定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成15年6月5日(木)
午前10時~午後0時5分
第2 出席者 渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員、長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長、官房審議官(生活安全局担当)
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)国家公安委員会に対する審査請求について
警察庁から、請願法に基づく請願に係る東京都公安委員会の対応について、国家公安委員会に対してなされた行政不服審査法に基づく審査請求につき、審理状況等の報告がなされ、同審査請求を却下する裁決を行った。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)国際刑事警察機構(ICPO)執行委員への立候補について
警察庁から、「9月29日から10月2日までの間、スペインで国際刑事警察機構(ICPO)の第72回総会が開催されるが、同総会で改選される執行委員の候補者として、警察庁は、警備局外事課国際テロ対策室長・瀧澤裕昭を擁立した。」旨の報告がなされた。
(2)国会の状況について
警察庁から、6月3日に行われた参議院内閣委員会の状況等について報告がなされた。
(3)青少年育成推進本部の設置について
警察庁から、「内閣総理大臣を本部長、国家公安委員会委員長等を副本部長とし、次代を担う青少年の育成に関する施策について、関係行政機関相互間の緊密な連絡を確保し、総合的かつ効果的な推進を図るため、『青少年育成推進本部』が内閣に設置される予定である。」旨の報告がなされた。
委員より、「青少年育成推進本部の設置というのは、少年犯罪の急増との関係で大変重要なことであると思うが、そのような本部を作ろうとする発想の中には、少年犯罪の防止という要素はどの程度入っているのか。例えば、ブラジル人少年の犯罪増加について、以前、国家公安委員会で取り上げ、警察庁から呼び掛けを行い、関係省庁で対策を講ずることになった。このように、具体的な問題を取り上げ、関係省庁が集まって横断的に対策を講ずることは非常に望ましいと思うが、このような観点から、この本部はどういう位置付けになるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「これから『青少年育成施策大綱』の案を作っていくわけであるが、その中に特定の状況にある青少年に関する施策の基本的方向という項目があり、さらにその中に社会的不適応対応策、非行等の項目が盛り込まれる予定である。また、この本部は、広い意味での青少年の育成に関するものであり、日系ブラジル人の問題は、来日外国人対策のための別途組織があると思われる。」、「日系ブラジル人に係る諸問題については、関係省庁の課長クラスでの検討が随時行われている状況である。また、この本部では、『青少年育成施策大綱』を策定していくことになるが、その策定過程における議論の展開いかんという面もあるのではないかと思われる。」旨、説明した。
委員より、「それに関連して、昨日の夕方、テレビで、未成年者の、特に女子の喫煙の問題を取り上げていた。ファミリーレストランのようなところで、15、6歳の少女が集まり、皆がたばこを吸っている。その少女らの話では、親もたばこを吸っているのを知っているが放任あるいは黙認しているという。そして、たばこ代を工面するために援助交際を行う者までおり、そこまでエスカレートしているのが実態だという。私はそれを見て、いささか例えは悪いが、破れ窓理論を思い出し、まさに破れ窓が次第にエスカレートしていく姿だなという感じがした。同時に、以前申し上げた石川県警が子供の喫煙を放置していた親を未成年者喫煙禁止法違反で検挙した事案を思い出した。親子が一体になってこのような状態にある風潮をどこかで止める必要があると思われる。警察としては、この石川県警のような対応がもう少しあってもいいのではないか。それにより直ちに青少年が健全になるとは限らないが、このように親が子どもを放任しており、援助交際にまで走っているという実態があるにもかかわわらず、ただ見ているだけでいいのかという感じがした。」旨、発言があり、警察庁より、「おそらく、そのような実情にあることは各行政機関で共通の認識にはなっていないことから、まず、会議ではそのような実情を訴えていくことになるのかと思われる。」旨、説明した。
委員より、「青少年育成推進本部のような関係省庁横断の組織を内閣に設置し総合的に対策を考えていくことは、現在、特に必要なことである。多発する少年犯罪対策は、この本部の直接の仕事にはなじまないかもしれないが、総合的な施策により、防犯の効果も出て来るであろう。一方、増加する来日外国人犯罪については、より関係の深い国際組織犯罪等対策推進本部が既に内閣に設置されている。犯罪の温床となっている不法滞在外国人の総数を減らしていくための総合的な施策についても、この本部を活用し関係省庁の連携プレーを促進するような警察庁の働き掛けも改めてお願いしたい。」旨、発言があった。
(4)「違法駐車に係る制度改革の方向について」に対する意見の募集について
警察庁から、6月6日から7月3日までの間、違法駐車問題検討懇談会が実施する「違法駐車に係る制度改革の方向について」に対する意見の募集について報告した。
委員より、「前回も申し上げたが、違法駐車の問題を取り上げる視点は二つあり、一つは、警察力をより悪質重大な警察案件に振り向けるという発想であり、もう一つは、違法駐車が常態化しており、交通渋滞その他の由々しき問題を生じさせているという問題意識である。ところが、この『違法駐車に係る制度改革の方向について』では、民間委託の観点が、警察力を交通部門の枠内でシフトさせるところにあるように思われるが、私の問題意識は、むしろ交通部門から刑事部門や生活安全部門のより悪質重大な事象の方に警察力を振り向けるべきではないかというものであり、そのような視点が、この中では出ていないのではないか、また、懇談会の委員の方々も、そのような意識が少ないのではないかと感じるがどうか。」旨、発言、質問があり、警察庁より、「警察力を交通部門から刑事部門や生活安全部門に移すことについては、交通部門だけでも人が足りないことから、現在、懇談会の委員の中で、そこまでの議論は出ていない。もっとも、警察全体として警察力の在り方はどのようにあるべきかという議論はあり得るとは思われるが、今回のパブリックコメントでは、いずれにしても、警察力が不足している一方で、より警察力を必要とする様々な分野があり、そのようなところに警察力をシフトしたいという表現となっている。」、「この『違法駐車に係る制度改革の方向について』の最初の方の部分では、『犯罪が増加し、交通事故が多発するなど治安情勢が悪化している中、駐車取締りの事務は民間に委託し、むしろ警察力はより悪質・重大な警察事象に注がれるべきである。』という総論が書かれており、それは交通部門の中だけという観点ではないと思われる。また、国家公安委員会から強く指摘されているところの合理化、すなわち、より警察力を必要とする部門に振り向けるべしということや、総合規制改革会議の指摘にある駐車違反対応業務の民間委託を実現しようとすれば、民間に委託できるような仕組みにしなければならない。しかし現在、駐車違反も犯罪であり捜査の対象であることから、これを大幅に委託できるようにしようとすれば、犯罪から切り離す必要があり、その一つのプランとして使用者への行政制裁という制度が出てくる。他方、駐車違反取締りについての現在の隘路は、運転者に着目している制度に起因しているものであることから、その実態を改善しようとするならば使用者責任という制度が非常に有効である。このように、合理化に向けての制度設計と効果的な駐車違反取締りとは、相反することではなく、むしろ同じものの裏表といえる。さらに、その合理化が少なくとも、現在、社会問題となっている違法駐車問題に有効でなければ社会あるいは国民に受け入れられないという認識は、懇談会の委員の間でも共通であると思われる。また、最終的に民間に委託することができた場合に、委託により余裕の生じた警察力をどういう分野に投入するかは新たな検討を要するが、そもそもどの程度現実に浮くのか、あるいは受託者がどの程度出てくるのかは、制度の作り方と採算との関係で相当不確定だと思われる。したがって、現時点では、ここに書いてあるようなことしか言えないものと思われる。」旨、説明した。
委員より、「駐車違反制度改革の懇談会がパブリックコメントを今求めるのは良いタイミングだ。一般国民の関心は高いと思われるが、参考になる国民各層のアイデアや意見を幅広く求めるためには広報の姿勢が大切だ。すなわち、違法駐車問題懇談会でも議論があったようだが、分かりやすくその内容や問題点を解説することが重要だ。例えば、運転者、所有者、使用者という用語のうち、使用者という言葉の法律上の定義は、注釈のとおりであるとしても、一般のマイカーの場合にはどうなるのかということが、普通の国民には分かりにくいのではないか。また、民間委託先の構想についてもどういうことが考えられるのか。この次に意見を求めるときには、天下りの誤解を避けるような工夫があると良い。」旨、意見があり、警察庁より、「今までも色々な形でパブリックコメントを実施してきているが、今回も単に賛成・反対を求めるというものとしては捉えてはいない。国民から自由に様々な意見をいただこうという気持ちでいる。これまでにも、こういう意見もあるのかというような意見を少なからずいただいている。また、出来るだけ分かりやすくという点では、懇談会の座長も配慮されているようであり、分かりにくい言葉については、注釈を設けて解説するなど工夫はされているが、法律上の用語のことでもあり、難しい面もあるのではないか。」、「より分かりやすく説明してコメントを求めることが重要であるというのは御指摘のとおりである。そのような観点から、例えば、大半のケースを占める一般個人のマイカーの場合や、事業者の所有する車両の場合に、『使用者』等が通常どのようになるのか、工夫したい。」旨、説明した。
(5)天皇皇后両陛下の地方事情御視察(新潟県)に伴う警衛警備について
警察庁から、「天皇皇后両陛下は、6月11日から13日までの間、地方事情御視察のため、新潟県へ行幸啓になる。本行幸啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(6)万景峰92号の入港をめぐる動向について
警察庁から、6月9日から10日までの間、新潟港に入港する予定の万景峰92号に関する動向について報告がなされた。
(7)「国賓」盧武鉉大韓民国大統領の来日をめぐる情勢と警察措置について
警察庁から「盧武鉉大韓民国大統領夫妻は、6月6日から9日までの間、国賓として来日する予定であり、関係警察で警護警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(8)原子力発電所の警備に係る海上保安庁との共同訓練の実施について
警察庁から、「警察においては、米国同時多発テロ事件以降、海上保安庁と緊密に連携して原子力発電所に対する警戒警備に当たってきたところであるが、今般、原子力発電所の警備について海上保安庁との共同訓練を実施する。」旨の報告がなされた。
(9)「エビアン・サミット」結果について
警察庁から、「6月1日から3日までの間、フランス・エビアンにおいて主要国首脳会議が開催され、警察庁関連では、国際テロ対策、拉致問題を含む北朝鮮問題等が議論された。」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)警察庁から、交通安全対策特別交付金の見直し問題の状況に関し、長官の出席した6月3日の「検討の場(第4回)」の結果等についての報告がなされた。