定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成17年1月6日(木)

午前10時午後0時15分

第2 出席者 村田委員長、荻野、安崎、川口、大森、佐藤各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長    

第3 議事の概要   

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 報告事項

(1)殉職事案の発生について

官房長から、「静岡県警察の巡査長が、平成16年12月24日午前11時40分ころ、白バイに乗車し、静岡県裾野市内の国道上交差点を、青色信号に従い直進しようとしたところ、同交差点を対向右折した普通貨物自動車に衝突され、同日午後1時28分収容先の病院で死亡・殉職した。」旨の報告がなされた。   

(2)G8ローマ/リヨン・グループの最近の動向について

官房長から、G8各国が国際組織犯罪対策やテロ対策について協議する場であるG8ローマ/リヨン・グループに関し、最近の会合の開催状況、今後の予定等について報告がなされた。 

(3)国家公安委員会委員長の訪中について

官房長から、「村田委員長は、1月10日から13日までの間、中国を訪問する。中国においては、深刻化している日中にまたがる組織犯罪の現状とその対策等について、治安担当閣僚である周永康(しゅうえいこう)国務委員兼公安部長(党中央政治局委員)らと会談し、交流を更に深め、来日中国人犯罪対策の進展や日中警察協力の一層の発展・強化を図る。」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「村井元委員長と同様に、村田委員長が中国の公安部長とのトップ協議のために訪中されることは有意義である。実務協力が進む方向で努力していただきたい。ところで、本日報告のあった日本警察の長期にわたる総合的な交通事故対策は、目に見える効果を生んだ素晴らしい政策である。中国は今、まさにモータリゼーションが始まったばかりで、日本の第一次交通戦争の時期に当たり、死者も事故も多い。先方には日本の経験が大変参考になるはずだと思うから、交通事故対策の技術的交流を提案すれば喜ばれるかもしれない。また、来日中国人犯罪については率直に説明してきていただきたい。なお、これはやや突飛なアイデアで実現するには両国の主権への配慮、コスト負担の方法等課題もあろうが、日本で罪を犯した中国人について、刑事裁判の判決確定後、定期的・継続的に中国に送還し、同国で刑を執行してもらうようにしてはいかがか。議論が分かれるかもしれないが、このような分野でODA資金を活用することも検討可能ではないかと思うがどうか。」旨、発言した。

(4)タイにおける津波災害に対する国際緊急援助隊の派遣について

官房長から、「インドネシア・スマトラ島沖地震に伴う津波被害に関し、タイ政府の要請を受け、昨年12月29日、警察職員15名(警察庁3名、警視庁12名)を含む国際緊急援助隊・救助チーム49名が派遣され、さらに、本年1月4日、遺体のDNA鑑定のため、警察職員3名(科学警察研究所1名、警視庁2名)を含む国際緊急援助隊・専門家チーム4名が派遣された。」旨の報告がなされた。

川口委員より、「報道では、環太平洋沿岸地域には、津波についての通報システムがあるが、インド洋沿岸地域にはそれがないとのことである。そもそもこの通報システムとはどのようなもので、誰がイニシアティブをとって作ったものか。これに対し、インド洋沿岸地域にはこれまでそのようなシステムがなぜなかったのか疑問である。また今後は、日本も被災国を援助していくことになるわけだが、日本は、昨年もそうであるがこれまで多くの自然災害を経験してきており、その時の経験が今回の援助や、それに基づいてインド洋沿岸地域にも通報システムを創ってゆくことにイニシアティブをとることなどに活かされることを期待したい。」旨、発言した。

これに対し、委員長より、津波に関する通報システム等について発言があり、また、佐藤委員より、防災に関する日本の国際援助の過去の状況について発言があった。

(5)新年の人出と年末年始の山岳遭難について

生活安全局長から、「正月三が日における全国の著名な神社・仏閣及び主な行楽地等への人出は、主催者の調べによれば、9,353万人であった。なお、この間、雑踏事故の発生はなかった。また、年末年始(12月29日から1月3日)において、9件(死者・行方不明者2人)の山岳遭難が発生した。」旨の報告がなされた。

(6)平成16年(1月~11月)の110番通報の概要等について

生活安全局長から、「昨年11月末現在で、約869万件(前年同期比2.3%増加)の110番を受理したが、各種照会等緊急の対応を要しない通報も多い(全体の約26%)ことから、『110番の日』における広報活動等により、その適切な利用を促進する。」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「110番通報全体の約25%は、緊急の対応を要しない相談事であるが、その一方で、この種相談のための♯9110は一般に知られていない。110番受理センターの通信設備の改造が必要かもしれないが、受理後、緊急を要しないと判断されたのなら、その時点で、同センター内で直ちに♯9110へと、良い意味でのたらい回しをすることはできないのか。110番に係る仕事を緊急を要するものに専念させるとともに、♯9110も活用できるという形にすれば一石二鳥になると思うがどうか。」旨、発言し、生活安全局長より、「緊急を要しない相談等を110番通報で受理した場合には、それと分かった段階で、♯9110等各種相談窓口を教示しているところであるが、御指摘のように、直ちに転送することができるかについては検討してみたい。」旨、説明があった。

(7)奈良市内における女子児童被害の誘拐・殺人事件について(奈良県警察)

刑事局長から、「平成16年11月17日、女子児童が誘拐され、翌18日、遺体で発見された誘拐・殺人事件に関し、奈良県警察では、12月30日、被疑者を誘拐罪で逮捕した。」旨の報告がなされた。

荻野委員より、「年内解決という結果が出たのは大変良かった。奈良県警は本当によくやってくれたと思う。ところで、これに関連して、この種事案を抑止するためには、こうした犯罪者の予備軍のような者について、彼らが犯行に及ぶ前にいかに抑止するかが最も重要であり、この点が今一番問われていると思う。これは、警察のみでできることではなく、人権上の問題もあって、難しい点が多々あろうが、これを乗り越えなければ真に有効な抑止対策はとれないと思う。警察庁としてもぜひ検討していただきたい。」旨、発言し、長官より、「難しい問題である。性犯罪者について警察が分かるのは前歴だけであり、その者が今どこに住んでいるのかについては現在のシムテムでは把握できない。その点については改善すべきだと思うが、仮にそれが分かったとしても、その者を四六時中見張っているようなことはできない。そこで、どうするのかであるが、まず一つには、やはり行刑施設での矯正をどのように考えるかという問題がある。それからもう一つには、米国のいわゆるメーガン法のような仕組みを取り入れていくことができるのかということを考えていかなくてはならないと思う。」旨、説明があった。

委員長より、「今後、犯罪被害者等基本法に基づき基本計画を作成していくことになろうが、その中で、こうしたことも議論されなくてならない問題ではないかと思う。」旨、発言した。

大森委員より、「今回の事件を通じて感じたのは、性犯罪者に関して、外国で立法例があるような出所後の住所等の情報を地域住民に提供することやその後の動向を観察するような制度についても皆で真剣に検討する必要がありはしないかということである。もっとも、その者の更生を妨げるかもしれないというマイナス面もあることから、制度運用については慎重に考えなくてはならないが、このような事件が発生したときに、一度その当否については検討してみる必要はあると思う。」旨、発言した。

長官より、「この問題については、警察庁としての考え方をまとめて関係省庁にも働きかけてまいりたい。」旨、説明があった。

(8)平成16年中の捜査本部設置事件の状況について

刑事局長から、「平成16年中の捜査本部設置事件は143件で、前年に比べ2件減少し、解決件数は117件で、前年に比べ1件減少しているが、解決率は81.8%で、前年に比べ0.4ポイント上昇している。」旨の報告がなされた。

(9)平成16年中及び年末年始の交通事故死者について

交通局長から、平成16年中の交通事故発生状況、年末年始の交通事故死者数等について報告がなされた。   

10)年末年始における初日の出暴走の取締り結果について

交通局長から、「全国的な降雪等の影響もあり、暴走行為に参加した人数・車両台数、110番通報件数が大幅に減少した。」旨の報告がなされた。

11)日教組「第54次教育研究全国集会」をめぐる動向と警察措置について

警備局長から、「1月7日から9日までの3日間、北海道札幌市内において開催される日教組(日本教職員組合)の『第54次教育研究全国集会』に対し、右翼は、札幌市内において日教組批判の街頭宣伝活動等に取り組むものとみられることから、北海道警察では、警戒警備を実施する。」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、「昨年12月16日開催の国家公安委員会において、次期通常国会に法律案を提出することを検討中のものとして決裁を受けていた留置施設法案について、提出を見送ることとした。」旨の報告がなされた。

(2)交通局長から、交通事故の概況に関し、昭和30年以降の交通事故発生状況の推移、事故防止対策の状況等について報告がなされた。

大森委員より、「本日説明のあったような総合的な分析を資料化されることは非常に有益ではないかと思う。」旨、また、「最近の傾向として、交通事故死者数は減少しているが、交通事故発生件数は増加している。この差は一体、どこから来ているのか。どの対策の結果なのか。」旨、さらに、「最近、いわゆるひき逃げ事案が増加しており、しかもその検挙率が悪いが、これは憂慮すべき事態だと思う。その点についてどういう対策、努力を講じているのか。」旨、発言し、交通局長より、「まず、ひき逃げ、すなわち、救護義務違反については、軽傷のものから死亡・重傷のものまである。現場では、死亡・重傷のものについては、かなり力を入れて捜査を行っているところであるが、それ以外の軽傷等のものについては手が回りかねるという状況にある。」旨、「厳密に区分しているわけではないが、交通事故対策については、当該対策の性格、すなわち、どのような事故類型に有効かという観点から、死亡事故を減らすものと、事故そのものを減らすものとに分けることは可能であると思われる。」旨、説明があった。

大森委員より、「交通死亡事故は、交通事故の象徴的な形態であり、それを減少させるというのは非常に意味がある。しかし、その陰には数多くの重傷・軽傷事故があり、それによって非常に大きな社会的、経済的な損害が生じている。したがって、交通事故死者数の半減運動だけでなく、交通事故そのものの減少運動にもかなりウエイトをかけなくてはならない時代に来ているように思われる。」旨、発言し、交通局長より、「その点は今、問題の一つになっている。今後、次期交通安全基本計画を作成することになるが、その目標の取り方をどうするのかについては、御指摘のような点も議論することになると思う。」旨、説明があった。

佐藤委員より、「最近、総合的な交通マナーが悪くなったことを感じるが、特に自転車の乗り方が非常に悪くなったことと、放置自転車の問題が気に掛かる。先程の大森委員の発言に賛成であり、交通安全対策の目標を、交通死亡者数の削減だけではなく、総合的な交通マナーの向上といった、より大きなことに置いてはどうかと思う。これだけ都市化が進んでいるわけだから、市街地対策に重点を置いて、単に警察が管理できる分野だけではなく、放置自転車の問題も含めて、住民が安心して暮らせる、歩ける、動ける街を作るというような、もっと大きな目標を据え、その中で、交通死亡事故も位置付けたらよいのではないかと思う。」旨、発言した。