定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成15年12月25日(木)

午前10時午後12時35分

第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律の一部の施行期日を定める政令案等について

警察庁から、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律の一部の施行期日を定める政令案及び指定建物錠の防犯性能の表示に関する基準を定める告示案について説明がなされ、原案どおり決定した。 また、本年9月の法施行後、11月末までの特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律に係る検挙状況、本年1月から11月末までの侵入窃盗の認知状況等について報告がなされた。

(2)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案等について

警察庁から、高い射幸性を示す遊技機の規制、遊技機の不正改造防止対策等を内容とする、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案等について説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

2 報告事項

(1)国家公安委員会委員長のタイ王国出張について

警察庁から、「小野国家公安委員会委員長は、平成16年1月8日から12日までの間、タイ王国を訪問する。同国では、国境を越える犯罪に関するASEAN+3(日本、中国、韓国)閣僚会議に出席し、参加国閣僚と意見交換を行い、ASEAN諸国等との連携強化を図る。」旨の報告がなされた。

委員より、「今回の出張において、委員長には、閣僚会議に参加する国、特に中国の閣僚と個人的な人間関係を築いていただき、今後の日中間における捜査協力を推進するための制度作りに向けたきっかけを作っていただきたい。」旨、発言があった。

(2)平成16年度警察庁予算(案)の概要について

警察庁から、厳しさを増す犯罪情勢に対応するための警察活動の強化、地方警察官3,150人の増員等を内容とする平成16年度警察庁予算(案)の概要について報告がなされた。

委員より、「当初要求していた4,500人の地方警察官の増員が認められなかったのは残念ではあるが、今回増員が認められた3,150人という数字は、他省庁の増員、例えば、入管当局の場合を考えると、非常に大きなものである。この与えられた人員を治安の確保等のため効率的に使っていただきたい。」旨、発言があった。

(3)警察庁長官に対する開示請求の措置等について

警察庁から、12月22日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況、当該請求に係る部分開示及び不開示決定の概要並びに不服申立ての状況について報告がなされた。

(4)監察の取扱い事案について

警察庁から、「関東管区警察局の技官が、12月23日、バスの車内において、乗客に対し、痴漢行為を行い、東京都迷惑防止条例違反で現行犯逮捕された。」、「京都府警察の巡査長が、平成14年5月から1年以上にわたり、上司に嘘の申告をして、勤務時間中に不倫相手と会うなどしたとして、同府警察は、平成15年12月26日、同巡査長を懲戒免職の処分とするとともに上司2名を本部長注意等の措置とする予定である。」旨の報告がなされた。

(5)「空き交番」対策について

警察庁から、交番勤務員の増配置、交番の配置見直し等を内容とする、「空き交番」対策について報告がなされた。

(6)小学校における児童に対する殺人未遂等事件について(京都府警察)             

警察庁から、「12月18日、京都府宇治市内の小学校において、刃物を持った男が乱入し、男子児童2名が負傷する事件が発生し、同校教員により逮捕された。」旨の報告がなされた。

委員長より、「大阪教育大附属池田小学校における児童殺傷事件以降、学校での児童の安全確保を図るため、学校等により様々な施策が講じられているところであるが、この間、警察はこのような施策に対しどのような関与をしてきたのか。また、万が一、今回のような事件が発生した場合に、教員等が現場においてどのように対処したらよいのかについて、警察としても何か具体的な案を提示する必要があるのではないかと思われる。」旨、発言があり、警察庁より、「御質問の点については、調査等の上、後日報告したい。」旨、説明した。

(7)「道路交通法改正試案」に対する意見の募集について

警察庁から、「道路交通法の一部を改正する法律案を策定するに当たり、12月27日から来年1月23日までの間、『道路交通法改正試案』を公表し、広く意見を募集することとした。」旨の報告がなされた。

委員より、「高速道路における自動二輪車の二人乗り規制の見直しについて、パブリックコメントでは、賛否両論があろうかと思う。しかし、平成15年5月に内閣府が実施した世論調査においては、高速道路での自動二輪車の二人乗りについて、国民の約77%が現行のとおり引き続き禁止すべしとして、規制の見直しに不安感を抱いていることを無視すべきではない。自動二輪車自体の事故の懸念もあるが、事故が起こった場合、自動二輪車の前後を走行する一般車両が巻き込まれる確率が高くなることは否定できないであろう。試案のように20歳以上で免許期間3年以上を条件として解禁すれば、事故の確率がかなり減少するのは事実だろうが、未だ暴走族の問題が少年問題や暴力団の関与という形で残っている日本においては、そのような条件を満たさない暴走族が、集団ではないとしても、単発の二人乗りで高速道路に紛れ込む可能性も予見しうる。このような暴走族の存在に加えて、道路条件、混雑の度合い等の通行条件においても日本と外国では異なり、安全確保の観点からは、すべて外国並みに規制を解除する必要はないのではないか。仮に今回のパブリックコメントの結果、規制の見直しが賛成多数となり、この試案のまま法改正がなされ、平成17年春から施行となった場合でも、一般国民の不安や懸念は、警察としても重視し、高速道路における二人乗りの自動二輪車による事故については、良くフォローアップすべきだ。特に、その前後の車両が事故に巻き込まれる事故が多発するような場合には、今回の見直しを速やかに再度見直すことにも躊躇すべきではない。このような規制の見直しを、原案の政府提出法案の形で行うのがよいのか、そうではなく議員立法で、国会において国民の注目をより集める形で議論した上、行うのがよいのかについて、今回のパブリックコメントの結果をよく見てから判断したい。今回の規制見直しについては、交通局がその安全性にかなりの懸念を持ちながらも、その意に反し圧力団体に寄り切られたような印象を持つ。」旨、発言があり、警察庁より、「本件の規制の見直しに当たっては、一方で自動二輪車のユーザーの強い要望に応えつつ、他方で内閣府の世論調査にも表れている一般国民の不安を解消するため、十分な安全措置を講ずる必要があると考えている。具体的には、走行中の安全空間の確保、すなわち、車間距離の確保を図るため、車間距離の不保持に対する取締りをしっかり行うとともに、これから免許を取得する人や既に免許を取得している人に対する安全運転教育を充実し、交通マナーの向上に努めてまいりたい。また、御指摘のような規制見直し後のフォローアップについても十分に行うことを予定している。」旨、説明した。

委員より、「高速道路における自動二輪車の二人乗りを原則として認めるとしても、事故が多発するような危険な箇所で、あえてこれを認めるべきではないと考える。先週の説明では、都道府県公安委員会の判断でそのような危険な箇所においては二人乗りを規制することができるとのことであるが、例えば、首都高速等で、その一部の区間だけ規制するようなことが可能なのか、それとも東京都全域を規制することになるのか。」、「安全運転教育については、運転者はもちろんとして、同乗者の教育も必要ではないかと思われる。」旨、質問等があり、警察庁より、「どのような規制を行うかは、都道府県公安委員会が当該高速道路の事故実態等を踏まえ、地域住民の理解も得ながら、判断していくことになると思われる。」、「同乗者の問題に関しては、御指摘の教育面のほか、より安全な後部座席の開発が大切であると考え、後部座席の在り方に関する研究を業界に要望しているところである。」旨、説明した。

委員より、「試案では、自動二輪車の運転者が20歳以上、免許期間3年以上という条件に違反して高速道路で二人乗りをしていると認められる場合、警察官は当該自動二輪車を停止させる等の措置をとることができるとされているが、そのような条件は外形上分かるものではなく、取締りは事実上不可能ではないかと思われる。」旨の発言があった。

委員より、「内閣府の世論調査で、引き続き二人乗りを禁止すべきとしている約80%の人の中には、自動二輪車等の免許を有していない人も含まれているであろうが、そのような人であっても、日本の人口や道路条件あるいは自分の子供が乗る可能性等を考えて、大局的に賛否を判断することは可能であると思われる。」旨、発言があった。

委員より、「本件の規制の見直し後、都道府県公安委員会が特定の地域において自動二輪車の二人乗りを規制することは、道路交通法の考え方や高速道路の性格からなじむのか。」旨、質問があり、警察庁より、「道路交通法上、都道府県公安委員会は規制の権限を有しているが、法改正後直ちに規制することは、規制の見直しを図った改正の趣旨になじまないと思われる。しかしながら、事故の実態等から説明がつくのであれば、規制することもできると考えられる。」旨、説明した。

警察庁より、「本件の規制の見直しについては、今回のパブリックコメントの結果を見て、その上でもう一度国家公安委員会の場で御議論いただきたい。」旨、発言があった。

(8)車高規制の見直し案に対する意見の募集について

警察庁から、「『規制改革推進3か年計画(再改定)』(平成15年3月28日閣議決定)において、平成15年度中に車高規制の見直しを検討・実施するとされたことを受け、道路交通法施行令を改正するに当たり、制度改正案の内容を公表し、広く意見を募集することとした。」旨の報告がなされた。

(9)年末年始における初日の出暴走の取締りについて

警察庁から、「暴走族による年末年始の『初日の出暴走』に対し、所要の取締り体制を確立し、その封圧を図ることとした。」旨の報告がなされた。

10)「建国義勇軍」名によるけん銃発砲等事件の検挙について                    

警察庁から、「警視庁、新潟、岐阜、愛知、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の各都府県警察合同捜査本部は、『建国義勇軍』名によるけん銃発砲等事件に関し、12月19日以降、『刀剣友の会(日本人の会)』会長ら12人を建造物損壊罪及び銃刀法違反等で逮捕した。」旨の報告がなされた。

11)小泉総理大臣の伊勢神宮参拝に伴う警護警備について

警察庁から、「小泉総理大臣は、来年1月5日、伊勢神宮参拝のため三重県を訪問する予定であり、関係警察では、警護警備を実施する。」旨の報告がなされた。

12)東海地震に関する情報と防災対応の見直し等について

警察庁から、「東海地震に関する情報の発表基準等の修正、これに伴い中央防災会議で決定された「東海地震応急対策活動要領」の内容及びこれを受けた「国家公安委員会・警察庁防災業務計画」の見直し等について報告がなされた。

委員より、「今回の報告のあった東海地震以外にも、東南海・南海地震等が発生する可能性も否定できないが、これらの地震についても対策は講じられているのか。」旨、質問があり、警察庁より、「東南海・南海地震や南関東直下型地震については、既に対策大綱が策定されているほか、南関東直下型地震については、応急対策活動要領も策定されている。」旨、説明した。

3 その他

(1)警察庁から、平成16年警察白書の特集テーマを「地域社会との連帯」とすることとした旨の報告がなされた。

(2)警察庁から、先週、委員から指摘のあった抹消登録証明書を偽造した盗難自動車の不正輸出事案に関し、これまでの検挙事案、関係機関における対策等について報告がなされた。