定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成18年3月16日(木)

午前10時00分午前11時35分

第2 出席者 川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、刑事企画課長、生活環境課長

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月23日付けを始めとする地方警務官94名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)警察庁組織令の一部を改正する政令案等について

官房長から、捜査第一課の所掌事務の変更を内容とする警察庁組織令の一部を改正する政令案、組織の新設等を内容とする警察法施行規則の一部を改正する内閣府令案等について説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)警察法施行令の一部を改正する政令案等について

官房長から、地方警務官の定員及び地方警察官の定員の基準の改正を内容とする警察法施行令の一部を改正する政令案、新規増員、定員合理化等に伴う警察庁の定員に関する規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(4)警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律施行令の一部を改正する政令案について

官房長から、最近における社会経済情勢にかんがみ、警察官の職務に協力援助した者に対する災害給付に係る給付基礎額及び介護給付の金額を改定する警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律施行令の一部を改正する政令案について説明がなされ、原案どおり決定した。

(5)犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律施行令の一部を改正する政令案について

官房長から、昨年12月に閣議決定された「犯罪被害者等基本計画」において警察庁に求められている「犯罪被害給付制度における重傷病給付金の支給範囲等の拡大」を実現するため、重傷病給付金の支給対象要件の緩和、支給対象期間の拡大等に関する規定を整備する犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律施行令の一部を改正する政令案について説明がなされ、原案どおり決定した。      

(6)警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則について

刑事局長から、銀行法の改正により、現行の銀行法第61条に規定する銀行業の無免許営業罪が、改正後の銀行法第61条第1号に規定されることに伴い、警備業の要件に関する規則その他の国家公安委員会規則に定める「暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為」等の規定の整備を行う警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則について説明がなされ、原案どおり決定した。

(7)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、3月9日に行われた参議院予算委員会等の状況について報告がなされた。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「北海道警察における会計経理をめぐる事案に関し、他機関に出向していた元北海道警察本部交通部交通管制課長が、警察庁に復職したことから、3月13日付けで、長官訓戒の措置とした」旨の報告がなされた。

(3)高齢者虐待防止法の施行を踏まえた高齢者虐待事案に対する対応について

生活環境課長から、「本年4月1日から『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』が施行されることを踏まえて、警察においては、高齢者虐待事案の発見時における市町村への通報、市町村からの援助依頼への対応等高齢者虐待事案への適切な対応を推進することとしている」旨の報告がなされた。

(4)DNA型データベースの6か月間の運用状況等について

刑事局長から、DNA型記録検索システムの運用開始後6か月間が経過したことから、DNA型データベースの活用により、191人(245事件)の被疑者が確認されたこと等、その運用状況及び効果的事例について報告がなされた。

大森委員より、「検挙率の向上という点からも評価できる報告であった。なお、被疑者DNA型記録を作成する場合には、どのような方法で被疑者の身体から血液等の資料を採取するのか」旨、質問し、刑事企画課長から、「基本的には、任意で採取する場合と強制で採取する場合の二通りであるが、DNA型鑑定が必要であると思われる被疑者が身体からの資料の採取に応じれば、任意で被疑者の口腔内から粘膜を採取することになるが、被疑者が拒否した場合には、令状の発付を受けて被疑者の身体から血液を採取し、分析を行うことになる」旨、説明があった。

大森委員より、「現在、刑事訴訟法に基づき、逮捕被疑者の指紋を採取し、また被疑者写真を撮影しているが、逮捕被疑者に関してDNA型記録を作成するための資料採取が指紋や写真と同等の問題として、刑事訴訟法改正につなげることができるかについては、慎重な検討を要する」旨、発言し、長官から、「科学捜査研究所に対するDNA型鑑定の嘱託件数が徐々に増加し、体制的に厳しくなっている。刑事訴訟法を改正して、全ての逮捕被疑者に関してDNA型記録を作成するにはそれなりの体制が必要であるため、今すぐ刑事訴訟法を改正するという状況ではないと考えている」旨、説明があった。

(5)平成17年中の30日以内交通事故死者数の状況について

交通局長から、平成17年中の30日以内交通事故死者(交通事故発生から30日以内に死亡した者)は7,931人で、統計開始(平成5年)以来、初めて7千人台となったこと、前年同様、24時間交通事故死者(交通事故発生から24時間以内に死亡した者)の1.15倍の比率であったこと等について報告がなされた。

(6)情報技術解析平成17年報について

情報通信局長から、平成17年中のインターネットをめぐる治安情勢について、技術的な視点から分析した情報技術解析平成17年報について報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、愛媛県警察において問題があると認められた捜査費及び捜査報償費約436万円の返還に関し、「愛媛県警察では、問題の主たる要因は、幹部による捜査員等に対する指導・教養、事後点検が行き届かず、運用管理が徹底されていなかった状況にあることを踏まえ、個々職員の負担額等について、本部や執行所属の各級幹部が問題の認められた執行の件数に応じて負担する等の方針を決定した」旨の報告がなされた。

(2)官房長から、インドネシア警察官の日本研修体験記が、昨年12月にインドネシアにおいて発刊されたことに関し、「日本での研修を終えたインドネシア警察官が、日本研修体験記を作成した。これをJICA専門家としてインドネシアに派遣中のプログラムマネージャー兼インドネシア国家警察長官アドバイザーが仮訳したものがこの度送付された」旨の報告がなされた。

川口委員より、「これまで、インドネシア国家警察に対する国際協力が制度的に発達してきたのを見てきたので、体験記が発刊されたことをうれしく思う。『警察官は外の人から見られており、日本の警察官は歴史的に外国からも評価されている』ということを伝える資料として非常に役立つので、多くの警察官が日本の警察官は高く評価されていることを自覚して使命感を持ってもらうためにも、要約版の作成や全体の翻訳を行うなどして、都道府県警察に幅広く紹介するとともに、併せて日本国民に日本の警察官が高い評価を受けていることを紹介する意味で市販の検討もお願いしたい」旨、発言し、長官から、「この体験記は部内資料ではないかと思うが、著作権等の問題もあるので、この体験記がどのようなものであるかを調べた上で対応することとしたい」旨、官房長から、「委員ご指摘のとおり非常に参考となる資料であり、とりあえず要約版等を部内資料として配付したいと思う」旨、説明があった。

(3)警備局長から、サミット、国際通貨基金(IMF)世界貿易機関(WTO)等の国際会議の場で、反グローバリズムを掲げた数万規模の反対集会やデモが見られ、中には商店を破壊したり、警察官を襲うなど、違法事案も発生しているといった最近の反グローバリズム運動の世界的な潮流を踏まえ、その特徴と我が国における動向及び欧米で過激なグループとして警戒されている環境テロ、過激な環境保護団体について報告がなされた。

葛西委員より、「反グローバリズムの勢力は拡大しつつあるのか、それともほぼ決まったメンバーが行っているのか」旨、質問し、警備局長から「大きな団体が参加し、時として10万人、20万人規模になる場合もあるが、核になっているものはそれほど多くないのではないか。反グローバリズム運動には国境がない状況であることから、違法行為を敢行するような反グローバリズム運動が日本では起こらないという保証はない」旨、説明があった。

川口委員より、「例えば、国連が提案している『人間の安全保障』に対応するような形で、『世界社会フォーラム』が各地で開催されている。これは、グローバルに展開する反グローバリズム(反・新自由主義)運動だが、世界にある格差に抗議し改善するというプラスの面もあることに注意しなければならないのではないか」旨、質問し、警備局長から、「広く言えば、反グローバリズム運動かもしれないが、ご指摘のフォーラムは合法的なものであって、むしろ問題は、いわゆる反グローバリズム運動を行う者の中に、公共の安全と秩序を侵害する団体があるということである」旨、説明があった。

川口委員より、「ヨーロッパで最初に市民運動が出現した時、日本では、市民の力は強いと大変評価されるが、日本にその市民運動が入って来ると、本当に評価すべき運動もあるにもかかわらず、過激な団体が核になっている部分が強調されるというのは残念な気がする」旨、発言し、警備局長から、「警察としては、公共の安全と秩序を侵害しない限り、市民運動に介入することはあり得ないことであり、また反グローバリズム運動そのものについても、委員ご指摘のとおり、広範な一つの世界の潮流であり、すべての団体が違法行為を行うわけではない。そこで、警察として注意しなければならないのは、過激な団体が入り込んで、そこで扇動し、違法行為を敢行する運動になることである」旨、説明があった。