定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成15年7月3日(木)

午前10時~午後0時10分

第2 出席者 谷垣委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員、長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、情報通信局長、官房審議官(警備局担当)

第3議事の概要

1議題事項

(1)古物営業法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案等について        

警察庁から、「古物営業法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案」及び古物競りあっせん業(インターネット・オークション)に係る盗品等の売買防止等のための規定等を整備するための「古物営業法施行規則の一部を改正する規則案」について説明し、決裁を受けた。

委員長より、「施行規則案第19条の3第2項が、記録の保存に努めるべき期間を1年間としているのは、善意取得と何か関係があるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「法律的には古物営業法第20条が、被害者等から古物商に対する無償回復請求権を1年間と定めていることを踏まえたものである。また、実態的には検挙された窃盗事件を見ると認知から1年以内に検挙されたものが多いという現実も加味している。」旨、説明した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

2報告事項

(1)国会の状況について

警察庁から、6月3日に行われた参議院内閣委員会の状況等について報告がなされた。その際、警視庁において捜査中の消費者金融会社被害の当該会社の内部資料を利用した恐喝未遂事件等については、7月1日までに起訴され、引き続き、警視庁等において警察職員に係る非違事案の有無について鋭意調査等を行っている旨の報告がなされた。

(2)監察の取扱い事案について

警察庁から、「長崎県警察の事務吏員が、3月31日、拾得金の預託事務に係る署長振出しの小切手を偽造し、4月1日、同小切手を行使して銀行から現金25万円を騙し取った事案(6月14日、通常逮捕)に関し、同県警察は、7月4日、同人を懲戒免職処分とするとともに、上司4名を戒告処分等とする予定である。」旨の報告がなされた。

 (3)「インターネット異性紹介事業」の定義について

警察庁から、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律における「インターネット異性紹介事業」の定義について、その検討内容を公表し、広く国民から質問、指摘を求めることとした。」旨の報告がなされた。また、これに関連し、「同法が禁止する不正誘引行為に対する罰則の適用については、何人にも適用されることから、特に児童に対して、この点を周知徹底することが重要であると考えている。そのための方策として、これまでも、文部科学省と連携した通達の発出や、都道府県警察の少年担当者を対象とした会議の開催等を行ってきたが、今後は、広報用リーフレットの作成や、文部科学省と連携した校長会、PTA等に対する働き掛け等を検討している。」旨の報告がなされた。

委員より、「子供の問題、特に少年犯罪の防止については、やはり今後とも警察と文部科学省とが中長期的に連携していく必要があると考える。以前、国家公安委員会で、宮城県において、県内すべての学校が警察と協定を結び、両者が連携して青少年の非行防止に取り組んでいることを紹介したが、このような細かなネットワークができていれば、説明にあった文部科学省と連携した通達の発出等も実際の現場で生きてくると思われる。宮城県のような動きは、他の県ではどの程度あるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「現在、宮城県のような機能的な仕組みを全国的に作ることができないか、様々な会議でお願いしており、都道府県においても努力していただいている。最終的には、各都道府県の判断になろうが、警察との連携についての学校側の問題意識もかなり高まってきているようであり、今後は宮城県のような方式が進んでいくのではないかと思われる。中央省庁のレベルでは、今年に入り、文部科学省と警察庁との課長レベルの会議を定期的に開催するなど活発な意見交換を行っており、このような中央省庁間での緊密な関係が都道府県にも影響することを期待している。」旨、説明した。

(4)株主総会集中日における開催結果について

警察庁から、6月27日の株主総会集中日における警戒状況、総会屋の動向等について報告した。

委員より、「全国の総会屋の数が420人とのことだが、今回の株主総会に出席した総会屋等の41人以外の者は何をしているのか。また、そもそも総会屋というのはどういう者をいうのか。」旨、質問があり、警察庁より、「株主総会に出席していない総会屋等がどのような活動をしているのかについて十分に把握しているわけではないが、この41人についてはあくまで株主総会に出席した者の数であり、それ以外の総会屋についても、表立った形ではなく、年間を通じて企業にアタックし、不法な利益を得ようとしているものと思われる。警察としては、引き続き、そのような事案がないかについては十分注意していかなければならないものと考えている。また、総会屋については、少なくとも、単位株以上の株式を所有し、株主権の行使に関して企業から不法な利益を得ようとする者と言えようが、その認定は警察の視察活動によるものであり、このようなものを集計したものが420人という数字になる。なお、現在では、企業を対象とした不法な活動は、総会屋のほか、会社ゴロや社会運動標榜ゴロ等様々な形態があり、警察としては、これらを全体として企業対象暴力という形で対策を講じているところである。」旨、説明した。これに関連し、昭和56年の商法改正以降、現在に至るまでの総会屋対策の歴史等について補足説明がなされた。

(5)チャイルドシートの使用状況について

警察庁から、5月24日から6月3日までの間、警察庁と(社)日本自動車連盟(JAF)が合同で実施した、チャイルドシートの使用状況に関する全国調査の結果について報告した。

委員より、「シートベルトの着用が事故の際の死亡率等を顕著に下げることは、統計上も明らかである。そこで、最近の一般のシートベルトの着用率がどのようになっているのか。ある地域では死亡事故数が全国一となっているが、その管内では、シートベルトを99%着用しているところがある反面、非常に着用率が低いところもある。このようなところの指導あるいは取締りをどの程度意識的にやっているのか。また、全国的に交通局としてどういう意識でやっているのか。もう少しキャンペーンをやれば、死亡事故等はもっと減るのではないか。」旨、質問があり、警察庁より、「昨年のシートベルトの着用者率は、87~88%位であるが、これは年々高くなってきている。それに伴い自動車乗車中の死者数は一貫して減少してきており、シートベルトの着用が自動車乗車中の死者数の減少に非常に効果的であることが明らかである。ただ、問題なのは、自動車乗車中の死亡者の57%強が未だシートベルトを付けていないことであり、この辺をもう少し改善できれば更に死者数を減らすことができるのではないかと思われる。シートベルトについては、年間300万件以上の取締りをやっているほか、交通安全運動の期間中だけでなく随時キャンペーン活動を行うなど、その着用者率の向上を図っている。なお、今後の課題として、後部座席の者にもシートベルトの着用を義務付けるかどうかという問題があり、十分検討してまいりたい。」旨、説明した。

(6)皇太子同妃両殿下の「第39回献血運動推進全国大会」御臨席等に伴う警衛警備について

警察庁から、「皇太子同妃両殿下は、7月9・10日の両日、「第39回献血運動推進全国大会」に御臨席等のため、茨城県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。

(7)首都圏において停電が発生した場合の予想事案と対策について

警察庁から、「夏の電力不足が懸念される中、警察庁では、停電が発生した場合に予想される、信号機の滅灯や一部地下街・地下道の照明滅灯等の事案に備え、各種対策を推進することとした。」旨の報告がなされた。また、警察庁から、「警察情報通信システムについては、基本的にバッテリーと発動発電機が準備されており、仮に停電が発生しても特に支障はないと考えている。」旨の報告がなされた。

委員から、「停電の場合、道路の信号機には予備電源があるということだが、それはどの程度あって、実際に機能する保障はあるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「東京電力供給エリア内の信号機は、約55,000機あるが、このうち、重要な交差点の信号機については、発動発電機により自動的に起動する方式のものや、現地で手動で稼働させることができる方式のものになっている。また、このような設備のない信号機についても、各警察署が保有する可搬式の発電機を設置して作動させることや、警察官に現場で交通整理をさせることを検討しており、大きな混乱は起こらないものと考えている。」旨、説明した。

委員長より、「一般加入電話について、最近の電話機は、昔のものと異なり、コンセントから電源をとっているものが多いが、そうだとすると、停電になった場合、その地域では通話ができなくなるのではないか。また、警察と停電した地域との連絡に不都合を生じるということはないのか。」旨、質問があり、警察庁より、「最近の電話機は、留守番電話機能等様々な機能が付いており、そのための電源をコンセントからとっているものが多いが、このような機種であっても、停電の際、NTTの電話局が機能していれば、通話だけは出来るような仕組みに基本的にはなっている。また、警察と停電した地域との連絡に不都合を生じるということはないものと考えている。」旨、説明した。

(8)全教「第20回定期大会」をめぐる動向と警察措置について

警察庁から、「7月5・6日の2日間、埼玉県志木市内で開催される全教(全日本教職員組合)の定期大会に対し、右翼による街頭宣伝活動等が予想されることから、埼玉県警察では、警戒警備を実施する。」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)委員長より、「インターネットについて、それがどのように利用され、いかなる弊害が生じているかは日々変化していると思われるが、これまで警察が取り組んできたこと以外に、警察の視点から、今後更に議論なり勉強をする必要があると思われる問題としてはどのようなものがあるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「これについては、非常に多くのことがあると思われる。例をいくつか挙げると、インターネット・オークションによる、いわゆる禁制品の売買の問題、利用者の本人確認の問題、インターネット・カフェの匿名性の問題、児童ポルノ等の違法・有害コンテンツの問題、国外犯の問題等が考えられる。」旨、説明した。

(2)委員より、「報告外の個別案件に関する質問だが、先日、DV(ドメスティック・バイオレンス)の事案に絡んで第三者が殺害されるという事件が起こった。現行のいわゆるDV法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)は、成立から2年位の新法だが、このような事件を防止するという視点から見た場合、今回の事案の被害者は保護や取締りの対象にはならないような条文になっているのか。そうだとすれば、他の法律や条例で相当程度第三者の保護や警戒もできるということか。」旨、質問があり、警察庁より、「DV法における保護対象については、当該事件であれば、その妻ということになり、今回被害に遭われたような第三者の方は保護対象にはなっていない。しかし、実際に警察への通報があり、現場において刑罰法令に触れるような行為があれば、当然それを適用し取り締まることになるほか、一般的な形で本人に対して警告・指導を行うことは十分可能である。今後は、本件事案を踏まえ、保護対象者の方とよく相談の上、職場も含めて、加害者が押し掛ける可能性のある第三者方に対しても、警察への通報体制を確立していただけるよう働き掛けていくことも必要ではないかと考えている。なお、DV法に関しては、保護対象の範囲の拡大、更には加害者対策の必要性についても国会等で議論がなされているところである。」旨、説明した。