定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成17年6月16日(木)

午前10時午前1135

第2 出席者 安崎、川口、大森、佐藤、吉田各委員

長官、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、情報公開・個人情報保護企画官

第3 議事の概要   

1 議題事項

(1)犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案について

官房長から、水防法及び土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い必要となる、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の措置等について

情報公開・個人情報保護企画官から、6月13日までの間に警察庁長官に対してなされた開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要並びに異議申立てに対する決定の概要について報告がなされた。

この際、4月28日開催の国家公安委員会において大森委員より質問があった件に関し、電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律に基づく警察庁に対する開示請求の状況(平成2年~17年3月末)及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律における前科前歴に関する情報の取扱いについて説明があった。

(2)国会の状況について

官房長から、6月14日に行われた参議院内閣委員会の状況、今後の国会予定等について報告がなされた。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「茨城県警察の巡査長が、本年4月ころ、パチンコ店経営者らから、職務上の不正行為の見返りに現金数十万円を収受した事案に関し、同県警察は、6月11日、同巡査長を加重収賄罪で逮捕した」旨の報告がなされた。

(4)「警備業法施行令の改正試案」に対する意見の募集について

生活安全局長から、「昨年5月に公布され、本年11月までに施行される警備業法の一部を改正する法律に関し、警備業法施行令の改正案を策定するに当たり、6月16日から29日までの間、改正試案を一般に公表し、意見を募集する」旨の報告がなされた。   

(5)知的財産推進計画2005について

生活安全局長から、知的財産戦略本部が6月10日に決定した『知的財産推進計画2005』に関し、警察に係る主な施策等について報告がなされた。

(6)インターネット安全・安心相談システムの運用開始について

生活安全局長から、「IT社会における相談需要に的確に対応し、効果的な防犯対策を推進するため、インターネット上で相談を受け付け、基本的な対応策等を自動的に回答するシステムを開発し、6月16日から運用を開始する」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「このようなインターネット上で相談を受け付けるシステムの運用を開始することは、最近、サイバー犯罪等に関する相談件数が急増している状況を踏まえると、時宜にかなった良い施策である。ところで、警察相談と少し関連することをお聞きしたい。例えば、『振り込め詐欺』の被害に遭いそうになった人が『慌てず、よく確認しろ』との注意を思い出し、被害を未然に防止できたとする。こうした体験に基づく情報については、警察のどこに相談し、また、いかなる内容の情報を提供すると捜査に役立つのか、よく分からないという人もいる。未遂事案については、警察に話を持ち込んでもあまり取り上げてもらえないという話も聞く。未遂事案でも、うまくいけば、捜査の端緒情報となるかもしれない。この種未遂事件の相談をどうすれば警察としても活かせるのか。インターネットを利用した相談等できないのか」旨、発言し、刑事局長より、「御指摘のような未遂事案については、一般には、都道府県警察の捜査部門、特に警察本部の捜査第二課に相談してもらうのが一番よいのではないかと思う。その際、相手方の電話番号や振込先の口座番号、電話のやり取りの録音等犯人につながる具体的な情報を提供いただけると捜査に非常に役立つと思われる」旨、長官より、「本来、警察側が相談者から捜査に役立つ情報も聞き出すという姿勢が必要なのであるが、第一線の現場ではなかなかそこまで手が回らないのが実情である」旨、生活安全局長より、「短縮ダイヤル『♯9110』という電話相談窓口もあり、ここであらゆる警察相談を受け付けているので利用して欲しい」説明があった。

(7)フィッシング事案の検挙について

生活安全局長から、「警視庁は、個人情報を入手する目的でフィッシングサイトを開設し、入手した他人のログインID・パスワードで不正アクセスした事案に関し、6月13日、著作権法違反並びに不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反で被疑者を検挙した」旨の報告がなされた。

吉田委員より、「この種事案は今後増加が予想され、国民に対し注意喚起する必要があるが、フィッシングと言ってもこれがどういうものなのか分かっている一般の人は少ないのではないか。『オレオレ詐欺』や『振り込め詐欺』のように国民に分かりやすい名前があればよいと思う。特定の人にはフィッシングでも通じると思うが、今のままでは一般国民が置き去りにされないか心配である。また、こうしたネット上の犯罪対策については、警察だけでは限界があり、産業界との連携や国際的な連携も必要である。国際的な連携については、欧米諸国や価値観を同じくする国々との連携に加え、先回りして対策を立てるという意味でもソフト開発に強い国々との連携も視野に入れるとよいと思う」旨、発言し、生活安全局長より、「フィッシングのネーミングについては、以前、国家公安委員会で同様の問題提起があり、努力はしてみたが、なかなか良いアイデアがなく今日に至っている。基本的には、偽のホームページを立ち上げて、そこに利用者をおびき寄せ、他人のIDやパスワードを釣り上げる、という手口であるが、これを一言で表現することが難しい」旨、説明があった。

大森委員より、「少なくとも当面は、フィッシングとはどういう犯罪なのか、かっこ書きで説明を付けるなどしてくれないと、単なる外来語をカタカナに置き換えるだけでは特定の人にしか分からないのではないか」旨、発言し、長官より、「インターネットの世界の言葉づかいには特別なものが多く、インターネットを頻繁に利用する人には、外来語のままの方が分かりやすいという面もある」旨、生活安全局長より、「フィッシングによる被害が日本では米国のように拡大していないところを見ると、インターネット利用者の間にはそうした知識もかなり普及しているのではないかと思われる。また、昨年12月には、フィッシング110番も開設し、これまでに偽のホームページ情報も寄せられている。しかしながら、この種犯罪は今後も様々な手口が出現し、新たな被害も懸念されることから、十分注意して見てまいりたい」旨、説明があった。   

(8)元三井物産(株)社員らによるDPF売却名下の詐欺事件について(警視庁)

刑事局長から、「警視庁は、ディーゼル車排気ガスの粒子状物質減少装置(DPF)の試験データをすり替えるなどして東京都知事の指定を受け、同装置の売却名下に東京都交通局から代金約5,700万円を騙し取った事案に関し、6月14日、元三井物産社員ら3名を詐欺罪で逮捕した」旨の報告がなされた。      

(9)ガードレールに付着した金属片について

交通局長から、全国で発見されたガードレールに付着した金属片に関し、調査経過等について報告がなされた。    

10)小泉総理大臣の韓国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、「小泉総理大臣は、首脳会談等のため、6月20日から韓国を訪問し、21日に帰国する予定である。本訪問に伴い、警視庁では警護警備を実施する」旨の説明がなされた。

3 その他

(1)刑事局長から、平成16年3月5日に警視庁築地署管内で発生した、銀座5丁目宝飾店を狙った多額貴金属強奪事件に関し、被疑者を特定し、セルビア・モンテネグロに対して当該国民に対する国外犯適用の要請をしていたところ、同国から本年6月15日、被疑者2名を同国内で逮捕した旨の連絡があった」旨の報告がなされた。

(2)川口委員より、6月13日から14日にかけて奈良県公安委員会及び同県警察本部を視察した結果に関し、「県警本部では、昨年の女児誘拐殺人事件に関し、犯人検挙までの過程でどのような苦労があったか等について話を伺った。この事件では、被害者の家族や親族のもとにマスコミが大挙して取材や聞込みに押し掛け、様々なことが記事にされ、被害者の家族の方々は大きな精神的なストレスやプレッシャーを感じ、大変つらい思いをされたそうである。そうした中で、県警がその間に立ち、間違った報道がある毎にまだ結論が出ていないことを指摘し、被害者の家族に対しては、専任の女性警察官を付き添わせるなどして親身に相談に乗り、対応していた。その結果、警察に対する信頼が高まり、以後、取材は県警を通して下さい、とのコメントを家族が出すまでに至ったとのことである。また、この事件を契機に地域社会と警察の協力体制が促進された」旨、「翌日、少年サポートセンターも訪問し、補導員等から話を伺った。最近の一番の問題は、深夜徘徊する子供達がたくさんおり、しかもそれを親が放任していることが多いということであり、その辺の対策が課題である、とのことであった」旨及び「奈良県公安委員会委員の方々と意見交換を行った。女児誘拐殺人事件の時、委員もマスコミの取材対象となり、捜査当事者ではないにもかかわらず、質問されて応じないと職務怠慢ではないかと言われ、大変困惑した、とのことであった。その原因として、公安委員会が警察を管理することは知られていても、管理の内容がどのようなものかが国民一般には十分理解されていないことがあるようである」旨、発言があった。

(3)佐藤委員より、6月14日から15日にかけて静岡県公安委員会、同県警察本部及び浜松警察署(ブラジル人問題)を視察した結果に関し、「警察活動の第一線の現場で、東京で想像する以上に様々な工夫がなされていることを確認し、現場に行くことが大事だとの思いを改めて強めた。また、先日の県警ヘリ墜落事故の現場に献花をさせていただいた。事故原因については、現在、調査中のことであるが、事故直後の県警のきめ細かな対応やそれまでの地元警察署と地域住民との良好な関係等もあり、この事故をめぐって、付近住民の間に、警察の処置についての理解が広まりつつあるとのことであった」旨、発言があった。

(4)吉田委員より、先週の国家公安委員会で報告があった愛媛県警察の会計経理をめぐる事案に関する調査結果に関し、「当時の多数の関係者から聞き取り調査等を行った結果、事実として認められたのは、基本的には、飲酒運転を検挙した際、署長からの表彰として千円が交通課長を通して交付されていたことのみであり、その他の点については、関係者はその内容を否定している。そうだとすると、本件調査の発端となる内部告発を行った警察官はどうしてそのようなことをしたのか」旨、質問し、長官より、「その点はよく分からない。現在訴訟にもなっているが、我々としては、愛媛県警の調査結果が正しいと信じている」旨、説明があった。