した。」旨の報告がなされた。
委員より、「報告を重く受け止めて聞いた。このような事案が起きることは極めてまれだと思うが、今でもときどき遺族が警察の自殺であるとの認定に異論を唱える事案も見受けられる。自他殺の認定に当たっては現場でも相当の苦労があると思われるが、警察としてもあまり面子にこだわらず、プロとして捜査の徹底に努めていただきたい。」旨の発言があり、警察庁より、「自他殺の識別は状況により非常に難しい面があるが、今後は、変死体の取扱いについては、自殺・他殺の両面からより慎重な捜査が求められるものと考えている。」旨、説明した。
(9)路側帯拡幅等による交通事故抑止対策実施要領の制定について
警察庁から、生活道路における路側帯拡幅等による交通事故抑止対策実施要領の制定について報告がなされた。 委員より、「本件に関連し、歩道や路側帯における自転車の通行により歩行者が非常に迷惑をしているという実態があると思われるが、この点についてどのように考えているのか。」旨、質問があり、警察庁より、「道路交通法上、自転車は軽車両であり、車道を通行するのが原則であるが、歩道や路側帯の中には自転車が通行できるものもある。御指摘のような意見が多いことは十分承知しており、そのため現在、学校教育の場において自転車の乗り方に関する授業の時間を確保してもらうなど、教育の面に力を入れているところである。」旨、説明した。
委員より、「自転車に乗っている人が交通事故の被害者になる場合の方が、自転車に乗っている人が歩行者に対する加害者になる場合よりも多いと思われるが、いかがか。」旨、質問があり、警察庁より、「自転車に乗っている人が被害者になる場合の方が加害者になる場合よりも圧倒的に多い。」旨、説明した。
委員より、「自転車に乗っている人が加害者になる場合には、自動車事故の場合とは異なり、自動車損害賠償責任保険のような制度がないことから、被害者側だけでなく加害者側も悲惨な状況に陥ることになりかねない。したがって、自転車についても自動車と同様の社会的な制度が必要になってきているのではないかと思われる。」旨、発言があった。
委員より、「説明では『本対策の実施延長は、各500メートル程度を目安とする』とのことだが、実際の運用はどのようになるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「道路の長さや幅は場所により様々であることから、実際には500メートルより多少長くなることも短くなることもある。」旨、説明した。
3 その他
(1)委員より、10月7日に山梨県公安委員会及び同県警察本部を訪問した結果について、「今回、都道府県公安委員会の活性化という点に一つの焦点を置いていたが、3名の公安委員との意見交換を通じ委員の方々がおのおの非常にしかるべき見識をもって対応をしておられることが伺われた。本部長以下の県警本部幹部は、公安委員が感じたところを率直に述べられるような雰囲気を作り、そして言われたことには謙虚に耳を傾けるという姿勢を持つということが重要であると感じた。また、意見交換の中では、警察署協議会では住民から非常に活発に意見が述べられているが、現在のままでは運用がマンネリ化するのではないかという意見もあった。やはり住民と警察が双方向の意見を通じて、あるべき姿に近付けるという姿勢が必要なのではないかと思われた。さらに、警察署協議会に関しては、山梨県においては、今年度から、『警察通信簿(仮称)』という警察署の実績評価制度を導入し、警察署の年間業務計画とその実践状況や住民の要望に対する取組状況について同協議会に評価してもらい、警察署長が今後の取組の参考とするとともに、同協議会の一層の充実を図ることとしている旨の説明を受けた。」旨の報告がなされた。
(2)委員から、「昨今、犯罪が多発しその内容も多岐にわたっているが、先日も千葉県内で16歳の少女が石で殴られた上、火を付けられて殺害されるという事件があった。警察は『犯罪抑止の方針』を打ち出しているが、このような事件を未然に防止するために警察として何かできることはあるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「犯罪には、その態様からその発生を未然に防止することがある程度可能なものと、そうではない未然防止が困難なものとがあると思われる。御指摘の千葉県のような事案は事前に予測し未然に防止することは困難であるが、このような凶悪事件が発生した場合には、警察としては、できる限り早期に犯人を検挙することがさらなる凶悪事件の発生を抑止することにつながるものと考えている。」旨、説明した。