定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成17年12月1日(木)
午前10時00分~午後0時
第2 出席者 安崎、川口、大森、佐藤、吉田各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
首席監察官
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則の一部改正について
交通局長から、自動車保有関係手続のワンストップサービスの実現のため、自動車の保管場所の確保等に関する法律第4条第1項ただし書の申請の方法等について定めることを内容とする自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)「未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議」の設置について
官房長から、「未決拘禁者の収容及び処遇等に関する法整備に向け、警察庁長官及び法務事務次官から有識者に検討及び助言を求める『未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議』を設置する」旨の報告がなされた。
(2)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「警視庁の警部が、平成17年7月3日、自動車用のタイヤを窃取したとして、11月17日、逮捕された事案に関し、同庁は、12月2日、同警部を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司の警察署長を警視総監訓戒の措置とする予定である」、「北海道警察の事務吏員が、公金を横領したとして、平成17年11月16日、逮捕された事案に関し、同警察は、12月7日、同事務吏員を懲戒免職処分とする予定である」及び「北海道警察の事務吏員が、警察署の取引業者から図書券を騙し取ったとして、平成17年11月16日、逮捕された事案に関し、同警察は、12月7日、同事務吏員を懲戒免職処分とする予定である」旨の報告がなされた。
(3)自動車盗難等防止対策の推進状況について
生活安全局長から、「自動車盗難の認知件数は、昨年に引き続き、本年10月末現在も大幅に減少している。現在、自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチームでは、防盗性能評価の導入、盗難自動車の不正輸出防止対策等について取り組んでいる」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「一部の外国では、自動車盗難が日常茶飯事化し、保険で求償され、被害が回復すればそれで良しとなっている。日本がそうなってしまうと、社会規範の維持や体感治安の回復には大問題だとかねて心配していた。イモビライザ効果が検証され、一方で不正輸出防止の港湾対策が強化されるという生活安全局の報告を聞いて、ひとまず安心した。イモビライザの標準装備化を更に促進したり、伏木富山港以外の輸出港での対策を迅速に進めるようお願いしたい」旨、発言があった。
(4)広島市内における女子児童殺人・死体遺棄事件について(広島県警察)
刑事局長から、「広島県警察では、11月22日、広島市内において発生した女子児童殺人・死体遺棄事件に関し、11月30日、被疑者を通常逮捕した」旨の報告がなされた。
安崎委員より、「広島の女子児童殺人の容疑者が素早く逮捕されたのは良かった。直接の関係はないが、たまたま、今週、川口委員とともに、外国人が多く居住する群馬県の現場の話を聞いてきた。群馬の太田署管内は多くの外国人労働者が居住し、大泉署管内の大泉町は住民中の外国人居住者比率が16%と日本で一番高い地域である。私は、観光客や高技能外国人にはもっと国を開く一方で、これ以上の単純労働者の無定見な受入れは行うべきでないというのが持論である。群馬県の事例では、現実の問題を抱え、町役場や学校を始め地域住民が外国人の定住受入れに様々な工夫を凝らして文化の違いを乗り越えた共生に苦心している。心配していた子弟の不登校はそれほどひどくなく、むしろ労働者派遣業を通じて働く外国人労働者の雇用の不安定と、両親が共働きで夜遅くまで帰宅できない家庭の子供の夜間外出が関係者の間で懸念されていた。警察官増員もわずかながら実現して、交番の強化、警察官と地域住民のパトロールも増強されている。この種事件が起こると大騒ぎとなるが、予防のための警察活動や地域防犯NPO団体の地道な活動の重要さがもっと注目されて良い」旨、発言があった。
川口委員より、「群馬県で現場の話を聞いて、非常に感銘を受けたのは、大泉警察署協議会の元委員が日伯交流のために一生懸命取り組んでいることであった。地元の中学校へ通学しているブラジル人のために日本語の補助教員をしているその元委員の話では、『小さい子供は、すぐに日本語を覚えるから大丈夫。ただ、中学生になって勉強が難しくなると日本語がネックになる。しかし、そうやって覚えた日本語では実社会では役に立たない。だから、日本語を日常的に覚えて欲しい』とのことであった。元委員からいろいろな話を聞いて思ったことであるが、ブラジル人の親は、日本の学校を信頼して子供を預けるという気持ちを持つことが重要である。ところが、親は、本国に帰りたいけれど帰っても職があるとは限らない。日本に永住しようとしてもそれも保障されるかどうかわからない。就職先がリストラをするようなことになれば、まず、外国人にしわ寄せがくるし、リストラされても失業保険はない。そこで母国に帰りたいのか日本に居たいのか、かなり不安定である。これらの不安定さが子供に影響しているようである。その元委員は、日本人ボランティアとも協力してブラジルのコミュニティを作りたいと思っているが、生活の基盤がないなどの理由で本当の意味でのコミュニティにならない。まず、大泉町の地域社会がブラジル人を受け入れるという態度を示さないと、ブラジル人とうまくやっていくことができない。群馬県以外にも大泉町のような地域があるので、正規に居住している外国人については日本全体で受け入れるというようなきちんとした対応が望まれる。元委員のような人がそれぞれの地域に居れば、そのような人を日本人のボランティアが支えるという社会を作っていくことが重要である」旨、発言があった。
佐藤委員より、「浜松で日系ブラジル人に触れる機会があったが、この問題は、子供の教育問題があることを始めとして、一般的な来日外国人による犯罪の問題とは異なっている面があり、最終的にはそれぞれの地域社会がブラジル人をうまく受け入れることができれば、事情が随分改善されるだろうという印象を持っている。ただ、問題が起こる事情は、各地で少しずつ異なっているようである。以前、浜松では、日本人と同じアパートに居住しているブラジル人もあり、きちんと金銭的な支援を行って子弟に教育を受けさせている企業もあるが、ブラジル人が作った私立学校に行きたくとも月謝(5万円)を払えない人達も多いと聞いた。他にもいろいろな問題があるようであるが、ブラジル人がまとまって住んでいる地方公共団体が集まって、連携して対策を考える仕組みが既にあり、また、中央省庁レベルでも警察庁も入って、関係省庁の間の協議体制が出来ていると聞いている。要はこうした仕組みや体制を活用して日系ブラジル人を地域社会にいかに受け入れるかであり、中央省庁レベルでも検討を更に深めていただきたい」旨、発言があった。
吉田委員より、「外国との捜査協力や情報交換は、アメリカやアジアの国々に関しては、取組みが進んでいるが、日本にいる外国人の中で、日系人が占める割合が非常に高い南米諸国との関係が十分に構築されていないように思う」旨、発言があった。
次長より、「平成14年にも、当委員会でブラジル人問題を議論しているが、佐藤委員ご指摘のとおり、確かに中国人による犯罪とブラジル人による犯罪とは性格が異なっている。ブラジル人、ペルー人等の集住地区に関しては、同地区を管轄する警察署の署長、ブラジル、ペルー等の領事担当者、自治体関係者等が連携して対策を講じていく枠組みは構築されており、今後とも、地域に根ざした会合の実効性を更に高めていくことが重要であると考えている」旨、説明があった。
刑事局長より、「ご指摘の問題は、警察だけでは解決できるものではなく、教育、厚生、保険、語学学校等々の問題が関わってくることから、関係省庁等がスクラムを組んで対策を講じていこうという方針で対応している。例えば、本年7月、犯罪対策閣僚会議の下に、厚生労働省、文部科学省等関係省庁から構成される『外国人の在留管理に関するワーキンググループ』が設置され、外国人の在留中の管理状態を主たるテーマとして来年6月を目途に検討を進めていくこととしている。当庁としても、ブラジル人、ペルー人の実態等についてしっかり説明しながら、これらの問題についても関係省庁とともに対策を講じていくこととしたい」旨、説明があった。
(5)振り込め詐欺等の現状と対策について
刑事局長から、「振り込め詐欺等で用いられた預貯金口座等に関する調査結果を踏まえ、ATM利用限度額の低額設定、本人確認の徹底について、金融機関関係団体等に対する要請等の対策を推進している」旨の報告がなされた。
(6)人事院総裁賞の受賞決定について
刑事局長から、「12月7日の人事院総裁賞授与式において、当庁の鑑識資料グループに同賞が授与されることが決定した」旨の報告がなされた。
(7)「治安の回顧と展望」について
警備局長から、国際テロ情勢、北朝鮮による対日有害活動やオウム真理教、右翼、極左暴力集団等の動向及び警察の対応について取りまとめた「治安の回顧と展望」(平成17年版)の概要について報告がなされた。
(8)衆議院議員らによる弁護士法違反事件(名義貸し)について
警備局長から、「大阪府警察、大阪地方検察庁は、合同捜査により、11月28日、西村眞悟衆議院議員ら3名を弁護士法違反事件(名義貸し)で通常逮捕した」旨の報告がなされた。
(9)寄港地上陸制度を悪用したインド人大量不正入国事件の検挙について
警備局長から、寄港地上陸制度を悪用してインド人を大量に不正入国させるなどしていたインド人ブローカーを、栃木県警察が、11月8日、入管法違反(営利目的で集団密航者を上陸させる罪)で逮捕した事案の概要及び同制度の問題点等について報告がなされた。
佐藤委員より、「今回の事案は、就労目的で不正入国したとのことであるが、寄港地上陸制度を悪用して不正入国したというのは、テロ対策の水際作戦の見地からも大問題であると思う。テロ対策の観点からだとは思うが、既に、寄港地上陸に関しても原則として査証を必要としている国もあるとの説明であった。今回のような形態での日本への不正入国は、テロ対策の見地から見て、盲点となりかねないと思うので、今後、外国人の宿泊先でのパスポートの提示等も含め、対策を是非とも強化していただきたい」旨、発言があった。
(10)警察庁情報ネットワーク最適化計画等の決定について
情報通信局長から、電子政府構築計画に基づき、警察庁において策定した「警察庁情報ネットワーク(共通システム)最適化計画」及び「指紋業務及び掌紋業務の業務・システムの最適化計画」について報告がなされた。
3 その他
(1)官房長から、平成17年11月10日開催の国家公安委員会において大森委員より発言のあった捜査関係書類の情報公開の在り方に関し、「各所属の月別捜査費執行額については、不適正経理事案の判明を機として捜査費執行の透明性を求める国民の要請が高まっていることにかんがみ、この度、各都道府県警察に対し、『情報公開条例に基づき、捜査費関係文書の開示請求が行われた場合には、開示することと開示しないことの利益を十分に比較衡量し、公共安全情報等の該当性を個別具体的に検証した上で対応する』旨の官房長通達を発出することとした」旨の報告がなされた。
大森委員より、「各都道府県警察において原処分を行う際にこの通達がいかなる効果を発揮するかは、基準の当てはめに大いに関わってくるので、当てはめの際は、情報公開の透明性の確保、説明責任の問題を十分に念頭に置いていただき、適正妥当な運用が図られることを期待する」旨、発言があった。