定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成18年2月9日(木)

午前10時00分午後0時10分

第2 出席者 沓掛委員長、安崎、川口、大森、佐藤、吉田各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

情報公開・個人情報保護企画官

第3 議事の概要   

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「2月19日付けを始めとする地方警務官90名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等について

交通局長から、平成16年の道路交通法の一部改正による中型免許の新設等に伴う道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等について説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)警察庁長官に対する開示請求の措置について(情報公開法関係)

情報公開・個人情報保護企画官から、2月7日までの間に警察庁長官に対してなされた情報公開法関係の開示請求の状況及び当該請求に係る開示決定等の概要について報告がなされた。

(2)国会の状況について

官房長から、2月2日に行われた衆議院予算委員会等の状況について報告がなされた。

(3)未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議の提言について

官房長から、2月2日にまとめられた「未決拘禁者の処遇等に関する有識者会議」からの提言の内容について報告がなされた。

(4)平成17年度第3四半期監察の実施状況について

官房長から、警察庁等が都府県警察等に対して行った平成17年度第3四半期における監察の実施状況について報告がなされた。

(5)平成18年度監察実施計画について

官房長から、交通取締り・事故事件捜査における業務管理状況及び殉職・受傷事故防止対策の推進状況、少年事件の捜査管理状況等を監察の実施項目とする平成18年度における警察庁の監察実施計画について報告がなされた。

(6)第14回全国小学生作文コンクール「わたしのまちのおまわりさん」の審査結果等について

生活安全局長から、「平成4年から実施している全国小学生作文コンクール『わたしのまちのおまわりさん』は、今年で14回目となり、2月18日、読売新聞東京本社で内閣総理大臣賞等の受賞者16人が出席し、表彰される」旨の報告がなされた。

(7)平成17年中における人身取引事犯の現状について

生活安全局長から、「平成17年中における人身取引事犯の検挙件数は81件、検挙人員は83人で、その内訳は経営者等が57人、ブローカーが26人である。また、確認できた被害者は9か国117人で、国籍等別では、インドネシア44人、フィリピン40人、タイ21人等であり、被害者のほとんどは、ホステスとして働かされ、高額の借金を負わされたり、旅券を取り上げられるなどして売春等の性的役務を強要されるなどの取扱いを受けていた」旨の報告がなされた。

川口委員より、「人身取引事犯の検挙が増加し、また多くの被害者が保護されたとのことであるが、このことの意味をどう評価したら良いのか分からない。2005年のアメリカ国務省の人身取引報告書には、日本政府が一生懸命取り組んでいることは評価する旨記載されているが、同報告書の最後には、日本政府は人身取引に対する需要を減らすための著しい努力をしていないとも記載されている。この点は日本という国の品格に関わる大きな問題である。検挙された被疑者の国籍等を含め、この問題の潜在的な構造はどのようになっているのか」旨、質問し、生活安全局長から、「被疑者の国籍については、被疑者83名のうち、50人が日本人、12人がタイ人、8人がフィリピン人で、日本人の多くは、女性を雇用している者であり、外国人の多くはいわゆるブローカーと言われる者である。日本に女性を連れてくる方法であるが、現地ブローカーは外国で女性に対し、『性的な役務を提供することになる』とは言わず、『日本に行けば仕事はいくらでもあって結構儲かる』と言って誘う場合が多く、連れて来られた女性は、渡航費用等と称して500万円くらいの借金を背負わされ、そのほとんどはホステスとして働かされる。そして騙されたと気付いても、日本から逃げる方法が分からないので、しばらくの間、我慢して働くが、耐えられなくなって大使館等へ駆け込むといったケースが多いようである。需要があるという点が問題であるが、警察としては、先般、風俗営業適正化法を改正し、5月1日の施行であるが、性風俗関係業者が外国人を雇用する際には、国籍、在留資格等を確認する義務を課して、同義務に違反すると罰金を科すこととし、女性を使う側に新たな規制をかけることで、現在の状況を改善していきたいと考えている」旨、説明があった。

川口委員より、「警察が、NGO、外務省、各国大使館等と連携して、人身取引の被害者を保護することも重要であるが、『日本に行けば稼げる』と聞いて来日した結果の実態について、各国大使館等と連携して外国の女性に知らせる工夫をする必要がある」旨、発言し、生活安全局長から、「人身取引事犯の捜査の場合、担当者が、仕出し国まで出張し、捜査機関を含めていろいろな機関と協議しているが、今、聞いているのは、インドネシアでは簡単に騙されて連れて来られる女性が多いということである。インドネシア大使館もこの実情を把握しており、本国にもその旨連絡しているようである。現在、大使館、NGO等の方々と情報交換をしているところであるが、委員ご指摘の点は、重要な点であるので、外務省も関わる話であると思うが、どういう方法があるのか考えていきたいと思う」旨、説明があった。

(8)平成17年中における生活経済事犯の検挙状況について

生活安全局長から、「平成17年中における生活経済事犯の検挙状況を見ると、ヤミ金融事犯は、やや減少傾向を示しているものの、特定商取引等事犯、廃棄物事犯、知的財産権侵害事犯は、前年に比べ増加し、特に、問題となった住宅リフォーム工事に係る点検商法の検挙は、大幅に増加した」旨の報告がなされた。

(9)インターネット上の自殺予告事案への対応状況について

生活安全局長から、「昨年10月~12月の間、インターネット上の掲示板や電子メールを使った自殺の予告や呼びかけに対し、都道府県警察がプロバイダ等から発信者情報の開示を受けて対応した事案の件数及び人数は、12件14人である」旨の報告がなされた。

10)フィッシング等で入手したID・パスワードを使用した不正アクセス禁止法違反事件の検挙について

生活安全局長から、「警視庁は、フィッシングサイトを開設して入手した他人のログインID・パスワードを使用し、インターネット・オークション詐欺を行った被疑者、及びスパイウエアを使用して他人の銀行の口座番号、暗証番号等を入手し、不正送金をした被疑者をそれぞれ不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反等で検挙した」旨の報告がなされた。

安崎委員より、「不正アクセス事案は、犯罪収益も多く、相当重罪な感じがする。警察のサイバーパトロールでチェックするしかないとは思うが、不正にアクセスされている側が防御する手段はないのかということと、重罪だということに関連してであるが、犯罪の態様からして、刑が軽いということはないのか」旨、質問し、生活安全局長から、「この種事件の検挙は初めてであり、今後同様の犯罪が急速に広まる可能性があるか否かについて関心を持って調べているが、フィッシングしてインターネット・オークションで物を騙し取るという事案は、儲けもそれほどではないので、急速に広まることはないと感じている。しかし、スパイウェアを使用した事案は、被疑者自体、パソコン会社に勤めていたパソコンの専門家ではあるが、この程度の知識を持った人はこれからまた現れるのではないかと懸念を持っており、警戒が必要ではないかと考えている。既に銀行、関係省庁にも犯行の状況を説明し、対応についても協議しているが、先ほど申し上げたとおり、インターネットバンキングに使用するコンピューターとそれ以外の取引で使うコンピューターを分けておくことを徹底しておれば、ID・パスワードを盗まれても財産犯は防げると考えている。罰則は、詐欺と不正アクセス禁止法違反で、余罪にも左右されるが、最初の事案は、初犯であれば執行猶予も考えられ、2番目の事案は実刑の可能性があるのではないかと思っている」旨、説明があった。

11)平成17年中における暴力団情勢について

刑事局長から、暴力団構成員等の状況、暴力団犯罪の検挙状況等、平成17年中における暴力団情勢について報告がなされた。

佐藤委員より、「前年に比べて暴力団構成員等が700人減っているが、前年の8万7,000人から700人減ったという状況は、警察でも感じていると思われるが、我々にとっても満足すべき数字ではない」と述べ、「資金面での対策、暴力団排除のための措置等いろいろな対策を講じておられることは承知しているが、暴力団対策にはどういうところに難しさがあって、あるいはそれを踏まえて、これからどのような対策を講じようとしているのか」旨質問し、刑事局長から、「なぜ暴力団がなくならないのかということはかねてから議論されているところである。資金獲得活動の面で見ると、覚せい剤の密売、売春等の伝統的な資金獲得活動に止まらず、多種多様な資金獲得活動を行っているほか、暴力団関係企業を設立するなどして、経済取引に関与し、暴力団の影響力を行使しながら巧妙に資金獲得を図っているところである。このような暴力団をどのように減らしていくかということであるが、ここはまさに暴力団犯罪の取締り、暴力団対策法の活用、暴力団排除活動の推進をしっかり連動させていくということに尽きるが、最近、危惧しているのは、対立抗争事件が減少して表面上おとなしくなっているが、逆に言えば、以前、暴力団が多くの金を手にしたであろう金融不良債権関連事犯における暴力団の競売妨害等と同じように、近時、証券取引に介入する動きも窺える状況にあることから、経済取引にも幅広く目を向けながら、端緒を得て、先ほど申し上げた暴力団犯罪の取締り等を連動させながら諸対策を推進していく必要があると思う」旨、説明があった。

佐藤委員より、「社会の中に、暴力団が存在しても仕方がないというような雰囲気が定着していくことが一番怖いので、一層の御努力をお願いしたい」旨、発言があった。

12)駐車規制の見直し実施状況について

交通局長から、平成16年1月から平成17年末までの間における計画的かつ集中的な駐車規制の見直し実施状況、新たな駐車対策法制の施行に向けた今後の取組み等について報告がなされた。

大森委員より、「駐車対策法制の改革に先立って、現実の規制を見直すということは非常に結構なことであり、ある程度の成果も挙げておられると思う。しかし、問題は、駐車対策法制を見直すことにより、人的余裕が生まれるが、これをどのように有効に活用していくのかということであり、官房とも関係する内容だとは思うが、合理的、効率的に活用・配分していくことを心掛ける必要があるので、その点を念頭に置いて、この施策を進めていただきたい。駐車対策法制の見直しにより生じた人的余裕は、すべて他の分野に振り向けるのではなく、交通規制自体もまだ足りない部分も多々あり、また交通の安全・円滑のためにも人を振り向けることも必要だと思うので、広い視野に立って、合理的・効率的な配分はいかにあるべきかということを、今から考えていただきたい」旨、発言があった。

安崎委員より、「以前から関心を持っていた駐車規制の解除、緩和、強化の三視点からの見直しに関し、大変御苦労だったと思うが、大々的に調査を行っていただいたことを評価したい。6月1日から施行される駐車対策法制は、相当思い切った転換であり、駐車監視員の仕事ぶりは大変注目されるものであるので、警察としては、混乱なく円滑に導入し、また運用するよう努力すべきである。そのためには、導入後1年くらいの間に、法の改正の趣旨に沿った形で運用されるように、第一線の運用状況についての監察や適切な取締り等がなされるための教養の実施に配慮する必要がある。また、本日のラジオ放送で、駐車対策法制の改正に関し好意的に取り上げていたが、『監視員になるためにはどこへ行けば良いのか』という視聴者から問い合わせに対し、『最寄りの警察署の交通課に聞いてください』という返事であった。警察官OB以外にも関心を持っておられる方もかなりおられ、また、警察官OBのための監視員であるという誤解もあろうから、署の交通課への問い合わせに対しては、懇切丁寧に対応するとともに、監視員の応募方法等は大いにPRしていただきたいと思う」旨、発言し、交通局長から、「大森委員、安崎委員のご指摘を踏まえ、対策をさらに進めていきたいと思う。監視員になりたい方、業務の委託を受けたい方の両方から問い合わせが来ているので、各県とも、警察署も含めて、対外向けの説明用資料を作って統一的に対応しているところである。監視員の場合には、研修が必要であるが、各県とも研修時期が異なっており、その計画は本部から配付された資料を基に警察署で説明を受けることになると思う。それから、円滑な導入に関してであるが、いろいろな不具合も出る可能性があるので、十分に注意していきたいと思っており、また、人員の再配分についても、人員の見直し要素は駐車関係だけではないので、各県の警務部において、県警の抱える課題について人をどのように振り分けるかということを毎年検討しているものと承知しており、長官官房からも、その旨指導しているところである」旨、説明があった。

3 その他

(1)警備局長から、トリノ冬季五輪をめぐるテロ情勢について報告がなされた。

(2)吉田委員より、衆議院予算委員会で論議になった証券会社副社長の死因を警察が犯罪に起因しないと判断したことに関連して、「自殺と判断すると、残された家族等が『自殺とは思えない』と言ってくるケースがあると思う。もちろん明々白々とした遺書や先ほど報告のあったインターネット上での自殺予告があったような場合には、早々と断定して誤りはないと思うが、断定が早すぎるのではないかと思うケースもあるので、断定する基準はどのようになっているのかについて教えていただきたい。また、過去に、自殺と断定した後に他殺であることが判明したケースもあったように思うので、その件数を把握しておれば、教えていただきたい」旨、質問し、刑事局長から、「自殺は、交通事故絡み、海等への飛び込み、ビル等からの飛び降り等々いろいろケースがあるが、その認定は、ケースバイケースであり、まさにその時々の状況から判断している。委員のご指摘にある家族が納得しないような場合には、死体の状況、外傷等を見て、解剖するケースが多いと思う。それから、国会でも申し上げたことであるが、法医学者は死体だけでは犯罪に起因するものかどうか分からないというのが、学会の基本的な考え方である。例えば、刃物が刺さっている時に、自分で刺せば自殺であるし、他人が刺せば他殺であるが、死体を見ても分からないので、周辺の捜査を行い、関係者の供述、動機・原因等全般を見て判断しており、客観的に自殺の可否がはっきり出るようなものではない。しかし、自殺か他殺か判明しないような時には、基本的には他殺を前提として捜査を行っているところである。次に、非犯罪死と判断した後に他殺であることが判明した件数であるが、残念ながら年に1,2件あり、例えば、水死で外傷がない場合、川に落ちれば事故死で、突き落とされたら殺人であるが、結果的にその判断を誤ったり、また薬物で殺されたような場合に、検視で細かい検査をせず、後に毒殺であることが分かったというような事例がある。いずれにしても、判断を誤ると捜査自体が出遅れることになるので、少しでも懸念があれば、解剖ないし採血をしたりするよう指導している。また、10年以上捜査経験のある警視ないし警部を対象に3か月間の法医専門課程を受講させ、監察医務院の解剖に立ち会わせるなどの教養を行っており、現在、これらの刑事調査官を全国に137名配置している。これらの者は、各県必ず複数配置になっており、一線署からの問い合わせに対して、現場に行って死体を見分するなどの業務に従事しているところである」旨、説明があった。