定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成16年2月26日(木)
午前10時10分~午後0時45分
第2 出席者 渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について
警察庁から、厚生年金制度における改正内容を踏まえた共済年金制度における給付と負担の在り方及び地共済年金と国共済年金の財政単位の一元化等について規定する一部改正法案について説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案について
警察庁から、日本国とアメリカ合衆国との間における年金・医療等公的保険の二重加入の問題を解決するため、また、相手国の年金加入期間を受給権発生のために通算することを認めることで保険料掛け捨て問題を解決するための特例法案について説明がなされ、原案どおり決定した。
(3)社会保障に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案について
警察庁から、日本国と大韓民国との間における年金制度の二重加入の問題を解決するための特例法案について説明がなされ、原案どおり決定した。
(4)ワンストップサービス実現のための自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部改正等について
警察庁から、自動車保有関係手続に関し、ワンストップサービスを実現し国民負担の軽減等を図るための自動車の保管場所の確保等に関する法律の一部を改正する法律案等について説明がなされ、原案どおり決定した。
(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)国会の状況について
警察庁から、2月24日に行われた衆議院予算委員会等における質疑の状況について報告がなされた。
(2)予算執行検討委員会の開催状況について
警察庁から、2月19日開催の国家公安委員会において検討するよう指示のあった監査委員による監査への対応の在り方について、警察庁の予算執行検討委員会で検討した結果が報告され、都道府県警察に対して対応方針を示した通達を発出することについて了承を得た。この際、2月26日の北海道新聞に掲載された「弟子屈署の裏帳簿入手」との見出しの記事の概要等について報告がなされた。
委員より、「今回、このような通達を発出することは、事案への対応としては一歩前進であり、結構である。ただ、通達の中で、『監査委員等からの捜査員に対する聞き取り調査の要求が行われたときは、特段の業務上の支障がない限り、これに応ずるよう配意されたい。』としている点については、『特段の業務上の支障がない限り』という部分の適用いかんによっては、従来どおりの運用となりかねない。ここでいう『特段の業務上の支障』とは、先ほど説明があったように捜査員が現に取調中である、あるいは署外で捜査活動中である等、物理的に対応が困難である場合をいい、将来的に情報提供が得られなくなるといった程度の捜査上の支障をいうものではないことを明確にすべきである。」旨、発言があり、警察庁より、「委員御指摘の点については、本日の国家公安委員会において、このような対応方針を示すことにつき御了承が得られれば、午後の記者会見の場できちんと説明したい。また、3月中には全国の会計責任者を集めて会議を行い、その点についてよく説明したいと考えている。」旨、説明した。
委員より、「こうした通達を発出することは了承するが、前記委員から指摘のあった点は重要であり、この『特段の業務上の支障がない限り』という部分の適用については、従来とは異なるということをはっきりさせるべきである。」旨、発言があった。
委員より、「この通達が発出されれば、以後、監査委員等から書面審査では心証が得られないとして要求があれば、通常は捜査員に対する聞き取り調査を受け入れることになると思われるが、その際、当該捜査員にすべて対応を任せるというのでは、本人の負担が過大になることもありうる。特に情報提供者から領収書の作成を拒否され、領収書がない事案について説明を求められた場合が心配である。領収書の問題を含め会計上の仕組みについては予め周知を図ることにより、聞き取り調査を受ける捜査員に過剰な負担がかからないように努めていただきたい。」旨、発言があり、警察庁より、「領収書の在り方については、現在、予算執行検討委員会で検討中であり、今後、結論を出したいと考えている。また、監査委員等による捜査員に対する聞き取り調査への対応については、捜査員の負担軽減や士気の低下を防止するという観点から、どのような形で行うのがよいのかについて検討したい。」旨、説明した。
委員より、「今回の通達の内容に同意するが、今後、予算執行検討委員会で、次のような対策の可能性について検討していただきたい。第一は、事実上、領収書を徴取できない場合があることは理解できるので、架空名義による領収書を発行しなくても、捜査幹部、場合により捜査員の説明で会計検査に対処できるようにできないか。第二は、理解を得られない関係者との会食等は公金で支出し得ないことを一層徹底する。第三は、長期間苦労した捜査本部の激励慰労等の費用については、現場の警察官の勤務実態を踏まえ、一人当たりの金額や年間の合計支出について上限を定めた上で、知事部局や議会の理解を得て予算化する。」旨、発言があった。
委員より、「前記委員の発言に賛同する。ぜひそのような方向で実現できるように進めていただきたい。」旨、発言があった。
警察庁より、「捜査費等予算の執行の在り方については、その仕組みの改善と併せて、世間の常識あるいは時代の要請に合わせて意識の改善を図ることも重要であると考える。」旨、発言があった。
委員より、「通達では、監査委員等による捜査員に対する聞き取り調査への対応だけに焦点が絞られているが、今回の北海道警察におけるいわゆる不正経理の問題の本質は、予算が名目どおり適正に支出が行われていたかどうかという点であり、この点を抜きにして監査への対応のみを議論することは事の処理を誤らせる。したがって、予算執行検討委員会では、この問題の本質部分についてもしっかり調査していただきたい。」旨、発言があり、警察庁より、「現在、その点についても調査を行っているところである。」、「予算執行検討委員会では、様々な問題について、できるところから順次調査、検討の上、必要な方針を示していきたい。」旨、説明した。
(3)監察の取扱い事案について
警察庁から、「佐賀県警察は、福岡県警察の巡査が、2月20日、佐賀県内において、女児を自己の車両に無理矢理乗車させ、連れ回した事案に関し、翌21日、同巡査を未成年者略取罪で逮捕した。また、北海道警察は、同警察の警部補が、1月、知人女性の身上等を知るため、事件捜査を装って、同女の戸籍等の照会を行うなどした事案に関し、2月21日、同警部補を虚偽有印公文書作成・同行使、公務員職権濫用及び強要未遂罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。
委員より、「福岡県警察の巡査による事件に関する新聞報道を見ると、警察官としての資質をよく見極めろ、といった内容の記事が見受けられるが、実際には、人権上の配慮もあり、採用の際に調査できることは限られており、その辺とのギャップをどう埋めていくかという問題があると思われる。」旨、発言があった。
委員より、福岡県警察の巡査による事件に関し、「ある職場に一定の割合で不適格者が紛れ込むことは仕方がないとしても、問題はそのような不適格者をいかに早期に発見し組織から排除するかである。このような事案が起きた場合には、やはりその都度、発生原因と再発防止対策を真剣に考え、再発の可能性を少しずつでも少なくしていくという積み重ねが大切である。また、地方公務員法上は、地方公務員の条件付採用期間を原則として6か月間としつつ、1年間に延長することもできるとしていることから、制度的な改善策として、警察官の条件付採用期間も1年間に延長することを検討してもよいのではないか。」旨、発言があった。
委員より、「福岡県警察の巡査による事件は、当初、誤認逮捕の懸念はないかと思ったほどである。本件は、警察官個人の資質の問題だとは思うが、条件付採用期間中における警察学校での訓練で指導教官がその者の適性を判断できることが多いと思われる。正式採用に当たっては、人事担当者だけで決めるのではなく、警察学校の指導教官の意見も重視するような仕組みにしてはどうか。」旨、発言があり、警察庁より、「採用の方法については、都道府県警察の実情を調査してみたい。」旨、説明した。
(4)平成15年中のストーカー事案の対応状況について
警察庁から、昨年中のストーカー規制法の適用状況、他法令によるストーカー事案の検挙状況等、平成15年中のストーカー事案の対応状況について報告がなされた。
(5)平成15年中の配偶者暴力事案の対応状況について
警察庁から、昨年中の配偶者暴力事案に関する対応件数、配偶者暴力防止法に基づく保護命令等に係る対応状況等、平成15年中の配偶者暴力事案の対応状況について報告がなされた。
(6)殺人事件に関する訴訟の判決について
警察庁から、2月24日、神戸地方裁判所において判決の言渡しがあった、兵庫県における殺人事件(平成11年発生)に係る国家賠償請求訴訟に関し、事件の概要、判決の要旨等について報告がなされた。
委員より、「本件訴訟の原因となった事件は、ストーカー規制法の施行前に発生したものだと思うが、同法が制定されていれば、このような事件は未然に防止することは可能であったといえるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「ストーカー規制法は、平成12年11月に施行されており、現在では、つきまとい行為等に対し、警告や援助の措置等が可能である。一概には言えないが、この事件の当時、同法が制定されていれば、異なる対応が可能であったのではないかと思われる。」旨、説明した。
(7)「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律案」及び「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」の概要について
警察庁から、今通常国会に提出される予定である「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律案」及び「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」の概要について報告がなされた。
(8)児童対象暴行事件について(埼玉県警察)
警察庁から、「埼玉県警察は、1月28日、埼玉県所沢市内において発生した児童対象暴行事件につき、2月23日、男を暴行罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(9)平成15年中の交通事故の発生状況について
警察庁から、昨年中の交通事故の特徴として、若者の負傷者が減少し、30歳代及び高齢者の軽傷者が増加したこと、自動車乗車中の軽傷者が増加したこと、飲酒運転による事故が減少したこと等、平成15年中の交通事故の発生状況について報告がなされた。
(10)平成15年末の運転免許保有者数の状況等について
警察庁から、昨年末の運転免許保有者数は、約7,747万人で、前年と比べ約93万人(1.2%)増加していること等、平成15年末の運転免許保有者数の状況等について報告がなされた。
(11)「よど号」犯人の妻の帰国について
警察庁から、「警視庁は、2月24日、北朝鮮から中国・北京経由で帰国した、「よど号」犯人・魚本(旧姓安部)公博の妻である魚本民子を、同日、成田空港において旅券法違反で逮捕した。」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)モロッコにおける地震災害に対する国際緊急援助隊救助チームの派遣について
警察庁から、「2月24日、モロッコ北東部で地震が発生し、甚大な被害が生じていることを受けて、25日、被災地での救助活動を目的として我が国の国際緊急援助隊救助チームが派遣されたところ、同チームには、警察から7名(警察庁2名、警視庁3名、神奈川県警察本部2名)が参加している。国際緊急援助隊への警察職員の参加は今回で8回目となる。」旨の報告がなされた。
(2)警察庁から、米国、フィリピン、イタリア、フランス、ドイツ、英国等における銃器による殺人被害者数について報告がなされた。
(3)警察庁から、2月17日夜、防衛庁に向けて金属弾が発射された事件に関し、同月21日、警視庁と防衛庁とが合同で、防衛庁の敷地内で、金属弾の検索を行ったこと等について報告がなされた。
(4)委員より、「ある新聞に、米国務省の人身売買監視対策室長が『東南アジアや中南米からだまされて日本に連れてこられた女性が日本の犯罪組織により性産業に従事させられている問題について日本の理解と対策が不十分である。』旨の発言をしている記事があった。これによると、外国人女性を不法滞在等で検挙するだけではなく、あっせんに関与し高額の手数料を得ている犯罪組織を取り締まるために、人身売買対策法の新設が必要ではないかと問題提起がなされている。日本政府が判断する問題だと思うが、人身売買の実情と将来の対策の方向について適当な機会に警察庁の考え方を聞かせていただきたい。」旨、発言があり、警察庁より、「日本は、人身売買、すなわちトラフィキングに関しては、2002年に『国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書』に署名しており、現在、外務省と法務省との間で国内法上の問題点等を整理している状況である。警察庁としては、都道府県警察に対して、外国人女性の売春事案等を検挙した場合には、その女性が人身売買の被害者ではないのか十分確認するように指導しているところである。」、「本件については、随時経過を報告するようにしたい。」旨、説明した。