定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成18年3月2日(木)

午前10時00分午前11時35分

第2 出席者 川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長

首席監察官、情報通信企画課長

第3 議事の概要 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、「3月14日付けを始めとする地方警務官178名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。

(2)遺失物法案について

生活安全局長から、最近における遺失物の取扱いの状況にかんがみ、拾得された物件の返還及び売却のための手続、施設において拾得された物件に係る手続の特例、拾得者等への所有権の帰属に関する規定等を整備するなどした遺失物法案についての説明がなされ、原案どおり決定した。

(3)銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について

生活安全局長から、最近における準空気銃を使用した犯罪の実情等にかんがみ、準空気銃の所持の禁止等所要の規定を整備した銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について説明がなされ、原案どおり決定した。

佐藤委員より、「第21条の3で準空気銃の所持の禁止が徹底されて非常に結構なことだと思うが、同条第4号で準空気銃の輸出業者が輸出のために所持する場合を適用除外として例外的に取り扱っている。この法案に反対しているわけではないが、この点に関し一つの考え方として2点ほど申し上げたい。一つは、国内では準空気銃は危険だからなるべく私人の所持を限定的にしようとしているのに、外国なら私人が所持しても良いという考えで輸出を許すのかという点である。確かに制度上外国における準空気銃の所持は各国が自由に判断することだから輸出しても良いということかもしれないが、準空気銃等の危険性に対する判断としては、少し一貫性に欠けているのではないかと思う。二つ目は、同条各号で規定している適用除外のうち、第4号以外は、公的な立場にある者が所持する場合で、これらの者は準空気銃をきちんと管理していくことが期待されているわけであるが、輸出業者の場合は、管理が甘くなって市民に流出してしまう可能性も否定できないので、是非管理を徹底するようにしていただきたい」旨、発言し、生活安全局長から、「日本の輸出業者は1社だけで、アメリカに輸出している。アメリカでは銃の所持が認められていることもあり、銃を撃つ練習のために準空気銃が使用されており、このような意味では、アメリカでは有用性があるということだろうと思う。一方、日本国内で有用性があると認められるのは、例えば暴走族の取締り等でカラーボールを準空気銃で撃つような場合であり、ほとんど私人には有用性はなく、私人の所持を全面的に禁止しているものである。国際的なスタンダードから見ると日本がこのような危険物を輸出するのは問題ではないかという議論については、むしろ外国為替及び外国貿易法の世界での議論ではないかと思う。現に輸出されている準空気銃の威力はかなり弱く、ある意味では、国際的な評価はおもちゃであるが、我が国では従来から銃に対して厳しい規制がなされていることから、あくまでも我が国における基準として準空気銃を規制しようとするものである」旨、説明があった。

佐藤委員より、「日本は、銃砲等の管理に関しては先進的なところがあって、そのような考え方の延長線上として、今回準空気銃を規制しようとしているものと理解している。その場合、日本国内における規制は当然であるが、アメリカ国内では所持が認められているので輸出は構わないというのではなく、外国への輸出に対しても同様に規制していくところに先進性があると思う。いずれにせよ、本法案には反対しないので、日本国内には、輸出用として製造し所持している業者において管理をきちんとしていただく必要があると思う」旨、発言があった。

葛西委員より、「銃に対する規制が厳しいのは日本の伝統であり、日本国内における規制を厳しくすることは良いことだと思う。ただ、日本からは散弾銃等も製造・輸出されている。専ら人間の殺傷を目的としたけん銃等は別として、狩猟を目的とした猟銃や空気銃の輸出にまで神経を尖らせることは違和感を覚えるところであり、日本から輸出することに問題はないと思う」旨、発言し、生活安全局長から、「猟銃や空気銃については有用性のあるものとして、日本国内での所持が許可されている場合があるほか、経済産業大臣の許可を受けて外国へ輸出されているところである。なお、国際的なスタンダードの問題に係る議論はいろいろあるかとは思うが、一応、国内法令として、徹底的に厳しく管理していきたい」旨、説明があった。

(4)感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案について

警備局長から、生物テロに使用されるおそれのある病原体及び毒素の管理体制等の所要の規定を整備した感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律案についての説明がなされ、原案どおり決定した。

川口委員より、「改正案では、一種病原体等を特に取り上げて発散罪が規定され、その他の病原体等に係る発散については、既に生物兵器規制法によって規制されているというように聞いたが、中でも人の生命等に危害を生ずるおそれの最も高い一種病原体等の発散を今回の改正によって初めて規制しようとするのはどうしてか」旨、質問し、警備局長から、「改正案において一種病原体等に分類される病原体等の発散は、その他の病原体等の発散と同様、生物兵器規制法により規制されていたが、改正案において一種病原体等に分類された病原体等は、人の生命等に危害を生ずるおそれが特に高いということで、同病原体等だけを抜き出し、その発散罪の量刑を無期若しくは二年以上の懲役又は千万円以下の罰金と重くしているところである」旨、説明があった。     

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、2月24日に行われた衆議院内閣委員会等の状況について報告がなされた。

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「埼玉県警察の事務吏員が、公金を横領した事案に関し、同県警察は、3月3日、同事務吏員を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として、上司2名を戒告等とする予定である」旨、「石川県警察の巡査が、平成16年7月、他人の運転免許証のコピーを使って携帯電話を購入した上、平成17年11月及び18年1月の2回にわたり、女性に対し、同電話番号に連絡することを強要する内容の手紙を投函したとして、2月8日、通常逮捕された事案に関し、同県警察は、2月28日、同巡査を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として上司ら4名を本部長訓戒等とした」旨及び「鹿児島県警察の事務吏員が、運転免許証を偽造したとして、2月9日、通常逮捕された事案に関し、同県警察は、3月2日、同事務吏員を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として上司ら4名を本部長注意等とする予定である」旨の報告がなされた。

(3)「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令改正試案」等に対する意見の募集について

生活安全局長から、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令及び風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則の改正を行う必要があることから、平成18年3月3日から来月1日までの間、その改正試案を一般に公表し、広く意見を募集することとした」旨の報告がなされた。

(4)指定暴力団工藤會に対する集中取締り状況について

刑事局長から、「福岡県警察は、平成15年8月に発生した工藤會組員による北九州市内の飲食店に対する爆発物投てき事件等を受け、取締りの強化を図ってきたところであるが、本年4月1日付けで、新たに北九州市警察部長を『北九州地区暴力団総合対策』(仮称)の現地本部長とするなど、大幅に体制を強化し、一層強力かつ総合的な工藤會対策を図っていくこととした。工藤會対策を行うに当たっては、生安部門とも連携を図りながら、違法な行為を徹底して検挙していきたい。なお、捜査員が増えても、これまでと同じような取締りでは、市民、関係機関等の協力を得にくいことから、さらに徹底した取締りをするように指導していきたいと思う」旨の報告がなされた。

生活安全局長から、「これまでも相当厳しい取締りをやってきたが、やはり、数で市民に決意を示して市民を味方に付ける、また相手を数で圧倒することが大事であると考え、今回の総合対策は、刑事部と生活安全部が共同して約770名体制となったところである。北九州市内の繁華街は現在繁華街対策を進めている全国19地区のうちの一つであり、福岡県警の生活安全部でもかなりの人員を割いて従来以上に懸命に取り組むとのことであったので、生活安全局としても十分に指導していきたい」旨、説明があった。  

(5)プロ野球球場からの暴力団排除について

刑事局長から、「警視庁では、政治資金規正法違反(届出前の寄附又は支出の禁止)事件で、政治団体代表(プロ野球私設応援団懇親会会長)ら2名を逮捕したが、今回の事件によっても、暴力団等がプロ野球球場に進出し、資金獲得活動を敢行している実態が改めて裏付けられた。警察においては、引き続き、プロ野球球場における警戒の実施及び違法行為の取締りを推進するとともに、今シーズンから施行される試合観戦契約約款の円滑な運用などプロ野球暴力団等排除対策協議会が推進する暴力団排除活動を支援する」旨の報告がなされた。     

(6)新交通管理システム(UTMS)懇談会の開催について

交通局長から、「安全運転支援システム(DSSS)の実現を始めとする新交通管理システム(UTMS)の更なる普及促進に向け、光ビーコンの特性や新たに必要とされる技術を勘案しつつ、部外有識者の方々に今後のUTMSのあり方について議論、検討いただくため、懇談会を設置し、第1回を3月8日に開催することとした」旨の報告がなされた。 

(7)出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案について

警備局長から、「テロの未然防止に関する行動計画」を踏まえた出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の概要について報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、2月22日に行われた高知県警察における県費捜査費の予算執行に係る特別監査の結果報告に関し、同県公安委員会の同県警察本部長に対する捜査費執行に関する調査の指示、同県警察予算執行調査班の編成及び同県公安委員会の同県監査委員に対する予算執行調査に伴う協力依頼の内容等について報告がなされた。

(2)官房長から、2月27日に言い渡された宮城県警察に係る出張旅費返還訴訟の控訴審判決の判決内容について報告がなされた。

(3)警備局長から、「天皇皇后両陛下は、3月7日、島民帰島後の現状を御視察のため三宅島へ行幸啓になる。本行幸啓に関し、警視庁では警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。

(4)吉田委員より、官公庁における内部情報の流出に関し、「国会における偽造メール問題の陰に隠れてしまったが、各省庁における内部情報の流出に関してかなり報道されている。海上自衛隊の内部情報がウイニーのウイルス感染により、また防衛施設庁の談合関係では人為的な理由によって流出している。これらはメール問題よりもはるかに大きな問題であると思う。先日、ウイニーに関して説明を受けたが、警察ではウイニーを使用しないように強く指導しているとのことであり、結構なことだとは思うが、情報の機密性という点から見ても、警察関係からの情報の流出は、防衛庁と並んで大きな問題になるので、再度、情報が流出しないように警察全体の気を引き締めてもらいたい」旨、発言し、情報通信企画課長から、「ご指摘のとおり、警察からの情報の流出は大きな問題となるので、公私ともにウイニーを使用しないように既に指導しているが、流出した事案を見ると、若い警察職員が警察職員になる以前から使用していたパソコンを引き続き安易に使用しているとか、年配の警察職員の場合は、自分はウイニーをインストールしていないが、家族が知らぬ間にインストールしていたという場合がある。そこで、指導しているだけでは不十分であると考え、緊急点検として、職員に対し、自分の使用しているパソコンにウイニーを入れたかどうかではなく、ウイニーがあるのかないのかを検索して、点検し、入れてあった場合には、すぐに削除するとともに流出した痕跡がないかどうかを確認することとしている。もちろん、その前提として、業務上のデータを自宅等に持ち帰らないことを徹底させたい。持ち帰った場合にはインターネットに接続していないパソコンを使用さえすれば良いのではないかとの考えもあるが、そのパソコンが何らかの事情により感染している場合、持ち帰ったデータが感染し、さらにそのデータを通じて職場のパソコンがウイルスに感染するということもあるので、業務上のデータを持ち帰らないことが基本である。なお、やむを得ず業務上のデータを持ち帰るということもあるので、若干時間を要すると思うが、その場合には暗号ソフトを使用して仮に流出しても内容が分からないようにするということも並行して取り組んで行きたい」旨、説明があった。

佐藤委員より、「駐在所のように家庭と職場が混在しているようなところの管理は、どのようになっているのか。また、警察職員の家族等への教養も必要ではないか」旨、質問し、情報通信企画課長から、「駐在所以外の勤務員と同様、駐在所でも公務において私物パソコンを使用しないこととし、使用する場合には許可制として厳重に管理している。その他、例えば警察署と駐在所をつなぐ場合には専用回線を使うなど、いろいろな段階でそれぞれの工夫をしている。家族等への教養であるが、先ほど説明したとおり、家族がウイニーをインストールしている場合があるので、委員ご指摘のとおり、職員の家族に対しても、ウイニーは危険であるということを認識させていかなければならないと考えている」旨、説明があった。