定例委員会の開催状況

第1 日 時  平成15年8月21日(木)

午前10時午後0時30分

第2 出席者  谷垣委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長       

第3 議事の概要

 議題事項

(1)「平成16年度予算概算要求の重点事項に係る事業評価結果報告書」(案)について

警察庁から、「平成16年度警察庁予算概算要求の重点事項とする政策について、国家公安委員会及び警察庁における事前評価としての事業評価結果報告書を作成することとしたい。」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。    

委員より、「今年度新たに『防犯性能の高い建物錠等の開発・普及促進』という項目が入ったとのことであるが、これとの関連で、『鍵屋は何をしとるのか』という最近の日刊警察に掲載されていた論評に同感である。安全であることを前提とした日本住宅の伝統文化もあるが、いまや防犯性能がセールスポイントになる住宅にとって、ドアと鍵の民間事業家はビジネスチャンスを逃しているようなものだ。住宅産業界がリーダーシップを発揮すべきことだろうが、ドアと鍵の業界での競争促進、新規参入の奨励など、警察も防犯の観点から住宅産業界の人々を啓蒙してもらいたい。」旨、発言があり、警察庁より、「今回成立した特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律は、鍵の防犯性能等について表示義務を課しており、警察としても様々な機会を通して、より良い防犯性能を有する鍵の普及促進が図られるように努力してまいりたい。」旨、説明した。

(2)政府開発援助大綱の改定について

警察庁から、政府開発援助大綱の改定について、その概要等について説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則について

警察庁から、貸金業の規制等に関する法律が改正されることに伴う警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則について説明がなされ、原案どおり決定した。

(4)インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部の施行期日を定める政令案等について    

警察庁から、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部の施行期日を定める政令案等について説明がなされ、原案どおり決定した。

(5)監察の取扱い事案について

警察庁から、「警視庁の巡査部長が、8月5日、110番通報で臨場した現場において、現金を窃取した事案に関し、同庁は、同月26日、同巡査部長を懲戒免職処分にするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、警察署長を警視総監注意の措置とする予定である。」旨の説明がなされ、了承した。

委員より、「本案件について監督責任を問う理由は何か。」旨、質問があり、警察庁より、「事案が職務執行中のものであり、警察業務の信用性を著しく損ねたという特異性があること等から、監督責任も問うべきであると警視庁において判断したとの報告を受けている。」旨、説明した。

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

 報告事項

(1)緊急治安対策プログラムについて

警察庁から、現下の厳しい治安情勢に対処し、犯罪の増加基調に歯止めをかけ、国民の不安を解消するため、当面、緊急かつ重点的に取り組んでいくものとしての緊急治安対策プログラムについて報告がなされた。

委員より、「このプログラムの記載中に『国際テロ特別機動展開部隊(仮称)の設置』とあるが、これはどういうものか。また、『警察庁が重大テロ事件について都道府県警察を指揮監督することができることを明確化するための検討を行う』とあるが、この『検討』の目処はいつごろになるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「前者の『国際テロ特別機動展開部隊』については、現在の国際テロ緊急展開チーム(TRT)を発展させるものであり、まだ人数等は未確定であるが、海外で邦人に対するテロが起きたときなどに直ちにこれを派遣し、現地治安当局との連携、情報収集等を行おうとするものである。また、後者の問題については、警察法の改正にもかかわるものであり、検討しなければならないと考えている。」、「後者の問題に関しては、平成12年の警察法の改正で、特定のハイジャック事案等について警察庁の所掌事務とし、それらについては都道府県警察を指揮監督することができることとしたが、現在、重大テロを明示してのこのような規定はない。これはテロ法制全体をどうするかの問題や現在検討中の国民保護法制とも関連しており、これらとの関係について考えを整理した上で方針を決めることになる。」旨、説明した。

委員より、「緊急治安対策プログラムは、警察の治安対策に取り組む覚悟と姿勢を示す意味で非常に画期的なものだと思う。しかし、このプログラムの中で『現下の厳しい治安情勢』というのが一つの慣用句になっているようだが、治安情勢は従前よりもはるかに厳しさを増しているのであるから、その辺を踏まえてもう少し表現に工夫はできないのか。」旨、発言があった。

委員より、「緊急性と危機の状況から、このプログラムをもう少し内容を絞った形での意思表示ができないのか。治安回復が単純な問題でないことは分かるが、戦力の逐次投入という形では問題が片付かない。現下に、本当に緊急に必要なプログラムは何か。重点志向、優先度、順位付けが必要ではないかと考える。」旨、発言があり、警察庁より、「治安対策の中身はその性質上様々なものがあり、単年度でできることも限られている。そこで今回、警察庁として初めて複数年の計画を策定し、今後それに基づいて各種施策を実現しようと考えた。このようなプログラムの性質から、その内容は必然的に総合的なものになった。」旨、説明した。

(2)平成16年度警察庁予算概算要求・要望の概要について

警察庁から、平成16年度警察庁予算概算要求・要望について、予算要求・要望の重点項目における内容、地方警察官の増員及び国家公務員の増員について説明がなされた。

委員より、「地方警察官の増員に関連して、国や地方の予算上の制約がなければ現実的に年間何人位増員が可能なのか。また、将来過剰になる懸念がある等の中長期的な人員のバランス、良質な人の採用、教育施設などの制約もあろうが、本当に必要なら初年度に一挙に1万人増員というようなことは現実的ではないのか。」旨、質問があり、警察庁より、「都道府県警察の警察学校等施設の収容能力の問題や、良質な人材の確保のための適正な競争倍率の維持等を考えると、今回要求している程度の人員が限界であり、単年度で一挙に1万人の増員というのは現実的ではないものと思われる。」旨、説明した。

(3)平成16年度警察庁の組織改正要求について

警察庁から、平成16年度警察庁の組織改正要求について報告がなされた。

委員から、「組織犯罪対策部が刑事局に設置されるとのことであるがこれは暴力団対策部の転換なのか。また、警備局に設置される外事情報部は、国際部と関係があるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「組織犯罪対策部、外事情報部は、それぞれ暴力団対策部、国際部の振替である。」旨、説明した。

(4)平成15年度人事院勧告について

警察庁から、人事院が8月8日に国会及び内閣に対して行った平成15年度人事院勧告の主な内容等について報告がなされた。

(5)平成15年度第1四半期監察の実施状況について

警察庁から、警察庁等が道府県警察等に対して行った本年度第1四半期における監察の実施状況について報告がなされた。

(6)監察の取扱い事案について 

警察庁から、「大阪府警察の巡査が、7月24日、奈良県内の路上において、通行人のバッグを窃取しようとして暴行を加え負傷させたとして、奈良県警察に強盗傷害で現行犯逮捕された事案に関し、大阪府警察は、8月14日、同巡査を懲戒免職処分とした。また、愛媛県警察の巡査長が、7月27日、松山市内のアパートに忍び込んで室内を物色中、家人に発見され、窃盗未遂により現行犯逮捕されるなどした事案に関し、同県警察は、同巡査長を、8月15日、懲戒免職処分とした。」旨の報告がなされた。

(7)平成15年上半期のハイテク犯罪の検挙及び相談受理状況等について

警察庁から、平成15年上半期のハイテク犯罪の検挙件数、ハイテク犯罪等に関する相談受理件数等について報告がなされた。

(8)平成15年上半期の不正アクセス行為の発生状況等について

警察庁から、平成15年上半期の不正アクセス行為の認知件数、不正アクセス禁止法違反事件の検挙事件数等について報告がなされた。

(9)熊谷・秩父にまたがる連続殺人事件について(埼玉県警察)

警察庁から、「埼玉県警察は、8月18日から19日にかけ、熊谷市及び秩父市内において、男女各1名が殺害されるなどした事件に関し、同月21日、逮捕監禁罪で被疑者1名を逮捕した。」旨の報告がなされた。

10)町議会議員らによる組織的自動車盗事件について(警視庁・福岡県警察)

警察庁から、「警視庁・福岡県警察合同捜査本部は、8月21日までに、1都13県下にわたり、高級自動車を対象に組織的に窃盗を敢行していた福岡県内町議会議員や暴力団組員等34名を検挙した。」旨の報告がなされた。

11)北九州市における爆発物使用の殺人未遂等事件について(福岡県警察)

警察庁から、「福岡県警察は、8月18日、北九州市内の飲食店に暴力団組員が爆発物を投げ込み、従業員を負傷させた事件に関し、現在捜査中である。」旨の報告がなされた。

12)平成15年度警察総合防災訓練等について

警察庁から、「警察庁及び都道府県警察においては、9月1日(月)の『防災の日』を中心とした『防災週間』(8月30日~9月5日)に、総合防災訓練を実施する。」旨の報告がなされた。

13)日教組「第91回定期大会」をめぐる動向と警察措置について

警察庁から、「8月25日から27日までの間、東京都千代田区において開催される日教組(日本教職員組合)の定期大会に対して、右翼が街頭宣伝活動等を行うとみられることから、警視庁で警戒警備を実施する。」旨の報告がなされた。

14)万景峰92号の入港をめぐる動向と警察措置について

警察庁から、8月25日から26日までの間、新潟港に入港する予定の万景峰92号をめぐる動向と警察措置について報告がなされた。

15)いわゆるBlasterワームの蔓延について

警察庁から、インターネット上で感染被害が拡がったいわゆるBlasterワームに関し、我が国における感染状況と対応について報告がなされた。

3 その他

(1)委員長から、冒頭において、アメリカ合衆国の訪問(8月3日~7日)結果について報告がなされた。

(2)警察庁から、埼玉県警察において少年事件18件が長期間未処理のまま放置されていた事案に関し、その概要等について報告がなされた。