定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成16年9月30日(木)
午前10時~午後0時
第2 出席者 村田委員長、渡邊、荻野、安崎、川口、大森各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
首席監察官
第3 議事の概要
委員長より、会議の冒頭、「国民の治安回復に対する期待度が大変大きい中で、この度、国家公安委員長という大変重要な任務を頂き、身の引き締まる思いである。国家公安委員会委員の皆様方の御協力と御指導を頂戴しつつ、この任を全うしたいと考えているので、どうかよろしくお願いしたい。」旨、就任の挨拶があった。
1 議題事項
(1)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「4月21日に和歌山県の警察署において発生した、戒具使用中の被留置人の死亡事案に関し、警察庁長官は、本事案を惹起せしめた監督責任により、同署長を懲戒手続に付する必要があると認め、本日、国家公安委員会に申し立てを行う。」旨の説明がなされ、その結果、国家公安委員会において懲戒審査会に審査を要求する旨の決定がなされた。
渡邊委員より、「本件事案で看守勤務に当たっていた関係職員は、それまで戒具を使用したことがなかったのか。」旨、質問があり、首席監察官より、「そのとおりであるが、一般に戒具の使用自体が非常に少なく、当該警察署でも平成14年と15年の2年間で1度も使用していないという状況である。」旨、説明した。
川口委員より、「戒具そのものに問題があったということはないのか。」旨、質問があり、首席監察官より、「業務上過失致死の捜査の過程で実験等も行ったが、そのような事実は確認できなかったようである。」旨、説明した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を原案どおり了承した。
2 報告事項
(1)予算執行検討委員会の開催状況について
官房長から、京都府警察における旅費の流用疑惑に関し、「京都府警察では、本日、京都府公安委員会に対し、全所属における平成15年度の旅費(国費及び府費の計約4億7千万円)の執行状況について、その調査結果を報告する予定であるが、その概要は次のとおりである。結論的には、担当職員から直接ヒアリングを行う等の調査を行ったが、旅費の不正請求等の事実は把握されなかった。ただ、75所属中、36所属において、所属全体ではないが、係や班の単位で、旅費が振り込まれる個人口座の通帳等を管理し、日当や旅費雑費分をプールして、事件捜査で緊急に出張する場合の旅費の立替えや飲食代等に運用されている事実があった。今後の対策としては、概算払いの積極的な運用や互助会からの一時貸付制度の創設等により改善を図りたいとのことである。」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「京都府警で行われていたような旅費の取扱いは、仮に本人の同意があったとしても、不正経理を防止するため、旅費を個人口座に振り込むこととした制度への信頼性に疑念を持たれかねないものであり、早急に見直すべきである。他県でもこのような事案が残っていないかどうかよく調べて欲しい。」旨、発言があり、官房長より、「他県についても点検をし、今後、このような事案が生じないようにしたい。」旨、説明した。
(2)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「京都府警察の警部が、平成11年3月ころから平成13年12月までの間、3回にわたり、医師に内容虚偽の診断書を作成させた上、保険会社に通院保険金の支払請求をし、合計435,040円を騙し取った事案に関し、同府警察は、本年9月24日、同警部を停職6月とした。」旨の報告がなされた。
(3)「第1回JICA理事長表彰」の受賞について
官房長から、「警察大学校国際捜査研修所では、昭和60年の設立以来、19年余りにわたる各種国際セミナーの開催等、長年に及ぶ国際協力の実績が認められ、『第1回JICA理事長表彰』を受賞するに至った。表彰式は10月1日、JICA本部において開催される。」旨の報告がなされた。
川口委員より、「日本のODAに関しては、『物だけで顔が見えない』等多くの批判がある中で、日本警察のインドネシア警察等への支援は、物だけではなく、人の行き来もあり、日本警察のシステムそのもの、日本警察の文化を伝えるものである。私は、国家公安委員会委員に就任以来、このような人的支援は、もっと宣伝されるべきだと思い、機会があるごとに言及してきたので、この度の受賞を大変うれしく思う。今回のことに自信を持って、今後も物だけでなく顔の見える国際協力に取り組んでいただきたい。」旨、発言があった。
荻野委員より、「個別の支援の内容を見ると表彰されてしかるべきものがあるのに、一般には全く認知されていないのが残念である。是非ともPRを考えていただきたい。」旨、発言があり、官房長より、「PRに一段と努力したい。」旨、説明した。
(4)特殊解錠用具の所持の禁止等に関する法律の施行状況について
生活安全局長から、「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律については、一部の規定を除き、平成15年9月1日から施行されたところであるが、施行後1年間で、法第3条及び第4条違反を計588件、667人検挙したほか、本年4月1日からは、指定建物錠の防犯性能表示制度を開始している。」旨の報告がなされた。
(5)防犯パトロール車への青色回転灯を認める仕組みについて
生活安全局長から、「警察庁と国土交通省は、民間防犯団体などが行う自主防犯パトロールを支援するため、一定の要件の下、自主防犯パトロール車への青色回転灯の装備を認めることとした。近日中に関連通達を発出し、本年12月1日から運用を開始する予定である。」旨の報告がなされた。
大森委員より、「本件では、パブリックコメントを通じて、『固定式以外に着脱式の青色回転灯も認めて欲しい』との意見が多数寄せられたことを受けて、着脱式のものも認めるなど、柔軟な対応をされたことは非常に良かったと思う。パブリックコメントが制度として有用であるということを改めて認識させていただいた。」旨、発言があった。
(6)大牟田市内における連続4名殺人並びに死体遺棄事件について(福岡県警察)
刑事局長から、「福岡県警察では、大牟田市内において4人が殺害され、遺棄された事件に関し、9月23日までに、被疑者2人を死体遺棄罪で逮捕し、捜査本部を設置して捜査中である。」旨の報告がなされた。
(7)飯田市及び高森町における連続強盗殺人事件について(長野県警察)
刑事局長から、「長野県警察では、4月から9月にかけて飯田市及び高森町で発生した連続強盗殺人事件に関し、9月13日に窃盗未遂事件で逮捕した被疑者を、同月17日、強盗殺人罪で再逮捕し、特別捜査本部を設置して捜査中である。」旨の報告がなされた。
また、本件事件の被害者の遺族が「警察から犯人扱いされた」として長野県警察に対し抗議した旨の報道に関し、長野県警察としての基本的な考え方、当該報道の内容等について報告がなされた。
渡邊委員より、「一般論として、殺人罪の嫌疑がある場合には、報告にあったような午前9時から午前0時に及ぶ取調べも普通なのか。」旨、質問があり、刑事局長より、「一般的には普通ではないが、事案による。ただ、自白が問題になる場合は、身柄を確保して以降のことが多いが、今回のケースは、参考人として事情を聴いている状況での話であるという点が異なっている。」旨、説明があり、また、次長より、「逮捕後、勾留中の被疑者については、通常、遅くとも就寝時間には間に合うように留置場に入れることになっており、一般的にはそのような深夜に及ぶ取調べは行われていない。」旨、説明し、さらに、長官より、「長野県警としては、真相を解明するため、白か黒かの判断がつかない部分をはっきりさせようとして、そのために事情聴取が長時間深夜にまでに及んだものと思われる。ただ、これはあくまで任意捜査であるから、そこには自ずと限界があり、もう少し配慮をすべきであった。」旨、説明した。
(8)財団法人世界青少年交流協会による補助金受給をめぐる詐欺事件について(警視庁)
刑事局長から、「警視庁は、財団法人世界青少年交流協会職員らが、日本自転車振興会に対して、内容虚偽の補助金申請書を提出し、不正に補助金約1,230万円を騙し取った事件に関し、9月17日、同協会職員ら5人を詐欺罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。
(9)荒川区長らによる同区本庁舎管理業務委託契約をめぐる贈収賄事件について(警視庁)
刑事局長から、「警視庁は、9月18日、荒川区本庁舎管理業務委託契約に関し、ビル管理会社の代表取締役から現金数十万円の賄賂を収受した荒川区長を収賄罪で、同代表取締役を贈賄罪でそれぞれ逮捕した。」旨の報告がなされた。
(10)元社会保険庁運営部年金保険課長らによる金銭登録機導入をめぐる贈収賄事件について(警視庁)
刑事局長から、「警視庁は、9月27日、社会保険庁が発注する国民年金収納事務のための金銭登録機導入に関し、情報処理機器会社の代表取締役から、現金数十万円の賄賂を収受した元社会保険庁運営部年金保険課長を収賄罪で、同代表取締役を贈賄罪でそれぞれ逮捕した。」旨の報告がなされた。
(11)銃器犯罪根絶の集い・山梨大会の開催について
刑事局長から、「10月14日、韮崎市において、銃器犯罪根絶と違法銃器の排除を広く国民に呼びかけるため、警察庁と山梨県銃器対策推進本部との共催により、銃器犯罪根絶の集い・山梨大会を開催する。」旨の報告がなされた。
(12)「自動二輪車の二人乗りに関する安全教育の在り方について」
交通局長から、自動二輪車の二人乗りに関する安全教育検討委員会において取りまとめた「自動二輪車の二人乗りに関する安全教育の在り方について」の内容等について報告がなされた。
(13)天皇皇后両陛下の「第24回全国豊かな海づくり大会」御臨席等(香川県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「天皇皇后両陛下は、10月2日から5日までの間、『第24回全国豊かな海づくり大会』御臨席等のため、香川県へ行幸啓になる。本行幸啓に伴い、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(14)皇太子殿下の2005年日本国際博覧会会場御視察等(愛知県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、10月7日から8日までの間、2005年日本国際博覧会会場御視察等のため、愛知県へ行啓になる。本行啓に伴い、関係警察で警衛警備を実施する。」旨の報告がなされた。
(15)小泉総理大臣の「アジア欧州会合(ASEM)第5回首脳会合」出席に伴う警護警備について
警備局長から、「小泉総理大臣は、10月6日から10日までの間、『アジア欧州会合(ASEM)第5回首脳会合』出席のため、ベトナムを訪問する予定である。本訪問に伴い、警視庁では、警護警備を実施することとしている。」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)交通局長から、平成16年秋の全国交通安全運動期間(9月21日~30日)中の交通事故死者数(9月29日現在)について報告がなされた。
安崎委員より、「交通安全運動自体は大きな企画の行事であるが、一線の警察署では、単なる取締りの強化等、運動自体がマンネリ化、ノルマ化している懸念はないのか。交通事故とその防止対策については、地域ごとの事故の発生状況や原因と結果との関係分析に基づいた日常の実質的な活動を交通安全運動期間で開花させるような工夫を是非していただきたい。」旨、発言があり、交通局長より、「交通安全運動は昭和23年から行われているが、自発的な国民運動で、これほど国民の間に浸透し成功しているものも少ないと思っている。もっとも、実施する側としては、国民の関心を持続させるため、常に新しい趣向やイベントを取り入れていく必要があり、そのことに一線警察署の交通課長等は心を砕いている。また、期間中は、確かに交通取締りも行われているが、その主眼は広く国民に交通安全をアピールすることにあり、そのような方向で各種イベントや啓発活動等も行われている。御懸念のような期間中に取締りがノルマ化しているようなことはない。ただ、総論としては御指摘のとおりであり、今後とも留意してまいりたい。」旨、説明した。
(2)警備局長から、台風第21号に伴う被害状況と警察措置について報告がなされた。
(3)大森委員より、「交通事故死者数が全体として減少傾向をたどっているが、なぜこのような良い結果が出ているのか、その対策と原因について、社会情勢の変化との対応関係も含めて、一度総合的に分析し、その結果を別の機会に報告いただきたい。」旨、発言があった。