定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成15年7月24日(木)

午前10時午後0時45分

第2 出席者 谷垣委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員、長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長       

第3 議事の概要

  議題事項

(1)福岡県公安委員会の犯罪被害者等給付金減額支給裁定に対する審査請求事案の審理状況報告及び裁決について

警察庁から、平成14年12月26日に福岡県公安委員会が行った犯罪被害者等給付金の減額支給裁定を不服として、15年2月24日に国家公安委員会に対し提起された審査請求に関し、審理の状況について報告が行われ、審査請求を棄却する裁決を行った。

 (2)国家公安委員会に対する異議申立てについて

警察庁から、国家公安委員会に対する請願に関し、同委員会に対してなされた行政不服審査法に基づく異議申立てについて、審理状況等の報告がなされ、同申立てを却下する決定を行った。

(3)特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令案等について

警察庁から、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律の施行期日を定める政令案、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令案等について説明し、決裁を受けた。

委員より、「ピッキング犯罪対策として本法が短期間で成立したことを評価する。関係者のこの間の努力を多としたい。残念なことは、指定建物錠の防犯性能の表示に関する告示の規定が今回の施行期日より後に定められることだ。このことが仕事の手続上、当然なのだという説明は、ピッキングの被害に遭った、あるいはその被害を恐れている一般市民と、仕事のスピード感が合致していないと思う。このくらいの告示の作成は、法成立までに検討の時間があったのであるから、手順を工夫して今回の施行期日に間に合わせていただきたかった。民間の鍵業者に問題があるのなら、間に合わぬという業者に合わせて護送船団方式でのんびりと仕事をさせるのではなく、仕事のスピードも競争の一つの要素だと鍵業界を督励して欲しい。」旨の発言があり、警察庁から、「ピッキング犯罪に対する一般国民の関心は大変高まっており、当該告示の規定についてもできる限り早く施行すべきであるという御指摘は誠にもっともである。今後は、業界の方に体制の早期整備を強く促し、できる限り早く施行できるよう努力してまいりたい。」旨、説明した。

(4)国家公安委員会委員長を代理する者の指定に係る互選について

委員相互で互選を行い、8月7日から14日までの渡邊委員の海外渡航期間中においては荻野委員を、渡邊委員の帰国後は、同委員を「委員長を代理する者」としてそれぞれ選出した。

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

  報告事項

(1)平成16年度概算要求基準をめぐる状況及び警察庁予算概算要求重点項目(案)について

警察庁から、6月26日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」及び「平成16年度警察庁予算概算要求重点項目(案)」について報告がなされた。

 (2)警察庁長官に対する開示請求の措置等について

警察庁から、7月22日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況、当該請求に係る部分開示及び不開示決定の概要並びに不服申立ての状況について報告がなされた。

(3)国会の状況について                                  

警察庁から、7月17日に行われた参議院国土交通委員会の状況等について報告がなされた。また、「同月22日、参議院個人情報の保護に関する特別委員会理事会において、当庁から、消費者金融会社の社員に対する情報漏洩等の事案についての調査結果等を報告した。」旨の説明がなされた。

委員より、「先週の国会で、公安委員会制度の廃止を求める旨の質問があり、これに総理が答弁したと聞いた。具体的な質問と答弁の記録を見せていただきたい。」旨、発言があり、警察庁より、「御指摘の質問は、衆議院決算行政監視委員会における塩田晋議員からのものと思われるが、正規の議事録が届き次第お見せしたい。また、日頃から、国会議員に対しては国家公安委員会の制度・趣旨や活動実態等について十分説明し、御理解をいただけるよう努めているところである。」旨、説明した。

(4)次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画策定指針案について

警察庁から、地方公共団体及び事業主が次世代育成支援対策の実施に関する計画を策定する際の指針となる行動計画策定指針案について、厚生労働省においてその試案を一般に公表し意見の募集が行われる旨の報告がなされた。

(5)防犯まちづくり関係省庁協議会取りまとめについて

警察庁から、防犯まちづくり関係省庁協議会が7月24日に取りまとめる「防犯まちづくりの推進について」の概要等について報告がなされた。

(6)子どもを犯罪から守るための対策の一層の推進について

警察庁から、「子どもが被害者となる殺人、誘拐等凶悪事件が発生するなど、子どもを取り巻く環境が一段と厳しい状況にあるが、特に夏休み期間に入り、子どもの家庭、学校外での活動の機会が増え、犯罪の被害の増加が懸念されることから、7月18日付けで通達を発出し、一層の防犯対策を推進するよう指示した。」旨の報告がなされた。

委員より、「最近では、自分の子供の行動に無関心な親も少なくないが、警察として、こうした親の対策について具体的にどのように考えているのか。」旨、質問があり、警察庁より、「警察としては、学校側とも協力しつつ、日々の様々な活動を通じて親と接触をする中で、一つひとつ地道に対応していくとともに、少年非行の現場を知る立場から、家庭教育の重要性について世の中全体に情報発信をしていくことが重要ではないかと考えている。また、鴻池大臣主催の『少年非行対策のための検討会』においても、このような問題意識を伝えてまいりたい。」旨、説明した。

委員長より、「少年法の理念で個々の少年を保護することは非常に大事な考え方であるが、他方、社会が経験を共有し、こういう少年問題に共通の認識と理解の下に立ち向かっていくという点では、少年法の考え方は少し弱いようにも思われる。より根本的には、少し古めかしいようだが、徳育を充実させ、長い期間をかけて健全育成に努めるしかないのではないか。」旨、発言があった。

(7)平成14年中における自殺及び家出の概要について

警察庁から、自殺者及び家出人の総数等、平成14年中における自殺及び家出の概要について報告がなされた。

(8)薬物乱用防止新五か年戦略(案)について

警察庁から、7月29日に開催される薬物乱用対策推進本部において策定が予定されている「薬物乱用防止新五か年戦略」(案)について報告がなされた。

委員より、「『薬物乱用防止新5か年戦略』には、関係省庁の共同作業、暴力団などの犯罪組織の中枢に迫る決意、流行懸念のあるMDMA対策など、重要項目が盛り込まれており、新たな政策効果に期待したい。フォローアップ資料にある金融庁資料では疑わしい取引の届出が近年増加している。これは薬物のみが対象ではないのだろうが、不法収益を許さぬという点や、薬物取引の捜査上も重要な手掛かりとなる情報だと思う。この疑わしい取引の情報は、警察等で十分活用されているのか。」旨、質問があり、警察庁より、「平成12年2月に組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律が施行され、金融機関等による疑わしい取引の届出が義務付けられたことなどにより、金融庁に対する届出が急増したものと思われる。届出に関する情報のうち、一定の犯罪捜査等に資すると認められるものは、金融庁から警察庁等に提供されている。警察庁ではこれを分析し、関係する都道府県警察に振り分けており、実際にこれを端緒とした事件検挙もなされている。」旨、説明した。

委員より、「説明では、覚せい剤事犯検挙人員の約4割が暴力団員等であるとのことであるが、その点にも焦点をあてる必要はないのか。」旨、質問があり、警察庁より、「御指摘の点に関しては、目標2で、『組織犯罪対策の推進』として、『薬物密売組織の実態解明等』や『組織中枢に位置する者に対する取締り』等の項目を設けて記載しており、旧戦略よりも充実した内容となっている。すなわち、暴力団に対しても、外国人薬物密売組織と併せて、薬物密売組織という観点から対策を強化することとなっている。」旨、説明した。

(9)小学校6年女児4人に対する誘拐等事件について(警視庁)

警察庁から、「警視庁では、7月13日から所在不明となっていた東京都内居住の小学校6年女児4人を、同月17日、東京都港区内で保護した事案に関し、誘拐・逮捕監禁容疑事件として捜査中である。」旨の報告がなされた。

10)元衆議院議員らによる政策担当秘書給与詐欺事件について(警視庁)

警察庁から、「警視庁は、7月18日、衆議院から政策担当秘書給与名下に合計約1880万円を騙し取った元衆議院議員ら4名を詐欺罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。

11行政対象暴力に対する関係省庁等連絡会議の開催について

警察庁から、「7月29日、警察庁において、『行政対象暴力に対する関係省庁等連絡会議』を開催し、行政対象暴力に関し、相互に情報交換を行い、今後のとるべき措置について協議を行うこととした。」旨の報告がなされた。  

12)平成15年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について

警察庁から、交通事故死者及び交通死亡事故の主な特徴や取締り総件数等、平成15年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について報告がなされた。

13)違法駐車問題検討懇談会(第4回)の開催について

警察庁から、第4回の違法駐車問題検討懇談会における議事内容等について報告がなされた。

14)皇太子殿下の「平成15年度全国高等学校総合体育大会」御臨場等(長崎県)に伴う警衛警備について

警察庁から、「皇太子殿下は、7月27~28日までの間、『平成15年度全国高等学校総合体育大会』御臨場等のため、長崎県へ行啓になる。本行啓に伴い、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。

15)皇太子殿下の第9回日本アグーナリー御臨場等(石川県)に伴う警衛警備について

警察庁から、「皇太子殿下は、8月2日~4日までの間、第9回日本アグーナリー御臨場等のため、石川県へ行啓になる。本行啓に関して、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。

16)平成15年7月梅雨前線豪雨による被害状況と警察措置について

警察庁から、7月19~20日にかけて中国・九州各県に被害をもたらした梅雨前線豪雨に関し、その被害状況と警察措置について報告がなされた。

17)「自動車お列進行妨害事案」を踏まえた今後の対応について

警察庁から、7月4日、北海道富良野市内の国道上で発生した自動車お列進行妨害事案を踏まえた今後の対応について報告がなされた。

各委員より、「今回の事案については教訓とすべき点があるはずであるから、その点を次回以降の警衛警備にぜひとも活かして欲しい。」旨、発言等があった。

18)我が国におけるインターネット治安情勢の分析について(平成15年度第1/四半期)

警察庁から、インターネットに接続する全国警察施設に対するサイバー攻撃の監視結果及びその分析結果について報告がなされた。

委員長から、「日本国内で攻撃の発信元が特定された場合、どのような対応をとることになるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「発信元を特定することができれば、基本的にはその発信元に注意を促すことになる。大抵はそれで収まることが多いと思われる。もっとも、その発信元が必ずしも攻撃元であるとは限られず、例えば、ある大学の研究室のコンピューターが乗っ取られて、そこが『なりすまし』の起点にされ、そこから発信されたような場合、そもそもの攻撃元がどこなのかまでは分からないというのが現状である。」旨、説明した。

委員より、「中国が発信元となる攻撃が急増しているとのことであるが、これは中国側の対応と何か関係があるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「中国からの攻撃はスラマーワームがほとんどであるが、中国では、この問題に対して、サーバーの管理者等の関心が必ずしも高くはなく、これに対処するプログラム等を入力していないことが急増している原因ではないかと推測される。」旨、説明した。

委員長より、「このような問題に関し、国際的な情報交換等は行っているのか。」旨、質問があり、警察庁より、「現在、中国を含むアジア地区においてネットワークを作っており、その中で情報のやり取り等を行っているところである。」旨、説明した。

3 その他

(1)警察庁から、「国会の会期終了後、国家公安委員会委員長がアメリカ合衆国を訪問する予定であり、現在その日程等について調整中である。」旨の報告がなされた。