定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成18年10月26日(木)

午前10時00分午前11時50分

第2 出席者 溝手委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、刑事局長、警備局長、情報通信局長

長官官房審議官(生活安全局担当)、長官官房審議官(交通局担当)、情報公開・個人情報保護室長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護室長から、10月24日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。

(2)国会の状況について

官房長から、10月20日に行われた衆議院法務委員会等の状況について報告がなされた。

(3)第39回全国少年補導職員研修会の開催及び皇太子殿下の御接見について

長官官房審議官(生活安全局担当)から、「10月30日から11月1日までの間、東京都内において、第39回全国少年補導職員研修会を開催し、本研修中の10月31日、東宮御所において、全研修生が皇太子殿下の御接見を賜る予定である」旨の報告がなされた。

(4)人身取引被害者用リーフレットの作成について

長官官房審議官(生活安全局担当)から、「警察庁は、関係省庁、関係国大使館等の協力を得て、人身取引の被害者を保護する旨を呼びかけるリーフレットの使用言語を増やすなどして改訂し、広く配布することとした」旨の報告がなされた。

川口委員より、「全国都道府県警察等に配布されるリーフレット50万部が人身取引の被害者等まで行き届くことが大切であるが、どのような配布方法を考えているのか。また、改訂前のリーフレットのことになるが、リーフレットを見て保護を求めてきた被害者はいるのか」旨、質問し、長官官房審議官(生活安全局担当)から、「警察における18万部で言えば、例えば、外国人が集まるような教会、レストラン、食材店、各市町村の役場における外国人登録の窓口等にお願いして配布するなどしてもらったり、また風俗営業等を行っている営業所等への立入りを行った場合であれば、外国人従業者が居れば当該従業者に配布するなどして、幅広く配布することとしている。参考であるが、外務省でも、幅広く配布するため、在外公館にリーフレットを置き、ビザの申請者に対してリーフレットを渡すなどの対応を執るとのことである。被害者においてリーフレットが活用された事例であるが、リーフレットを見て被害申告をしてきたという事例は把握していないものの、長野県警察が検挙した人身取引事案で保護した被害者はリーフレットを見たことがあると供述しているとのことであった。費用と時間をかけてリーフレットを作成・配布しているので、リーフレットの効果について検証していきたいと思う」旨、説明があった。

(5)サイバー犯罪に対する警察官による買受け捜査等の推進について

長官官房審議官(生活安全局担当)から、「違法情報がインターネット上に氾濫している現状にかんがみ、警察官の買受け捜査による積極的な取締りを行うとともに、サイバー犯罪の抑止効果を目的とした積極的な事件広報を実施し、サイバー空間の浄化を図ることとした」旨の報告がなされた。

(6)指名手配被疑者捜査強化月間の実施について

刑事局長から、「オウム真理教関係の警察庁指定特別手配被疑者や悪質・重要な指名手配被疑者の早期検挙を図るため、11月に指名手配被疑者捜査強化月間を実施する」旨の報告がなされた。

(7)規制速度決定の在り方に関する調査研究の実施について

長官官房審議官(交通局担当)から、「警察庁では、規制速度決定の在り方についての調査研究のため、部外有識者を含む検討委員会を設置することとした」旨の報告がなされた。

葛西委員より、「自動車等が実際に走行している速度の正確な数値は分かっていないと思うが、私の実感では、規制速度よりも+20㎞/hぐらいで走行しているのではないかと思う。決められた最高速度の20㎞/h超過なら構わないという実態があること自体、法律を遵守しなければならないという習慣を日常生活の中で常に破っているという状況になっていると思う。このことは大きな問題で、むしろ規制速度を実態の速度に合わせるべきでないかと思う。この点についてどのように考えているのか」旨、質問し、長官官房審議官(交通局担当)から、「委員御指摘のような『規制速度を超過して周りの自動車等の流れに乗って走行しないと、かえって危険である。規制速度が実勢速度と異なっているので、規制速度を引き上げて欲しい』旨の要望が多いのも事実であるが、例えば高速道路を造る時の設計速度が120㎞/hである場合に規制速度を100㎞/hで設定しているような場合もあるが、実勢速度が規制速度を上回っているからと言って、直ちに規制速度を引き上げることは安全上困難である。これまでも、規制速度を引き上げる必要がある道路については道路構造を変更して規制速度を引き上げることはしているが、見直しの要望が多いことを踏まえ、今回の検討委員会の設置を契機としてさらに検討していきたい」旨、説明があった。

葛西委員より、「私が自動車に乗っていても、規制速度を守っている自動車はほとんどないという実感である。交通事故死者数の削減目標が掲げられている一方で、現在のこのような実態を放置しておくと、結果として法律は遵守しなくても良いという習慣が身に付くことになるので、規制速度を遵守させようとするならば、実態と規制の乖離を放置せず、違反者に対する徹底した取締りが必要である」旨、発言し、長官から、「規制速度というものがこのままで良いのか、見直すべきではないのかという議論は以前からあった。道路構造上から見た規制速度と実勢速度との整合性をどうするかというところだと思う。したがって、今回、規制速度を早急に引き上げるというのではなく、実勢速度を十分に分析し、これに基づいて規制速度というものをどう考えていくかということを時間をかけて検討していきたい。また、委員御指摘のように、常態的に制限速度よりも20㎞/h超過していることは違反を見逃しているということにもなりかねないので、この点も併せて検討していきたい」旨、説明があった。

(8)天皇皇后両陛下の「第26回全国豊かな海づくり大会」御臨席等(佐賀県)に伴う警衛警備について

警備局長から、「天皇皇后両陛下は、10月28日から31日までの間、『第26回全国豊かな海づくり大会』御臨席等のため、佐賀県へ行幸啓になる。本行幸啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。

(9)皇太子殿下の「第21回国民文化祭・やまぐち2006」御臨場等(山口県)に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、11月2日から5日までの間、『第21回国民文化祭・やまぐち2006』御臨場等のため、山口県へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、元栃木県警察職員による不適正経理等をめぐる発言に関し、「10月21日、市民団体の主催するシンポジウムにおいて、元栃木県警察職員が、『平成10年及び11年ころ、当時の上司の指示で、ひな形を見ながら、他人名義の領収書を2枚書いた』等と、同県警察における不適正経理等に関して発言した。同県警察においては、同元警察職員に対し具体的な発言内容について説明を求めるとともに、必要な事実確認を実施することとしている」旨の報告がなされた。

(2)長官官房審議官(生活安全局担当)から、貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案に関し、「前回の定例会議において、『貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案について共同請議することとなった場合には委員長の決裁を得て閣議請議させていただきたい』旨を決裁いただいたが、同法律案における質屋営業法及び暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の改正については実質的な改正でないとの判断により、同法律案について共同請議を行わないこととなった」旨の報告がなされた。

(3)警備局長から、「皇太子同妃両殿下は、10月26日から27日までの間、『第58回正倉院展』御視察等のため、奈良県及び京都府へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。

(4)警備局長から、千乃正法会(パナウェーブ研究所)の最近の動向について報告がなされた。

(5)吉田委員より、危険運転致死傷罪の適用状況等に関し、「先日の全国交通担当課長等会議において、長官が『飲酒運転による交通事故については、危険運転致死傷罪での立件を常に視野に入れた捜査を推進する』よう訓示していたが、平成13年12月の施行以降、危険運転致死傷罪が適用された例は少ないというのが私の印象である。これまでの約5年間で何件検挙し、そのうち有罪となったものは何件あるのか。また、交通法規を見ていると、酒酔い運転をして交通事故を起こして人を死亡させたような場合、酒酔い運転であったことが発覚すると最高刑が懲役20年の危険運転致死罪に問われる可能性があるが、その場から逃げて酒が醒めてから警察に捕まったような場合には、酒酔い運転であったことが警察に分からない又は警察において正常な運転が困難な状態で運転していたことが立証できないということで最高刑が懲役又は禁錮5年の業務上過失致死罪が問われることが多い。要するに20年と5年の大きな違いが逃げ得という傾向を生み出していると思う。そのほか、以前の定例会議でも指摘したが、酒酔い運転で自動二輪車を運転して人を死傷させても、自動二輪車は危険運転致死傷罪の対象となっていない。このようないろいろな問題について見直しをやっていこうという気運がもっと出てきても良いのではないかと思うし、また警察庁や法務省が積極的にイニシアチィブを発揮した方が良いと私は考えている。これらの点についてどのようなスタンスでいるのか」旨、質問し、長官官房審議官(交通局担当)から、「危険運転致死傷罪の送致件数は、アルコールの影響によるものだけでなく、薬物の影響や殊更に信号を無視したことによるものを含めてであるが、同罪の施行以降、本年10月20日現在、1,458件で、平成17年中の件数で申し上げると、致死が52件、致傷が227件である。起訴された件数等については、調査の上後ほど説明させていただきたい。逃げた場合には危険運転致死傷罪が適用できないのではないかとの御指摘についてであるが、確かに御指摘のようなケースがないわけではないが、警察としては、逃げた場合であっても、当時アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させていたことを立証するように努めており、御指摘のあった長官訓示はそのような趣旨である。次に自動二輪車への危険運転致死傷罪の適用に関しては、以前の定例会議で申し上げたとおり、同罪の制定以降の交通事故の状況を調査し、実態等を踏まえて法務省とも相談していきたいと考えている。いずれにしても、現在関係省庁と協議しているところであり、御指摘の点も含めて次期通常国会にどのような形で道路交通法等を改正していくのか十分に詰めていきたい」旨、次長から、「委員御指摘のとおり、あまりにも量刑に差があるので、救護義務違反の法定刑を引き上げていくことも一つの検討課題でもあると思う」旨、説明があった。

葛西委員より、「交通事故死者数を減少させるという目標に向かっている中で、現在、飲酒運転が非常に注目されている。確かに飲酒運転も問題であるが、それは一部分であり、実態としては、高齢化に伴う事故、精神障害的なものによる事故等の様々な要因による事故が発生しているにもかかわらず、飲酒運転の問題だけを大きく取り上げることはバランスを失しているような気がする」旨、発言し、長官から、「最近飲酒運転の問題が大きく取り上げられているが、その前から、ひき逃げの問題、高齢者の問題等を含めて、道路交通法をどのように改正していくかということを検討していたので、飲酒運転だけを問題視して道路交通法を改正しようというわけではない」旨、説明があった。

(6)大森委員より、10月13日開催の北海道内公安委員連絡協議会に出席した結果に関し、「北海道内公安委員連絡協議会では、『公安委員会活動のあり方について』という1点のテーマに絞って各公安委員会から発表等がなされたが、各公安委員会は非常に充実した活動をしていると感じた。協議会の開催結果に関し2点に絞って紹介しておきたい。1点目は会議の場で出された要望である。春や秋の全国公安委員会連絡会議等に出席する際に、これらの機会にしか体験できない視察等を企画していただければ公安委員会活動も充実するとの意見が出された。いろいろ問題があるとは思うが、一つの検討課題として報告しておきたい。2点目は、警察官による飲酒運転の根絶に関してである。年末にかけて警察官も飲酒の機会が増えてくることを踏まえ、北海道公安委員会の委員長が、『これから年末にかけて、北海道内においては警察官による飲酒運転の根絶を期そう』と呼び掛けて、各委員がこれに賛同した」旨の報告がなされ、長官から、「全国公安委員会連絡会議に出席する機会を利用した視察等については、要望があったことを踏まえて検討していきたい」旨、説明があった。

(7)川口委員より、10月23日開催の東北管区内公安委員会連絡会議に出席した結果並びに同月24日に山形県公安委員会及び同県警察本部等を視察した結果に関し、「10月24日に米沢市内で少年補導等のボランティアの方々と意見交換を行った。出席したのは6つのボランティア団体のそれぞれのトップの方々であったが、話を聞いていると、ボランティアの方々は時には私費で本当に親身になって活動に取り組んでいることが伝わり、感心して話を聞かせていただいた。時間の関係で質問できなかったが、そこで思ったのは、ボランティア団体は多数あるけれども、お互いの良い点を吸収し合ったり補完したりするためにも相互に連絡を取り合えると良い、そのためのネットワークや受け皿があるのか、警察はそれにどのように関わっているのかということである。また、今回のボランティア団体が実質的な活動をしていることがよく分かり、このようなボランティアの活動をもっとPRすることができれば、より多くの少年を救うことができるのではないかと思い、そのためには行政も協力する必要があるのではないかということを申し上げた。次に公安委員会連絡会議の話になるが、今年の6月に開催された全国公安委員会連絡会議において、NHK名古屋放送局の番組審査委員を務めていた愛知県の公安委員がNHKに働き掛けをして、『安全安心一口メモ』というタイトルで週に何回か、犯罪被害防止や交通事故防止等を呼び掛ける放送がなされているということが紹介されたが、これを参考にした宮城県公安委員会では、NHK仙台放送局に働き掛けをして同様の取組みを始めたとのことであった。また、ある県の公安委員の方とお話をした際、NHKの全国放送の中でも定期的な放映がなされても良いのではないかとの提案があったので、参考としてお伝えしておきたい」旨の報告がなされた。