定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成16年9月16日(木)
午前10時~午後0時35分
第2 出席者 小野委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
首席監察官、政策評価・情報公開企画官
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「9月30日付け地方警務官1名の人事異動について発令していただきたい。」旨、また、「自動車安全運転センター理事の選任及び解任について認可していただきたい。」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)「国家公安委員会が所管する事業を行う者等が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する指針案」(告示)に対する意見の募集について
官房長から、「9月17日から10月7日までの間、『国家公安委員会が所管する事業を行う者等が講ずべき個人情報の保護のための措置に関する指針案』を一般に公表し、意見の募集(パブリックコメント)を行うこととした。」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「今回の個人情報保護のための措置は大いに結構だが、その一方で最近、疑わしき金融取引が増加している。麻薬売買や組織犯罪、国際テロに関連するマネーローンダリング等を取り締まる活動については例外規定が設けられており、今回の措置によって警察の捜査が困難になるという心配はないものと理解してよいか。」旨、質問があり、官房長より、「捜査機関としての活動に支障を及ぼすことのないよう制度上の手当は講じてきている。」旨、説明し、さらに、刑事局長より、「仕組みの上では、捜査活動に支障が出ないように手を打ってきているところであるが、聞き込み等実際の捜査の場面では、やりずらい面も生じつつあるようである。」旨、説明した。
(2)警察庁長官に対する開示請求の措置について
政策評価・情報公開企画官から、9月14日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。
(3)「治安に関する世論調査」の概要について
官房長から、内閣府が本年7月に実施した「治安に関する世論調査」の概要について報告がなされた。
川口委員より、「世論調査は、国民がどのように感じているかを示すものであるが、それは国民が前提としてどのような情報やデータに接しているかに影響される。したがって、国民の感じ方と実態とは合致していないこともあるわけで、その辺を注意してこの調査結果を扱っていただきたい。」旨、発言があり、官房長より、「御指摘のような点も含め、様々な視点から本件世論調査の結果を検証してまいりたい。」旨、説明した。
安崎委員より、「今回の世論調査の結果は非常に興味深い。警察庁の最新の統計数値を見る限り、地方警察官の増員という国の政策や警察における諸施策、全国の現場の警察官の頑張り等があいまった複合効果により、日本の治安再生は進み出しているように思う。しかし、この世論調査の結果を見ると、国民の意識の上では、国際テロの心配や近年の凶悪・異常な事件の多発もあり、ここ5年から10年の間、体感治安は悪化を続けており、最新の統計数値を反映していない。統計数値の後を追って、あと5年位経過して身近な犯罪も減少すれば、体感治安の上でも改善が実感されてくるのではないかと思う。警察としては、犯罪の未然防止や凶悪事件の早期解決に向けて努力し、国民の期待に応えていただきたい。」旨、発言があった。
渡邊委員より、「川口委員の発言とも関連するが、この世論調査の結果について気になるのは、ここ10年間で日本の治安が悪くなったと思う理由として、『外国人の不法滞在者が増えたから』というものが約54%も占めている点である。そのような感情は理解できなくもないが、これが正確かどうかという点は、実態面も踏まえて、慎重に吟味していただきたい。」旨、発言があり、官房長より、「御指摘の点については、25万人と推計される不法滞在外国人を5年間で半減させるという政府のキャンペーンが国民の間に浸透してきていることや、来日外国人による侵入犯罪や凶悪な事件の多発が国民に不安感を与えているものと思われる。ただ、その一方で、観光立国や外国人労働者の受け入れに向けた動き等もあり、警察としては、こうした点にも配慮しつつ、国民の不安感の解消に向けて全力を尽くしてまいりたい。」旨、説明した。
(4)予算執行検討委員会の開催状況について
官房長から、9月13日に北海道警察が北海道議会総務委員会に対して行った、平成10年度から12年度の捜査用報償費等に係る特別調査進捗状況報告に関し、道警の裏金が総額11億円である旨の報道がなされるに至った経緯、同総務委員会における議員からの主な質問等について報告がなされるとともに、「今後、北海道に返還すべき金額に関しては、その基本的な考え方について、北海道警察と北海道監査委員との間で意見が分かれているようであり、その点が今後の両者の協議の争点の一つになると思われる。」旨の報告がなされた。
(5)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「愛媛県大洲警察署において、平成11年度から同15年度までの間、事実と異なる会計書類が作成された事案に関し、同県警察及び四国管区警察局は、本年9月17日、当時の警察署員20名に対し、訓戒等の措置を行う予定である。」旨の報告がなされた。
(6)平成16年上半期における街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策の推進状況について
生活安全局長から、「平成15年から全国警察において街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策を推進しているところ、本年上半期においては、前年同期に比べ、街頭犯罪のうち、車上ねらい、自動販売機ねらい、オートバイ盗及びひったくりが大幅に減少したほか、侵入窃盗も減少した。」旨の報告がなされた。
大森委員より、「本年上半期における街頭犯罪・侵入犯罪が総じて減少していることは結構なことであるが、侵入強盗と住居侵入が増えているのは、市民生活にとって大きな脅威であり、なお一層の努力を期待したい。また、一般国民にとって、居住地域においてどのような犯罪が日々発生しているかは非常に関心があるところであり、そのような情報の告知・広報をより一層進めていただきたい。」旨、発言があった。
(7)地域住民・ボランティア団体自主防犯活動事例集について
生活安全局長から、「全国で行われている事例を収集した『地域住民・ボランティア団体自主防犯活動事例集』を作成し、今後、警察庁ホームページに掲載するほか、都道府県警察、財団法人全国防犯協会連合会を通じ、地域住民、自治体等へ配布、紹介する。」旨の報告がなされた。
委員長より、「先日、都内の防犯パトロール隊を視察したが、その時のことを踏まえると、この事例集に取り上げられている活動の実績について、単に犯罪が減少したと抽象的に記載するのではなく、具体的な数字を上げて何件減少したと記載した方が、これからこうした自主防犯活動に取り組もうと考えている人達により大きなインパクトを与えることができるのではないかと思う。」旨、発言があった。
(8)法制審議会第143回会議の概要について(刑事法関係)
刑事局長から、9月8日に開催された法制審議会第143回会議に関し、刑事法関係の答申及び諮問の概要について報告がなされた。
(9)愛知県豊明市における母子4名被害殺人・現住建造物等放火事件の発生について(愛知県警察)
刑事局長から、「愛知県警察では、9月9日に愛知県豊明市内の民家で母子4名が殺害・放火された事件に関し、特別捜査本部を設置して捜査中である。」旨の報告がなされた。
(10)小山市内における幼児2名被害にかかる誘拐・殺人等事件について(栃木県警察)
刑事局長から、「栃木県警察は、9月11日に小山市内で発生した幼児2名被害にかかる誘拐・殺人等事件に関し、同月12日、被疑者を未成年者誘拐罪で逮捕するとともに、被害者を捜索中のところ、同月14日に1名を、同月16日に1名をそれぞれ遺体で発見した。」旨の報告がなされた。
(11)過去最大押収コカイン密輸入事件の検挙について
刑事局長から、「静岡県警察は、名古屋税関と連携し、清水港に接岸したマグロ冷凍運搬船から降ろされた空のガスボンベに隠匿されていた大量のコカインを押収するとともに、荷受人ら2名を、麻薬及び向精神薬取締法違反(密輸入)で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(12)「平成16年秋の全国交通安全運動」の実施について
交通局長から、「9月21日から30日までの間、『高齢者の交通事故防止』、『夕暮れ時と夜間の交通事故防止対策の推進』及び『シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底』を重点とした『平成16年秋の全国交通安全運動』が実施される。」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「ある雑誌で、交通事故統計をめぐって警察庁が事故発生から24時間以内の死者数にこだわっているという批判記事を見た。本日配付された、交通事故統計(負傷者・24時間死者・30日以内死者)と厚生統計とを一つにまとめたグラフを見ると、30日以内死者も、24時間死者の減少にほぼ比例して減少していることがよく分かる。今年の警察白書では、本文に24時間死者のみを表示し、巻末の資料編で30日以内死者を表示しているが、来年の警察白書では、両方を表示して説明するなど、警察が殊更に24時間死者にこだわっていないことを上手くPRしてはどうかと思う。」旨、発言があり、交通局長より、「御指摘のように、24時間死者しか表示していないと、警察がそれにこだわり30日以内死者を軽視しているような誤解を一般に与えかねないことから、最近では、特に広報用のパンフレット等では両方表示するように努めているところである。」旨、説明し、さらに、長官より、「警察としては、交通事故死者の統計数値を見る上で、最も早く全体的な傾向が分かり、迅速に施策に反映できるという利点から、24時間死者の数値を主に利用しているものである。」旨、説明した。
大森委員より、「一般に交通事故死と言われる業務上過失致死については、事故後30日位の死であれば、当該事故と当該死の結果との間には相当因果関係があると一般に推測し得るが、事故後60日以内あるいは半年以内の死ということになると、事故以外の死因も積み重なる可能性が大きいことから、直接の死因を判断することは非常に難しい状況になる。したがって、統計として用いる場合には、30日以内死者までが問題が少ないのではないかと思う。」旨、発言があった。
(13)2005年日本国際博覧会の開催に伴う諸対策について
交通局長から、平成17年3月25日から愛知県において2005年日本国際博覧会(略称「愛知万博」)が開催されることに伴う、警察における諸対策等について報告がなされた。
(14)ICカード免許証の発行に向けた準備状況について
交通局長から、「ICカード免許証の発行に伴い必要となる関係法令の整備を年内を目途に行う予定である。」旨の報告がなされた。
(15)最近の「パナウェーブ」の動向について
警備局長から、最近の「パナウェーブ」の動向について報告がなされた。
(16)アル・カーイダ関係者をめぐるその後の状況について
警備局長から、アル・カーイダ関係者をめぐるその後の状況について報告がなされた。
3 その他
(1)官房長から、「10月9・10日の両日、岐阜県において第47回全国警察音楽隊演奏会が開催される。」旨の報告がなされた。
(2)官房長から、昨日の日本弁護士連合会が代用監獄立法を容認する旨の新聞報道に関し、過去の留置施設法案の経緯、今般の監獄法改正をめぐる動向等について報告がなされた。
渡邊委員より、「代用監獄の問題について警察としてどのように考えているのか。」旨、質問があり、官房長より、「代用監獄制度は、迅速適正な捜査のために必要なものであると考えている。また、実際の問題として、警察の留置場は、被疑者に接見する弁護人や家族にとっても便宜である場合が多いと思われる。」旨、説明した。
(3)刑事局長から、「先般の日米合同委員会において事故現場における協力に関する特別分科会の設置が決定され、今週中にも第1回会合が開催される予定である。」旨の報告がなされた。
(4)警備局長から、先日のジャカルタにおける豪州大使館前爆弾テロ事件について報告がなされた。
(5)川口委員より、「先日、あるテレビ番組を見たが、その中に次のような場面があり、大きな衝撃を受けた。それは、ある県の小学6年生のクラスの授業で、先生がある生徒に『死んだらどうなると思うか。』と尋ねたところ、その生徒は『死んでも生き返ることがある。』と答え、これに驚いた先生が『他にも同じように考えている人がいますか。』と尋ねたところ、33人のクラスの中で28人が手を挙げていた、というものである。これは特殊な例なのかもしれないが、日本の中に一つでもこのようなクラスがあるということが驚きである。一般には、6年生にもなれば、それまで生きてきた人間関係の中で、一度失われた命は二度と戻らないということは当然分かっているはずである。もしかするとそれが分からなくなってきている状況があるのではないかと思った。もし子供達の中に、人を殺しても、その人が生き返ったときに謝ればいいと思っている者がいるとすれば本当に恐ろしいことである。その原因はいろいろ考えられるのかもしれないが、このような事実があるということは、我々を含めた国民全体が様々な場面で考えていかなくてはならないことではないかと感じた。」旨、発言があった。
荻野委員より、「全く同感である。生命について今の子供達がどのように考えているのか、改めて全国的に調査してみる必要があるように思う。」旨、発言があった。
(6)安崎委員より、「愛知県のある警察署が元暴走族の少年達の解散式の労をとった旨の報道があった。広島県でも、こうした警察署の支援が効果を発揮したという例を以前に伺ったことがあったが、全国的にも、警察が暴力団の影響を排除し、少年達の立ち直りを支援するということは非常に良い話だと思った。」旨、発言があった。