定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成18年1月26日(木)

午前10時00分午前11時50分

第2 出席者 安崎、川口、大森、佐藤、吉田各委員

長官、次長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、国家公安委員会会務官

第3 議事の概要   

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「1月31日付けを始めとする地方警務官22名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)国家公安委員会委員長に対する異議申立てに関する情報公開・個人情報保護審査会への諮問について

国家公安委員会会務官から、「国家公安委員会委員長が行った行政文書不開示決定(不存在のため不開示)に対してなされた異議申立てについて、行政機関個人情報保護法第42条の規定に基づき、内閣府に設置されている情報公開・個人情報保護審査会に諮問を行うとともに、同法第43条の規定に基づき、異議申立人に対して諮問を行った旨を通知することとしたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「京都府警察の警視が、職務上知り合った女性と不適切な行状をした事案に関し、同府警察は、1月26日、同警視を減給処分にするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、地方警務官の警務部参事官を本部長注意の措置とする予定である」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護企画官から、1月24日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。    

(2)国会の状況について

官房長から、1月19日に行われた衆議院内閣委員会(閉会中審査)及び1月20日に開会した第164回国会の状況について報告がなされた。 

(3)平成17年における通信傍受に関する国会への報告について

刑事局長から、「通信傍受法第29条の規定に基づき、平成17年中の通信傍受の実施状況について国会に報告(法務省・厚生労働省・国土交通省との共同請議)することとしたい。なお、平成17年中は、警察において、組織的な薬物密売事犯4事件及びけん銃使用の組織的な殺人1事件の合計5事件に関し、携帯電話を対象とする10件の傍受令状の発付を得て傍受を実施し、その結果、合計18人を逮捕したところである」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「薬物取締り等に際し、通信傍受による犯罪の摘発が徐々に定着してきたとの報告があった。逆にもう少し本法を活用しての犯罪摘発が進まないものかとも思う。正々堂々たる法の運用が大前提だが、未だ現場では法の使い勝手が悪いとして、捜査手法としての通信傍受の活用が不必要なまで自己抑制されているということはないのか」旨、質問し、刑事局長から、「通信傍受法を積極的に適用していこうということで、相当数の都道府県警察が通信傍受法を適用した捜査に関わってきている状況にある。しかしながら、体制の問題もあるため、通信傍受に関わった捜査員による捜査支援を行うなどの工夫をして、通信傍受を定着させ、また小規模県での適用を支援していきたい。その他の問題として、通信事業者の立会い、機械的な知識等があるが、いずれにせよ、警察の捜査体制から重点的に改善していきたい」旨、長官から、「これまで通信傍受法の適用がなかった県でも、近年、適用するようになってきているが、一方で、未だ適用実績がない県もあることから、刑事局長が説明したように、様々な工夫をしていきたい。なお、薬物の売買は、携帯電話で取引がなされる関係で、通信傍受法が適用される場合が多く、今後も、薬物事犯への通信傍受法の適用を通じて、徐々に習熟していく県が出てくると思う」旨、説明があった。

(4)平成17年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締り状況について

交通局長から、平成17年中の交通死亡事故の特徴、死者数減少の理由、道路交通法違反の取締り状況等について報告がなされた。

安崎委員より、「交通事故死者数のみならず、昨年は事故の発生件数や負傷者数も減少したことは喜ばしい。国民の理解や協力があってのことだが、関係者の多大の努力に敬意を表したい。取締り強化とともに、時間や金がかかるかもしれないが『開かずの踏切の立体交差化』や『救命ヘリコプターの導入』等の対策を警察だけではできないだろうが、関係省庁と協力して進めていってもらいたい」旨、交通局長から、「委員ご指摘の形で進めていきたいと考えている。若干申し上げると、交通安全対策では、違反取締り、安全教育及び安全施設が大きな柱となっているが、安全施設については、踏切や一般道路での立体交差、バイパス等、道路管理者が建設する場合が多く、従来から協力しながら進めているところである。ドクターヘリについては、二つの課題があり、一つは、ドクターヘリの着陸場所という物理的な問題と、病院、消防、警察といった多数の関係者の間における連絡方法の問題であるが、これらについては、マニュアル等も策定され、徐々に進めているところである。二つ目の課題は、ドクターヘリの運用経費を誰が負担するかという大きな問題であって、未だ整理がついていない状況にある。とりあえず、厚生労働省からの補助金を受けて自治体も費用を負担しながら病院にお願いするという形で行っているが、本格的なネットワークを構築しようとする場合には、相当の費用が必要であり、その財源確保がポイントになっている」旨、説明があった。

川口委員より、「交通事故死者数が減少していることは喜ばしいが、高齢化社会を反映し、高齢運転者が増加していることが気になる。全体として見れば高齢者の運動能力は間違いなく低下していると思うが、大変元気で体力に自信を持っていらっしゃる方も多い。高齢者の多い県では、高齢運転者対策が大きな問題となっているとのことである。先ほどの説明では、高齢者が運転して高齢者自身が亡くなられた件数は増えているとのことであったが、高齢運転者が加害者となったケースはどれくらいあるのか。また、高齢者対策としてどのようなことがあるのか」旨、質問し、交通局長から、「まず、高齢者(65歳以上)の交通事故死者数について申し上げると、人口当たりでは若者と同様に減少しているが、高齢者の人口が増えてきている関係で、若者よりも減少率は低い。次に、免許保有者10万人当たりの死亡事故件数を見てみると、全体では7.75件であるが、若者(16歳~19歳)は免許保有者10万人当たりで23.26件、委員ご質問の高齢者については、65歳以上の高齢者の免許保有者10万人当たりで10.58件、さらに高齢者を細かく見ると、65歳~69歳では6.30件と低く、年齢が上がるにしたがい、死亡事故件数が若干増加するという状況である。次に、死亡事故件数を法令違反別から見ると、若者は、速度違反、はみ出し禁止違反等が原因となっているのに比べて、高齢者の場合は乱暴な運転による違反ではなく、漫然運転、安全不確認等の違反が原因となっている状況である。したがって、高齢者については、取締りをして交通事故が減るというものではなく、結局、一人一人が安全に注意してもらうということなので、安全教育に重点を置いているところである。また並行して、標識等を大型にする、信号機の色を鮮明にする等の道路環境対策も進めているところである」旨、説明があった。

川口委員より、「高齢者は、若者と違って、相当慎重に運転しており、交通事故に巻き込まれることはあっても、自ら事故を起こすことはないという気持ちでいると思う。しかし、実際には、相当数の高齢者が事故を起こしているので、交通事故の加害者となり、老後が悲惨なものとならないように、高齢者に対する交通安全教育を徹底してもらいたい」旨、発言があった。

大森委員より、「自動車乗車中の死者数を見ると、高齢者が4分の1以上を占めているとのことであるが、自動車乗車中というのは、運転者と同乗者のことを言っているのか、また運転者と同乗者の比率についての統計はないのか」旨、質問し、交通局長から、「運転者と同乗者のことを言っており、運転者と同乗者の比率は、配付資料を見ていただければと思う」旨、説明があった。

大森委員より、「高齢運転者の無謀運転の比率は少なく、反応が鈍いという点以外、交通事故を起こす要因はほとんどないと思うのに、なぜ、高齢者が4分の1も占めているのか」旨、質問し、交通局長から、「配付資料の表は、65歳以上の高齢者、10歳代、20歳代、30歳代等々の各年齢層で切っているが、各年齢層ごとの人口は異なっており、また各々走行距離が異なるので、ご指摘の理由は分からないのが実情である。ただ、固まりとして多い年齢層、増加している年齢層を把握して対策を講じていくという観点から、この表に意味があると考えている。なお、事故件数で見ると、若者層から青年層にかけて減少し、青年層から高齢者層になってくると、増加している状況にあることから、この点から言えば、高齢者層は事故を起こしやすい年齢層であると言える」旨、説明があった。

(5)平成17年中における暴走族の実態及び取締り結果について

交通局長から、暴走族構成員数、110番通報件数等が前年と比べ減少するとともに、共同危険行為等の禁止違反の検挙件数が過去最高となったことなど、平成17年中における暴走族の実態及び取締り結果について報告がなされた。

(6)オウム真理教に対する観察処分の期間の更新決定(第2回目)について

警備局長から、「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律第5条に基づき、公安審査委員会がオウム真理教に対する観察処分の期間更新を決定した」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「団体規制法には、現在のオウムのごとく観察処分が延々と長期に継続しても解散命令を出せるような条項は含まれていないのか」旨、質問し、警備局長から、「委員ご指摘の解散命令のような仕組みはない」旨、説明があった。

(7)皇太子殿下の「第61回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会」御臨場等(北海道)に伴う警衛警備について

警備局長から、「皇太子殿下は、1月27日から28日までの間、『第61回国民体育大会冬季大会スケート競技会・アイスホッケー競技会』御臨場等のため、北海道へ行啓になる。本行啓に関し、関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。

(8)我が国におけるインターネット治安情勢の分析について(平成17年度第3/四半期)

情報通信局長から、平成17年度第3/四半期におけるインターネットに接続されている全国警察施設に対するサイバー攻撃の監視結果及びその分析結果について報告がなされた。

佐藤委員より、「サイバー攻撃を起こす側の情況について報告を受けたが、それはそれとして、国、地方公共団体、公共輸送機関、電気、ガス、水道等の公共サービス機関への攻撃状況や、それに対する対策こそが治安を考える上で、最も重要なことだと思う」として、「これらの機関に対す攻撃状況はどのようになっているのか」旨質問し、情報通信局長から、「インターネット上における通信をすべてチェックすることはできないことから、警察施設に対する攻撃状況を観測し、インターネット上で行われている攻撃状況を推測しているところである。サイバーテロ対策の一環としては、通信事業者、重要インフラ事業者等を定期的に訪問し、外部ネットワークからの攻撃状況等について情報交換を行っているところである」旨、説明があった。

佐藤委員より、「国民全体の安全に関わるサイバーテロへの対策こそが大きな課題であり、この面で一体どのような危険があるのか、あるいはどのようなことが起こる可能性があるのかということを常に把握して、適切な対応をお願いしたい」旨、発言があった。

3 その他

(1)吉田委員から、神奈川県警の警察署員の私用パソコンから捜査資料がインターネット上に流出したという事案の報道内容に関し、「報道によると、警察署員の公務に使用している私用パソコンにファイル交換ソフト『ウィニー』が入っており、インターネットと接続した際にウイルスに感染し、同パソコンに保存していた捜査資料が流出したとのことであり、このことは由々しき事態であると思うが、この報道内容で本当に正しいのか、また、正しいとすればどのような対策を講じているのか」旨、質問し、刑事局長から、「そもそも、『ウィニー』というソフト自体に問題があり、私用パソコンであってもその使用を禁止しているところである。また、公務に使用する私用パソコンの取扱いに関しては、通達等を発出し、公務で使用する場合には、上司の許可を得て、公務所で使用することとし、自宅等に持ち帰る場合にも、上司の許可を得ることとしているほか、同パソコンをインターネットにつなぐことを制限しているところである」旨、情報通信局長から、「対策については、刑事局長の説明のとおりであり、『ウィニー』というソフトの機能等を申し上げると、『ウィニー』というプログラムの機能を使用すると、公開しても良いとしてあらかじめ指定しておいたデータは、他人と勝手にやりとりされることとなるが、『ウィニー』がウイルスに感染すると、指定したデータ以外のデータが流出していく場合が多い。したがって、いつウイルスに感染するか分からないので、必要がなければ、パソコンに『ウィニー』を入れるべきでないと指示しているところであるが、残念ながら徹底されていない」旨、説明があった。

吉田委員より、「『ウィニー』以外にも、危険なソフトはあるのか」旨、質問し、情報通信局長から、「どのソフトでもいたずらされる可能性があることからすれば、個別のソフトを取り上げて、これが危険であるということは非常に難しい。したがって、ファイアウォールやウイルスワクチンのような防護のための仕組みを活用するとともに、プログラムに少しでも問題があればすぐにその点を修復するということをしっかりやっていくことが重要であると考えている」旨、説明があった。

(2)吉田委員より、子供の安全に関し、「1月19日の衆議院内閣委員会でのやりとりを見たが、その内容は、警察の事件捜査の努力、地域ボランティア等との連携等が強調され、まさにそのとおりだと思う。しかしながら、平成13年6月に発生した大阪教育大学附属池田小学校での児童殺傷事件の時の例を挙げると、発生後、しばらくの間は学校への出入りを熱心にチェックしていたが、最近では事件発生前の状況に戻ってきているような気がしている。今回、広島県等で発生した児童殺害事件は、学校の出入口のみならず、通学路という長い距離を守るということで、高校生に小学生を守らせるなどのいろいろなアイデアを考えているが、『喉元過ぎれば熱さを忘れる』ということわざもあるので、子供を守るための新しいアイデアも必要であるが、むしろ、このようないろいろな施策が定着して持続する方法に力点を置いて検討していただきたい」旨、発言があった。

長官より、「委員ご指摘のとおり、何か問題が生じれば、その時はいろいろな対策を行うが、関係者には大きな負担がかかっているために、どうしても、『もう大丈夫だろう』ということで、対策を緩めてしまう場合が多い。その点を踏まえて、例えば、不審者情報を警察から教育機関に提供し、教育機関から保護者等の携帯電話に不審者情報のメールを送信するシステムの構築を進めているが、いずれにしても、『問題が生じた時だけ』という意識を変えていく必要があることから、難しい課題ではあるが、そのような意識を変える方法を考えていきたい」旨、説明があった。