定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成17年10月6日(木)

午前10時00分前11時50分

第2 出席者 村田委員長、安崎、川口、大森、吉田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

監察官

第3 議事の概要      

1 議題事項

(1)国家公安委員会・警察庁国民保護計画(案)の作成について

警備局長から、国民保護法に基づき、国民の保護のための措置の内容、実施方法、実施体制、関係機関との連携等を定めた「国家公安委員会・警察庁国民保護計画(案)」についての説明がなされ、原案どおり決定した。

大森委員より、「国民保護計画を作成するに当たり、その根拠法の一つである国民保護法第88条第2項の『内閣総理大臣は関係大臣を指揮する』旨の規定の解釈等について確認しておきたい。この規定にある『関係大臣』とは、内閣総理大臣から指揮監督を受ける分担管理大臣のことであり、国務大臣としての国家公安委員長たる村田大臣は含まれないと解するのが当然の考え方であるから、『関係大臣』には国家公安委員長は含まれない。では、国家公安委員会としては、どのように対応すべきであるかであるが、同法第88条第2項に基づき、内閣総理大臣が関係大臣を指揮した場合には、内閣総理大臣の所轄のもとに置かれている国家公安委員会として、自主的に適切な対応を講じるという方針でなければならない。なお、以前、説明を受けた国民保護計画の原案では『内閣総理大臣が国家公安委員長を指揮した場合』という表現が盛り込まれていたが、これは先ほどから申し上げているとおり、同法の解釈の誤りであり、今回は、私の指摘を踏まえその点が修正されているが、そもそも国家公安委員会は、内閣法第6条にいう内閣総理大臣から指揮を受ける行政機関でないことから、今回の国民保護計画の作成に限らず、これを契機として、国家公安委員会は内閣総理大臣から指揮を受ける行政機関でないという点を踏まえた法案協議等を行っていただきたい」旨、発言し、警備局長より、「内閣総理大臣の所轄のもとにある国家公安委員会は自主的に対応するという解釈が当然であり、この解釈に基づき、国民保護計画案を作成したので、御了解いただきたい」旨、説明があった。

安崎委員より、「武力攻撃事態対処への法整備が進んだことを評価している。国家公安委員会が定めるとされる警察業務の大綱方針の具体的イメージについて確認したい。定める大綱方針には、平時からあらかじめ準備しておく部分と個別具体の事案発生時にその時点で付加する部分とがあると思うが、有事緊急の際に延々と議論するわけにはいかないので、この大綱方針について平時の間に委員会できちんと議論し、警察庁との協議を進めておく必要がある。また、警察当局の教養訓練も記載されているが、自衛隊との共同訓練のみならず、消防、医療等の他組織との平時における共同訓練も重要である。長期にわたって例年9月1日に防災訓練が大々的に行われているが、このような訓練は非常時に役立つものである。武力攻撃事態対処についても、どのように実地訓練をすれば良いのか検討して行動することが必要である。法整備と会議だけでは有事に効果を発揮することは困難である」旨、発言し、警備局長より、「大綱方針の具体的イメージに関してであるが、委員ご指摘のとおり、大綱方針には2つの部分があると思う。まず、平時から想定できるものとしては、『保有する情報手段を有効に活用し、被災情報の収集を行うとともに、事態の把握に努める』、『ヘリコプター、船舶等を活用して被災者の捜索、救出に全力を挙げる』、『都道府県、消防機関、自衛隊の関係機関との緊密な連携を図り、誘導措置等が適切かつ円滑に行われるよう配慮する』、『国民保護に当たる職員の安全の確保に十分に配慮する』等といった大きな骨子が考えられる。さらに、個別具体的な事案発生時、例えば武力攻撃事態が発生した場合には、政府が当該武力攻撃事態に応じた対処基本方針を定めることとなっており、同方針を受けて国家公安委員会が措置を講じることとなる。武力攻撃事態は、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃、着上陸攻撃、ゲリラや特殊部隊による攻撃の4つのパターンが想定されていることから、現在、パターンごとにシミュレーションを行っているところであるが、いずれパターンごとに採るべき措置を整理しておく必要もあるのではないかと考えている。次に教養訓練についてであるが、各都道府県において国民保護計画を作成することとされており、計画段階ではあるが、11月には、既に国民保護計画を作成している福井県で、海上保安庁、自衛隊、消防等と合同で訓練を実施することとしており、県境を超えるようなオペレーションではないが、このようなものから着実に実施していきたい」旨、説明があった。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、9月30日に行われた衆議院予算委員会等の状況について報告がなされた。

(2)新たな定員合理化計画等について

官房長から、「各府省の国家公務員について、平成18年度から21年度までの4年間の定員合理化目標数を定める新たな計画が10月4日に閣議決定された」旨の報告がなされた。

(3)平成18年度警察庁1種及び2種採用候補者の採用内定について

官房長から、平成18年4月1日採用予定の国家公務員1種及び2種採用候補者の内定状況について報告がなされた。

(4)監察の取扱い事案について

監察官から、「警視庁の巡査長が、平成17年9月上旬、女性に対し抱きつくなどのわいせつな行為をしたとして、9月15日、通常逮捕された事案等に関し、同庁は、10月5日、同巡査長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、当時の上司を警視総監訓戒とした」旨及び「滋賀県警察の巡査部長が、平成17年8月、取調室において、女性被疑者にわいせつな行為をしたとして、9月16日、通常逮捕された事案等に関し、同県警察は、10月5日、同巡査部長を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司ら4名を戒告等とした」旨の報告がなされた。

大森委員より、「取調室における不適正事案については、取調べの可視化の問題や代用監獄の問題に関し、警察にとって非常に不利な影響が出てくることになるので、このような事案の防止の徹底を図っていく必要がある」旨、発言し、長官より、「第3四半期における警察庁総合監察の全国統一の監察項目として、薬物銃器事犯捜査の女性被疑者取調べにおける不適正事案防止の徹底を盛り込んでおり、全国警察の取組状況を十分に点検してまいりたい」旨、説明があった。

安崎委員より、「薬物関連の女性被疑者の取調べ、留置に関し、1人の男性警察官が従事することには無理がある。女性警察官の活用が更に進められると良いが、少なくとも、複数の警察官が担当する原則を遵守させ、長時間1人で担当させるようなことが起こり得ないように徹底させるという管理者の監督責任に注意して欲しい。また飲酒の上での警察官の諸問題も時々見聞するが、一定限度以上の飲酒により常習的に問題を起こす特定個人に対しては、時限禁酒命令等による強制的な指導が必要ではないか。大多数の善良な警察官の信頼失墜の評価につながっていることは残念である」旨、発言し、長官より、「女性被疑者の取調べに当たっては、女性警察官がいない場合には、原則として男性警察官2名で当たることにしているので、この原則を徹底させたい。また、飲酒の点に関しても、飲酒に絡む不適正事案が発生しないよう指示を徹底させたい」旨、説明があった。   

(5)「警備業法施行規則改正試案」等に対する意見の募集について

生活安全局長から、「昨年5月に公布され、本年11月に施行される警備業法の一部を改正する法律に関し、警備業法施行規則等の改正案を策定するに当たり、10月7日から11月3日までの間、同規則等の改正試案を一般に公表し、意見の募集を行うこととした」旨の報告がなされた。

(6)インターネット上における自殺予告事案への対応について

生活安全局長から、「10月5日、関係業界団体は、警察庁等と連携して、インターネット上の自殺企図者に関する情報開示を円滑に行うための判断基準、手続き等を取りまとめたガイドラインを決定し、公表した。また、警察では、同ガイドラインを踏まえ、的確な事案対応を行うこととする」旨の報告がなされた。

委員長より、「自殺予告サイト事案への対応については、ガイドラインを作成した関係4団体との連携により行われることとなるが、この4団体との連携で、十分にカバーできるのか」旨、質問し、生活安全局長より、「いかにして迅速に自殺サイトを発見し、さらに当該サイトへの自殺しようとする者による具体的な書き込み等を発見できるかにかかっているわけであるが、この4団体のシェアからすれば、ほとんどをカバーできる」旨、説明があった。

委員長より、「具体的には警察はどのような段階で動くのか」旨、質問し、生活安全局長より、「警察において、自殺サイトに書き込みをした者を発見できれば、警察がプロバイダ側に対し書き込みをした者の人定を求め、プロバイダから人定について情報提供を受けた警察では、自殺防止に向けた必要な措置をとることになる」旨、説明があった。

川口委員より、「自殺サイトそのものの開設者に対する措置はどのようになっているのか」旨、質問し、生活安全局長より、「自殺サイトを解析すれば、当該サイトの開設者が判明するので、サイバーパトロール等により自殺サイトを発見した場合には、警察側から、当該サイトの開設者に対し、内容に問題がある旨の警告を行うことになる。当該自殺サイトの抹消は強制ではないが、警察からの警告により、自殺サイトを閉鎖する例も存在する状況にある」旨、説明があった。

(7)行政対象暴力対策の推進状況等について

刑事局長から、「行政対象暴力対策については、全国地方自治体においてコンプライアンス条例・要綱の制定等の取組みが進められているが、このほど実施した『平成17年度行政対象暴力に関するアンケート』においては、暴力団等反社会的勢力による国の行政機関への不当要求等が依然見られるところである。警察としては、取締りの強化を始め、行政対象暴力に対する関係省庁等連絡会議の開催等、関係機関・団体と緊密な連携の下、諸対策を推進していく」旨の報告がなされた。

川口委員より、「行政対象暴力対策に関し、2点質問したい。1点目は、各地方自治体が策定したコンプライアンス条例・要綱が効果を上げているとのことであるが、各自治体に置かれている不当要求防止責任者がどのような対策を講じているのか。2点目は、行政対象暴力対策を推進することによって、不当な要求行為自体が減少し、かつ、要求に応じた人も減少していると見て良いのか」旨、質問し、刑事局長より、「コンプライアンス条例・要綱では、不当要求対策のリーダーの設置、あるいは不当要求に対する対応方法等を検討する委員会等の設置が求められている。各自治体における不当要求防止責任者は、都道府県公安委員会等が行う講習会で対応要領等を修得した後、職場において不当な要求を行う者への対応を直接行うというよりも、各職場のリーダーに対応要領を指導教養したり、検討委員会の設置を促したり、同委員会が実効あるものとなるよう働きかけるという役割を果たしている。2点目に関しては、アンケートで見る限りにおいては、行政対象暴力対策の推進により、不当要求が減少し、不当な要求を拒否する割合が高くなってきている。いずれにしても、未だ不当な要求があることから、引き続き対策を強力に推進していきたい」旨、説明があった。

川口委員より、「アンケート結果を見ると、不当な要求に応じている者がいるという状況がうかがえる。不当要求防止責任者が設置されているにもかかわらず、このような結果が出ている以上、当該責任者が、現場と向き合っている者にきちんと対応要領を伝えるなどの責任を果たしているのか、対策が実際に実行されているかについて確認する必要があるのではないか」旨、発言し、刑事局長より、「先程申し上げたとおり、不当要求防止責任者の役割が、職場内の者に対し、不当な要求に応じないための様々な働きかけを行い、そのような意識を組織内に徹底させることであるが、このような結果が出ている以上、不当要求防止責任者に対する指導教養をさらに徹底するとともに、後日開催する関係省庁等連絡会議でも、関係省庁等に対し、強く働き掛けていきたい」旨、説明があった。

大森委員より、「現実に要求行為を行った者の主体が、えせ同和行為者が46%、えせ右翼が40%、暴力団が3%ということであるが、これを踏まえれば、行政対象暴力は、暴力団以外が主体となる領域の問題であると理解すべきではないか」旨、発言し、刑事局長より、「えせ同和行為者、あるいはえせ右翼についても、背後に暴力団が存在するという場合が少なくなく、暴力団と一体であるケースが多いと見ている」旨、説明があった。

(8)平成17年秋の全国交通安全運動の実施結果等について

交通局長から、運動期間中の交通事故死者数は、前年同期よりも3人少ない205人で、秋の運動期間中の死者数としては、昭和33年以降最少で2年連続の減少であること等、平成17年秋の全国交通安全運動の実施結果等について報告がなされた。

(9)AT限定二輪免許導入後3か月の状況について

交通局長から、本年6月1日に施行されたAT限定二輪免許制度の施行後3か月の状況について報告がなされた。

10)治安出動に係る自衛隊との共同実動訓練の実施について

警備局長から、「治安出動に係る警察と自衛隊との連携について、この度、北海道警察と陸上自衛隊北部方面隊との間で共同実動訓練を実施することとなった」旨の報告がなされた。

11)皇太子殿下の九州国立博物館御視察等(福岡県)に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、10月13日から14日までの間、九州国立博物館御視察等のため、福岡県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。   

3 その他

(1)警備局長から、10月1日にインドネシアのバリ島で発生した連続爆弾テロ事件の概要等について報告がなされた。

吉田委員より、「日本は、ニューヨーク、ワシントン、ロンドン、パリ、マドリードのように、イスラムからの本格的なテロに遭っていないが、いろいろな方々と話をしてみると、日本のテロ対策を心配する声が多い。テロ対策推進要綱、テロの未然防止に関する行動計画が策定され、各種対策を推進していることは承知しているが、これらの進捗状況をお聞きしたい。また、一般的に、テロ対策では、予防法制、団体指定、資金凍結が非常に重要であると考えているが、特に、米英のように令状なしで逮捕できるというような予防法制は、日本で法制化することは憲法上許されない。しかし、万が一不幸にも日本が激しいテロに遭った場合のことも想定し、平時のうちに、予防法制を冷静に検討しておく必要があると考えるが、関係省庁等との話合いはどのようになっているのか」旨、質問し、警備局長より、「昨年12月に策定された行動計画には、16年度から整備していくものが盛り込まれているが、16年度に措置を講じた主なものは、スカイ・マーシャルの導入、旅館業者による外国人宿泊客にパスポートを提示させるなどの本人確認の強化、爆弾テロに使用されるおそれのある爆発物の原料の管理の強化であって、これから講ずべき主なものは、指紋、虹彩等のバイオメトリクスを活用した入国管理であって、現在、協議中である。そのほかにも継続して検討すべきものが多数あり、主なものとして、テロ対策基本法、テロリスト及びテロ団体の認定等があるが、関係各省庁と協議は行っているものの、日本で本格的なテロが発生していないこと、人権とも深く関わってくるということ等もあって、具体的なものに至っていないというのが実情である。いずれにしても、警察がしなければならないことは、情報収集を含めてテロ未然防止のためにどれだけの精力を注ぐか、テロリストが入って来た場合にどれだけガードを行うことが出来るかということであって、現時点、SAT、NBCテロ対策部隊、銃器対策部隊の各種テロ対策部隊が相当に充実し、また警察のテロ対策推進要綱もあるので、引き続き着実にテロ対策を進めていきたい」旨、長官より、「今回のバリ島で起こったような自爆テロを防ぐことはなかなか難しいと思う。インドネシアでもテロ対策に関しかなりの法制整備がなされているが、結果的に自爆テロが発生したわけで、どんなに法制整備をしても自爆テロをすべて予防することには困難な部分が残ると思う。いずれにしても、テロを未然に防止することが第一であるので、内閣官房の調整のもと、そのための法制整備が進むよう引き続き支援するとともに、不幸にもテロが発生した場合に、被害を最小限度に食い止めるため、NBCテロ対策部隊、SATの増強等、いわゆる結果管理にも努めていきたい」旨、説明があった。