定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成16年4月22日(木)
午前10時~午後0時40分
第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)監察の取扱い事案について
警察庁から、「愛知県警察の警察署長が、2月10日から19日にかけて実父の香典返しの品を公務中の署員に公用車を使用して配付させるなどした事案に関し、警察庁長官は、同署長を懲戒手続に付する必要があると認め、本日4月22日、国家公安委員会にその旨の申立てを行う。」旨の説明がなされ、その結果、国家公安委員会において懲戒審査会に対し、審査を要求する旨の決定がなされた。
(2)監察の取扱い事案について
警察庁から、「京都府警察の巡査長が、平成12年12月から15年4月にかけて、交際のあった3人の女性に対しストーカー行為をした事案に関し、同府警察は、平成16年4月22日、同巡査長を懲戒免職処分とするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、同日、監督責任として、上司の地方警務官らを本部長訓戒等の措置とする予定である。」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。
(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について
警察庁から、4月20日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況、当該請求に係る部分開示及び不開示決定等の概要について報告がなされた。
(2)国会の状況について
警察庁から、暴力団対策法の一部を改正する法律案が4月20日の参議院内閣委員会で質疑採決され、翌21日の参議院本会議で議了したこと、4月20日の参議院内閣委員会における警察の会計経理をめぐる審議の状況等について報告がなされた。
(3)FBI長官の来日について
警察庁から、「モラーFBI長官は、4月22日から24日までの間、来日し、滞在中、小野国家公安委員会委員長等と会談し、現下の治安情勢について意見交換する予定である。」旨の報告がなされた。
(4)16年春の叙勲等について
警察庁から、4月29日に発令される平成16年春の叙勲等に関し、警察庁関係の受章者に対する勲章等の伝達式の予定について報告がなされた。
(5)予算執行検討委員会の開催状況について
警察庁から、平成16年度会計監査実施計画(案)に関し、会計監査の重点項目、対象部署及び時期、会計監査の期間及び体制等について説明し、同計画案につき了承を得た。
また、「福岡県警察では、4月20日の福岡県議会において、本部銃器対策課の平成10年4月から11年7月までの捜査(報償)費等の執行状況に関する調査の中間報告を行っている。同日、福岡県公安委員会では、福岡県警察本部長に対し、警察法第43条の2第1項に基づき監察の指示を行っている。」旨のほか、北海道警察及び静岡県警察における会計経理をめぐる事案の調査状況について報告がなされた。
さらに、宮城県知事を被告とする、宮城県警察の平成11年度犯罪捜査報償費に係る会計文書の開示請求訴訟の控訴審に関し、事案の概要及び経緯等について報告がなされた。
委員長から、4月20日の参議院内閣委員会における審議内容について、「警察法の一部を改正する法律案について附帯決議がなされたが、これについて、国家公安委員会でどのような議論があったのかという質問があり、私からは『附帯決議の内容については、同法案が採決された際、事務方から国家公安委員会委員の方々には報告している。附帯決議の内容は当然のことであり、同委員会では決議自体については特に議論はなかったが、国家公安委員会としては、決議の趣旨を踏まえ、国民の信頼を回復するよう、警察庁をしっかり指導監督してまいりたい。』旨の答弁をしている。また、国家公安委員会は、監察の指示を出さないのかという質問があり、私からは『先週の国家公安委員会において、この問題について再度検討したが、現時点ではこれを行う考えはないとの結論に至った。』旨の答弁をしている。」旨、また、「4月14日の衆議院内閣委員会の審議の中で、関係道県公安委員会の委員の方々と電話で連絡を取ったらどうかという指摘があったことから、まず、北海道公安委員会委員長と電話で連絡を取らせていただいた。」旨、発言があった。
委員より、「この会計監査実施計画については、特に本年度の重要施策として取り組んでもらいたい。警察の会計監査は、会計の専門知識というよりは、監察のノウハウが必要であるという説明も理解できる。そこで、マンパワーの質量を充実してきちんとした会計監査を実行するために、本年については竹槍精神ではなく、策定済みの警察庁及び管区警察局の監察実施計画を一部減少させてでも、実質的に会計監査の仕事を強化してはどうかと思う。平成14年度や15年度の直近の執行状況がそれ以前と比べてどのように改善されたのか、あまり変わっていないのか、よく調べて欲しい。会計検査院や都道府県の監査委員の外部監査も従来以上の関心を持って行われるであろうが、警察内部を熟知した内部監査チームが問題を発見して是正していくという警察組織としての自浄の努力が今重要である。」旨、発言があり、警察庁より、「会計監査の体制については、従来よりも人員を増やすとともに、会計課の事務官に加え、監察部門の警察官も入れることとしている。一方、本年度の監察実施計画も重要なものであり疎かにすることはできない。したがって、当面は、先程説明したような体制で会計監査を実施させていただき、それでは人手が足りないということになれば、更に体制を増強することも考えたい。」旨、説明した。
委員より、「本年度実施する、平成15年度の執行状況についての会計監査は、非常に重要なものになると思われる。監査の結果、平成15年度の執行状況が把握され、それが適切であったということになれば、これからの対応や過去の問題に対する対応も随分変わるのではないかと思う。また、今は非常事態であり、会計監査を行う側の意識と監査を受ける側の意識を従来とは変える必要がある。」旨、発言があった。
委員より、宮城県警察の犯罪捜査報償費に係る会計文書の開示請求訴訟について、「宮城県警察の対応としては、本件訴訟の被告である知事に対し当該文書を全面的に開示することになるのか。仮にそうだとすると、これが全国に波及し、今後の捜査活動に影響を及ぼすことにならないか。」旨、発言があり、警察庁から、「本件は個別の訴訟対応の問題であり、宮城県警察において対応すべき問題である。他の府県警察における捜査協力者に係る問題への対応と同列には論じられない。宮城県警察では、県知事が被告であるという本件訴訟の特殊性を踏まえ、例外的なケースとして開示する方向で検討しているようであるが、捜査上の支障を考慮し、開示に当たっての諸条件について現在、知事側と協議しているものと思われる。」旨、説明した。
(6)少年非行防止・保護総合対策推進要綱の制定について
警察庁から、「『青少年育成施策大綱』や『犯罪に強い社会の実現のための行動計画』等が取りまとめられたことを踏まえ、現行の『少年非行総合対策推進要綱』に代わる『少年非行防止・保護総合対策推進要綱』を制定することとした。」旨の報告がなされた。
(7)サイバー犯罪対策の強化等について
警察庁から、「サイバー犯罪対策の強化及び国によるサイバー犯罪捜査の指導調整等に関する通達を発出することとした。」旨の報告がなされた。
(8)大阪府食肉事業協同組合連合会幹部らによるBSE対策事業をめぐる詐欺事件について(大阪府警察)
警察庁から、「大阪府警察は、牛肉在庫緊急保管対策事業を悪用し、同事業の対象外の輸入牛肉の加工品を売却して代金を騙し取った事案に関し、4月17日までに、大阪府食肉事業協同組合連合会幹部ら12名を詐欺容疑で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(9)銃器対策推進本部第10回会合の開催について
警察庁から、「4月27日、内閣官房長官主催で銃器対策推進本部第10回会合が開催され、平成15年度の銃器対策推進状況の確認及び平成16年度の銃器対策推進計画の策定が行われる予定である。なお、警察庁から組織犯罪対策部長が出席する予定である。」旨の報告がなされた。
(10)在イラク邦人人質事件等について
警察庁から、在イラク邦人人質事件等に関し、邦人の解放、警察措置等について報告がなされた。
委員より、「邦人解放までの関係者の御苦労を多としたい。ところで、イラクのみならず周辺の中東諸国の政情不安、テロの脅威は今後も場所や形を変えて継続する可能性が大である。警察庁や警視庁等では、アラブ・ペルシャ言語が話せ、これらの諸国の文化や国情に通じた、警備畑の警察官が今後も必要になってくると思われる。海外留学や各国大使館での駐在実務等を通じて、長期的、計画的にこのような人材を育成していくことを考える時期と思うがどうか。」旨、質問があり、警察庁から、「これまでの実務を通じてアラブ世界に精通している者はいるが、委員御指摘のように、組織的・計画的に、アラビア語等の研修も含めそのような者を育成することは重要と思われることから、十分考えてまいりたい。」旨、説明した。
委員より、「今回人質となった邦人の行動は、確かに国家あるいは政府の利益を傷つけたという面があるとしても、現代の国際関係には国家間関係だけでなく、人間の連帯があり、人道支援という観点から国家間の紛争で犠牲となった人々を助けなくてはならないという考え方も強くある。その行動を直ちに自己責任であるとして彼らを追いつめることはできないと思われる。また、彼らはあくまで人質事件の被害者の立場である。今後、警察が彼らの事情聴取を行うに際しては、これらの事情をよく考慮していただきたい。」旨、発言があり、警察庁より、「今回イラクで人質となった3人の邦人の方については、犯罪被害者であるという前提に立って対処しており、実際に心身とも大変なダメージを受けておられる状況も伺えることから、十分なる配慮を持って事情聴取なりを行っていく考えでいる。」旨、説明した。
委員より、「今回人質となった邦人がイラク国内で行っていた活動を決して否定するわけではないが、やはり今回彼らのとった行動のマイナス面や彼らを救出するために非常に多くの人が不眠不休で努力したということの認識は何らかの形で持つべきではないかと思う。その辺りも念頭に置きつつ、今後の対応をお願いしたい。」旨、発言があり、警察庁より、「警察としては、今回人質となった方々の行動に対する評価とは関わりなく、捜査のため警察としてやるべきことを、事件の被害者としての立場にも配慮しつつ、しっかりやってまいりたい。」旨、説明した。
(11)天皇皇后両陛下の「第55回全国植樹祭」御臨場等(宮崎県)に伴う警衛警備について
警察庁から、「天皇皇后両陛下は、4月24日から27日までの間、『第55回全国植樹祭』御臨場等のため、宮崎県へ行幸啓になる。本行幸啓に関して、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。