定例委員会の開催状況

第1 日 時 平成18年3月30日(木)

午前10時00分午前11時35分

第2 出席者 沓掛委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員

長官、次長、官房長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長

首席監察官、生活安全企画課長、国家公安委員会会務官

第3 議事の概要

1 議題事項

(1)国家公安委員会・警察庁外部通報処理要綱(案)及び警察庁内部通報処理要綱(案)の作成等について

官房長から、公益通報者保護法の4月1日からの施行に伴う国家公安委員会・警察庁外部通報処理要綱(案)等について説明がなされ、原案どおり決定するとともに、警察庁内部通報処理要綱等について報告がなされた。

大森委員より、「従前の意識からすれば、この種の通報は『密告』等と表現されるなど、いわばマイナスの評価を伴う面があったと思うが、公益通報者保護法の施行を機会に、公益通報を適正に対応・処理することは、組織の自浄作用の発揮に役立つ、つまり、組織に対する信頼失墜を防止し、あるいはそれを最小限度に止める、例えて言えば、『山火事になるのを防ぎ、ぼやで止めるために非常に有効である』という意識改革が必要である。5月1日に施行される新会社法において会社の業務を適正に執行する体制を確保することが義務付けられている関係で、民間企業では、コンプライアンス体制の確立に真剣に取り組んでいるが、大きな課題の一つは、外部窓口の設置である。国の場合、外部窓口の設置は予算措置を伴うものであるから、今回の『国の行政機関の通報処理ガイドライン(内部の職員等からの通報)』では、『外部に弁護士等を配置した窓口を設けるよう努める』とされ、外部窓口の設置は義務付けされていない。しかし、外部窓口の設置は、重視するに値する事柄であることから、『努める』ことを理由にして当面は他省庁の動向を窺うというのではなく、外部窓口の設置は、最終的には組織の信頼失墜の未然防止につながるということを十分に理解しておくことが必要であるということを申し上げておきたい」旨、発言し、官房長から、「委員ご指摘の点は重々承知しており、直ちに実現できるかどうかは別として、警察庁内部通報処理要綱の中に『外部に弁護士等を配置した窓口を設けるよう努める』という内容を盛り込んでいる。警察では、苦情処理に関するかつての苦い経験を踏まえ、警察法を改正するなどして苦情の申出制度を整備し、組織の信頼回復、信頼失墜の防止等に真摯に取り組んでいるところであるが、今回の公益通報者保護法の施行を期に、意識改革をさらに徹底してまいりたい」旨、説明があった。

(2)認定個人情報保護団体の認定に係る登録免許税の納付期限及び当該納付に係る領収証書をはり付ける書類(国家公安委員会告示及び警察庁告示)等について

官房長から、改正登録免許税法の規定に基づく国家公安委員会が認定個人情報保護団体の認定を行う場合の登録免許税の納付期限等を定める国家公安委員会告示(案)、及び行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律施行令の改正に伴う国家公安委員会における保有個人情報の開示の実施の方法に関する定め(案)について説明がなされ、原案どおり決定するとともに、警察庁長官が認定を行う場合について定める警察庁告示等について報告がなされた。

(3)財団法人都市交通問題調査会の解散の許可及び残余財産の処分の認可について

交通局長から、財団法人都市交通問題調査会の解散及び残余財産の処分方法について説明がなされ、原案どおり決定した。

大森委員より、「財団法人の解散事由は非常に限定されているが、今回のような場合に解散できると寄付行為に規定されているのか」旨、質問し、次長から、「寄付行為の第35条第1項には、今回のような場合に解散できることが規定されている」旨、説明があった。

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。

(5)「定例(臨時)委員会の開催状況(暫定版)」の国家公安委員会ホームページへの掲載について

国家公安委員会会務官から、国家公安委員会の開催状況の公表に関し、「より適時適切に国民に対して説明責任を履行するという観点から、新年度から定例(臨時)委員会の翌週に『定例(臨時)委員会の開催状況(暫定版)』を国家公安委員会ホームページに掲載することとしたい」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、3月23日に行われた参議院予算委員会等の状況について報告がなされた。

(2)行政手続法の一部を改正する法律の施行について

官房長から、行政機関が定める政令省令等を意見公募手続等の対象とすること等を内容とする行政手続法の一部を改正する法律の概要について報告がなされた。

(3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、「広島県警察の巡査が、同県警察学校学生寮内において、同僚の現金を窃取した事案に関し、同県警察は、3月29日、同巡査を懲戒免職処分とした」旨の報告がなされた。

大森委員より、「採用直後の事案であり、監督責任の問題は起こらないと思うが、このような事案の場合、採用の問題がある」旨、発言し、官房長から、「最近、今回のような事案が散見されるが、採用の段階で人物を細かく見極めることは困難であり、むしろ日本国民全体の規範意識の低下が大きく関わっているのではないかと思う。しかしながら、今後も発生することが予想されるこの種事案を防止する必要があることから、全国都道府県警察に対し、金銭に関わるチェックシステムをより強化するよう指示しているところである」旨、説明があった。

葛西委員より、「本人は10月採用とのことであるが、警察官は通年採用を実施しているのか。また、過年度卒をかなり採用しているのか」旨、質問し、長官から、「大量採用の場合には、基本的には春、秋の2回に分けるなどして採用している」旨、官房長から、「専門学校で公務員試験の勉強をしたり、また民間企業で勤務してから採用される過年度卒の警察官もかなりいることから、後日、調べて報告したい」旨、説明があった。

葛西委員より、「私が関心あるのは、新卒ですぐに採用された者と過年度卒で採用された者との間で、不祥事を起こす率、勤務成績その他で有為の差があるのかということである。一般的には、どこかで不都合を起こして辞めて入ってくる者の中には、優秀な人物がいるという比率が低く、長期にわたって勤務し昇進することを前提とする組織の場合には、中途採用は余程注意深くすべきではないか」旨、発言し、官房長から、「自分の経験で言うと、昔は、民間企業での勤務経験がある警察官は志が高く、また有能な人材が多かったと思う。最近の過年度卒の警察官の状況については、後日報告させていただきたい」旨、説明があった。

委員長より、「過年度卒と新卒の場合では、給料に差があるのか」旨、質問し、長官から、「警察官として採用される前に勤務経歴があれば、勤務経歴の内容によっては給料の位置付けが変わることがある。いずれにしても、公安職である警察官には、当初の段階では、一般職の公務員より高い給料が支給されているところである」旨、説明があった。

吉田委員より、「共済等で生活資金を借りることができる制度があるのではないか。返済期間等の条件はどうなっているのか」旨、質問し、生活安全企画課長から、「大きな金額ではないが、ある程度の金額なら借りられるような仕組みはある。返済については無理のない返済計画になっているはずである。なお、今回の警察官のように、採用されて間もない警察学校に入校中の者は借りることは出来ないはずである」旨、長官から、「本当に必要であれば、本人の貯金等から使うべきであり、結局は、道徳観念や規範意識が薄れているのだと思う」旨、説明があった。

(4)防犯パトロール車への青色回転灯を装備する手続の緩和について

生活安全企画課長から、「自主防犯意識の高まりにより、防犯パトロール車への青色回転灯の装備が進んでいるところであり、その装備についての手続を緩和するため、国土交通省が道路運送車両の保安基準等を改正することに伴い、警察署、運輸支局等における具体的手続の簡素化について、7月1日実施に向けて同省と協議を進めている」旨の報告がなされた。

(5)平成17年度総合セキュリティ対策会議報告書について

生活安全企画課長から、総合セキュリティ対策会議における「インターネット上の違法・有害情報への対応における官民の連携の在り方」についての検討結果を踏まえ、同会議において「インターネット上の『ホットライン』の必要性及びその運営の在り方に関する提言」について取りまとめた平成17年度総合セキュリティ対策会議報告書の概要について報告がなされた。

(6)行政対象暴力対策等の推進状況について

刑事局長から、生活保護からの暴力団排除に関する福祉事務所等との連携強化、全国市長会長等に対する行政対象暴力対策の強化等についての申入れ、独立行政法人水資源機構との同機構発注工事等からの暴力団排除についての合意等、行政対象暴力対策等の推進状況について報告がなされた。

(7)薬物乱用対策に関する世論調査結果の概要について

刑事局長から、薬物乱用対策に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするために本年1月に内閣府において実施した世論調査の結果概要について報告がなされた。

佐藤委員より、「MDMAは他の薬物と比べて認知度が低いが、このことは名称の問題と関係があるのではないか。最近は、略称ばやりで横文字の略称も多く、『MDMA』も、専門に扱っている警察関係者、愛好者等一部の者が知っているだけである。今回のような調査は、多くの人に薬物は危険であるということを認知してもらうことも大きな一つの目的だと思うので、名称を工夫して分かりやすいものにするなどして認知度を高めるための一助とすることも考える必要があるのではないか」旨、発言があった。

葛西委員より、「私自身、今日初めて『MDMA』という言葉を聞いたが、どのようなものか」旨、質問し、刑事局長から、「別名『エクスタシー』と呼ばれ、麻薬の一種で、多くは文字や絵柄の刻印が入るなどした錠剤の形で密売されている。他の薬物とは異なり、容易に口から摂取することができるため、抵抗感や罪悪感が希薄になりやすく、少年を始めとして乱用が懸念されている。そのため、先般、お配りした広報資料でも、覚せい剤、大麻に次ぐくらいのスペースを使って広報啓発に努めている。また、MDMAに係る検挙人員の約7割は29歳以下の若年層であることから、中高生に対する広報啓発のため、ビデオを作成したり、学校まで赴いて教養するなどの活動を行っているところであり、今後とも引き続き様々な広報啓発活動を行っていきたい」旨、説明があった。

)「平成18年春の全国交通安全運動」の実施について

交通局長から、「4月6日から15日までの間、『子どもと高齢者の交通事故防止』、『自転車の安全利用の推進』及び『シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底』を重点とした、春の全国交通安全運動を実施する」旨の報告がなされた。

)豪州政府主催のPSI航空阻止訓練への参加について

警備局長から、「警察庁は、警視庁(公安機動捜査隊)の協力を得て、4月4日から6日までの間、我が国の関係省庁とともに、豪州ダーウィンで行われるPSI(拡散に対する安全保障構想)航空阻止訓練に職員を派遣する。我が国の警察当局が、海外で行われるPSI訓練の実動分野に参加するのは、今回が初めてである」旨の報告がなされた。

3 その他

(1)官房長から、これまでの地域警察官の受傷事案等を踏まえた『改良型耐刃防護衣』の試作品について報告がなされた。

吉田委員より、「耐刃防護衣の整備に要する費用は国費なのか」旨、質問し、官房長から、「従来から補助金の対象となっている」旨、説明があった。