定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成18年11月30日(木)
午前10時00分~午後0時30分
第2 出席者 溝手委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員
長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
政策評価審議官、長官官房審議官(生活安全局担当)、首席監察官、情報公開・個人情報保護室長
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「11月19日付け地方警務官1名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画の策定について
長官官房審議官(生活安全局担当)から、「油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」(案)について説明がなされ、原案どおり決定した。
(3)高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令等について
交通局長から、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の施行期日を本年12月20日とする政令案等について説明がなされ、原案どおり決定した。
(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)
情報公開・個人情報保護室長から、11月28日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要並びに異議申立てに対する決定の概要について報告がなされた。
(2)警察庁長官に対する開示請求の措置について(行政機関個人情報保護法関係)
情報公開・個人情報保護室長から、11月28日までの間に警察庁長官に対してなされた行政機関個人情報保護法関係の開示請求の状況及び異議申立てに対する決定の概要について報告がなされた。
(3)国会の状況について
官房長から、11月24日に行われた衆議院法務委員会等の状況について報告がなされた。
(4)地方自治法第263条の3第5項の規定に基づく措置について
官房長から、地方公共団体に新たな事務又は負担を義務付けると認められる施策を立案しようとする場合において全国知事会等の全国的連合組織に対して情報提供をすることを定めた地方自治法第263条の3第5項の施行について報告がなされた。
(5)殉職事案の発生について
官房長から、「岡山県警察の巡査長が、11月21日午後3時10分ころ、岡山市内の国道2号線を違反車両追跡のため白バイで緊急走行中、左折しようと減速していたトラックに追突し、同日午後6時43分、収容先の病院で死亡、殉職した」旨の報告がなされた。
(6)監察の取扱い事案について
首席監察官から、高知県警察における捜査(報償)費不適正執行等事案に関し、これまでの調査状況、関係者の処分の方針等について報告がなされるとともに、「大阪府警察の巡査が、11月7日、酒気帯び運転をし、検挙された事案に関し、同府警察は、11月29日、同巡査を停職3月の処分とするとともに、監督責任として上司を所属長注意の措置とした」旨及び「香川県警察の警部補が、11月26日、酒気帯び運転及び窃盗をした事案に関し、同県警察は、12月1日、同警部補を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として上司を本部長注意とする予定である」旨の報告がなされた。
佐藤委員より、「処分方針とは別の問題として、説明を聞くと捜査費等の執行件数が減少していることが気になるが、使うべき捜査費が使われなくなっているのではないか。そういうことで、執行すべき捜査が執行されないということになっては良くないと思う」旨、発言があった。
大森委員より、「今回報告のあった高知県警察の調査状況を今後の会計監査に役立てていただきたい」旨、発言があった。
大森委員より、「飲酒運転の関係であるが、国民全体の飲酒運転事案が減少しているにもかかわらず、警察官による飲酒運転が相変わらず発生している。警察庁側の現在の認識をうかがいたい」旨、発言し、官房長から、「大きな組織であり、これだけ対策を講じても非違事案が発生していることを前提として、飲酒運転を含めた非違事案の絶無に向け、具体的かつ現実的な防止策を講じていきたい。例えば、以前から非違事案の防止策についての資料を各都道府県警察に送付し、全国の警察職員まで行き届くようにしているが、最近では、懲戒免職になった職員の後悔の念等を掲載するなどの取組みを行っており、現在も飲酒運転防止のための服務監察を実施しているところである」旨、説明があった。
川口委員より、「ある県の公安委員会を訪問した際、同県公安委員及び同県警察の幹部の方々との意見交換の機会があり、地域警察官向けの教養資料を作って、非違事案等の防止に向けて一生懸命取り組んでいることが分かった。この教養資料は、想定ごとに『反省点』、『警察官としてどうあるべきか』及び『周囲の者はどうすべきか』をまとめていた。この想定の中にも書いてあるが、一緒に飲酒する同僚が仲間の動向を気にかけるという意識を徹底すれば、事故が防止できる場合も少なくないのではないかと思う」旨、発言があった。
大森委員より、「香川県警察の事例では、店舗において工具を買おうとした際に、金を払うのが馬鹿らしくなって万引きしたとのことであるが、このような意識を持っている警察官がいるというのは驚きである」旨、発言があった。
大森委員より、「警察は、全国に約28万人の警察職員を抱える大きな組織であり、警察庁からすれば、これらのすべての職員の指導を徹底することは現実的に不可能であると思うかもしれないが、各都道府県警察の中にある職場ごとで見れば、それぞれの職場はそれほど大きな組織ではないので、ぞれぞれの職場の上司が部下職員に目を配って指導を徹底するという意識を持てば、一番実効性があると思う。先般、警察大学校において、警部任用科の学生に対して講義を行ったが、その中においても『自分の部下だけには不祥事を起こさせるな』ということを話したところである」旨、発言し、長官から、「委員ご指摘のとおり、例えば、職場の同僚等で飲酒をする際には、職場の上司が車で来ている者がいないかどうか確認するなど、部下職員に対する指導をきちんと行うことが必要であると思う」旨、説明があった。
(7)防犯ブザーの実効性の確保について
長官官房審議官(生活安全局担当)から、「子どもが犯罪に巻き込まれる事件が相次いで発生したことを受け検討してきた子どもが携帯する防犯ブザーの性能基準が、(社)電池工業会の規格として作成されたことから、同性能基準を満たした防犯ブザーの普及に努めることとしている」旨の報告がなされた。
(8)宮崎県幹部職員らによる競売入札妨害事件の検挙について
刑事局長から、「宮崎県警察は、これまで11名を逮捕して捜査中であった、宮崎県幹部職員らによる競売入札妨害事件の共犯として、11月29日、同県出納長を逮捕した」旨の報告がなされた。
(9)証券取引からの反社会的勢力排除に向けた取組について
刑事局長から、「証券取引からの暴力団等の反社会的勢力の排除を推進するため、警察庁等では、東京証券取引所及び日本証券業協会とぞれぞれ暴排協議会等を設立するなどして、更に連携を強化することとした」旨の報告がなされた。
(10)第30回アジア太平洋地域薬物取締機関長会議(HONLEA)の開催結果について
刑事局長から、11月14日から17日までの間、バンコクにおいて国連薬物犯罪事務所の主催により開催された第30回アジア太平洋地域薬物取締機関長会議(HONLEA)において、日本が提案した、北朝鮮の薬物密輸に対する捜査体制強化のための国際協力を内容とする勧告が採択されたこと等について報告がなされた。
(11)「自転車の安全利用の促進に関する提言」について
交通局長から、本年4月に設置した自転車対策検討懇談会において、自転車の道路交通に係る課題及びその解決方策について取りまとめた「自転車の安全利用の促進に関する提言」について報告がなされた。
(12)「高齢運転者に係る記憶力、判断力等に関する検査の導入等についての提言」等について
交通局長から、運転免許制度に関する懇談会が取りまとめた「高齢運転者に係る記憶力、判断力等に関する検査の導入等についての提言」及び高齢運転者に対する認知機能検査の開発のための委員会が取りまとめた報告書について報告がなされた。
(13)女性拉致容疑事案(鳥取)について
警備局長から、「昭和52年10月21日に鳥取県米子市内で女性が失踪した事案について、新たに拉致容疑事案であると判断し、11月17日公表した」旨の報告がなされた。
3 その他
(1)官房長から、高知県警察における捜査費執行に関する調査結果に関し、「高知県警察では、12月6日、平成12年度から平成16年度までの、高知警察署以外の警察署(15署)の県費捜査費及び全所属の国費捜査費の執行に関する調査結果について公表する予定である。約74,000件(約2億8,900万円)の執行を対象として調査した結果、捜査費の私的流用や『プール金』等の存在は認められなかったが、約250件(約30万円)の執行は、県費捜査費又は国費捜査費として執行し得ないものに執行しており、約2,300件(約750万円)の執行は、捜査費として執行しているが会計経理手続上の誤りがあるものなどであった。同県警察においては、調査結果を受け、相当金額を返還する方針で県及び国と協議するとともに、必要な改善策を講じることとしている」旨の報告がなされた。
(2)官房長から、宇都宮地方検察庁による元栃木県警察職員の発言に係る告発の受理に関し、「11月17日、宇都宮地方検察庁は、元栃木県警察職員が同県警の不適正経理等について発言したことを受けた市民団体からの刑事告発を受理した。同告発は、10月21日に行われた同市民団体が主催するシンポジウムにおいて、同元警察職員が『平成10年、11年ころ、上司の指示で他人名義の領収書を書いた。交通違反のもみ消しをした』等と発言をしたことを受けたもので、告発人は、告発罪名として、虚偽公文書作成・同行使、詐欺、加重収賄を主張している」旨の報告がなされた。
(3)官房長から、愛媛県警察の巡査部長の配置換え等をめぐる不服申立に対する裁決に関し、「愛媛県警察の巡査部長が、平成17年2月23日、同県人事委員会に対し、配置換え等の取消しを求める不服申立てを提起した事案に関し、同県人事委員会は、本年6月6日、配置換えを取り消す裁決を行ったが、同県警察では、再審請求期限(12月7日)までに再審請求を行う方針である」旨の報告がなされた。
(4)政策評価審議官から、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)より打診のあった文民警察官の派遣に係る現在までの検討状況及び今後の予定について報告がなされた。
大森委員より、「過去には、文民警察官はVIPの警護の際に武器を使用することができるかもしれないとの議論があったが、そのようなことが求められることのないように注意してもらいたい」旨、発言があった。
(5)吉田委員より、パソコンからの情報流出対策に関し、「本日の朝刊に航空自衛隊の自衛隊員の自宅にあるパソコンから内部情報が流出していた旨が報道されていた。警察では、本年3月ころ、私有パソコンからの内部情報の流出が大きな問題となり、それ以降、対策を講じてきているが、警察の情報流出対策に関し、3点確認したい。1点目は、公費パソコンがどの程度整備されたのか。2点目は、私有パソコンを含め、職員が使用するパソコンからファイル交換ソフトであるウイニーが完全に削除されたのか。3点目は、愛媛県警察の警部の私有パソコンから大量の捜査資料等が流出した事案があったが、流出した捜査資料等に出てくる関係者が二次被害を受けたという事実はないのか」旨、質問し、刑事局長から、「愛媛県警察の件に関しては、先日も確認したが、二次被害と言われるような事案は発生していないとのことであった」旨、情報通信局長から、「1点目の公費パソコンの整備状況についてであるが、平成19年度末までに公務で使用するパソコンは全て公費パソコンで整備するという目標を立て、各都道府県警察では、予算要求等に努めているところである。全国の公費パソコンの整備台数を申し上げれば、9月1日現在約13万台で、今年度当初に比べ、約8,000台の公費パソコンが追加整備されているが、私有パソコンは7万台近くあることから、引き続き、予算措置に向けて各都道府県警察に頑張っていただきたいと思っている。なお、10月1日までに、職場から私有パソコンが無くなったのが6県、今年度中に職場から私有パソコンが無くなるという見通しが立っているのが12県である。2点目のウイニーの削除状況についてであるが、3月に実施した緊急対策で、私有パソコンや公費パソコンからウイニーを削除させたことから、現在は、ウイニーをインストールしたパソコンは使用していないものと考えている。しかしながら、様々な理由で本人が知らない間にウイニーがインストロールされたパソコンを使用している可能性もあることから、各都道府県警察においてウイニー対策を徹底しているかどうかについて、監察等の機会を利用してチェックすることとしている」旨、説明があった。
(6)川口委員から、11月27日に千葉県公安委員会及び同県警察本部等を視察した結果に関し、「印象に残ったことをいくつか申し上げたい。1点目は、千葉県警察では、警察官一人当たりの検挙率が非常に高いが、『職質なくして検挙実績なし』というスローガンを掲げ、さらに職務質問競技大会を開催するなどしているということである。また千葉県内には外国人が非常に多いが、外国人に対しても積極的に職務質問ができるように、職務質問の際の様々な言葉を数か国語に訳した資料を作成、配付しているということである。2点目は、千葉県警察の警察官は、このように懸命に治安対策に取り組んでいるけれども、給与の面で恵まれていないということが千葉県の公安委員との間で話題になっていたことである。話を聞くと、警察官には公安職の給料表が適用されているが、行政職が適用される県庁で勤務する職員と比べた場合、下位の級が適用されている者が多いので全体として給料が低くなってしまうとのことであった。3点目は、警察官の大量退職時代を迎えるが、一人でも多くの優秀な人物を採用するため、他の都道府県警察でも行っていることだとは思うが、学生時代に柔剣道等をやっていた者、外国語が堪能な者等に対する加点制度を設けることを検討中であるとのことであった。4点目は、安全・安心に関する情報の発信に関してである。いくつかの都道府県警察では、地元テレビ放送局等と連携し、安全・安心に関する情報を県民等に発信しているが、千葉県警察のある警察署では、ケーブルテレビを活用して、24時間、安全・安心に関する情報を発信して住民に歓迎されているとのことであった。5点目は、同じ千葉県内でも警察署によって管内の情勢が全く異なっていることに興味を持つと同時に、同じ県内の情勢の異なる警察署を比較することによって、治安対策上の様々な問題点を分析できるのではないかと感じたことである。例えば、ある警察署の管内は、住民のコミュニティが形成されて、住民が協力的であるため、比較的治安も良いが、隣接する別の警察署の管内は、外国人が多く居住し、また大きな施設があって県内外から多くの人が出入りするなどしているため、治安対策上、難しい面も少なくないとのことであった。最後は成田空港の視察に関してである。飛行機に危険物を持ち込ませないため、大量の受託手荷物を飛行機が離陸するまでの限られた時間に爆発物検知装置で何段階かに分けて検査しているが、映し出された画面を検査員は息を抜くことなく分析しており、その体制には感心した」旨の報告がなされた。
官房長から、「千葉県警察の警察官の給与に関してであるが、委員ご指摘のとおり、千葉県では、全国都道府県と比べても、行政職の適用を受けている職員を見た場合、上位級の人が比較的多いにもかかわらず、公安職の適用を受けている警察官で見た場合、行政職と比べて、上位級ポストが相対的に少なく、また下位級の職員が多い状況にある。このような問題は、千葉県警察に限ったものではなく、千葉県警察を含めた全国都道府県警察では、知事部局に対して上位級のポストを増やすように、また昇格の期間を短縮するように粘り強く要求しているところである」旨、説明があった。