定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成18年3月9日(木)
午前10時00分~午後0時45分
第2 出席者 沓掛委員長、川口、大森、佐藤、吉田、葛西各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、警備局長、情報通信局長
首席監察官
第3 議事の概要
1 議題事項
(1)人事案件について
官房長から、「3月31日付けを始めとする内閣承認人事2名の人事異動について内閣に承認を依頼していただきたい」旨及び「3月23日付けを始めとする地方警務官161名の人事異動について発令していただきたい」旨の説明がなされ、原案どおり決定した。
(2)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「愛媛県警察における捜査(報償)費不適正執行事案等に関し、3月14日、警察庁等は、前同県警察本部長ら5名を戒告等とするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、地方警務官5名を本部長訓戒等の措置とする予定である」旨の説明がなされ、原案どおり了承した。
(3)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第20条第5項に規定する指定試験機関を指定する規則の一部を改正する規則案について
生活安全局長から、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第20条第5項に規定する指定試験機関を指定する規則」において指定試験機関として指定されている財団法人保安電子通信技術協会の事務所の移転に伴う同規則の一部を改正する規則案について説明がなされ、原案どおり決定した。
(4)第8次交通安全基本計画最終案について
交通局長から、平成18年度から22年度までを計画期間とする第8次交通安全基本計画の最終案について説明がなされ、原案どおり決定した。
佐藤委員より、「最終案では、『今後の道路交通安全対策を考える視点』として、『少子高齢社会への対応』という見出しについて『少子』という言葉が後から付け加わったようだが、交通安全対策の面では、少子対策と高齢化対策とで内容が異なるのではないか。また、『高齢社会』という表現についても、国内の現状は、一般的に『高齢化』の過程であり、『高齢』と断定することには違和感を覚える。最終案の修正を求めるものではないが、交通安全対策上の政策概念としては、今後もっとよく整理すべきではないかと思う」旨、発言し、長官から、「65歳以上の高齢者の全人口に占める割合によって、『高齢化社会』、『高齢社会』と使い分けており、今後5年間に『高齢社会』へ移行すると見て、このような記載になっているのではないか。また、『少子』に関しては、通常、『少子化社会』ではなく、『少子社会』と一般的に言われているところである」旨、説明があった。
葛西委員より、「交通安全対策で『少子』、『高齢(化)』という言葉を使用した場合、それぞれ『少ない子どもだから子どもを守らなければならない』、『高齢者が増加するから危険なことをしてしまう人が増加する』という意味合いのものである。年少者や高齢者に対する交通安全対策で、『年少者や高齢者は交通事故に遭いやすいから注意しましょう』という意味で使用するならば、この問題は少子化、高齢化にかかわらず存在する問題であり、むしろ『年少者』、『高齢者』又はそれらに類する言葉で表すべきであって、『少子』と『高齢(化)』という言葉を使用し、また両者を並べることは、概念整理上、不正確な気がする」旨、発言し、交通局長から、「子どもの交通安全対策は従来から取り組んでいるが、少子化が進む中で、特に子どもを大事にすべきではないかと考える方が出てきているのも確かである」旨、長官から、「『少子』が盛り込まれた経緯等は承知していないが、最終案では、『安心して子どもを生み、育てることができる社会を実現するためには、子どもを交通事故から守る観点からの交通安全対策が一層求められる』旨、記載されており、これを読むと、安心して子どもを生み育てるためには、子どもを交通事故から守って少子化を食い止めていこうという意味だと思う」旨、説明があった。
交通局長から、「若干補足すると、『高齢社会』と『高齢化社会』の定義は内閣府で整理しており、65歳以上の高齢者の人口が7%を超えた段階で『高齢化社会』、14%を超えた段階で『高齢社会』と定義している関係上、既に高齢社会となっており、『高齢社会』と記載することとしたとのことである。なお、両者を併せて『高齢化社会』と言うこともある。『少子高齢社会』の少子については、交通安全は少子化の観点からも重要であるとの意見等を踏まえて『少子高齢社会』としたとのことである。警察庁では、従来から交通安全対策の重要な一つとして、子どもの交通安全対策に取り組んでいるが、かねてから、幼児保護のためには、幼児が自転車に乗車する際に幼児ヘルメットの着用を義務付けることは少子社会において大事なことだという議論もあったこともあり、『今後の道路交通安全対策を考える視点』として『少子高齢社会への対応』が盛り込まれた際、このような視点から盛り込まれたものであろうとの印象を持ったところである」旨、説明があった。
(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会あての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、一部修正の上、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)国会の状況について
官房長から、3月6日に行われた参議院予算委員会等の状況について報告がなされた。
(2)「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案」について
官房長から、昨年末に閣議決定された「行政改革の重要方針」を受け、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革についてその基本理念及び重点分野における改革の基本方針その他の重要事項等を定めた「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律案」について報告がなされた。
大森委員より、「この法案の提出は内閣が決めたことであり、また国家公安委員会に直接関わるものではないが、私の考えを述べておきたい。法律として成立すれば国会の意思として確定され、今後5年間に止まらず、将来の公務員の姿を決定するという実質的な効果を持つことになる。警察は人が最大の資源であるが、行政改革の重点分野として『総人件費改革』が掲げられ、将来、志高く熱意を持って有為の若者が警察庁及び各都道府県警察の警察官を志望してくれるのか非常に心配である」旨、発言し、官房長から、「先ほど申し上げたとおり、総人件費改革に関しては、事務的に個別の確認を取っており、各省庁一律5%の削減ではなく、事務事業によって削減率に差異があるなど、公務員全体として一般的に影響はあるものの、今後の警察官の増員に関し、特に影響があるとは考えていない」旨、長官から、「この法律の成立後における改正等により、将来の地方警察官の増員等に影響を及ぼす可能性も否定できないが、現在の法案で示されている平成22年までの総人件費改革については特に支障はないと考えている。ただ、いずれにしても、治安のために貢献したいという高い志を持っている優秀な人材を一人でも多く集めることは重要であると思う」旨、説明があった。
大森委員より、「法案では公務員の純減をうたっているが、警察関係の公務員が純減しても構わないとか、純減に関して警察は特に影響はないという甘い考えを持っていると大変なことになると思う。治安回復が非常に重要な施策になっている時代なので、この法案における総人件費改革を深刻に受け止め、より優秀な人材を集めることができるような努力をすべきである」旨、発言があった。
(3)公益法人制度改革3法案について
官房長から、平成16年12月24日に閣議決定された「今後の行政改革の方針」に基づき、一般的な非営利法人制度、公益性を有する非営利法人を判断する仕組み、現行公益法人の新たな制度への移行等に関し所要の規定を整備した公益法人制度改革3法案について報告がなされた。
(4)殉職事案の発生について
官房長から、「高知県警察の巡査長が、平成18年3月3日午後2時34分ころ、吾川郡春野町内の国道56号線を白バイで走行中、駐車場から右折横断しようとしたスクールバスと衝突し、同日午後3時40分、収容先の病院で死亡、殉職した」旨の報告がなされた。
(5)監察の取扱い事案について
首席監察官から、「埼玉県警察の巡査部長が、誤ってけん銃を発砲し男性に傷害を負わせた事案等に関し、同県警察は、3月10日、同巡査部長等を停職処分とするとともに、監督責任として、上司ら2名を本部長訓戒等とする予定である」旨及び「熊本県警察の事務吏員が、宿舎維持費等を横領した事案に関し、同県警察は、3月10日、同事務吏員を懲戒免職処分とするとともに、監督責任として上司ら3名を本部長訓戒等とする予定である」旨の報告がなされた。
葛西委員より、「埼玉県警の事案で、最も反省すべき点はどのようなことか」旨、質問し、首席監察官から、「今回の巡査部長は、自転車の無灯火であった男性に職務質問し、その後、同男性から執ような抗議を受けて暴行を受けるに至り、結果的には、同巡査部長が誤ってけん銃を発砲し同男性に傷害を負わせたものであるが、暴行を受けた段階で、公務執行妨害罪で現行犯逮捕するなど強い姿勢で臨むべきであった」旨、説明があった。
葛西委員より、「今回の巡査部長に対する処分は別として、警察官4名に対して相手方は2名であるにもかかわらず、非常に頼りない対応である。相手方の自転車は無灯火で明らかに職務質問しても不自然ではないのであるから、職務質問に対して乱暴な態度で反撃してきたならば、土壇場になってけん銃発砲により威嚇しようとする前に、積極果敢に制圧しなければならなかったはずである。相手方のこのような行為に対して宥和妥協して平穏無事に収めようという態度は、法を守る立場にある警察官の姿勢としては良くないと思う。是非とも指導を徹底していただきたい」旨、発言し、長官より、「今回の巡査部長は、自ら公務執行妨害罪で現行犯逮捕すべきであったと思うが、そこに後から臨場した警部も、自ら現行犯逮捕するなどの措置を執らずに傍観しており、本当にお粗末極まりない」旨、官房長から、「この事案は、昨年の4月30日に発生したものであるが、そのころ、平成16年7月には埼玉県警の交番勤務員が付近で発生した傷害事件を傍観していた事案、また、平成17年2月には警視庁の警察官が、向かって来た男性を背にして逃走した事案等が発生していたことを踏まえ、昨年6月の全国警察本部長等会議において、地域警察を中心とした精強な第一線警察の構築に向けて、各都道府県警察本部長に総合プランの作成を指示し、その後各都道府県警察では同総合プランの実現に向けて懸命に取り組んでいるほか、各級警察学校における教養を見直して、警部の指揮能力の向上を図り、また警部補及び巡査部長に対する実践的な訓練を行っているところである」旨、説明があった。
(6)平成17年中のストーカー事案の対応状況について
生活安全局長から、平成17年中のストーカー事案の認知件数は12,220件で前年比-1,183件(-8.8%)であり、一方、ストーカー規制法の適用状況は、警告が1,133件で前年比-88件(-7.2%)、ストーカー行為罪による検挙が198件で前年比-2件(-1.0%)であり、また他法令によるストーカー事案の検挙は、701件で前年比-51件(-6.8%)であること等、平成17年中のストーカー事案の対応状況について報告がなされた。
(7)平成17年中の配偶者からの暴力事案の対応状況について
生活安全局長から、平成17年中の配偶者からの暴力事案の認知件数が16,888件で前年比+2,478件(+17.2%)で、配偶者暴力防止法に基づく保護命令の通知は2,178件で前年比+404件(+22.8%)、保護命令違反による検挙は73件で前年比+16件(+28.1%)であること等、平成17年中の配偶者からの暴力事案の対応状況について報告がなされた。
(8)自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体の活動状況について
生活安全局長から、平成17年末における自主防犯ボランティア団体の団体数は19,515団体で、前年同期と比べて約2.4倍になり、その活動頻度も増加していること等、自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体の活動状況について報告がなされた。
(9)大規模災害発生時における広域検視支援体制の整備について
刑事局長から、「大規模地震、航空機事故等の大規模災害の発生に際し、多数の遺体に係る検視等を的確に行い、速やかに遺体を遺族等に引き渡す必要があることから、広域緊急援助隊の任務として、新たに『大規模災害により死亡した者に係る検視又は死体見分及びその者の遺族等への遺体の引渡し』を追加するなど、必要な見直しを行うこととした」旨の報告がなされた。
(10)信用金庫会長等に係る背任事件の検挙と暴力団排除対策について
刑事局長から、「警視庁は、3月3日までに、信用金庫会長らに係る背任事件において、同金庫会長及び住吉会住吉一家波木六代目総長など8名を検挙した。警察においては、今回の検挙で未だ金融機関が暴力団等反社会的勢力との関係を遮断できていない実態が明らかになったことから、更に、関係省庁とも連携しつつ、金融取引における暴力団排除対策を推進する」旨の報告がなされた。
(11)運転免許保有者数の現状と5年後の推計について
交通局長から、平成17年末の運転免許保有者数は約7,880万人で、5年後の22年末には約8,020万人となり、65歳以上の高齢の運転免許保有者数は、5年後に約1.24倍となるとそれぞれ推計されること等、運転免許保有者数の現状と5年後の推計について報告がなされた。
(12)皇太子殿下のメキシコ国御訪問等に伴う警衛警備について
警備局長から、「皇太子殿下は、3月15日から21日までの間、メキシコ国大統領からの招請を受け、メキシコ市において開催される『第4回世界水フォーラム』開会式御臨席等のため、メキシコ国を御訪問になるとともに、御帰国の途次、カナダ国へお立ち寄りになる。本御訪問に関し、皇宮警察を始めとする関係警察で警衛警備を実施する」旨の報告がなされた。
(13)情報セキュリティ対策の徹底のための緊急対策の実施について
情報通信局長から、「情報流出事案の発生を踏まえ、都道府県警察等に対して通達を発出し、情報セキュリティ対策の徹底を図るための緊急対策を実施することとした」旨の報告がなされた。
川口委員より、「公務使用届出承認を受けた私物パソコンがあるということであるが、例えば警察署等で公務に使用している私物パソコンは、公用のパソコンと同様に扱って、原則として持ち帰らせない、外部との通信をさせないということ等を徹底させる必要がある。また併せて、難しいとは思うが、公務で使用している私物パソコンは私物であって私物ではないという意識を常に持ってもらわないと困ると思う」旨、発言し、情報通信局長から、「私物のパソコンを公務で使用することになった途端、私物であるにもかかわらず私用が制約されるという形態になるが、公務で使用している私物パソコンの管理を徹底したい」旨、説明があった。
葛西委員より、「公務で使用している私物パソコンは、許可があれば持ち帰って良いとのことであるが、持ち帰った際、インターネットへの接続を禁止するなどのルールはあるのか」旨、質問し、情報通信局長から、「必要あれば許可を取ってインターネットに接続することは可能であるが、許可を取るに当たっては、相応の理由が必要である」旨、説明があった。
葛西委員より、「インターネットに接続すれば情報の漏洩は防ぎ切れない。接続する端末と接続しないものと使い分けるべきだ。仮にインターネットに接続しなくても、家に侵入されて情報を取られることもあり得る。外部記憶媒体に記憶させ、取り外して保管するような注意が必要ではないか」旨、発言し、長官から、「ご指摘の点はもっともであるが、ご指摘のような管理方法を実施した場合、業務を開始する際には保管場所へ媒体を取りに行き、さらにパソコンにダウンロードして、やっと業務が開始できるということになり、また捜査員等は自宅から直接捜査現場に赴くこともあるが、一旦保管場所まで媒体を取りに行くことになると非常に非効率となる。また、外部記憶媒体で管理し、保管場所を決めておいても、コピーするなどして持ち出すことは可能で、この全てをチェックすることは困難である。結局、最後は、本人の認識としてインターネットに接続すると必ず漏れるという前提に立ってもらうという意識付けを徹底する以外に方法はないと思っている。そのため、全てのパソコンを公的なパソコンにしても、最後には意識の問題が残るわけで、そこで意識付けを徹底するため、確認書の提出等各種緊急対策を3月31日までに実施させ、その実施結果の報告を求めることとしている」旨、情報通信局長から、「先ほど説明したとおり、確認書を提出させることとしており、その内容は各都道府県警察で工夫することとなるが、基本的には、ルールに反するようなことをした場合には厳しい処分を受けますという内容の確認書を作成させ、本人に意識付けさせることになる」旨、説明があった。
3 その他
(1)委員長より、警察情報の流出事案の発生に関し、「岡山県警及び愛媛県警で相次いで情報が流出し、これからこのようなことがないように是非お願いしたい。これらの事案では、個人のパソコンを使用しており、どうしても自分の物であるという意識があって、公私混同で使用している状況にある。公務で使用している私物パソコンは全国の警察職員が公務で使用しているパソコンの5割強であり、この問題を抜本的に解決するには、全てを公費で購入したパソコンとすべきであり、岡山県警や愛媛県警の他に情報の流出事案が発生しないように、来年度の予算等で、できるだけ早期に公費のパソコンに切り替えられるようにしていかなければならないと思っている」旨、発言し、長官から、「都道府県警察で使用するパソコンの整備に要する費用は都道府県費であるから、予算を取るために都道府県警察に頑張っていただくしかないと思っている、その趣旨のことは、一昨日付けの通達の中にも盛り込んであるので、可能な限り公務で使用する私物パソコンを無くしたいと思う。ただ、すべて公費のパソコンにしても、外部の記憶媒体に移して、私物のパソコンに入れてしまえばチェックは不可能であるので、私物パソコンにウイニーが入っていないかどうかチェックさせ、その結果のハードコピーを全員に提出させることで、職員に対して意識付けを図ることとしており、これが徹底されればかなりの効果はあるだろうと思う」旨、説明があった。
(2)平成17年9月29日開催の国家公安委員会において、大森委員から指摘のあった国家公安委員会の権限に属する事項で専決処理している案件の事後報告に関し、生活安全局長から、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に基づき、試験事務を行う指定試験機関として指定されている財団法人保安電子通信技術協会の事務所の移転に伴い、同協会より、国家公安委員会あてに試験事務規程変更承認申請書が提出されたが、長官決裁の上、同規程の変更を承認する予定である」旨、交通局長から、「構造改革特別区域法に基づき、『公共交通利用促進事業』に係る特例措置を活用した兵庫県神戸市の作成に係る構造改革特別区域計画について、内閣総理大臣から、同計画の認定に当たって国家公安委員会の同意を求められたが、長官決裁の上、同計画に同意する旨回答した。また、自動車安全運転センター法に基づき、同センター理事長から、国家公安委員会に対し、同センター評議員(11名)の任命の申請がなされたが、長官決裁の上、同評議員の任命について認可を行った」旨、官房長から、「ただいま、生活安全局長及び交通局長から警察庁長官の専決処理案件について報告したが、今後、警察庁長官の専決処理案件については、委員各位への連絡、あるいは国家公安委員会での報告を行うなど、案件の内容に応じて行うこととしたい」旨の説明がなされた。
(3)生活安全局長から、平成17年12月15日開催の国家公安委員会において、吉田委員及び佐藤委員から指摘のあった都道府県警察におけるホームページ等を活用した防犯情報の提供に関し、「都道府県警察の防犯情報の提供方法は、大別して『ホームページを活用する方法』、『携帯電話のメール機能を活用する方法』及び『テレビ、ラジオあるいは交番便り等によるもの』の3つあろうかと思う。ホームページの活用状況を見ると、全ての都道府県警察でホームページを開設して各種情報を提供しているが、その内容、利用しやすさにおいて若干格差がある。例えば市町村別の犯罪の発生件数を掲載することは、市町村自身の取組みを促すという点で大きな意味があるが、市町村別の犯罪の発生状況を掲載しているのは36都道府県である。また、地図上に犯罪発生場所を示して非常に分かりやすくしている県もあるが、これは31都道府県に止まっている。例えば北海道警のホームページでは、250メートルの範囲まで拡大して、犯罪の発生状況を見ることができるようになっている。京都府警のホームページでは、犯罪の発生状況を地図に示すとともに、犯罪や不審者の概要が分かるような情報も提供している。以前、防犯情報にアクセスしにくい県もあるという指摘もあったが、広島県警のホームページのトップページは、『減らそう犯罪』という言葉を用い、減らそう犯罪情報官のコーナーや犯罪情報にすぐにアクセスできるような、また興味をそそるような構成となっている。沖縄県警のホームページのトップページには、『身近な犯罪抑止対策』というのがあり、ここにカーソルを合わせると、すぐ右に『身近な犯罪Q&A』、『防犯対策』等が表示され、そこをクリックするとその内容が見ることができ、またトップページの右下に『不審者情報~未成年者に対するもの~』というのがある。静岡県警のホームページのように、学校や防犯ボランティア団体に活用してもらいたい寸劇やちょっとした読み物を提供している県もある。このような形でいろいろな工夫を凝らしているが、先ほど申し上げたようにもう少し使い勝手を良くして欲しいと思うような県警もあるので、そうした点を含め、各県のホームページが全体として充実したものになるように今後とも指導していきたい。大阪府警では、広く府民に犯罪の発生を可能な限り短時間に知らせることを目的として、『安まちメール』という名称で、本年1月23日から携帯電話を活用する情報提供ネットワークシステムを開始している。同システムでは、希望した府民の携帯電話に犯罪の発生状況を送信しており、例えば、ひったくりを認知した場合には、数十分のうちに、ひったくりの発生状況が送信される仕組みとなっている。大阪府警の宣伝の効果もあってか、現時点、12万7,000名を超える府民に情報を提供している。なお、大阪府警のようなメールサービスを行っているのは、17都府県に止まっている状況にある。その他の方法による情報の提供であるが、テレビ、ラジオに関しても各県いろいろ工夫をしているが、例えば、愛知県警では、NHKの朝のニュースの中で毎日1分程度の情報提供を行っており、また広島県警では、減らそう犯罪情報官を民放テレビへ定期的に1か月に1回出演させている。さらに長崎県警では、ケーブルテレビで枠を確保して定期的に情報を提供している。この他、交番で配っているパトロールカードにちょっとした犯罪情報を書いて、その都度、受持ち区の住民や防犯ボランティアに対して情報提供を行うというように様々な形で情報提供を行っている。ここ2年間で情報提供も積極的になされるようになり、隔世の感があると言っても過言ではないが、都道府県警察におけるそれぞれの取組内容に格差があるので、取組みが十分でない県警察のレベルを引き上げようと考えているところである。その際のキーポイントは、県民に向かって犯罪情報を発信することを責務とする専門のポストを設けているか否かであるが、そのようなポストを設けているのは、15都府県に過ぎないことから、そのようなポストを設けるなどの指導を行っていきたい」旨の説明がなされた。