定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成17年10月27日(木)
午前10時00分~午前11時55分
第2 出席者 安崎、川口、大森、吉田各委員
長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
生活安全企画課長、情報公開・個人情報企画官
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)国家公安委員会・警察庁国民保護計画の都道府県知事への通知及び公表について
警備局長から、「国民保護法に基づき、『国家公安委員会・警察庁国民保護計画』を内閣総理大臣に協議していたところ、28日の閣議決定により同協議が終了する運びとなったことから、同計画を都道府県知事に通知するとともに、官報に登載するなどして公表することとしたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)
情報公開・個人情報保護企画官から、10月25日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。
(2)国会の状況について
官房長から、10月25日に行われた参議院内閣委員会等の状況について報告がなされた。
(3)平成17年秋の叙勲等の伝達式について
官房長から、11月3日に発令される平成17年秋の叙勲等に関し、警察関係の受章者に対する勲章等の伝達式の予定等について報告がなされた。
(4)警察庁と中国公安部による協議(第2回)の実施について
官房長から、「25日及び26日の2日間にわたり、北京において、警察庁と中国公安部の実務者による2回目の協議が行われた。協議においては、全体会合のほか、不法出入国事犯、殺人、強盗等一般犯罪及び捜査共助、薬物銃器事犯、サイバー犯罪、並びに経済犯罪に関して分科会を設け情報交換等を行った」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「日中警察当局間の実務協議を、その時々の国際情勢にかかわらず、継続して地道に実施していくことは非常に大切なことだ。率直な協議が行われることを望む。来日外国人留学生の経歴詐称問題が例示されたが、これも相手側からみると、日本側語学学校などの留学生受入れ態勢、管理状態も万全とは思われないだろう。実際の協議でこの他、中国側から、先方が苦労している日中間の治安上の問題点について、何か指摘や要望がでているか」旨、質問し、官房長から、「具体的な指摘、要望等はなかった。委員ご指摘のような、例えば留学生受入れ態勢等の日本側の問題まで取り上げ、広範囲な内容まで議論することは日程上厳しい状況にあるが、そのような視点にも配意しながら議論していきたい」旨、説明があった。
(5)第12回少年問題シンポジウム「社会が取り組む子どもの健全な育成」の開催について
生活安全企画課長から、「11月2日、(社)全国少年補導員協会及び(財)社会安全研究財団の主催、警察庁等の後援による第12回少年問題シンポジウムが開催される予定である」旨の報告がなされた。
(6)指名手配被疑者捜査強化月間の実施について
刑事局長から、「オウム真理教関係の警察庁指定特別手配被疑者を最重点とした悪質・重要な指名手配被疑者の早期検挙を図るため、11月に指名手配被疑者捜査強化月間を実施する」旨の報告がなされた。
(7)千葉県松戸市における強盗殺人・放火事件について(千葉県警察)
刑事局長から、「千葉県警察は、平成14年8月5日に千葉県松戸市において発生した強盗殺人・放火事件に関し、10月21日、被疑者2名を逮捕した」旨の報告がなされた。
(8)第2回東アジア地域組織犯罪対策会議の開催について
刑事局長から、「11月9日から11日までの間、都内において、11カ国、1地域から26名の捜査幹部等の参加を得て、第2回東アジア地域組織犯罪対策会議を開催する」旨の報告がなされた。
吉田委員より、「台湾と中国の犯罪組織がつながっていることをうかがわせるような話を聞くが、今回の対策会議の参加者を見ると、台湾の治安当局者が入っていない。犯罪組織に関する重要な情報を入手するという観点からも、先に報告のあった中国公安部との協議のみならず、どのような形での会合とするかは別として、台湾の治安当局者との情報交換は必要と思うが、台湾との情報交換はどのようになっているのか」旨、質問し、刑事局長から、「今回参加する国・地域については、同国・地域内における犯罪組織の活動状況等において、情報関心の優先順位が高い国・地域である。委員ご指摘の台湾とは、情報交換の形態は異なるが、台湾からの覚せい剤の密輸等もあることから、台湾警察当局と個別の事案等に関して相互に緊密な連携を図っているところである」旨、説明があった。
(9)自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則改正試案に対する意見の募集について
交通局長から、「自動車保有関係手続のワンストップサービスの実現のため、自動車の保管場所の確保等に関する法律第4条第1項ただし書の申請の方法等について定めることを内容とする自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則の改正試案を公表し、意見を募集する」旨の報告がなされた。
(10)国民保護法に基づく訓練の実施について
警備局長から、「警察庁及び関係県警察では、内閣官房等主催により実施される国民保護法に基づく実動訓練(11月27日)及び図上訓練(10月28日)に参加し、実施機能の確認及び関係機関との連携強化等を図ることとした」旨の報告がなされた。
(11)FATF勧告実施法に係る検討状況について
警備局長から、「非金融業者(不動産業者等)・職業的専門家(法律家等)に対し、本人確認措置や疑わしい取引の届出等を義務付けること等を内容とするFATFの「40の勧告」及びこれを完全に実施することを盛り込んだ「テロの未然防止に関する行動計画」を踏まえ、現在、関係省庁において、これを実施するための法案の取りまとめ省庁、FIU設置省庁、法案提出スケジュール等について検討を行っている」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「FATF関連法案の取りまとめとFIU設置担当を警察庁がやるべきであると思う。その場合には、省庁間の縦割り弊害を乗り越えて取りまとめに当たって欲しい。テロ対策、暴力団対策など、犯罪に係る資金の流れを断つ上で、政府の治安再生のための行動計画の目玉の一つだ。ただ、早い時期での法案の提出が困難だということだが、全く残念なことだ。首相、官房長官、公安委員長など政治家の注目、関心、関与によるスピードアップを是非お願いしたいものだ」旨、発言し、警備局長から、「法案提出が困難である理由には、様々な問題がある。現在のマネー・ローンダリング対策では、金融機関等に対し顧客の本人確認義務等を課しているが、再改訂された『40の勧告』では、義務を課す対象を不動産業者等の非金融業者等まで拡大することを盛り込んでいる。非金融業者として宝石商も対象となるが、当該業界を規制する法律もないことから、例えば業の定義をどうするのかということも含め、十分に詰めていく必要がある」旨、説明があった。
大森委員より、「弁護士も対象となるとのことであるが、弁護士の例一つ取ってみても、日弁連の所管官庁が一体どこなのか、弁護士業務における守秘義務と届出義務との関係をどうするのか等、解決すべき問題点が多数ある。広範囲な業界をすべて網羅した法改正等を取りまとめる場合には、大変な労力と時間を要することとなるので、取りまとめ省庁を引き受ける場合には、勧告等に沿った体制を構築する際の問題点を十分に消化した上で行っていただきたい」旨、発言があった。
(12)団体規制法第12条第2項の規定に基づく「警察庁長官意見陳述書」について
警備局長から、「公安調査庁長官から警察庁長官に対し、団体規制法第5条第4項の処分請求に係る意見を求められたことから、警察庁長官からは、当該処分請求が必要である旨の意見を陳述することとしている」旨の報告がなされた。
(13)平成17年度原子力総合防災訓練について
警備局長から、「11月9日及び10日の両日、原子力災害対策特別措置法に基づく原子力総合防災訓練が、東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所(新潟県柏崎市・刈羽村)において実施されるが、警察庁においてもこれに参加し、情報収集訓練、警察広域緊急援助隊の派遣訓練等を実施する。また、新潟県警察においても、交通規制や住民の避難誘導訓練等を実施する予定である」旨の報告がなされた。
(14)皇太子殿下の「第29回全国育樹祭」御臨場等(兵庫県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、29日から10月30日までの間、『第29回全国育樹祭』御臨場等のため、兵庫県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(15)皇太子殿下の「第5回全国障害者スポーツ大会」御臨場等(岡山県)に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、11月4日から11月6日までの間、『第5回全国障害者スポーツ大会』御臨場等のため、岡山県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(16)指紋業務及び掌紋業務の業務・システムの見直し方針の決定について
情報通信局長から、電子政府構築計画に基づき、警察庁において策定した指紋業務及び掌紋業務の業務・システムの見直し方針について報告がなされた。
(17)我が国におけるインターネット治安情勢の分析について(平成17年度第2/四半期)
情報通信局長から、本年度第2/四半期におけるインターネットに接続されている全国警察施設に対するサイバー攻撃の監視結果及びその分析結果について報告がなされた。
3 その他
(1)官房長から、10月20日開催の国家公安委員会において吉田委員から報告のあった長野県警察における山岳救助等で出動するヘリコプターの活動状況に関し、「長野県警察が使用するヘリは、国有の警察用ヘリ1機と、警察業務目的に限定しない県有の行政用ヘリ1機の計2機である。しかし、同行政用ヘリは、20年度に更新時期を迎えるものの、県の財政状況の悪化等を理由に更新が困難な状況にある。長野県に限らず、数県から警察庁に対して、県有機の更新困難を理由に国有機の増機要望がなされているが、平成23年度までは現有の国有機の更新整備に必要な予算額が大幅に増額するため、新たな国有機の整備は困難な状況にある。また、既に整備している国有機の配分見直しにより対応する方法もあるが、機種ごとに異なる操縦資格を前提として、各県警察において航空隊員の採用、配置等を行っている等の理由から、配分の見直しにも解決すべき課題が多い」旨の説明がなされた。
(2)生活安全企画課長から、「長野県警察は、インドネシア女性に係る人身取引事案に関し、本年6月の刑法の改正により同法第226条の2に盛り込まれた『人身売買罪』を初めて適用し、同女を売り渡したインドネシア人女性の飲食店経営者を人身売渡し罪で、さらに同経営者から同女を買い受けた台湾人女性の飲食店経営者を人身買受け罪で、それぞれ10月26日に逮捕した」旨の説明がなされた。
川口委員より、「本事例は、国際組織犯罪防止条約人身取引議定書を踏まえて国内法を整備し、さらに警察が諸対策を推進した結果であり、条約が第一線まで垂直的に伝わって実現したという点で非常に注目すべきモデルケースである。この背景に、アメリカ国務省の人身取引報告書には、日本では人身取引に対する需要を減らす努力がなされていない旨記載され、人身取引により売られてきた女性を必要とする日本の状況そのものを問題にしていたことに注意しなければならない。現在、捜査中であると思うが、今回の犯行をインドネシア女性が台湾人女性に売り渡したという外国人間の犯行に帰着させるだけではなく、暴力団等の組織的な背景はないか、また、日本人男性が買春することにより関係者はどの程度金儲けしていたのかについても、十分に捜査する必要があると思う」旨、発言し、生活安全企画課長から、「日本人、特に暴力団関係者が背後にいることも想定して捜査を行っているが、現在のところ、日本人の関与は明らかになっていない。背後関係はもちろん、売春をさせることより得た金の流れについても、当然に関心事項として捜査を進めているところである」旨、説明があった。
(3)吉田委員より、10月20日に実施された治安出動に係る自衛隊との共同実動訓練に関し、「共同実動訓練に関する世論の動向を見ていたが、同訓練を阻止すべきとする言論や大規模な反対デモはなかった。そういう意味で、平成13年12月に発生した武装工作船による領海侵犯以降、我が国に対する外部からの武力攻撃に関する国民の考え方が変わってきたという感じを受ける。同訓練等はマスコミも注視しているので、引き続き世論の動向に配意するとともに、訓練中に死傷者が出るようなことがないように事故の防止に関しては、十分に気を配っていただきたい」旨、発言し、警備局長より、「委員ご指摘のとおり、このような訓練をバックアップする世論があると思うが、実際に共同実動訓練を実施してみると、自衛隊と警察との間で様々な問題があることが判明した。今回の1回目の訓練は、検問等の初歩的訓練であったが、自衛隊と警察との間における様々な問題点をクリアしつつ、より実践的な訓練を前向きに検討したい」旨、説明があった。
(4)川口委員より、10月21日開催の四国管区内公安委員会連絡会議に出席した結果及び同日から22日にかけて香川県公安委員会及び同県警察本部等を視察した結果に関し、「現在、各県で警察署・交番の再編成が行われている中で、交番の規模が大きくなってきている。香川県警察の屋島交番を視察したが、同交番を含め県下の交番・駐在所では、土・日曜日を除き、運転免許証の記載事項の変更届に係る申請を受け付けているとのことであった。地域住民の利便性を考慮し、土・日曜日にも交番で受付ができるようにしたらどうかと感じた。四国管区内公安委員会連絡会議の内容等になるが、四国では高齢者対策が問題となっており、『高齢者の安全を守る総合対策の推進について』という協議議題に関し発表県である高知県公安委員会から、『高齢化、少子化、過疎化に伴い、山間地では孤独死、自殺等、いろいろ起きている』旨の報告があり、さらに『高齢運転者の交通事故防止を目的とした運転免許返納者に対する支援対策について』という報告議題でも、発表県である同県公安委員会から『外出の手段が自動車であり、交通事故の加害者になるケースも増えている。運転免許証を返納して欲しいが、強制的にはできないので、免許証返納者に対しては公共の乗物機関の割引券に加え、買物割引券、商品券等を配付しているところもある』旨の報告があった。『警察官採用に関する要望について』の報告議題では、徳島県と愛媛県は、人事委員会に対し、一次試験合格者の枠を拡大して欲しい、また県警が主体となって面接試験を実施させて欲しい旨を申し入れているとのことであった。これに関連するが、香川県警への視察の際、警察官採用試験で外国語枠があることを聞き、すばらしいことであると感じた。『指定暴力団員による対立抗争事件の発生に伴う公安委員会の事務所使用制限命令の発出について』の報告議題では、香川県公安委員会では、今年の4月、山口組と親和会の対立抗争が発生し、地域住民に不安を与えていたが、暴力団対策法に基づく事務所使用制限命令を発出し、非常に効果があったとの報告があった」旨、報告があり、官房長から、「外国語枠を設けている県は他にもあると思う。面接試験に関してであるが、都道府県警察の報告によれば、警察関係者にすべて任されている県の数が9、警察関係者が人事委員会よりも多いのが23、警察関係者と人事委員会が同数というのが13で、残りが2という状況である。いずれにせよ、警察が主体的に面接試験が実施できるよう努力しているところである。一次試験の合格者枠については、ここ2年くらい、全国的に拡大傾向にある。一次試験の教養試験で最下位であった者が、面接試験で非常に評価が良く、最終合格となり、さらに、採用後、勤務実績優秀者に選ばれたという例の報告も受けているので、全国警察本部長会議で、このような事例を紹介し、一次試験の合格者枠の拡大に努めるよう都道府県警察を指導していきたい」旨、説明があった。