定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成16年12月24日(金)

午前10午後10

第2 出席者 村田委員長、荻野、安崎、川口、大森、佐藤各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

長官官房審議官(警備局担当)、首席監察官、政策評価・情報公開企画官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則について

生活安全局長から、刑法の一部改正により集団強姦罪が新設されることなどに伴う、警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について

政策評価・情報公開企画官から、12月21日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。

(2)新行政改革大綱の策定について

官房長から、12月24日に閣議決定予定の新行政改革大綱(「今後の行政改革の方針」)の概要等について報告がなされた。

(3)平成17年度警察庁予算(案)の概要について

官房長から、平成17年度警察庁予算(案)に関し、その重点項目、地方警察官及び国家公務員の増員、組織改正等について報告がなされた。   

(4)平成16年度第2四半期会計監査の実施状況について

官房長から、会計の監査に関する規則(平成16年国家公安委員会規則第9号)に基づき、本年9月末までに実施された、管区警察局及び県警察に対する会計監査の実施状況の概要について報告がなされた。

安崎委員より、「今年度の会計監査は一連の不正経理事案の反省から業務改革として実行しているものであるが、会計監査はきちんと行う一方で、やるべき捜査は手を緩めることなく、そのために必要な経費は正々堂々と使用するという両方の要求を充たさなければならない。報告にあったように、捜査員が、会計監査が厳しくなっていることを懸念して、捜査費等の執行を自粛し、自腹を切るというようなことは、その気持ちは分からないでもないが、歓迎できることではない。そのような捜査活動は常識的に長続きしないし、捜査に熱も入りにくい。更には、突っ込んだ捜査をやらなくなるのではないかという心配の方が多いと思う。そこで、(1)自腹を切らせるな、という事前の指導の他に、改革が軌道に乗るまでの一定期間、自腹での支出を事後的に捜査員からの申出により審査し、救済補填する方法があり得ないのか。当該所属の会計責任者等が個別に面接をして事情を確かめ、後日必要となる支出弁明書のような証拠書類に準ずるものを作成し、補填する途は考えられないのか。また、(3)本年度の会計監査で、適正と不適正との中間的な支出で、不適正と判定されたようなものは、その点は積極的に指摘する一方で、これに対しては処罰することなく弁済是正を許し、現場の捜査員の意識改革のための教養材料として活用するような教育的提案が当面必要ではないか。今回の報告ではすべて適正に執行されているとのことだが、これについては、厳しすぎる予算執行が行われているのか、それとも会計監査が建前だけに止まっていないかという懸念がある。(1)(3)のようなことは、警察官の気持ちや現場の事情からとてもあり得ない非現実的な議論かどうか。」旨、発言した。

官房長より、「現在実施している会計監査については、補充調査が必要なところは追加監査を実施するなど、かなり厳しく行っている。その一方で、これまでの調査において、会計検査・監査への対応が負担であることなどから、捜査費等の執行を自粛する傾向が散見されている。この点については、捜査諸雑費制度を更に使いやすくするなど、現場の捜査員が捜査に必要な費用を自腹で支出するようなことがないよう、今後、更に工夫してまいりたい。また、警察庁の原局においても、都道府県警察のそれぞれの担当課に対し、捜査費の支出等に関し、指導・教養を行っているところである。」旨、また、長官より、「監査の時に事情を聴かれることが、捜査員が必要な経費を自腹で切る要因になっているものと思われる。仮に自腹で切った経費について事後的に補填することが可能であったとしても、その場合には会計文書が残るため、監査時に事情聴取があり得るという点は変わらないことから、問題点は残るのではないかと思う。」説明があった。

荻野委員より、「会計監査を厳しくやるというのは、一面では会計経理上の教養になるという側面もあるが、これが行き過ぎて、上の者が盲目的にただ厳しくすればよいということなって、本来あるべき警察活動が抑止されるようなことのないようにしていただきたい。」旨、発言した。

官房長より、「会計監査自体を緩めるわけにいかないが、委員御懸念の点にも十分留意し、バランス感覚をもって対応してまいりたい。」旨、説明があった。

佐藤委員より、「こうした問題は抽象論で話してもあまり意味がないと思う。今後、年度末に向けて監査を実施していく過程で、良い例や悪い例、あるいは悩ましい例がもっと出てくると思う。将来に向かって、より良いガイドラインを作るために、こうした事例をなるべく広く拾っていただき、それらを踏まえての警察庁としての改善策も併せて、しかるべき時期に国家公安委員会の議論の対象としていただきたい。」旨、発言した。

大森委員より、「佐藤委員の意見に賛成である。確かに、厳しい会計監査により捜査費等の執行を萎縮させ、それが捜査員の自弁となっていること自体はしっかり是正する必要があるが、逆にそのような面にばかり焦点が当たり、現在実施されている監査を少し手控える、監査の方が萎縮する、というようなことがあってならない。やはりどのような場合に適正に捜査費等を支出できるのか、その点を具体的に記載したガイドラインの作成が必要だと思う。」旨、発言した。

官房長より、「具体的なガイドラインは既にあるが、現在実施している会計監査等を通じて現場の声をよく吸い上げて、それらを踏まえて、より良いものを作りたい。」旨、説明があった。

長官より、「来年3月末まで本年度の会計監査を実施し、その過程で、どのような意見等が出たのか、よく整理するとともに、警察庁の捜査費の執行に関わる部門の意見等も踏まえて、どのような改善策や是正措置が可能であるのかをよく検討してみたい。」旨、説明があった。

(5)予算執行検討委員会の開催状況について

官房長から、「福岡県警察においては、12月22日、今回の不適正経理問題を踏まえ、適正な会計経理の推進に向けた改善方策等既存制度の見直しを行うため、本部長を長とする『福岡県警察改革推進本部』を設置した。」旨、「群馬県警察本部交通指導課における平成8年度の捜査報償費の執行に関してなされた住民監査請求(10月22日請求)については、12月20日、群馬県監査委員において、元警部補による陳述書に記載のあった関係職員等に事実確認をしたが、いずれも虚偽内容の会計書類作成を否定しており、元警部補の主張のみをもって違法・不当な公金の支出があったと認めることはできない、捜査報償費として支出された現金が餞別に使われたとする主張は、直感や推測に基づくものであり、何ら具体的根拠を認めることはできない等として、請求を棄却した。」旨等の報告がなされた。   

(6)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道警察情報通信部の技官が、本年8月22日頃、同情報通信部の備品である無線機用クリスタル2個を窃取するなどした事案に関し、同情報通信部等は、12月24日、同技官を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、当時の上司等5名を本部長注意等の措置とした。」旨、「宮城県警察の巡査長が、警察署に留置中の被留置者に携帯電話を不正に貸与するなど、職務上不正な行為を行い、その見返りとして、現金合計10万円の供与を受け、収賄罪で逮捕された事案等に関し、同県警察は、12月22日、同巡査長を懲戒免職処分にするとともに、監督責任として、上司の前署長等8名を本部長訓戒等の措置とした。」旨、「警視庁の警部補が、会社役員に対し、種々便宜な取り計らいをし、その見返りとして、平成12年3月ころから15年12月ころまでの間、8回にわたり、同役員らから、現金合計630万円等の供与を受けた事案に関し、同庁は、本年12月24日、同警部補を懲戒免職処分とした。」旨、「岡山県警察の事務吏員が、本年4月16日から10月4日までの間、前後約16回にわたって、同人が業務上預かり保管中の親睦会費、互助会費等合計約154万円を横領した事案に関し、同県警察は、12月27日、同事務吏員を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司の署長等4名を本部長訓戒等の措置とする予定である。」旨の報告がなされた。      

(7)行政手続法の施行及び運用に関する行政評価・監視結果に基づく勧告について

生活安全局長から、「12月14日に総務省が関係省庁に対して行った『行政手続法の施行及び運用に関する行政評価・監視結果に基づく勧告』の中で、国家公安委員会に対しては、『警備員に対する指定講習の指定』について審査基準を設定する余地がある旨勧告がなされた。これに対し、平成16年の警備業法の一部改正により、指定講習制度が廃止され、登録講習機関制度に改められたことにより、登録基準について明確に定めることとなった旨回答する予定である。」旨の報告がなされた。   

(8)改正有線電気通信法初適用事件の検挙について

生活安全局長から、「山形県警察は、12月3日、架電先の相手方と通話することなく、いわゆる『ワン切り』発信(多数の相手方に電話を架けて符号のみを受信させるもの。平成1412月の有線電気通信法改正により規制対象となった。)を行っていた電気通信事業者ら3人を、改正された同法の規定を初適用して逮捕した。」旨の報告がなされた。

川口委員より、「今回の『ワン切り』は、捜査員の携帯電話にかけたため、捜査・逮捕の対象になったが、そうでない場合はどのようにして規制の対象になっているのか。表には出ないけれども多くの一般の方が被害に遭っていることがあるのか。」旨、質問し、生活安全局長より、「『ワン切り』の場合には、基本的に、窃盗の場合のような被害者が存在するわけではないが、インターネット上には、『ワン切り』の情報を掲載しているサイトもあるようである。また、こうしたことが行われると通信回線が混み合うことから、NTT等の業務にも支障が生ずる。もっとも、法規制後、こうした『ワン切り』は減少してきている。」旨、説明があった。       

(9)いわゆる「フィッシング」対策の推進について

生活安全局長から、「いわゆる『フィッシング』(銀行等の偽のホームページを立ち上げ、ID、パスワード等の個人の金融情報を入力させて、不正に入手するもの)への対策として、都道府県警察における『フィッシング110番』の設置、関係業界団体への協力要請等を行うこととした。」旨の報告がなされた。

10)法制審議会刑事法(人身の自由を侵害する犯罪関係)部会の審議結果について

刑事局長から、法制審議会刑事法(人身の自由を侵害する犯罪関係)部会における、人身の自由を侵害する行為の処罰に関する罰則の整備に関する審議結果について報告がなされた。       

11)規制改革・民間開放推進会議第1次答申(案)について

交通局長から、規制改革・民間開放推進会議第1次答申(案)に盛り込まれた警察庁関係の事項について報告がなされた。

12)年末年始における初日の出暴走の取締りについて

交通局長から、「年末年始における暴走族による集団暴走行為に対し、所要の取締り体制を確立し、その封圧を図る。」旨の報告がなされた。 

13)故高松宮妃殿下の「斂葬の儀」に伴う警衛警護警備について

警備局長から、「高松宮妃殿下の薨去に伴い、12月26日、豊島岡墓地において、『斂葬の儀』が執り行われる予定であり、関係警察では、警衛警護警備を実施する。」旨の報告がなされた。

14)小泉総理大臣の伊勢神宮参拝に伴う警護警備について

警備局長から、「小泉総理大臣は、平成17年1月4日、伊勢神宮参拝のため三重県を訪問する予定であり、関係警察では警護警備を実施する。」旨の報告がなされた。

15)李登輝台湾前総統の来日に伴う警護警備について

警備局長から、「李登輝台湾前総統は、年末年始にかけて日本国内を観光旅行のため来日する予定であり、関係警察では、警護警備を実施する。」旨の報告がなされた。

荻野委員より、「官房長官はマスコミに対し取材を自粛して欲しい旨希望されているが、実際に訪日された際のマスコミの動きは予想できない。警護等には十分注意して欲しい。」旨、発言した。

3 その他

(1)委員長より、「就任以来、皆様方には大変御世話になった。また、渡邊前委員にはいろいろ御世話になり感謝申し上げるとともに、新任の佐藤委員にはよろしくお願い申し上げたい。平成17年度予算については、地方警察官の3,500人の増員を、財政状況が大変厳しい中で、治安対策が大変重要であるということで認めていただき、その効果が上がるように頑張っていかなければいけないと考えている。一段と安心な国になるようにお互い頑張りたい。警察庁においては、もう一つの担当である防災の関係で御支援をいただき、改めて感謝を申し上げたい。」旨、発言した。

(2)長官より、「就任以来、適切な御指導をいただき、感謝申し上げる。不正経理問題はまだ残っており、また、警察改革以降も警察官の不祥事案は続発している。来年も、国家公安委員会の皆様方の御指導を受けつつ、気持ちを引き締めてしっかりやってまいりたい。」旨、発言があった。