定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成16年7月1日(木)

午前10時後020分

第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長、長官官房審議官(交通局担当)、首席監察官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)暴力団対策法審査専門委員の任命について

官房長から、「7月7日付け暴力団対策法審査専門委員1名の任命について承認していただきたい。」旨の説明がなされ、原案どおり承認の決定をした。

(2)応急救護処置に関し医師である者に準ずる能力を有する者を定める規則の一部を改正する規則について

官房審議官(交通局担当)から、都道府県の救急隊員につき応急救護処置講習の受講を免除することを内容とする、応急救護処置に関し医師である者に準ずる能力を有する者を定める規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。  

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。

2 報告事項

(1)予算執行検討委員会の開催状況について

官房長から、6月30日に北海道監査委員から北海道知事に提出された「平成16年度要求監査結果報告書」に関し、「本件監査は、北海道知事から監査委員に対し、監査の要求がなされたことを受け実施されたものであり、監査の要求事項は、平成10年度から15年度までの、警察本部、全方面本部、警察学校及び全警察署における捜査用報償費、旅費、食糧費及び交際費の予算執行事務に及ぶ。今回の報告書では、早急に監査結果を報告するよう要請があった旭川中央警察署及び弟子屈警察署における上記予算の執行に係る監査の結果が記載されている。

弟子屈警察署における捜査用報償費の執行に係る部分について、先日、北海道警察が実施した捜査用報償費等問題に関する調査結果と突き合わせると、執行事実の有無等につき道警側の判断と食い違っている部分もある。なお、旭川中央警察署における捜査用報償費の執行及び両警察署の旅費の執行に係る部分については、北海道警察において現在、調査中である。

また、報告書では、旭川中央警察署において日額旅費命令簿の一部の書類が亡失していた旨記載されているが、これについては、先日、警察庁において会計文書の不適正管理事案について全国調査を行った際に、既に判明していたにもかかわらず、報告がなされなかったものであり、今後しかるべき措置を執る必要があると思われる。

さらに、報告書では、意見として、両警察署の不正な予算執行について組織的な不正行為であるとした上で、両警察署以外の警察署でも、そのような行為が組織的に行われていたことがうかがわれる旨指摘しているほか、捜査協力者に対する調査の実施に関し、道警側に具体的な提案を求めている。」旨の報告がなされた。

また、京都府警察における旅費の執行に係るマスコミ報道に関し、「先日、京都府警において、国費旅費の支払がすべて個人口座への振込みになった以降も、当該口座の通帳が集中管理されていたこと等が報道されていたが、問題は、当該旅費の執行が実態を伴うものなのかどうかである。本件については、京都府警察において、このようなことがどの所属で行われていたのか等について、現在調査中である。」旨の報告がなされた。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「青森県警察の巡査部長が、飲酒運転の上、大型貨物自動車と接触し、さらに、その衝撃で路外逸脱して広告塔鉄柱に衝突する交通事故を起こしたにもかかわらず、事故の届出をしなかったとして、同日、道路交通法違反で逮捕された事案に関し、同県警察は、同月30日、同巡査部長を懲戒免職処分にした。」旨の報告がなされた。

また、「兵庫県警察自動車警ら隊員が、検挙実績を上げるために、虚偽の捜査書類を作成していた疑いのある事案に関し、兵庫県警察は、関係職員に対する聴取等の調査を推進している。」旨の報告がなされた。

さらに、「警視庁の警視が、3月初旬から5月下旬にかけて、部下の女性職員に対して、手を握って抱き寄せようとするなどのセクハラ行為をしたとして、本日1日、警視庁において、同警視を停職1ヶ月の懲戒処分にした。」旨の報告がなされた。

(3)たばこ規制枠組条約の締結に伴う未成年者喫煙防止対策の推進について

生活安全局長から、「たばこ規制枠組条約の締結を受け、関係省庁との連名により、関係業界に対し、未成年者の喫煙防止のための取組みを求める要請文を発出するとともに、都道府県警察に対し、たばこ小売業者等への働き掛けの強化を指示する通達を発出した。」旨の報告がなされた。

荻野委員より、「未成年者に対してたばこを販売したコンビニエンスストアの店主や従業員を未成年者喫煙禁止法違反で検挙しているようだが、未成年者の喫煙を容認しているような親についても同法違反で検挙すべき時期に来ているのではないかと思われる。」旨、発言があり、生活安全局長より、「子供の喫煙を知りつつ容認している親についても、昨年中、6件、6人を同法違反で検挙している。」旨、説明した。 

(4)いわゆる「フィッシング」について

生活安全局長から、海外で被害が拡大している、いわゆる「フィッシング」(メールの受信者に偽のホームページにアクセスさせ、当該ページにおいて個人のクレジットカード番号、ID、パスワード等の金融情報を入力させるなどして個人情報を不正に入手する行為)に関し、海外の被害状況及び国内の被害防止に向けた対策等について報告がなされた。

安崎委員より、「本日報告のあった『フィッシング』という新手のメール詐欺について、刑罰や不正利得の没収は現行法体系ではどういうことになるのか。このようなネットを利用した犯罪の手口は益々巧妙になっていくであろうし、被害金額も膨れ上がる懸念が強い。今の段階で、警報を出して人々の注意を喚起することも意義があるが、一方で、このような犯罪が引き合わなくなるような施策を研究し、将来の法改正を考えていくことが必要ではないか。また、この件とは性格も異なる事案であるが、犯罪収益のはく奪という観点から、国外に送金されたヤミ金融の不正利得の没収がなかなか困難であると報道されていることにも善良な市民感覚としては釈然としないと感じておられる方も多いのではないか。」旨、発言があり、生活安全局長より、「一般的に『フィッシング』によって不正に得た情報を利用して金品を取得すれば詐欺罪となるが、その量刑については、被害金額、被害人数、犯行の組織性の有無等に応じて変わってくると思われる。また、没収については、事案により異なるであろうが、一般には民事的に被害金額の返還を求めるしかない場合が多いと思われる。」旨、説明した。

大森委員より、「『フィッシング』という新しい犯罪形態が生まれつつあるというのは憂慮すべきことであるが、『フィッシング』という名称は、少し聞いただけでは、一体どのような犯罪なのかぴんと来ない。したがって、例えば、『オレオレ詐欺』ように、一般の方にもよく分かるような名称に翻訳するなどして、注意喚起を促していく必要があると思う。また、クレジットカード番号等の金融情報を他人に知られることがどうして詐欺被害に結びつくことになるのか分かりにくい。それが分かれば、もっと多くの人が金融情報の取扱いに注意することになるのではないかと思う。」旨、発言があった。

(5)来日韓国人すり犯による強盗傷人等事件について(警視庁)

刑事局長から、「警視庁では、6月24日、田園調布駅において、女性の財布をすり取った男らが、男性乗降客を刃物で切りつけるなどして逃走した事件に関し、韓国人の男1名を逮捕した。」旨の報告がなされた。

荻野委員より、「本件で来日韓国人スリ犯がどうして田園調布を犯行の場所に選んだのかという点については判明しているのか。」旨、質問があり、刑事局長より、「現時点では判明していない。」旨、説明した。

(6)株主総会集中日における開催結果について

刑事局長から、6月29日の株主総会集中日における警戒状況、総会屋の動向等について報告がなされた。

渡邊委員より、「総会屋については、警察ですべて把握しているのか。また、株主総会開催に当たり支援要請があった企業にはすべて警察官が配置されていたのか。」旨、質問があり、刑事局長より、「総会屋については、警察において、基本的には個人ごとに把握している。また、警察官の派遣については、企業からの要請やその時々の情勢等を踏まえ、警察において個別に判断している。」旨、説明した。

(7)国際テロリズム緊急展開班派遣要綱の制定について

警備局長から、「従来の国際テロ緊急展開チームを発展的に改組した国際テロリズム緊急展開班(TRT-2)の編成、派遣等について必要な事項を定めた要綱を制定した。」旨の報告がなされた。

渡邊委員より、「TRT-2は、都道府県警察の職員等をあらかじめ指定しておき、事案の発生があれば、チームを編成し派遣することになるのか。」旨、質問があり、警備局長より、「TRT-2については、あらかじめ要員を指定しておき、事案が発生すればチームを編成し、長官の決定に基づき派遣するものである。要員としては、警察庁の職員や都道府県警察の職員のほか、専門的な知識を有する民間の方を今後指定することを考えている。」旨、説明した。

(8)外国人登録証明書等偽造工場の摘発について

警備局長から、「愛知県警察は、岐阜市内の外国人登録証明書等の偽造工場を摘発し、中国人の男を逮捕するとともに、偽造した外国人登録証明書、偽造用器材等を押収した。」旨の報告がなされた。

渡邊委員より、「本件では、2人の中国人がいずれも旅券不携帯により入管法違反で逮捕されているが、そもそも彼らは旅券を所持していたのか。」旨、質問があり、警備局長より、「2人とも不法入国であり、旅券は所持していない。」旨、説明した。

(9)携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件について

情報通信局長から、情報通信審議会から総務大臣に対して答申された「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」の概要等について報告がなされた。

川口委員より、「以前、国家公安委員会で、電柱や交通標識を活用した携帯電話からの通報場所の特定に関し報告があったと記憶しているが、そのことと本日報告のあったシステムとはどのような関係にあるのか。」旨、質問があり、情報通信局長より、「この発信者位置情報通知機能が導入されれば、近くに電柱等がなくても発信者の現在位置を確認することができることになるが、両者は目的を同じくするものである。」旨、説明した。

3 その他

(1)官房長から、「本日7月1日、現行警察法50周年記念郵便切手が発行された。」旨の報告がなされた。

(2)警備局長から、先週の国家公安委員会において荻野委員より発言のあった東南海・南海地震等が発生した場合の広域緊急援助隊等の派遣計画に関し、今後の策定の見通し等について報告がなされた。