定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成16年5月6日(木)

午前10時後0

第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長、首席監察官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「5月17日付け地方警務官1名の人事異動について発令していただきたい。」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛知県警察の警察署長が、2月10日から19日にかけて実父の香典返しの品を公務中の署員に公用車を使用して配付などさせた事案について、4月22日、国家公安委員会から懲戒審査の要求を受けた警察庁懲戒審査会は、同月27日、当該事案の審査を行い、本日、決定事項を同委員会に答申する。」旨の説明がなされ、同答申を踏まえ、国家公安委員会において警察署長を戒告の処分とすることを決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

2 報告事項

(1)FBI長官の来日結果について  

官房長から、「4月22日から24日までの間、訪日したモラーFBI長官は、23日、小野国家公安委員会委員長等と会談し、国際テロ情勢や組織犯罪対策等について意見交換を行い、今後とも両国間の緊密な連携を図ることで一致した。」旨の報告がなされた。

(2)国会の状況について

官房長から、4月28日の衆議院内閣委員会における警察に関する審議の状況等について報告がなされた。

(3)地方警務官に係る所得等報告書等について

官房長から、「国家公務員倫理法の規定に基づき、地方警務官から所得等報告書等が国家公安委員会に対して提出され、これを国家公安委員会委員長が受理し、その写しを国家公務員倫理審査会へ送付した。」旨の報告がなされた。

(4)予算執行検討委員会の開催状況について         

官房長から、北海道弟子屈警察署の捜査用報償費に係る住民監査請求に関し、北海道監査委員の監査結果について報告がなされたほか、旭川中央警察署及び北見方面本部警備課における事案の調査状況、福岡県警察本部銃器対策課における事案の調査状況等について報告がなされた。

また、宮城県警察の犯罪捜査報償費支出に関する文書の情報公開請求訴訟をめぐる事案に関し、控訴審における求釈明の申立てと県知事から県警への要請、県警から県知事への資料の提示、提示の中断と中断後の状況等、本件事案の一連の経緯について報告がなされた。

さらに、「警察庁から平成10年度の会計文書の保存の継続を指示・連絡した3月24日以降に、該当文書を廃棄した部署があることが判明している。これらについては事実関係をよく確認し、厳正に対処したい。また、かかる事態を受けて、4月30日に通達『会計文書の適正な保管・管理について』を発出した。」旨の報告がなされた。

委員長より、「最近の会計経理をめぐる問題に関しては、国家公安委員会においてもその都度警察庁から必要な報告を徴した上で議論、検討がなされてきているが、御承知のとおり、国会でも盛んに議論がなされ、また、マスコミからも高い関心が寄せられていることから、この機会に捜査用報償費等をめぐる疑惑等、この問題全般についての各委員の御見解を賜りたい。」旨、発言があり、これに対し、各委員より、次のような発言がなされた。

荻野委員より、「警察の会計経理をめぐる国会論議等では、国家公安委員会がこうした事案に対して迅速的確な措置を講じていないという見地から、国家公安委員会は怠慢であるという批判も出されているが、その中には、現行警察法に関する基本的認識が欠如しているのではないかと疑いたくなるような発言も見られる。戦後の日本では、米国占領下でいち早く国家警察は否定され、警察の地方分権化が推進されて今日に至っている。すなわち、都道府県警察は、それぞれ独立した存在として各都道府県公安委員会の管理下にあり、警察庁を管理する国家公安委員会と都道府県公安委員会とは主従関係ではなく、同格の関係にある。両者は、常に緊密な連携を保つべき関係にあるが、指揮・命令関係にあるものではない。したがって、例えば、現在、北海道、福岡県において各公安委員会が監察の指示を道・県警察に発出し、これに基づいて監察が進められているが、その最中に国家公安委員会が警察庁を通じて当該事案に関して指示・命令的な意見を述べることは、こうした警察法の趣旨に鑑み差し控えるべきであると考える。関係道県での調査・監察の結果が出た段階で、国家公安委員会としてなお問題点があると判断した場合には、警察庁に対し改めて監察の指示等を行うことはあり得るが、現時点では、関係道県公安委員会・警察の対応を尊重すべきである。なお、付言すれば、現行法では国家公安委員会の権限が弱すぎるので地方分権の現状の修正を求めるという意見があるならば、それは抜本的な警察の在り方の改編テーマとして、別途議論されてしかるべきものと考える。」旨、「架空名義領収書」について、「捜査協力者の保護のためとはいえ、不適切であったと考えるが、捜査協力者の確保と保護の必要性は今後も不変である。したがって、捜査担当者のみならず、所属長等の責任も明確にした『新しい領収書の徴取の在り方』について、警察は厳格に取り組み、疑惑を招かないように運用する必要がある。」旨、「私的流用」について、「捜査用報償費等について調査の結果、『私的流用』が明らかになり、しかもそれが文字どおり私腹を肥やすためのものであったならば厳正に対処し、厳格な再発防止策を講じなければならないが、それが私的流用ではなく、真に警察活動に必要なものであるということならば、今後は、そうしたものを明確に予算化し、ガラス張りの会計経理にする必要がある。そうでなければ、予算の目的外支出や手続違背など違法、不適正な会計経理を招くことになりかねない。」旨、いわゆる内部告発について、「それが告発者の誤解やねたみ、恨み等による場合を除き、警察内部の構造的問題が明らかになった場合には、それを取り除くための外科手術も必要となろう。」旨、いわゆる裏金問題について、「現在、警察全体で進めている『意識改革』を一層推進することが重要であり、その際、会計経理の透明性を高める必要があるが、警察活動の中には、すべてをガラス張りにするとその活動に重大な支障を招くこともある、という認識を社会全体が共有することも必要である。」旨、発言があった。

安崎委員より、「悪化を続けていた日本の治安情勢は、平成15年において近年で初めて、刑法犯認知件数が減少に転じ、検挙率もわずかながら上昇した。本年は国際テロの脅威に備えつつ、昨年末に策定された『犯罪に強い社会実現のための行動計画』を実行し、日本の治安の再生への歩みを確実にするための重要な節目の年である。一方、警察の治安活動は国民の警察に対する信頼の基礎の下にのみ成り立つ。かつての警察不祥事の多発や今般の不正経理問題は、この国民の警察に対する信頼を裏切るもので容認できるものではない。事実を明らかにして正すべきものは正し、自浄能力を発揮して国民の信頼を回復することが警察組織全体にとっての急務である。国民の信頼が失われては治安再生のための警察活動は進まないし、かといって批判を恐れるあまり第一線警察官の士気が低下しては、治安の再生は期待できない。また、現実に治安が回復しなければ、国民の警察への信頼も低下する。この点をよく認識して行動することが肝要である。」旨、また、「事実関係を明らかにする上で、今までに実施された改革を具体的に明らかにする必要がある。私の知る限り、本件に関連する改革には次のようなものがある。すなわち、平成8年度における餞別の自粛、平成9年度における旅費の個人口座振込み、平成13年度における捜査諸雑費制度の導入、平成14年度における機動隊日額旅費等の制度の改正、平成15年度における予算執行検討委員会の設置・調査、平成16年度における会計の監査に関する国家公安委員会規則の制定・公布、平成16年度会計監査実施計画の策定、架空名義の領収書の徴取の廃止等である。これらの改革は、従来、公表や説明が十分でなく、広く国民の承知するところとなっていない。警察OBの発言は、『昔はこうだった』という類の警察改革以前についてのものが多く、その後の改革に触れないものがほとんどである。」旨、今後の取組みについて、「北海道に続き、静岡県、福岡県等の調査結果や監察報告を見た上で、次のような方向を検討すべきだと考えている。第一は、餞別の全廃を改めて確認する。上司、同僚間はもとより、他機関、民間等も含め、『払わず、受け取らず』を明確に通達して徹底する。第二は、交際費的費用の支払基準を更に明確化する。国費・県費ともに、必要であり、かつ税金の支出として妥当なものは予算化して支払う。一方、必要だが公費支出になじまないもの、例えば、部下の冠婚葬祭費の類は、全国どこでも署長は1000円の自弁といったことを警察部内でルール化し、過重な負担を軽減する。そして、こうしたもの以外の私用とみなされる部内の飲食費等は自弁であり、公費による支出を厳禁とする。さらに、これに違反した時の処分原則を明らかにする。平成13年度、あるいは警察刷新会議以降の違反行為については、調査結果に基づききちんと処分を行うとともに、平成16年度以降については、基準の明確化により一層の自浄努力に期待する。」旨、「日夜365日24時間働いている警察と、その民主的管理を担当する国及び地方の公安委員会は、自分達の努力を『よくやっている』とか『これだけ努力しているのだから』と国民に甘えを求めるのではなく、『まだやらなければならないことがある』と甘えを自ら断ち切って改革を進めることが必要である。」旨、発言があった。

川口委員より、「本日、捜査費・捜査用報償費が議題にのぼるのは、この問題に関心を寄せるジャーナリズムから各委員に宛てられたインタビューの申し込みがきっかけである。国民はメディアを通して事実を知るということを心に留めたい。」旨、「偽名領収書」を公認していたことについて、「領収書に『偽名』を使うということは思いもよらないことだったので、びっくりした。捜査の機密性や、捜査員の安全、情報提供者の安全を考慮すると『偽名』を使わざるをえない状況があるということを、この事件をとおして知った。今後は、捜査の機密性を保持しつつもその透明性を確保するために『新しい領収書』が採用される。『誰にどのような目的でいくら払ったか』を、捜査員が記録し上司がそれを承認することで代えるということだが、その内容が真実かどうかを疑いだせば、『偽名』領収書と同じことが起きるだろう。基本的には、捜査員が良心に従い、公明正大に、公共の利益のために捜査費を使い、それを正確に記録し、上司が承認するという形をとることになっている。今までよりもその信頼性が高まることを期待している。ただ、眼の前の事件を追うのに忙しい捜査員が、克明に費用の記録をしている余裕があるのか、現場の様子がわからないので心配もある。」、「幹部警察官による私的流用」疑惑について、「公金なのだから、私的流用をしてはいけないに決まっている。ただ何が私的流用かがはっきりしていなければ、公的使用と私的使用の区別が曖昧になり、役得のような意識が生れてしまうのではないか。あらためて、区別を明確にして、疑惑が生じないように、お互いに確認しあっておく必要がある。」旨、「幹部警察官による私的流用」を指弾する内部告発が相次いでいるとのことについて、「内部告発とは本来、組織内の問題を内部で指摘し、内部で厳しく対処し吸収して公正さを保つことだと思う。実際、警察では、厳しい監察制度があり、厳しく運用されている。しかし、捜査費・捜査報償費については監査のシステムが実質的には完全に機能していたとはいえないかもしれない。そのため、退職して自由になってから告発したり、現職の場合には外の組織(そのもっとも効果的なものがジャーナリズムなのであろう)に告発するという結果になっている。現場で気づいたことを指摘するべきであるが、長年のやり方として習慣化してしまっていると、官僚機構の上下関係に逆らってまで、敢えて指摘できないことがある。しかし組織の中で自浄作用が働くようにしなければ、そのような組織はいずれ崩壊するか、退廃するだろう。」旨、今後の取り組みについて、「上下関係が厳しいシステムなので、とくに部下が上司に間違いを指摘するのは難しいとは思うが、警察は、『税金を信託されて、日本社会の治安維持と国民の人権保護という重要な目的の遂行を任されている』ということを、相互に意識し合うべきである。27万人によって成り立つ大きな組織なので、不届きな問題も起きたことは事実である。そのため警察刷新会議後は一連の不祥事をなくすため、予算執行検討委員会等、様々なシステムも作られつつある。その活動が独立に行えるようにすること、内部で問題を指摘した者の身分が保障されるような形で行われるようにすることが必要である。」旨、発言があった。

大森委員より、「偽造領収書」に関して、「捜査協力者等から実名による領収書を徴取することが困難である場合に、実名とは異なる名義で領収書を作成して会計処理をすることは、それが支払いの実体を伴っているならば、会計検査院もそれを容認していたことでもあり、直ちにその取扱いを不適法ときめつけるものではない。しかし、そのような便法を認めることは、関係書類の外形検査のみでは適正支出か不正支出かの判別ができず、いわゆる裏金作りなどの不正な会計支出を容易にしたと言わざるを得ない。したがって、実名による領収書を徴取することが困難な場合には、捜査員にその事情を記載した報告書を作成させて、領収書に代えるとする新しい取扱いは、その記載が抽象的・定型的なものに流れないことを確保すれば、適正会計処理を確保するための一つの有効な手段となり得る。もっとも、虚偽報告書の作成が行われれば、偽名領収書と同様の事態が生ずるのであるから、報告書に代える取扱いのみにより不正会計支出を絶無にすることは困難である。より会計監査を充実することが必要であり、更に不正経理が発覚すれば、その都度厳正に対処するとともに、究極には警察官の使命の自覚に待たざるを得ない。」旨、「私的流用」に関して、「公金の私的流用に関する内部告発については、国費・都道府県費を問わず、公金を正規の目的外に使用することが許されるものではなく、疑惑があれば、その真偽を調査し、厳正に対処しなければならない。最近の例は、そのような指摘が元幹部警察官の告白として行われており、警察組織にとっては嘆かわしい事態であるが、その動機如何を問わず、疑惑がある限りはその真偽を調査し、厳正に対処することが、失墜した国民の信頼回復につながることを忘れてはならない。現在までの調査の結果によれば、指摘されるものの一部に不正会計処理が認められ、甚だ遺憾の極みである。もっとも、いずれも平成12年の警察刷新会議の緊急提言を受けた『警察改革』の着手前の事犯であり、その後は、適正に処理されている模様である。」旨、喫緊の課題について、「警察にとって喫緊の課題はなにか。それは、悪化の一途をたどる治安を一刻も早く回復軌道に反転させることであり、そのために一丸となって立ち向かうことである。全国の警察を挙げての尽力の結果、幸いにして昨年の犯罪認知件数は初めて減少に転じたが、更にこの傾向を増進し、確固たるものとしなければならない。過去の不祥事という『負の遺産』は一刻も早く清算し、治安の回復への国民の期待に応えるため、全精力を傾注することができるようになることを望みたい。」旨、発言があった。

渡邊委員より、捜査用報償費に関する疑惑に関して、「過去において、捜査協力者や情報提供者への支払いで、捜査に支障をきたすおそれがあるとの理由から、一部で架空の領収書が使用された不適正な事例があったと承知しているが、もし現在もそのような不適正な事案が明らかにされれば、厳正に対処すべきである。また、いわゆる偽名領収書を廃止し、今年度から、新しい領収書の運用制度が導入されていることは、捜査上の秘匿性の要請と、予算執行の適正化と透明性確保という見地から導入されたものとして評価したい。」旨、警察予算の幹部警察官による私的流用疑惑について、「そもそも、公金を私的に流用するようなことは、あってはならないことであり、もしそのような事例が立証されれば、厳正に対処すべきものである。ただ、何をもって私的流用とするかについては議論の余地があり、本来であれば、交際費等の予算措置で手当てするべきものもありえよう。また、私的流用に関する内部告発については、告発されるような事案が存在すること自体を遺憾とするべきであり、真相を解明し適正に対処すべきである。」旨、また、「ある時期までわが国の多くの官庁が裏金疑惑の対象とされてきたのは、遺憾ながら否定しがたい事実であるとはいえ、警察改革以降、そのような疑惑が持たれないよう懸命に努力しているものと考える。しかしながら、不正を正すべき最たる組織である警察として、今後とも、予算の適正執行、会計監査の強化、警察事務の厳正実施等を通じて、国民の期待と信頼に応えてもらいたい。」旨、発言があった。

5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「愛知県警察の巡査部長が、平成15年12月12日、不適切な交際をしていた女性の通話先を知るため、捜査関係事項照会書を利用して電話会社に照会等した事案に関し、本年4月30日、同巡査部長を懲戒免職処分とした。」旨の報告がなされた。

(6)自動車盗難等防止対策の推進状況について

生活安全局長から、自動車盗難情勢、自動車盗難等防止に関する官民合同プロジェクトチームの取組み等、自動車盗難等防止対策の推進状況について報告がなされた。

(7)少年警察ボランティアのあり方に関する調査報告書について

生活安全局長から、社団法人・全国少年補導員協会が取りまとめた「少年警察ボランティアのあり方に関する調査報告書」の概要等について報告がなされた。

委員長より、「説明では、若年層ボランティアの育成が必要であるとのことだが、ボランティアの募集はどのように行っているのか。」旨、質問があり、生活安全局長より、「現在は、広く一般に公募する形ではなく、少年補導員協会等で地区ごとに適任者を推薦していただき、この方々に委嘱する方法をとっている。」旨、説明した。

安崎委員より、「警察署協議会で少年警察ボランティアの高齢化等の実情を報告し、従来とは違うルートでのボランティア参加者の募集等を考えてはどうか。同協議会はこういう問題を相談する場としても向いていると思う。」旨、発言があった。

(8)取調べ中の被疑者死亡事案に係る国家賠償請求事件判決について

刑事局長から、4月28日に東京高等裁判所で言渡しがあった、神奈川県戸部警察署における取調べ中の被疑者死亡事案(平成9年11月発生)に係る国家賠償請求事件の控訴審判決の要旨等について報告がなされた。

大森委員より、「本件については非常に心配していたが、このような判決が出て安堵している。県警が控訴審の対応を真剣に検討された結果だと思う。今後は、そもそもこういう事案が発生したり、疑惑が生じたりすることのないよう十分注意していただきたい。」旨、発言があった。  

(9)厚生労働省教育訓練給付金の不正受給にかかる詐欺事件について(山形県警察)

刑事局長から、「山形県警察は、雇用保険法に基づく教育訓練給付制度を悪用し、同県内の公共職業安定所3カ所において、虚偽の記載をした給付金支給申請書等を提出して給付金を騙し取った事案に関し、4月20日、会社役員ら9名を詐欺容疑で逮捕した。」旨の報告がなされた。

10)東京国際空港内における連続車両強盗等事件の発生等について(警視庁)

刑事局長から、「警視庁では、4月28日に東京国際空港内で連続発生した車両強取、空港施設内侵入等事件につき、犯行直後に死亡した男を強盗罪等の被疑者として捜査中である。」旨の報告がなされるとともに、警備局長から、本事案発生に伴う警備措置等について報告がなされた。

安崎委員より、「本事件では、犯人が既に死亡しており、その目的は不明だが、空港が混乱したに止まり、人命等に対する被害がなかったことは不幸中の幸いであった。説明では、使用していないゲートの警備が手薄であったほか、空港当局の内部における連絡や空港当局と警察との連携に不備があったとのことだが、大変懸念している。有事あるいは非常時に駆けつけたパトカーがすぐに空港内部の現場に入れず、何分も待たされるというのでは危機管理の形になっていない。今回の事態を受け、国土交通省は、全国の空港に対し、警備体制の見直しを指示したとのことだが、警察もその結果を同省に任せきるのではなく、責任をもって短期間の内に実のある協議を行い、危機の予防に努力していただきたい。」旨、発言があり、警備局長から、「国土交通省とは、事件発生当初から緊密な連携を取ってきたところであるが、委員御指摘の空港の警備体制の見直しについても、警察としては、警備診断等の形で作業に参加してまいりたい。また、今回の教訓を生かすべく、空港当局側にも自主警備の在り方について働きかけを行ってまいりたい。」旨、説明した。

委員長より、「説明では、事件発生後、警察のパトカーが空港内に入る許可を得るのに5分ほど時間を要したとのことであるが、テロ等が発生した場合のことを考えると、やはり空港当局の責任者が即答できるような連絡体制を確保しておく必要があると思う。是非この点についてよく検討していただきたい。」旨、発言があり、警備局長より、「飛行機が頻繁に離着陸する空港では、ほんのわずかな時間のロスが大惨事に結びつきかねないとの認識の下、警察側も空港当局側も連絡体制の在り方について、これを機に再検討しなければならないと考えている。」旨、説明した。

11)皇太子殿下のデンマーク国、ポルトガル国及びスペイン国御訪問に伴う警衛警備について     

警備局長から、「皇太子殿下は、5月12日から24日までの間、デンマーク国、ポルトガル国及びスペイン国を御訪問になる。本御訪問に伴い、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、「5月10日から11日にかけて、米国でG8司法・内務閣僚会合が開催される予定である。これは、本年のサミット議長国である米国が、6月のサミットに向けて、テロリズム及び組織犯罪に対する国際協力を強化する目的で開催するものであるが、我が国からは、警察庁次長及び検事総長が出席する予定である。」旨の報告がなされた。    

(2)刑事局長から、「昨年11月に発生した警視庁における誤認逮捕事案につき、本年3月、当該女性と示談し、賠償金を支払った。」旨の報告がなされた。

大森委員より、「本件対応については、金額の適否の問題はあるが、適正な対応であると考える。これが制度化になじむかどうかは別として、一つの前例としていただきたい。」旨、発言があり、刑事局長より、「今回の措置は、今後の参考にはなると思われるが、個別の事案ごとによく検討する必要がある。」旨、説明した。 

(3)交通局長から、春の連休時(4月29日~5月5日の7日間)における交通事故発生状況について、「春の連休時の交通事故による死者数は141人で、前年同期と比べると3人減少した。また、発生件数及び負傷者数も減少した。」旨の報告がなされた。

(4)委員長より、「最近、自転車による交通事故の増加を受け、自転車の安全利用に対する国民の関心が高まっていると思われる。地方自治体の中には、子供向けに自転車の免許証といったものを発行しているところもあるようだが、子供と同様自転車をよく利用する主婦等に対する安全教育についてどのように考えているのか。」旨、質問があり、交通局長より、「自転車の安全利用の促進については、『平成16年春の全国交通安全運動』における全国重点の一つとするとともに、本年5月を自転車月間として、現在、広報キャンペーン等を全国で実施しているところである。また、安全教育については、その対象を小学校低学年を中心としつつ、その保護者あるいは祖父母等の参加も求める等、いろいろ工夫しているところであるが、今後更に力を入れる必要があると考えている。」旨、説明した。