定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成16年12月16日(木)

午前10時午後0時50分

第2 出席者 村田委員長、荻野、安崎、川口、大森、佐藤各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「12月7日付けを始めとする地方警務官2名の人事異動について発令していただきたい。」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)次期通常国会提出予定法律案について

官房長から、次期通常国会に提出する予定の法律案等について説明がなされ、提出予定法案1件、検討中のもの1件の計2件を登録することを決定した。

(3)「平成17年政策評価の実施に関する計画(案)」等について

官房長から、「平成17年政策評価の実施に関する計画(案)」及び「平成17年実績評価計画書(案)」について説明がなされ、原案どおり決定した。

(4)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道警察における会計経理をめぐる事案に関し、12月9日、国家公安委員会から懲戒審査の要求を受けた警察庁懲戒審査会は、同月13日、当該審査を行い、本日、決定事項を同委員会に答申した。」旨の説明がなされ、同答申を踏まえ、国家公安委員会において、元北海道警察本部総務部長等10名を減給処分とし、同警察本部長を国家公安委員会訓戒とすることが決定されるとともに、地方 警務官11名を本部長訓戒等の措置とすることが了承された。

(5)金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う警察庁組織令の改正等について

刑事局長から、金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、同法の規定による預金口座等の不正な利用の防止に関することを刑事企画課の所掌とすることを内容とする警察庁組織令の一部を改正する政令案のほか、警察法施行規則の一部を改正する内閣府令案及び古物営業法施行規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(6)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)第4回犯罪対策閣僚会議の開催結果について

官房長から、12月14日の第4回犯罪対策閣僚会議の開催結果及び歌舞伎町対策の進捗状況について報告がなされた。

(2)個人情報保護条例の改正状況について

官房長から、9都県において個人情報保護条例の改正案が12月議会に提出されたこと等、個人情報保護条例の改正状況について報告がなされた。

(3)監獄法改正をめぐる動きについて

官房長から、12月13日開催の自民党行刑行政に関する特命委員会及び12月15日開催の三者協議(法務・警察・日弁連)の状況等、最近の監獄法改正をめぐる動きと今後の見通しについて報告がなされた。

安崎委員より、「本件に関連して次のような要望をしたい。刑務所や収容所等の施設不足と入国管理局等の取締官の不足から、警察が本来やるべき取締りを手控えているという事態は早急に改めなくてはならない。東京都は大分改善されたとのことだが、首都圏の各県ではあまり改善されていないといわれる。政府が『犯罪に強い社会の実現のための行動計画』(平成15年12月 犯罪対策閣僚会議)の中で公約として掲げていることでもあるのだから、必要な法改正、予算措置等について他省庁との協議を精力的に進め、この『行動計画』の目標達成に向けて更に努力していただきたい。」旨、発言し、官房長より、「御指摘の点については、更に強力に取り組んでまいりたい。」旨、説明があった。

(4)予算執行検討委員会の開催状況について

官房長から、「福岡県警察においては、本日の福岡県公安委員会において、本年4月20日に同県公安委員会が発出した監察の指示に対する監察の実施結果を報告し、同日午後開催される、福岡県議会において報告する予定である。なお、この際、同県警察においては、改善方策、返還方法等についても報告するとのことである。」旨等の報告がなされた。   

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道警察の事務吏員が、平成15年5月下旬頃から平成16年4月下旬頃までの間、前後十数回にわたり、親睦会費等合計570万円を横領した事案に関し、同警察は、本年12月17日、同事務吏員を懲戒免職処分にするとともに、監督責任として上司ら6名を本部長訓戒等の措置とする予定である。」旨の報告がなされた。      

(6)平成16年(111月)の犯罪情勢について

生活安全局長から、「本年11月末現在の刑法犯認知件数は、236万5,206件で前年同期に比べ7.2%減少しており、犯罪の増加傾向に一定の歯止めが掛かる一方、検挙率は、3.0ポイント上昇している。」旨等の報告がなされた。

大森委員より、「昨年に引き続き本年も全刑法犯の認知件数の減少傾向が維持されていることは非常に結構なことであり、警察の努力の成果であると評価したい。ただ、個人的な感想を申し上げて恐縮であるが、私の居住地域では、ひったくりや住宅侵入窃盗の発生が増加しており、報告のように、認知件数が引き続き減少し、それに伴い治安が徐々に回復しつつあるという現象が本当にそうなのか、なかなか信じられない部分もある。今後は検挙件数や検挙人員にも注目したいが、治安の回復に向けてなお一層の努力をお願いしたい。」旨、発言し、生活安全局長より、「認知件数等については、例えば、県警全体としては減少しているところでも、警察署毎に見ると増加しているところもあるし、それが減少している警察署でもある罪種について見れば増加していることもある。したがって、全体として少しでも減少するように頑張ってまいりたい。」旨、説明があり、さらに、長官より、「地域住民の方々に治安に関心を持っていただけるのは非常にありがたいことである。警察としては、地域住民の方々が安心して生活できるよう、その地域の治安に関する情報をこまめに発信するなど、きめ細かな対応をより一層推進してまいりたい。」旨、説明があった。

(7)新年の人出と年末年始の登山者に対する警察措置について

生活安全局長から、正月三が日における全国の神社・仏閣及び行楽地等への人出予想、年末年始(12月29日から1月3日)の主要山岳への予想登山者数並びに同期間における警察措置について報告がなされた。

安崎委員より、「年末年始の雑踏警備は御苦労だと思うが、それに関連して、本日12月16日付けの新聞で、明石歩道橋事故に関して、ノンフィクション作家である柳田邦男さんの『警察の姿勢を変えよ』という旨の少し気になるコメントを見た。これは明日本件事故に関する判決があるというタイミングでの記事である。そこで、事故発生直後の平成13年7月26日及び8月2日の国家公安委員会定例会議の会議録も再読してみた。ぜひこれを現在の担当課長にも読んでもらいたい。また、本件事故の責任を問うことの他に、失敗の現象や背後要因を解析して、失敗から学び、失敗の経験を活かす姿勢が重要だ。柳田さんは本件事故をノンフィクション作家の眼で追いかけて調べておられるようだから、事故後の警察における反省、分析、対策、改めた姿勢等を説明し、謙虚に批判してもらうように非公式にお考えを伺ってみてはどうか。」旨、発言し、生活安全局長より、「御趣旨に沿って対応したい。」旨、説明があり、さらに、警備局長より、「本件事故については、警察庁として雑踏警備についての考え方を整理し、生活安全局より、国家公安委員会に報告をしているものと承知している。また、その後、本件事故発生時、警備員が中心となって警備を行っていたが、警備員に対する雑踏警備の要領等をきちんとまとめたマニュアルがなかったことから、それを警備業協会等と協力しつつ、警察庁も監修、指導等を行い作成しており、的確な雑踏警備ができるようにしているものと承知している。なお、雑踏警備に関しては、警備局も機動隊等の運用もあることから、御指摘を踏まえて的確に対処してまいりたい。」旨、説明があった。   

(8)遺留資料DNA型情報検索システムの運用開始について

刑事局長から、12月17日より運用を開始する予定である遺留資料DNA型情報検索システムの基本的な仕組み等について報告がなされた。

(9)事前旅客情報システム(APIS)の運用開始について

刑事局長から、「警察庁は、平成17年1月4日から、不法入国者の上陸阻止、輸入禁制品等の密輸阻止、指名手配被疑者の逮捕等水際における取締りの徹底を図るため、法務省及び財務省と共同で導入する事前旅客情報システムの運用を開始する。」旨の報告がなされた。       

10)高速自動車国道等における自動二輪車の安全対策に関する検討結果について

交通局長から、道路交通法の一部改正により、高速自動車国道等における自動二輪車の二人乗り禁止規制が見直されたことに伴い、二人乗り通行禁止規制の要否等、高速自動車国道等における自動二輪車の安全対策に関する都道府県警察の検討結果等について報告がなされた。

11)平成16年中の交通警察活動の概況について

交通局長から、本年11月末現在の交通事故の状況、平成16年交通警察運営重点の推進結果等について報告がなされた。 

12)天皇誕生日及び新年一般参賀に伴う警備について

警備局長から、「本年12月23日に天皇誕生日一般参賀が、来年1月2日に新年一般参賀が、皇居において、それぞれ行われる予定であり、本行事に伴い、関係警察で警備を実施する。」旨等の報告がなされた。

3 その他

(1)11月26日開催の全国公安委員会連絡会議において北海道公安委員会委員長より発言のあった、北海道警察の不正経理問題に係る道公安委員会の責任について、次のとおり議論した。

大森委員より、「結論的には、道公安委員会に返還義務があるとは思えない。管理責任という法的責任はないのではないかと思っている。事案が明らかになるにしたがって、道公安委員会は本当によくやったと思う。管理責任の問い方としては、一般的には辞任や罷免がひとつ、それから金銭の関係では将来に対する給与の返上というのはあり得ても、現実に生じた損害の弁償ということは管理責任から生じないと思う。公安委員会には調査権はないのだから、管理責任からそもそも金銭の返還義務は生じないと思う。」旨、発言した。

佐藤委員より、「一般論として言えば、仮に公安委員会に管理上の責任があるとしても、それについては、罷免等の人事上の措置が採られたり、公安委員会の組織や運営について改善を図るという形になるのではないか。道警と公安委員会は別の組織であり、公安委員会の管理責任については、運用や体制の改善という方向で問うべきであり、道警と同様に金銭の返還を求めるという形で問うべきではないと思う。」旨、発言した。

荻野委員より、「個人的には12月2日の公安委員会において申し上げたが、その趣旨は道警と公安委員会は別の組織であるというところから来ている。また、我々の議論の伝え方についてであるが、本件は、北海道公安委員会が自主的に判断すべき事項について相談があったものであり、国会公安委員会として回答すると、それが指示と受け止められたり、本来自らが判断しなければならない事項について、全部国家公安委員会の見解待ちや指示待ちということになってしまわないか。したがって、指示をしたという形にならないように注意して欲しい。」旨、発言した。

大森委員より、「先般の全国公安委員会連絡会議の席上、北海道公安委員会委員長から述べられた意見に対し、国家公安委員会委員が行ったコメントの補足であり、本日改めて協議し、その概要を参考意見として、北海道公安委員会に伝えることは、両委員会の『緊密な連絡として、特に問題はない。」旨、発言した。

川口委員より、「道公安委員会の管理責任についてであるが、道警本部とは別の組織であり、警察の活動内容についてすべての情報を与えられているわけではないので、会計経理上の問題まで阻止できしっかりとした情報がない中では、責任の果たしようがなかったのではないか。また、我々の議論の伝え方について言えば、道公安委員会のほかに、全国公安委員会連絡会議の場での発言に対する対応なので、道公安委員会のほかに、であったことから各県にも伝える必要がある。」旨、発言した。

安崎委員より、「法的責任についての考え方は大森委員と同じである。道公安委員会には同情的である。これだけ騒がれた事件で何かやらなくてはという気持ちはよく分かる。口頭で結構なので、『お気持ちは分かる』ということを伝えて欲しい。」旨、発言した。

委員長より、「全公連の場における我々への問いかけに答えるようにして欲しい。しかし、我々への問いかけに対して答え方が指示にならないように伝えることが大切である。」旨、発言した。

(2)荻野委員より、奈良市内における女子児童被害の誘拐・殺人事件に関し、「本件事件については新たな事実が出てきていることもあり、依然としてマスコミが大きく取り上げているが、その後の状況はどうか。」旨、「何度も申し上げるようだが、なんとか早期検挙をお願いしたい。」旨、発言があり、刑事局長より、「一番大きなことは、犯人とほぼ間違いないと思われる者から遺族あてに新たな犯行を窺わせるメールが送られてきたことである。当初、奈良県警としては、御遺族の感情にも配慮し、このことには触れずに、周辺の住民や学校等にいろいろな形で注意喚起を促してきたが、その後、これがマスコミで報道されるに至っている。現場では、現在必死になって捜査を行っているところである。」旨、説明し、さらに、長官より、「そのような事態が生じたのは、警察の保秘が徹底していなかったことに主な原因があると思われ、御遺族の方々には申し訳ないと思っている。今後の奈良県警の捜査の推移を見守りたい。」旨、説明した。