定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成16年2月5日(木)

午前10時午後0時50分

第2 出席者 渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長           

第3 議事の概要

 1 議題事項

(1)車高規制の見直しに関する「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」について

警察庁から、「規制改革推進3か年計画(再改定)」(平成15年3月28日閣議決定)を受け、都道府県公安委員会が道路又は交通の状況により支障がないと認めて定める自動車について、車高の制限を4.1メートルまで引き上げられることを内容とする道路交通法施行令の一部を改正する政令案について説明し、原案どおり決定した。

委員より、「昨年、この問題が国家公安委員会で取り上げられたとき、構造改革特区の中で即時実施した方がよいのではないかという議論もあったが、一年をかけて検討し、全国的に見直しが実施されることになったことは喜ばしい。」旨、発言があった。

(2)国家公安委員会委員長を代理する者の指定に係る互選について

委員相互で互選を行い、2月6日から2月9日の渡邊委員の海外渡航期間中においては荻野委員を、渡邊委員帰国後は、渡邊委員を「委員長を代理する者」としてそれぞれ選出した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

 報告事項

(1)国会の状況について

警察庁から、2月4日に行われた参議院予算委員会等における質疑の状況について報告がなされた。

(2)平成15年中の懲戒処分者数について

警察庁から、平成15年中の全国警察職員の懲戒処分者数等について報告がなされた。

(3)平成15年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について

警察庁から、平成15年中の検挙件数は1,746件で前年とほぼ同数であったこと等、平成15年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について報告がなされた。

(4)平成15年中の少年非行等の概要について

警察庁から、平成15年中の刑法犯少年の検挙人員はほぼ前年並みであったが、凶悪犯の検挙人員や補導人員は増加したこと等、平成15年中の少年非行等の概要について報告がなされた。

(5)「道路交通法改正試案」に対する意見の募集の結果について

警察庁から、昨年12月27日から本年1月23日までの間に行われた「道路交通法改正試案」に対する意見の募集の結果について報告がなされた。

委員より、「今回の道路交通法の改正は、安全な交通秩序を作るとともに、交通死亡事故を今後10年間で更に半減させるという国の目標を達成するために検討してきたものであると考えるが、改正項目のうち、高速道路における自動二輪車の二人乗り規制の見直しは、他の改正項目と異なり、むしろ交通事故を増加させる可能性があるものである。前回の国家公安委員会では、何故に目標の達成を妨げる要因となるような規制の見直しまで項目に盛り込んで、一括して改正作業をしなければならないのかについて質問したが、二人乗り規制の見直しで反対されるとそれ以外の項目についても議論してきたことが無駄になるという説明を受け、納得できない。二人乗り規制の見直しについては、それが本当に安全なのかを判断するための客観的な証拠があるわけでなく、単にその賛否の判断を求められても直ちに回答しかねる。」旨、発言があり、警察庁より、「本件規制の見直しについては、平成13年3月に閣議決定された『規制改革推進3か年計画』の中で、本件規制の見直しの可否について検討し、平成15年度中に結論を得ることとされており、その期限が現在迫っている状況にある。この点に加え、ある一つの法律の改正を行う場合には、できる限り一括して行うのが通例であることから、今回、本件規制の見直しについても改正項目に盛り込みたいと考えているものである。」、「前回の国家公安委員会で一括して提出することとなると申したのは、一つの法律について改正項目が複数ある場合には、同じ会期中であれば、それらの項目をすべて盛り込んだ、一つの改正案として国会に提出することとなるという意味で申し上げたものであり、この改正案に、どのような改正項目を盛り込むかについては、国家公安委員会の御判断を受けて措置すべきものと考えている。」旨、説明した。

委員より、「高速道路であれば、自動二輪車の二人乗り通行を一律に認めるのかという点について、説明では、都道府県公安委員会において、交通の安全等を図るため、二人乗り禁止規制が必要であると認める高速道路の区間については、改正後も引き続き規制するとのことであるが、これは、改正法施行後も、現実問題として、例えば、首都高速道路あるいはその一部の区間については、引き続き二人乗り規制が確保されるという趣旨なのか。」旨、質問があり、警察庁より、「そのような趣旨であり、御指摘の首都高速道路については、法施行後も引き続き規制すべき区間がある道路と考えており、そのように警視庁を指導してまいりたい。」旨、説明した。

委員より、「高速道路のうち、一部は本件規制を継続すべき部分があるという政策判断の下に法改正を行うのであれば本来、前回の国家公安委員会で他の委員より発言があったように本件規制を継続する部分を政令に委ねる等の措置を取るべきであると考えるが、結論的には、前回の国家公安委員会で示された警察庁側の提案に沿って本件規制の見直しを行っていただいて結構である。ただし、首都高速道路の環状線部分及びそれと同様に危険性がある部分については、法施行後も規制は確保していただきたい。なお、政策を立案するに当たっては、立案者は、実情をよく調査し、正確な資料に基づいて政策判断していただきたい。」旨、発言があった。

委員より、「高速道路における自動二輪車の二人乗りの方が一般道におけるそれよりも危険だということは一概に言えないとも思われるほか、高速道路の延長距離がこれだけ伸び、その利便性が飛躍的に向上した現在、自動二輪車の利用者の強い要望も理解できる。したがって、一般的に本件規制を見直すことは支持できるが、首都高速道路のような交通が混雑しているようなところについてまで直ちに規制を見直すというのはやはり危惧を感じる。そこで、警察庁側で考えられた案、すなわち、危険性が相当程度予想されるようなところについては、規制解除の対象から外すということで結構であると思う。」旨、発言があった。

委員より、「本件規制の見直しについては、次のような条件付きで賛成する。すなわち、20歳以上、経験3年以上の条件を満たさない未熟な運転者や乱暴な運転をする暴走族による自動二輪車の転倒事故が発生し、これに高齢者の運転する一般車両が巻き込まれた場合の悲惨なイメージがどうしても消えない。このため、暴走族対策強化等の事故防止対策に加えて、不幸にしてこのような事故が発生した場合に、裁判で後続の車両の運転者が車間距離違反や前方不注意等、無理・不当な事故の責任を問われることのないように、交通事故の捜査をきちんとやってもらいたい。」旨、発言があり、警察庁より、「警察としては、形式的に交通事故の捜査を行っているわけではなく、個別具体的な事情を十分に捜査した上、刑事責任を問うべきかどうかを判断しており、この点については、今後とも都道府県警察を十分に指導してまいりたい。」旨、説明した。

委員より、「前回の国家公安委員会に提出された「『道路交通法改正試案』に対し寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方」では、自動二輪車の転倒事故の際、後続車両が巻き込まれる懸念に対する警察庁の考え方は、巻き込まれる方が悪いとも読める記載になっていたが、今回こうした考え方を改めたということか。」旨、質問があり、警察庁より、「当初から巻き込まれる方が悪いという考えではなかったが、誤解を招くような表現であったため、今回改めさせていただいた。」旨、説明した。

委員より、「本件規制の見直しについては、これまでの議論の流れから、首都高速道路ばかりが問題となっているが、似たような条件を有する高速道路は他にもあると思われることから、その点の配慮をぜひともお願いしたい。」旨、発言があり、警察庁より、「御指摘の点については、十分に承知しており、そのような点によく配慮し、今後の施策を進めてまいりたい。」旨、説明した。

警察庁より、「本件規制の見直しは、平成13年3月に閣議決定された『規制改革推進3か年計画』を受けたものであるが、その猶予期間であった3年間、警察庁としては、二人乗りのテスト走行や内閣府による世論調査等、可能なことはすべて行ってきた。その結果、抽象的な不安感は残るものの、本件規制を見直すべきではないという証左も得られなかった。そのため、本件規制の見直しを行う一方、それに伴う危険性を最小限にする方法を模索してきたが、最終的には、現行の警察法及び道路交通法の構造に照らし、また、これまでの国家公安委員会での御議論等を踏まえ、安全性が懸念される路線・区間を選定し、かかる箇所については規制措置を継続するような形で本件規制の見直しを行うべきではないかという結論に警察庁としては至った。今回示した道路交通法改正試案は、本件規制の見直しを含め6項目あるが、最終的にいかなる項目を同法改正案に盛り込むかについては、国家公安委員会において、お決めいだだければ、以後、それに従い法案提出に向けた所要の措置をとらせていただきたい。」旨、発言があった。

委員より、「小野委員長欠席のため、委員長代理として議事を進めたい。今回の道路交通法改正試案の内容は、違法駐車対策、運転者対策、暴走族対策、携帯電話等の使用等に関する罰則の見直し、飲酒運転対策の推進及び自動二輪車の二人乗り規制の見直しの6項目である。このうち、自動二輪車の二人乗り規制の見直しを除く5項目については、本日提出された「『道路交通法改正試案』に対し寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方」を公表することを了承し、今後、警察庁において、これに示された方向で、法律案として国会に提出する所要の作業を進めることについて異議なしということでよろしいか。」旨、発言があり、各委員より、異議なしとの発言がなされた。

委員より、「次に、自動二輪車の二人乗り規制の見直しにつき、「『道路交通法改正試案』に対し寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方」に示された方向で見直しをすることについて、各委員の御意見を伺いたい。」旨、発言があり、各委員より、「『改正試案』に示された方向で本件規制の見直しを進めることに賛成である。」、「自動二輪車の転倒事故に巻き込まれた後続車両の運転者が裁判で過重な負担を背負わされることのないよう配慮していただきたいという条件付きで賛成である。」、「高速道路のどこが危険なところであるかという判断は専門家に任せるという条件で、『改正試案』の方向で見直しを進めることに賛成である。」、「改正案の内容としては、一律に二人乗りを解禁することに反対ではない。ただし、法施行後も、例えば、首都高速道路あるいはその一部の区間については、引き続き、二人乗り規制が確保されるということを条件とする。」、「本件規制の見直しに賛成である。ただし、首都高速道路のような危険が予想される箇所については、見直しの対象外とすることを条件とする。」旨、それぞれ発言があった。これにより、今後、警察庁において、「『道路交通法改正試案』に対し寄せられた主な御意見及びこれに対する警察庁の考え方」に示された方向で、違法駐車対策、運転者対策、暴走族対策、携帯電話等の使用等に関する罰則の見直し、飲酒運転対策の推進及び自動二輪車の二人乗り規制の見直しの6項目を盛り込んだ、道路交通法の一部を改正する法律案を国会に提出するための所要の措置をとることを決定した。

(6)衛星秘密等の保全に関する訓令の制定について                     

    警察庁から、情報収集衛星の運用が始まることに伴い、警察庁における衛星秘密等の保全に関し、文書管理訓令の特例その他必要な事項を定める訓令を制定したことについて報告がなされた。

(7)北朝鮮船舶の入港をめぐる動向について

警察庁から、平成15年中、本邦に入港した北朝鮮船舶をめぐる動向について報告がなされた。

委員より、「日朝貿易に関し、日本から賞味期限が切れた食料品が北朝鮮に輸出されていた事案について説明があったが、このような賞味期限が切れた食料品を輸出することは犯罪となるのか。」旨、質問があり、警察庁より、「賞味期限切れの食料品を輸出すること自体が直ちに何らかの犯罪となるものではないと思われる。」、「食料品の賞味期限は業界が自主的に定めているものであり、賞味期限の切れた食料品を国内で販売した場合であっても、それが腐敗している等の事情がない限り、その行為自体が直ちに犯罪となるものではない。」旨、説明した。

(8)我が国におけるインターネット治安情勢の分析について(平成15年度第3/四半期)

警察庁から、インターネットに接続する全国警察施設に対するサイバー攻撃の監視結果及びその分析結果について報告がなされた。

3 その他

(1)台湾人らによる香港ルートの覚せい剤密輸入事件の検挙について(警視庁、神奈川県警察)

   警察庁から、「警視庁・神奈川県警察・東京税関・横浜税関の合同捜査本部は、2月3日、海外捜査機関から入手した密輸情報に基づき、香港から横浜港に密輸された覚せい剤約113kg(容器込み)を発見押収するとともに、台湾人被疑者2名を覚せい剤営利目的密輸入罪で通常逮捕した。」旨の報告がなされた。

委員より、「本件は『第1リン酸ナトリウム』として輸入されていた缶の一部から覚せい剤を発見したということだが、被疑者が『第1リン酸ナトリウム』を輸入した目的は何か。」旨、質問があり、警察庁より、「『第1リン酸ナトリウム』は工業製品であるが、被疑者は当該製品を個人輸入していたものであり、その具体的な目的は明らかになっていない。」旨、説明した。