定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成15年6月26日(木)
午前10時~午前11時50分
第2 出席者 谷垣委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員、長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)道路交通法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令案等について
警察庁から、「代行運転普通自動車の運転者に対し、第二種免許の取得を義務付ける道路交通法の一部を改正する法律(平成13年法律第51号)附則第1条ただし書に規定する改正規定の施行期日を、平成16年6月1日とする。」旨の説明がなされ、原案どおり決裁した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)FATF6月全体会合における改訂「40の勧告」の採択について
警察庁から、FATF(金融活動作業部会)6月全体会合で採択された、マネロンの前提犯罪の拡大・明確化等を内容とする、改訂「40の勧告」について報告した。
委員より、「勧告で前提犯罪として取り込むべしとされる『犯罪組織への参加』に関して、国際的には、例えば、日本以外のOECD加盟国やG8の国では、犯罪組織という概念があって、それに参加すること自身が罪になるというのが一般的な状況なのか。確かイタリアではマフィアに所属すること自体が犯罪であると思うが、他の国はどうなのか。日本の暴力団対策との関連で承知したい。」旨、質問があり、警察庁より、「今回の勧告で前提犯罪に取り込むべきものとして列挙された罪のうち、我が国において前提犯罪とされていないものは、犯罪組織への参加と贈賄の二つであるが、これらについても、現在国会で審議中の犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案が成立すれば、対応が可能となる。」、「この『犯罪組織への参加』に関しては、TOC条約、すなわち、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(仮訳)の第5条で締約国に立法措置を求めている、『組織的な犯罪集団への参加の犯罪化』を前提としたものである。同条では、いわゆる共謀罪(conspiracy)若しくはいわゆる結社罪的なもののいずれか一方又は双方を立法化すればよいとされている。日本では、この条約批准のため、先に説明のあった犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案を国会に提出し現在審議中であるが、同法案の中では、同条約第5条を踏まえ、結社罪的なものではなく、共謀罪を立法化するとともに、同罪を前提犯罪として規定している。したがって、今後、同法案が国会で成立すれば、条約批准のための国内法が整備されるとともに、今回の勧告にも対応したものとなる。また、犯罪組織の概念については、TOC条約では、第2条(a)において一応の定義付けがなされているが、犯罪組織の実態には様々な形態があり、国際的には未だ定まったものはないと思われる。なお、暴力団対策法の中で、指定暴力団等の定義はあるが、これはあくまで指定をするための要件であり、犯罪組織とは別の概念である。」旨、説明した。
(2)国会の状況について
警察庁から、6月24日に行われた衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の状況等について報告がなされた。
(3)監察の取扱い事案について
警察庁から、「茨城県警察の警部補が信号待ちで停車中の車両に酒気帯び運転で追突した上、逃走し、6月18日、通常逮捕された事案に関し、同県警察は、7月1日、同警部補を懲戒免職処分とする予定である。また、警視庁の巡査部長が、6月22日、覚せい剤及び大麻の所持で逮捕された事案に関し、同庁は、同月27日、同巡査部長を懲戒免職の処分にする予定である。」旨の報告がなされた。
委員より、「問題は、これらの関係職員が勤務する職場の管理というものが一体どのように行われているのかである。上司の監督責任も問われることになるのであろうが、もう少し部下の生活指導というものが強化されなければならないのではないか。その辺の対策を講じなければ、この種事案の続発は防止できないのではないかと考える。」旨、発言があり、警察庁より、「本件事案については、その経緯等を解明し、教訓とすべきところは教訓としていきたい。現在、職務関連事案の防止のため、業務管理によりウエイトを置いた監察業務を行っているところであるが、私行上の行為についても、目配りを十分にしていかなければならないと考えており、警察庁としても都道府県警察をよく指導してまいりたい。」旨、説明した。
委員より、「この2つの事案については、私も全く同じ意見である。」旨、発言があった。
(4)知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画(案)について
警察庁から、知的財産の創造、保護及び活用に関し、政府が集中的かつ計画的に講ずべき施策として知的財産戦略本部が取りまとめた推進計画(案)について報告がなされた。
(5)薬物事犯取締活動強化月間の実施結果について
警察庁から、「全国都道府県警察において、5月から6月にかけて薬物事犯取締活動強化月間を実施し、覚せい剤取締法違反等で、2,882人を検挙した。」旨の報告がなされた。
委員長から、「MDMAについて、これを取り締まる法律は何になるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「麻薬及び向精神薬取締法である。このMDMAは、若年層を中心に爆発的に蔓延してきているといわれており、今後深刻な問題になると思われる。」旨、説明した。
(6)福岡市内における一家4名殺人・死体遺棄事件について(福岡県警察)
警察庁から、「福岡県警察は、6月20日に福岡市内のふ頭に面した海中から一家4名の他殺死体が発見された事件に関し、捜査本部を設置し、捜査中である。」旨の報告がなされた。
委員より、「本件に関しマスコミの報道がかなり過熱してきているようであり、捜査への影響も懸念されるが、この事件が一日も早く解決されることを期待している。」旨の発言があった。
(7)静岡県議会議員による行政処分をめぐるあっせん収賄事件について(静岡県警察)
警察庁から、「静岡県警察は、6月18日、同県の産業廃棄物処理会社の代表取締役から、行政処分の軽減等を同県担当者に働きかけて欲しい旨の請託を受け、現金百万円を収受した同県議会議員をあっせん収賄罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(8)二本松市長による公共事業をめぐる贈収賄事件について(警視庁・福島県警察合同捜査本部)
警察庁から、「警視庁及び福島県警察は、6月21日、葬祭場建設コンサルタント会社代表取締役から、葬祭場築炉工事を受注できた謝礼等として、現金数百万円の供与を受けた、安達地方広域行政組合管理者である二本松市長を収賄罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(9)交通安全対策特別交付金の見直し問題について
警察庁から、「交通安全対策特別交付金の見直しについては、6月18日の経済財政諮問会議に提出された『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003(原案)』において、改革工程が記述された。」旨の報告がなされた。
(10)外国免許保有者に対する運転免許試験の一部免除の取扱いについて
警察庁から、「外国免許保有者に対する運転免許試験の一部免除の取扱いについて、従来の21ヶ国に加え、韓国についても7月1日から手続を簡素化することとした。」旨の報告がなされた。
(11)天皇皇后両陛下の有珠山噴火災害復興状況及び地方事情御視察並びに「第23回国際測地学・地球物理学連合2003年総会歓迎式典」御臨席(北海道)に伴う警衛警備について
警察庁から、「天皇皇后両陛下は、7月1日から5日までの間、有珠山噴火災害復興状況及び地方事情御視察並びに『第23回国際測地学・地球物理学連合2003年総会歓迎式典』御臨席のため、北海道へ行幸啓になる。本行幸啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(12)オウム真理教資産の破産管財人への通報について
警察庁から、「滋賀県警察が、検挙した事件から判明した、教団による信者を介した物件購入事実を破産管財人に通報した結果、同破産管財人による資産の回収が行われつつある。」旨の報告がなされた。
(13)e-Japan重点計画の見直しについて
警察庁から、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法に基づき、政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策を定めたe-Japan重点計画の見直し状況に関し、警察庁関連施策について報告がなされた。
委員より、「重点計画案記載項目の『教育及び学習の振興並びに人材の育成』については、文部科学省と協力して実施するのか。また、この『人材』というのは教員のことを言うのか。さらに、『少年が安心してインターネットを利用できる環境』とあるが、現在インターネットは子供に限らず誰でも利用できる状況であり、特に少年に限定して安全な環境をつくるということはどういう意味なのか。」旨、質問があり、警察庁より、「これは、主として文部科学省が所管する部分がほとんどである。その中で警察庁が関係する部分を記載したのが、『少年が安心してインターネットを利用できる環境』という項目である。『人材の育成』については、警察庁の所管ではないことから、教員の育成をいうのかは定かでないが、基本的には、インターネットやITに対応できるような人材を育てようという意味のようである。また、『少年が安心してインターネットを利用できる環境』に関する施策としては、フィルタリング・ソフトという、青少年に有害なホームページを検出して、そうしたものを閲覧させないためのソフトウエアがあるが、今後はこのようなソフトの存在を広く国民に知っていただき、一般家庭の個々のパソコンや学校等のサーバーにセットし利用していただけるように、広報啓発活動を行っていくことになるものと思われる。」旨、説明した。
(14)警察庁電子政府構築計画(案)について
警察庁から、「CIO連絡会議において警察庁電子政府構築計画(案)を含む電子政府構築計画(案)(期間・平成15年度から3か年)が決定され、CIO連絡会議事務局が同案のパブリックコメントを昨日6月25日から実施している。」旨の報告がなされた。