定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成16年7月22日(木)
午前10時~午後0時50分
第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長、首席監察官、政策評価・情報公開企画官
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「7月18日付け地方警務官1名の人事異動について発令していただきたい。」旨、また、「8月10日付けを始めとする地方警務官2名等の人事異動について発令日を変更していただきたい。」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置等について
政策評価・情報公開企画官から、7月20日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要並びに異議申立てに対する決定の概要について報告がなされた。
(2)平成17年度警察庁予算概算要求・要望重点項目(案)について
官房長から、平成17年度警察庁予算概算要求・要望重点項目(案)等について報告がなされた。
安崎委員より、「昨年末に策定された『犯罪に強い社会の実現のための行動計画』と予算概算要求との関連について、この『行動計画』を各省庁と連携して実現していく過程で、予算要求についても関係省庁との協議が必要だと思う。実際にそういう姿になってきているのかどうか知りたい。最近、東京都知事から国家公安委員会委員長宛てに要望書が届いており、その中の提案にもあったが、例えば、不法滞在外国人を半減させるということにしても、各省庁がよく連携をして予算上の裏付けを確保していかなければ、現実的には進んでいかない。治安再生に向けての行動計画は立派なものができたが、予算要求の在り方についても、関係者のリーダーシップの発揮を望みたい。」旨、発言があり、官房長より、「予算概算要求については、既存の人件費・物件費、あるいは政策を積み上げていく部分がかなりあることなどもあり、事前に関係省庁と協議を行うようなことはやっていないのが実態である。もっとも、『行動計画』のフォローアップとして、今後、各省庁の概算要求の状況を検証するということはあり得るのではないかと思う。」旨、説明した。
(3)監察の取扱い事案について
首席監察官から、本年3月24日警察庁会計課から行った平成10年度会計文書保存継続の指示・連絡以後の文書誤廃棄等事案について全国警察における関係職員の懲戒処分等の実施状況(予定を含む。)について報告がなされるとともに、「同指示・連絡の内容が不十分であったことから、一部の県警等において対象文書の範囲・種類等について誤解を生じさせ、指示連絡後も対象文書を廃棄するという事案を惹起させたことに関し、本日7月22日、警察庁長官官房会計課長を警察庁長官注意の措置とする予定である。」旨の報告がなされた。
(4)平成15年中における自殺及び家出の概要について
生活安全局長から、「平成15年中の自殺者数は34,427人で、前年に比べ2,284人(7.1%)増加した。同年中に家出人捜索願を受理した家出人は101,855人で、前年に比べ1,025人(1.0%)減少した。」旨の報告がなされた。
(5)日本銀行券の偽造について
刑事局長から、「平成16年5月末までに警察が届出等により押収したとして、警察庁に報告のあった偽造日本銀行券は計1万2,578枚である。特に偽造千円券は急増しており、その枚数は昨年1年間の枚数を超える状況となった。」旨の報告がなされた。
(6)平成16年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について
交通局長から、平成16年上半期の交通死亡事故の特徴として、交通事故死者は昭和45年以降では最少であったこと、高齢運転者による事故が増加し、最高速度違反・飲酒運転による事故が減少したことなどについて、また、道路交通法違反取締り総件数が対前年比で増加したことなどについて報告がなされた。
(7)平成16年上半期における暴走族の動向及び取締り状況について
交通局長から、「前年同期と比べ、暴走族のい集・走行回数、人員及び車両台数並びに110番通報件数が減少した。今後、改正道路交通法の施行に向けて、指導教養の徹底、採証・捕捉訓練を推進し、暴走族取締りの強化を図っていく。」旨の報告がなされた。
(8)国民保護法施行令案に関する意見の募集について
警備局長から、国民保護法施行令については、内閣官房においてその概要を取りまとめ、パブリックコメントを実施する予定であること、同令の附則において警察関連政令の改正を予定していること等について報告がなされた。
(9)皇太子殿下の「平成16年度全国高等学校総合体育大会」御臨場等(島根県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、7月31日から8月2日までの間、『平成16年度全国高等学校総合体育大会』御臨場等のため、島根県へ行啓になる。本行啓に関して、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(10)全教「第21回定期大会」をめぐる動向と警察措置について
警備局長から、「7月23日から25日までの3日間、千葉市内において開催される全教(全日本教職員組合)の定期大会に対して、右翼は、同市内において全教批判の街頭宣伝活動等に取り組むものとみられることから、千葉県警察で、警戒警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(11)北陸から東北にかけての豪雨の概要と警察措置について
警備局長から、「7月12日から13日にかけての『平成16年7月新潟・福島豪雨』及び同月17日から18日にかけての『平成16年7月福井豪雨』に際して、警察は、直ちに体制を確立して、被災情報を収集するとともに、広域緊急援助隊等を派遣し、被災地域での救出救助や行方不明者の捜索活動等を実施した。」旨の報告がなされた。
渡邊委員より、「広域緊急援助隊を派遣する主たる目的は人命救助か。」旨、質問があり、警備局長より、「人命救助が第一の目的であるが、救援物資の輸送や災害復旧活動を円滑に行うため、派遣地域周辺の交通規制・整理を行うことも任務としてある。」旨、説明した。
委員長より、「今回の豪雨では、ヘリコプターによる人命救助が中心となったが、一方でヘリコプターの数が足りなかったとも聞くがどうか。」旨、質問があり、警備局長より、「新潟県、福井県ともに、警察が保有するものも含め、かなりの体制でヘリコプターによる救助活動が行われていたものと承知している。もっとも、ヘリコプターは、悪天候の場合には飛べないことがある。」旨、説明した。
(12)化学テロ対処に関する消防庁との共同訓練実施概要について
警備局長から、7月27日に都営大江戸線・都庁前駅などにおいて実施される化学テロ対処に関する消防庁との共同訓練の概要について報告がなされた。
(13)我が国におけるインターネット治安情勢の分析について(平成16年度第1/四半期)
情報通信局長から、平成16年度第1四半期におけるインターネットに接続する全国警察施設に対するサイバー攻撃の監視結果及びその分析結果について報告がなされた。
3 その他
(1)生活安全局長から、7月14日に発生した埼玉県草加警察署草加駅前交番付近における傷害事件に関し、事案の概要、警察の対応等について報告がなされた。
渡邊委員より、「電車内で暴行事件等が発生しても他の乗客は黙って見ているだけで誰も被害者を助けようとしないことが社会問題化しているが、こともあろうに警察官が見て見ぬ振りをして事件を放置していたという事実は大変衝撃的である。警察官の教養や訓練の問題、より根本的には心構えの問題があるのではないかと思う。また、本件では、このような事実に加え、事後に共謀し、事件をなかったことにしようとしている点も大変問題である。今後、関係職員は当然、監察処分を受けることとなろうが、どのような処分になるのかに関心がある。」旨、発言があり、生活安全局長より、「本件については、現在、埼玉県警察において事実関係を調査しているところであり、事実解明の終了後、処分が行われることになると思われる。」旨、説明した。 大森委員より、「渡邊委員の意見に同感である。最初に新聞で本件の記事を見た際、念頭に浮かんだのは桶川事件である。埼玉県警察に限らないが、完全な警察刷新にはほど遠い状態であると感じた。本件では、目前の犯罪を身をもって制止していないという事実に加え、その職務怠慢を口裏合わせにより糊塗しており、国民の信頼を損なうものとして根深いものがあるとの感を強くしている。目撃者がいたから、口裏合わせが発覚したが、それが罷り通っていた可能性を思うと背筋に悪寒が走る。監察機能を十分に発揮し、事案の徹底的な糾明を行うともに、この種事案の再発防止のため十分なケジメをつける必要があると思う。」旨、発言があった。
荻野委員より、「本件では、何人も警察官がいたにもかかわらず、毅然とした態度がどこにも見られないということにまず問題がある。悪に対し毅然とした態度で立ち向かうという基本精神を欠いている。また、これに加え、目撃者がいるにもかかわらず、口裏合わせでごまかそうとしている点を見ると、国民を見て仕事をしているのではなく、警察内部で問題とならなければそれでよいとする安易な考えが伺われる。」旨、また、「関係職員の処分もさることながら、どうすればこのような事案が二度と起きないか、その辺についてもしっかり考えていく必要があると思う。」旨、発言があった。
安崎委員より、「各委員の発言には同感できる部分も多い。とんでもない失態であるという認識が必要である。確かに埼玉県警察は、人口が急増する首都圏にあって、犯罪の多発と警察官の配置が長期間バランスを失していたという気の毒な面もあるが、本件については、警察本部長以下、特に次のような点をよく調査して今後の対応を考えていただきたい。まず、本件は、空き交番ではなく、何人かの警察官が勤務中に発生した事案であるが、交番での事案処理で誰がリーダーシップを発揮するか等がきちんと定められているのか。先任警察官の個人的な資質のみに問題があったと考えてよいのかどうか。二点目は、暴力団員が相手だと当該交番の勤務員は分かっていたということはなかったのか、顔見知りの暴力団員ということで対応が甘くなったということはないのか。あるいは逆に怖くて手が出せなかったのかどうか。仮に後者であるとすると、怖いでは済まないのが警察の仕事であると思う。三点目は、同種の事案が日常茶飯事に多発するために、喧嘩程度は放置ということで甘く見過ぎたのかどうか。いずれにしても、もう少し強い警察官、警察らしい対応をしてもらいたかったと思う。」旨、発言があり、生活安全局長より、「本件では、警部補が当該交番の責任者であり、事案処理を指揮する立場にある。また、現在までの報告では、当該交番の勤務員と本件に係る暴力団員とが顔見知りであるとは聞いていない。」旨、説明し、さらに、長官より、「当該交番については、非常に多忙な交番であり、酒酔いを起因とする取扱いや喧嘩の取扱いも大変多いところであると聞いている。しかし、そのような背景事情が在るにせよ、この種事案にどう対処すべきかは明らかであり、委員御指摘の点はもっともと思う。埼玉県警察においては、調査の上、厳正に処分を行う方針のようであり、今後それをよく見てまいりたい。」旨、説明した。
委員長から、「本件について連日マスコミで報道されているが、事実がどうであったのかについて、国民はこうした報道を通じてしか知り得ない。事案発生から日数も経っており、警察としても対外的に事実関係を説明するなど、何らの対応を行うことも必要ではないのか。」旨、発言があり、生活安全局長より、本件事案の経緯等について説明し、さらに、長官より、「埼玉県警察では、昨日、記者会見を行い、事実関係を踏まえ、県警としての見解を発表している。」旨、説明した。
(2)刑事局長から、千葉県議会議員らによる市県民税の滞納処分停止に係る背任事件について、「千葉県警察は、千葉県議会議員が、元千葉市納税管理課長らと共謀の上、同議員が滞納していた市県民税につき、滞納処分の執行を停止するなどして滞納金の徴収を困難に陥らせ、同市に対し財産上の損害を与えた事案に関し、7月21日、千葉県議会議員を背任罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(3)警備局長から、北朝鮮拉致被害者曽我ひとみさん及びその夫ジェンキンスさんら家族の帰国等とこれに伴う警戒警備等の警察措置について報告がなされた。
(4)警備局長から、冊子「焦点(269号)警備警察50年現行警察法施行50周年記念特集号」について紹介がなされた。