定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成15年5月29日(木)

午前10時~午後0時15分

第2 出席者 渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員、長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

第3 議事の概要

1 議題事項

 (1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

2 報告事項

(1)アルジェリアにおける地震災害に対する国際緊急援助隊救助チームの派遣について

警察庁から、「アルジェリア北部での地震発生に伴い、5月22日から29日までの間、警察から19名(警察庁3名、警視庁16名)を国際緊急援助隊として派遣し、生存者1名を救出し、5遺体を発見、収容した。」旨の報告がなされた。また、警察庁より、「今回、国際緊急援助隊の派遣が非常に円滑に行われたが、これには、4月下旬にウズベキスタンで行われた国際捜索救助合同訓練に参加した国内の関係機関のメンバーが今回派遣されたことから連携がうまくいったという背景もあるようである。また、今回初めて警備犬を帯同したが、これが現地で非常に好評だった。さらに、JICAが隊員のための医療班を初めて編成したとのことであるが、作業条件が悪い中で隊員の健康管理に非常に役立ったと聞いている。また、警察庁から情報通信局の職員2人を派遣したが、現地との連絡が円滑に行われた。」旨の補足説明がなされた。

なお、これに関連して、国際緊急援助隊の派遣に関する法律第3条第1項の外務大臣との協議のうち、国家公安委員会委員長において専決処理する事項についての申合せを行った。

 (2)個人情報保護関連5法の成立について

警察庁から、5月23日に成立した個人情報保護関連5法の概要等について報告がなされた。

 (3)国会の状況について

警察庁から、5月22日に行われた参議院内閣委員会の状況等について報告がなされた。

 (4)北朝鮮を仕出地とする覚せい剤密輸入事件の概況について

警察庁から、平成9年以降に検挙した北朝鮮を仕出地とする覚せい剤の密輸入事件6件の概要等について報告がなされた。

 (5)第15回統一地方選挙の違反取締りについて

警察庁から、第15回統一地方選挙違反取締りについて、後段投票後30日(5月27日)現在での状況の報告がなされた。

 (6)交通安全対策特別交付金制度に関する意見聴取結果について

警察庁から、交通安全対策特別交付金制度に関する意見聴取結果について、「すべての都道府県警察が、反則金をそのまま取締りを行った都道府県の収入とすることに反対している。また、運転免許証の更新時講習の受講者約2000名に対してアンケート調査を行った結果、その大半の方が現行制度を支持している。」旨の報告がなされた。また、同庁から、長官が出席した5月26日開催の「検討の場(第3回)」及び委員長が出席した同月28日開催の経済財政諮問会議の結果についての報告がなされた。

 (7)違法駐車問題検討懇談会(第3回)の開催について

警察庁から、第3回の違法駐車問題検討懇談会における議事内容等について報告がなされた。

委員より、「国家公安委員会として、この違法駐車問題を取り上げる一番大きな視点は、警察の資源をより有効的に治安の維持という任務に相当程度シフトできるのではないかという問題意識であったと思うが、現在の検討では、民間委託と、公平で効率的・効果的な駐車違反取締りという2つ問題が出てきており、議論としては、後者の方が前面に出てきているような感じがしている。」旨、発言があり、警察庁より、「違法駐車問題が依然として深刻であるという事実認識が前提としてある。したがって、仕組みの改正については、違法駐車対策に効果的であり、かつ、警察としても合理化ができるというものとして構築すべきではないのかという考え方に基づいている。そうでないと国民に受け入れられないし、行政の在り方としてもいかがなものかと考える。」旨、説明した。

 (8)宮城県沖を震源とする地震の発生と警察措置について 

警察庁から、5月26日の宮城県沖を震源とする地震の発生と警察措置について報告がなされた。

 (9)共同図上訓練の推進状況について

警察庁から、治安出動に係る自衛隊との共同図上訓練の推進状況について報告がなされた。

  (10)「よど号」犯人・魚本公博の妻、魚本民子に対する逮捕状請求について(神奈川県警察)

警察庁から、「神奈川県警察は、5月27日、有印私文書偽造・同行使の容疑で『よど号』犯人・魚本公博の妻、魚本民子に対する逮捕状の発付を得た。」旨の報告がなされた。

 (11)警視庁新車載通信システムの正式運用開始について

警察庁から、警視庁に整備した新車載通信システムの運用開始について報告がなされた。

委員より、「先日の宮城県沖を震源とする地震に関する新聞報道の中に、警察関係の電話にも支障を来したというものがあったが、実際はどうであったのか。」旨、質問があり、警察庁より、「警察通信施設については、基本的に障害はなく、すべて稼働していた。110番等の緊急通報は、基本的に、固定電話については、混雑時でも優先的に通じるようになっている。しかし、携帯電話については、必ずしも固定電話のようにはなっておらず、混雑時には110番通報等が繋がりにくくなる場合がある。当方としては、従来から、事業者等に対し、固定電話と同様の整備を行うことを申し入れているところだが、今回の件を踏まえ、再度強く申し入れたい。」旨、説明した。

3 その他

(1)委員より、「議題外のことだが、次のような新聞報道について質問したい。ア. 経済産業省が民間事業者と共同して、関係省庁の参加を得て、バイオメトリクスによる個人識別認証システム標準化の研究開発を行っているという。おそらく警察も参加していると思うが、入管審査やインターネット取引等、警察と関連する問題も多いことから、初めの段階からこの協議に参加し、単に技術動向を知るだけではなく、警察行政上、活用するよう検討を進めてもらいたいと思うがどうか。イ. 弁護士が多数のヤミ金融事案を告発し被害の拡大防止をPRしている。警察の捜査と直ちに結び付くわけではないだろうが、このような告発にはどのような対処をすることになるのか。」旨、質問があり、警察庁より、イについて、「過去には何度もこうした多数の告発が弁護士会等からあり、警察としては、基本的に、しっかり受け止め、充分に精査して事件として立件できるものは立件するという方針で取り組んでいる。また、そのように全国にも指示をしているところであり、実際に事件として立件したものもある。もっとも、新聞報道等では、被害者数で数えていることから、件数が非常に多数となっているが、ヤミ金融業者の実数はそれ程多くはない。」旨、説明があり、警察庁より、アについて、「バイオメトリクス関係の報道については、確認した上で、後日報告させていただきたい。」旨、発言があった。

(2)委員より、5月26日開催の中国管区内公安委員会連絡協議会及び同月27日開催の九州管区内公安委員会連絡協議会に出席した結果について、「中国管区では、島根原子力発電所の警戒警備状況を視察し、九州管区では、第十管区海上保安本部長から九州南西沖不審船事件の概要についての特別講話を聞いた。今後の論点となるものとして、中国管区・九州管区ともに共通して、次のような議論等があった。ア. 犯罪多発の防止及び治安の回復には、警察が他の関係機関や地域住民と連携し活動することが重要になってきている。警察の努力だけでは片付かない問題を、知事、市町村長及び議会を動かし、防犯・犯罪抑止のための条例制定を進め、これらとの連携による活動を具体化していく動きに期待が持てるとの話が多かった。イ. 有事あるいは緊急事態における都道府県公安委員会の意思決定システムについての議論が行われた。委員の数や地域事情もあって、全国一律の運営規則とはならないのかもしれないが、テロ事件や大災害など緊急性を要する現実の問題と、現行法制度や有事法制をにらんだ危機管理の一環として今明確にしておくことは時宜にかなっているとの意見が多く、国家公安委員会でも議論を深め、必要ならアドバイスすることもあろうかと思うと申し上げた。ウ. 地方警察官の増員について、ゼロ査定の各県から犯罪の状況も変化しているのだから3年連続ゼロというのではなく、毎年の指標を見て決定してもらいたいとの要望があった。」旨の報告がなされた。

 (3)警察庁から、5月28日に東京地裁で判決のあった、警視庁におけるHIV検査訴訟の結果等について報告がなされた。