定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成17年9月8日(木)

午前10時00分前1115分

第2 出席者 安崎、川口、大森、吉田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

監察官

第3 議事の概要      

1 議題事項

(1)監察の取扱い事案について

監察官から、「茨城県警察の警部補が、平成10年3月から平成17年3月までの間に受理等した事件の捜査を懈怠していたなどの事案に関し、国家公安委員会の了承が得られれば、同県警察は、9月8日、監督責任として、地方警務官の警察署長を本部長注意とする予定であること、同事案及び同県警察の巡査長がぱちんこ店経営者から現金等を収受していた事案等に関し、同県警察は、9月8日、監督責任として、上司ら19名を戒告等の処分とする予定である」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。

大森委員より、「事案の中で注目しなければならないのは、収賄事案である。この直属の課長に対する処分理由について、はっきり説明を求めておきたい」旨、発言し、監察官より、「収賄被疑者である巡査長の直属の生活安全課長については、水戸署勤務当時が3名、ひたちなか東署勤務当時が2名の計5名であるが、その5名について調査を行った結果、いずれも一般的な指導教養、面接を通じた身上把握を行っていたところである。しかしながら、平成13年に業者から乗用車を受け取った当時の課長については、監督処分に係る懲戒処分の要件である部下の規律違反の認識可能性や防止可能性の観点から検討し、懲戒処分である戒告相当と判断した。その他の課長にあっては、同巡査長の行為が勤務時間外、管外での収賄行為であったことなどから、認識可能性や防止可能性の観点から検討し、懲戒処分までは至らないと判断し、所属長訓戒としたところである」旨、説明があった。

大森委員より、「戒告という処分については、相当な評価であると思うが、それ以外の課長については、一応の日常の指導をしていたということだけで、単なる訓戒でいいのかという点で、なお疑問なしとはしない」旨、発言し、官房長より、「日常の指導等をしていたということは一つの大きな根拠になるが、それをしていたから訓戒で良いという意味ではなく、認識可能性のある兆候があった場合に執るべきことをしていたかについて検討し、不十分な場合には、懲戒処分にするということである。昔と比べて処分が甘くなったとの委員のご指摘が以前からあるが、警察としては、基準を明確にし、調査を可能な限り深く掘り下げ、認識可能性のあるような要素があれば厳しく責任を取ることとしており、今後もこのような方針でやっていきたい」旨、説明があった。

大森委員より、「警察官による業者からの収賄というのは、本当に悪質な事案である。贈収賄は隠れて行われるから発見は難しいが、今回は、平成11年8月から平成17年の4月まで毎月飲食接待を受けていたものであり、もう少し目を光らせ探知できなければならない収賄形態である。通り一遍の指導や状況把握をしていたからと言って許されるものではない。昨年の後半から随分収賄事件が起こっており、引き締めなければならない一つの時期であると思う。このような不祥事防止のため、なお一層部下の指導、状況把握に努めていただきたい」旨、発言し、長官より、「今、委員ご指摘のように、最近、収賄事案が続いており、特に、指導監督が常日頃からきちんとなされているのかどうかを十分に見て、指導監督がきちんとなされていないのであれば、懲戒処分の対象になるということで臨んでいる」旨、説明があった。

川口委員より、「課には同僚がいるわけで、同僚が一番判っている場合が多いのではないかと思う。そのような意味で、指導監督する課長も、指導監督という縦の関係だけで兆候を把握するのではなく、課員に対し、同僚が一人でも不祥事を起こすと警察全体の信頼が失墜するという意識を持たせて、同僚による不祥事の兆候等をきちんと話せる雰囲気を作ることも必要である」旨、発言し、官房長より、「縦の関係だけでなく、所属全体で兆候を把握するよう指導しているが、それでもこのような不祥事はなかなか判らないところがある。だからと言って、兆候把握をあきらめるのではなく、兆候を把握できる仕組みを見出す努力をしていきたい」旨、発言した。

長官より、「いずれにしても、基本的には指導監督をきちんと行うことが重要であり、仮に指導監督を徹底しないで不祥事が発生したら厳しく処分するということを、今後も言い続けていきたいと思う」旨、説明した。

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 報告事項

(1)監察の取扱い事案について

監察官から、「警察庁の技官が、平成16年11月ころ、国民健康保険被保険者証等を偽造した事案に関し、9月4日、同技官が公文書偽造等の容疑で警視庁に通常逮捕された」旨及び「四国管区警察局香川県情報通信部の技官らが、平成16年3月24日、警察庁から『平成10年度会計文書の保管継続及び管下各県警察等への指示徹底』を受理したが、誤認識により、同年4月4日ころ、保管対象の物品管理関係文書の誤廃棄事案を惹起させるとともに、安易な判断により、同事案に対する組織的対応の遅延を惹起させたことに関し、同局は、平成17年9月12日、同技官らを局長訓戒等の措置とする予定である」旨の報告がなされた。

(2)文部科学省事業と連動した「問題行動に対するブロック協議会」の開催について

生活安全局長から、「警察庁においては、文部科学省と共同で、少年の非行防止・立直りに関する関係機関の行動連携を一層深めるため、全国を6地域に分けて、保護観察所、児童相談所等の職員や少年関係ボランティア等が一堂に会して意見交換等を行う『問題行動に対する連携ブロック協議会』を9月から10月にかけて開催する」旨の報告がなされた。

(3)第44回衆議院議員総選挙の違反取締りについて

刑事局長から、「期日前6日の9月5日現在、検挙は12件16人(うち逮捕16人)であり、これを前回の期日前6日現在と比較すると、検挙件数は2件増加、検挙人員は6人増加となっている。警告状況は、同5日現在、2,191件であり、文書の掲示及び頒布違反が97.4%を占めている。これを前回の同時期と比較すると、461件、17.4%の減少となっている」旨の報告がなされた。

(4)第8次交通安全基本計画中間案について

交通局長から、平成18年度から22年度までを計画期間とする第8次交通安全基本計画の中間案の概要について報告がなされた。

(5)改正道路交通法(駐車対策関係)の施行準備状況について

交通局長から、改正道路交通法に基づく確認事務の委託に係る、業務説明会、駐車監視員資格者講習等の準備行為について、9月4日現在の各都道府県警察における進捗状況等について報告がなされた。

安崎委員より、「駐車違反対策の準備作業が着々と進んでおり、心強い。本政策は、悪質な駐車違反を取締り、交通渋滞を無くして交通事故の防止を図ることが大目的であり、この機会に、本政策推進の初心を忘れずに準備作業を充実させていただくようお願いしたい。そこで準備作業の中で特にお願いしたいことを3点申し述べておきたい。

1点目は、駐車違反摘発がノルマ主義に陥らないように委託先の会社の経営者に対する教育をきちんと行うこと。2点目は、委託先に対して委託費を支払い、違反金が県の収入となるが、金の絡む業務であることから、金の出入りの流れについて、透明度が高く、また監査により不正経理が予防できるような制度を設計すること、3点目は、業務委託に伴って警察官の負担が軽減されることから、悪質交通事故の捜査、空き交番、重要事件の捜査等への警察官の再配置を予定どおり実行すること」旨、発言し、1点目及び2点目に関し、交通局長より、「1点目のポイントは、各署がどのようなガイドラインを作成するかであるが、委員ご指摘のようなことにならないよう、既に警察庁から各県警に対しガイドラインの策定のイメージを示達しているところである。2点目については、放置違反金の納付命令は公安委員会が行うが、違反金は、金融機関を通じて知事部局の出納に入っていくので、『入り』のところで問題となることはない。また委託費については、委託契約に基づいて支払われるが、契約どおり事務が遂行されているかどうかの監督等をきちんと行うことが大切であると考えている。」旨、説明し、3点目に関して、官房長より、「各県警では、毎年4月に部門別の配置基準の見直しを行うため、改正道路交通法が来年6月までに施行される点を踏まえ、今後、来年4月に向けて県警全体の具体的な再配置の在り方が検討されるものと承知している」旨、説明があった。

大森委員より、「委託先との契約については、総合評価一般競争入札の方式を採用するとのことであるが、総合評価をする際、どのような指標を用い、どういうウエイト付けをして、落札者を決定するのか」旨、質問し、交通局長より、「総合評価方式の評価項目、ポイント、その配分については、昨年警察庁でかなり詳細に調査研究したモデルを各県に示しているが、各県では、当該モデルをベースに、各県ごとに設置する委員会の委員の意見を踏まえながら、県独自の評価方式を決めることとなる。基本的には各県とも当該モデルを踏まえたものになると思われるが、実績、価格等の項目における点数配分等が当該モデルとは少し異なってくると思う」旨、説明した。

大森委員より、「総合評価方式は、一般的には良い方式であると言われているが、入札に関しては、落札率何%というように、談合の疑いを生じることが多いことから、総合評価方式の運用を常に検討し、談合防止に努めていただきたい」旨、発言があった。

大森委員より、「この民間委託と並行して、駐車禁止規制を再検討するということであったが、その検討状況はどのようになっているのか」旨、質問し、交通局長より、「2年がかりで検討するということで始め、残り半年という状況になっているが、今年の4,5月に、およその県に確認したところ、我々が期待していたほど、大きく変わっていなかったことから、改めて指示を行ったところである。県の中には、『検討しているが県内全部の地域を見てから規制解除を決める』という県もあり、未だ数字として上がってきていないものもあることから、まとまった段階で御報告したいと考えている」旨、説明した。

大森委員より、「既成観念にとらわれると大きな改革はできない。見直しを打ち出す限りにおいては、大いに見直し、その代わりに規制を継続するところは徹底的に取り締まるという覚悟でやらないと意味がない。大いに進めていただきたい」旨、発言し、次長より、「社会の一般感覚から客観的に見て、規制が解除できる場所、あるいは曜日によって解除できる場所もあると思われることから、去る6月の警察本部長会議において、本部長に対し、警察署協議会や公安委員会にきちんと説明できるような案を作成するよう指示しているところである。いざ規制解除の場所を特定しようとすると、いろいろな観点からの様々な問題等が浮上しているというのが実情のようである」旨、説明した。

(6)警察庁ホームページ(英語版)への「交通ルール」の掲載について

交通局長から、「警察庁ホームページ(英語版)において、我が国の交通ルールのうち、外国人運転者に最低限必要とされるものを掲載することとした」旨の報告がなされた。

(7)小泉総理大臣の「国連特別首脳会合」出席に伴う警護警備について

警備局長から、「小泉総理大臣は、9月15日から16日までの間、『国連特別首脳会合』出席のため、米国を訪問する予定である。本訪問に関し、警視庁で警護警備を実施する」旨の報告がなされた。

(8)台風第14号等に伴う被害状況と警察措置について

警備局長から、「9月3日以降、九州・四国・中国・近畿・中部及び関東地方の各地で、大きな被害をもたらしている秋雨前線と台風第14号に際し、警察は、直ちに体制を確立して、関連情報を収集するとともに、警察広域緊急援助隊等を派遣し、被災地での避難誘導、救出救助、行方不明者の捜索活動等を実施中である」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、「北海道旭川中央警察署の捜査用報償費に関し、原告である道内の男性から、同署の元捜査員が作成した支払精算書の中に虚偽の記載があり、氏名権を侵害され精神的損害等を被ったとして、国家賠償法に基づき慰謝料等を求められた訴訟で、道に15万円の支払いを命じた8月18日の札幌地裁第一審判決について、道(警察)側は控訴せず、原告の男性も同様に控訴しなかったため、9月2日、同判決が確定した」旨の説明がなされた。

(2)刑事局長から、「9月7日、神奈川県藤沢市において、登校中の中学生多数に対して消火剤を噴霧した傷害事件に関し、同日、窃盗罪で通常逮捕した少年が当該傷害事件に関与したことを自供し、さらに別の少年の関与も明らかとなったことから、別の少年についても近く逮捕する方針である」旨の説明がなされた。

(3)安崎委員より、「大型台風14号の警戒警備、被害者の救援活動に関しては、ご苦労さまでした。ちょうど同時期に米国を襲ったハリケーン『Katrina』によるニュー・オリンズの状況と重ねて考えると、彼我の状況はもちろん異なるが、日本の治安システムがしっかりしていることが判る。不眠不休で働いた米国の警察官が特別休暇でねぎらわれたという記事があった。日本では、大型事案の捜査本部の警察官等が100日間とか150日間熱心な勤務を続けている。一般に有給休暇の取得が少ないと言われている現場の警察官だが、捜査本部の関係者等に、交替でせめて2,3日でも有給休暇の取得を業務命令で義務付けるくらいの配慮をしても良いのではないか」旨、質問し、刑事局長より、「第一線の現状としては、捜査本部等になると、長期間休暇が取れないということもある。もちろん、検挙するなどして捜査を終えると、1週間から10日くらいの休暇を消化させるようにしているが、事件が続発し、その休暇を取る間がない場合もあるのが実情である。その他、健康管理という面であるが、捜査本部では、勤務が深夜に及ぶなど、健康状態が悪化して倒れる捜査員もいることから、捜査本部等の設置から概ね3週間を超えた後に健康診断を確実に受診させるよう指導しているところであり、引き続き、休暇を含めた職員の健康管理には十分配慮してまいりたい」旨、説明があった。

吉田委員より、「民間企業では、過労死についてかなり神経を使っている。警察官の過労死の数は判らないが、相当疲労が溜まっている警察官も多いと思うので、過労というものにも目を向け、安崎委員ご指摘のとおり、休暇の取得を義務付けるくらいの配慮は必要と思う」旨、発言があった。